00824

戯言にも満たない。

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冬乃作成の短文たち。創作中心に色々書きます。BL要素含むものもあるのでご注意を。
創作の登場人物紹介はNO.5の記事にて。
ある彼の朝の話。 NEW / ふゆの
見慣れた台所に入って冷蔵庫を開ければ、綺麗に並んだ白い卵が5つ。それからラップにくるまれた高級そうなベーコンの塊。遊びに来た姫にでも貰ったのかなと思いながら、それと卵2つを取り出して冷蔵庫を閉める。
コンロに火をつけ、上にのせておいたフライパンを温める。その間にベーコンを薄くスライスする。4枚。あいつは大食いだからもっと食べるかもしれないけれど、とりあえずこのくらいでいいだろう。もっと食べるようならまた作ってやればいい。
温まったフライパンに油を敷き、ベーコンを上に並べる。ばちばちと焼ける音がして美味しそうな香りが台所に広がった。やっぱりこれ高級品なんだろうなぁと思いながら卵を割ってその上に落とす。透明な白身が白く変わっていくのを見つつ、フライパンに蓋をした。
炊飯器のブザーはまだ鳴らないが、おかずが全て出来上がる頃には炊き上がるだろう。昨日寝る前にこっそりといでおいた。いや別にこっそりとがなくてもいいのだけれど、あいつはトーストの方が好きだけど俺は明日は米がいいなあとか思いながら。泊まるの前提で、こっそり。
とか思いつつ食器棚から皿を2枚出す。ベーコンエッグの付け合せは何がいいだろう。野菜でいいかと思いながら野菜室を開ける。レタスとプチトマト。これでいいか、と思いながら勝手に拝借。レタスを必要な分だけ剥いで、軽く洗う。プチトマトも、同じく。皿に同じ分量だけのせて、それからフライパンを開ける。むっとした蒸気が上がって、少し額に汗が滲んだ。嗚呼、さっきシャワー浴びたばかりなのに。あいつが朝風呂入るときに一緒に浴室入ってもう一回浴びようか、とか思う。うん、それも悪くはない。あいつが許してくれるかどうかは別として。
出来上がったベーコンエッグを皿にのせて、緑茶を入れていれば、電子音が聞こえてきた。うん、ぴったりだ。
炊き立ての白飯を茶碗に盛って、テーブルの上に盛っていく。白飯に、ベーコンエッグに、緑茶。2人分の朝食の出来上がり。
「さてと、」
もう一仕事。あいつを起こしに行く。狭いベッドの上、さきほどまで俺も寝ていたベッド。今は一人で全て占領しているはずだ。
「チィ」
「……む…」
名前を呼べば、もぞもぞとけだるげに布団をかぶって動いた。綺麗なプラチナブロンドが布団の中からはみ出ている。でてくるのかと思いきやでてこないので、俺は苦笑しながら少し布団を剥いだ。
「チィ」
「…何」
「朝飯できたぞ」
「何作ったの」
「白飯とベーコンエッグと緑茶」
「…一個だけ洋風じゃん」
「細かいこと、気にするなよ」
細かいことって…といいかけたチィに軽く口付ける。
何か新婚みたいだなぁとか言ってみれば、馬鹿と言われて、また布団の中に潜ってしまった。

+++
これ以上続き思いつきません(←
No.36 - 2008/10/05(Sun) 23:41:49
器用でなくても / ふゆの
この人は無口だ。とても無口で不器用な人だ。
でも伝えたいことが無いわけじゃない。沢山の伝えたいことを沢山の言葉では伝えられないだけ。不器用だから上手い言い回しとかはできなくて時々相手に冷たい印象とか怖い印象とかを受けられてしまうこともあるけれど(ぼくだって昔はそうだった、でも)、この人は本当はとても優しい人なのだということをぼくは知っている。
裏切らない誠実さも守り抜く一途さも持っていることを知っている。小動物を意外と可愛がることも、古い思い出を大切にすることも、真面目でたまに子供みたいな純粋さを見せることも、眼鏡を取った奥の瞳がとても綺麗なことも、少しささくれ立った手で、ぼくの眉とか頬とか鼻筋とかをまるで壊れやすいビスクドールを触るみたいにゆっくり丁寧になぞることも、涙を浮かべたぼくの目尻にそっと口付けることも、ぼくの体にある昔の傷跡を労わる様に丁寧に舐めることも、あなたがぼくの耳元で囁く声はとてもとても優しいことも。
ぼくはあなたを知っている。あなたの全てじゃなくても、少なくともぼく以外には見せない姿を知っている。それだけでぼくの心は柔らかに満たされる。沢山の言葉なんて要らない。器用に使いこなすことなんて出来なくていい。ぼくはあなたのその不器用さが好きだ。あなたの思いがこもった言葉が好きだ。不器用な言動で一生懸命自分の心を伝えようとしてくれる姿が好きだ。

明け方に耳元であなたの名前を囁く。伸びてきた腕の中でぼくは最上級の優しさに包まれて、再び眠りにつくのだ。ぼくだけが知っているあなたのそばで。

(あなたのすべてをあいしています)

+++
版権。うん。そうだったはず…
No.35 - 2008/09/02(Tue) 00:27:46
何を羨ましく思い何を得たいと思うのか / ふゆの
金糸のような髪なんて小説の中だけのものだと思っていたのにそいつの髪はまさにそれだった。細くて柔らかくてすぐにくるくると絡まってしまいそうなのにいつだって綺麗に梳かされていて憎たらしいほどに美しい。色だってそいつの性格に似合わない、純金のような気取らない上品さをもつ美しい金。金メッキのようにぎらぎらといやらしく主張する金ではない。朝日やら夕日やらに照らされたそれは不覚にも見入ってしまうほどのものだった。
そいつが歩くたびに大げさにポーズをとるたびにふわりと優しく舞うそれに少しだけいらつく。その髪に似合ったもっと上品な言動をしろよそんなに整った顔をしておいてその性格は詐欺だとか考えている自分に更にいらついた。嗚呼、なんてことを考えているんだ。

(もしも、もしもあの金糸に触れることが出来たならば、もしもあの揺れる金糸のように優しく触れてもらえることが出来たなら、もしもあの笑顔を自分に向けることが出来たなら、もしも、もしもあの美しさに抱かれて眠ることが出来たならば)


(何が一番欲しいのか自分でも答えなんて出せないのです)

+++
これも版権…難しいよ版権 リハビリリハビリ
No.34 - 2008/09/01(Mon) 23:37:40
まるでねこのように / ふゆの
猫のように死ぬ時は誰にも探せないところに行って、誰にも見られないところに行って死にたいと言ったきみ。おれはその言葉に「それは寂しい」と返したけれど、それはもしかしたらきみをひとりぼっちにさせること、その時のきみの思いを考えて寂しいといったのではなくて、残されたおれのこと、きみに会えなくなったあとのおれの思いを考えて寂しいといったのかもしれない。いなくなった猫を探す飼い主は自分が寂しいから探すのであって、もしも猫が、自分が死んだあとの抜け殻をみて飼い主が悲しむかもしれないという思いやりをもって姿を消したのならば、飼い主のその行動は猫の思いを踏みにじることにならないだろうか。自分が寂しいから、自分の考えだけを持って猫の気持ちを考えずに自分勝手に行動する。それは思いやりなのか自己中心的な思いなのか。決定的に判断することは今のおれには出来る気がしないが、一つだけいえることはきみが死ぬ時に一人で誰も自分を知ることの無い場所に行く時、その隣りにおれもいて良いのならば、あなたなら良いというのならばきっとおれはついていくだろう。そして息を引き取ったきみの横に同じように身を横たえて、ああこれでもう永遠に寂しくなんてならない、と安堵しながら静かに目を閉じるのだ。一人を選ぼうとしたひとの傍に、おれは無理やりに自己中心的に入り込み、最後には自分に対する安堵に包まれて、きみの思いではなく自分の思いの中で眠るのだ。まるで猫の邪魔をする飼い主のように。

(あなたのそばでずっと眠り続けられれば、それで満足なのです)

+++
うーんなんだこれは…
ベースは創作ではなく版権でしたとだけ言っておきます…
No.33 - 2008/09/01(Mon) 01:29:46
(No Subject) / ふゆの
ぐしゃりと髪をかきあげる姿も大またでどんどん歩く姿もそのくせ時折立ち止まって振り向いて後ろからちまちま歩いてる僕の姿を笑うこともそれから手を差し伸べる時もサカと一緒に楽しそうに酒盛りをしている時もシャルルと喧嘩してる時もパンナと仕事の話をしている時もぼくの家に勝手に上がりこんで勝手に夕食作って待ってる時も時々真剣な顔で遠くを見つめている時も急にぼくのこと抱きしめる時もそれから少し泣く時も慰めるときも慰められる時も冗談で何か言う時も本気で何か言う時もぼくが起きた時にはほぼ確実に朝ごはんを作ってくれているときも口付けをするときも好きだというときも。

どんな時でもあんたがぼくの全てでした。
どうもありがとう。
さようなら。いつかまた会える、最後のその時まで。

(ああ、あれをあんたのために流す、最後の涙にするはずだったのに)

遠い思い出に今でもこの老いぼれた頬に涙は流れるのです。

+++
昔を思い出す話。
No.32 - 2008/08/21(Thu) 22:56:36
(No Subject) / ふゆのめえ
「削除防止なんだよサカくん!」
「…そう」
「…そう、じゃなくてこの変な管理人を一発殴ってやるといいと思うんだよこう、えーいって感じで!」
「…シャルル、そのフライパン、まだ目玉焼き入って……………あ…ちょっと…」
ぴゅーん

目玉焼きが宙を舞いました。
No.31 - 2008/08/08(Fri) 11:59:27
管理人の銀歯が取れたのでちょっと。 / ふゆの
がり。

「あ、」
朝食中、鈍い音がしたすぐあと、シャルルが顔をしかめた。一息遅れてどうしたの、と聞けばシャルルは答えずに口をむぐむぐと動かし、小さな黒っぽい塊を口内からつまんで出した。
「銀歯、取れちゃった」
そういって、その小さな塊を俺に見せる。小さな、黒っぽい銀色の、不恰好な塊。歯並びの良い、綺麗な白い歯の並ぶシャルルの口から出てくるには、あまりにも不釣合いだった。一体どこに、そんなものがあったのだろう。というか、何なのだろう、それは。
「…ぎんば?」
「やだな、サカくんしらないの?」
口開けて、とシャルルが言う。今は朝食中なのに。湯飲みに口をつけ、ぬるくなった緑茶で口内をゆすいで、食べかすを飲み込む。熱い緑茶と、冷たい緑茶は美味しいのに、半端な温度のお茶はどうしてこんなに気の抜けたような味がするのだろうと、いつも思う。
言われたとおりに口を開ければ、向かいに座るシャルルが乗り出して、俺の口を覗き込んだ。
「ほーんとだ、サカくん虫歯ないんだね。歯医者さん行ったことないの?」
「…ない」
生まれてこの方、医者に行ったのは片手で足りるほどしかない。だからといって体が強いわけではないのだけれど、ともあれ歯医者なんて行ったことがない。
「そっかー。口の中に、虫歯菌がいないのかな、サカくんは。悔しいなぁ」
シャルルが体勢を戻してから、何故か残念そうにため息をつく。あれは一度は経験しておいた方がいいよ、もう凄いよ、ういーんって、ぐいぃーんって、口の中が工事現場なんだから、と彼が語る傍で、工事現場は止めてほしいと俺はぼんやり考える。せめて、掃除機か洗濯機くらいがいい。
「…あ、でも」
「何?」
鮭の塩焼きをひとかけら、箸で摘んで口に含んだシャルルは口を動かしながら言う。金髪に碧眼でジャボの付いたブラウスを着た少年には、箸は似合わないな、と毎度のことながら思う。取れた銀歯は無造作に茶碗の隣りに転がしてあった。
「…最近、右の奥歯が、少し染みる」
「あっ、それは虫歯の予兆だねーあははー」
あははって、と内心思いながら、
「…でも」
「うん?」
「どうして、急に」
幼い頃から、歯が痛んだことなんてなかったのに、どうして何年もたってから急に虫歯ができるんだろう。元々虫歯を作る菌がいないってことは、俺には虫歯になる資格(という言い方は何か変な気がするけど)がなかったんじゃなかったのか?それなのに何で?
どうしてだろう、とシャルルに聞けば、あはは、とまた軽く笑われた。そのまま、湯飲みに口をつけ、一口飲む。彼には湯飲みも似合わない。
それはさぁ、と聞こえてがたん、という音がした、と思った一瞬には、もう金糸が目の前でふわふわと揺れていた。彼の首筋についている香水が香ったのとほぼ同時に唇を舐められた。俺が驚きに体を固くしていれば、今度は入ってきた舌に、歯の裏を舐められた。生暖かい緑茶の味が、強く口内に広がる。離れた時に生まれた銀糸もぺろ、と全て舐め取られた。
「僕とこういうこと、してるからじゃないの?」
離れた顔が、にまりと笑う。いたずらの成功した子供のような笑み。蒼い海の瞳が細まれば、一歩遅れて俺の頬は火照りを帯びた。
「ぼくの菌が、うつっちゃったんだよ」
白い指が頬を撫でる。そのまま髪の毛に手は移り、軽く梳いたあと、今度は肩のラインをなぞった。
そう思わない?と囁いて、耳を食まれる。無意味だと知りながらも強く感じないようにぐっと目を瞑って、ご飯、食べてから、と見当違いの返事を俺は返した。

+++
方向性が、ずれました。朝から何やってるんだか
No.30 - 2008/06/18(Wed) 23:57:55
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