01889

戯言にも満たない。

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短文放り込んであります。ほぼ創作。たまに版権。
えろぐろほも有、全体的にR15くらいです注意報発令中
(No Subject) NEW / fu
夢うつつ、絡んだ指はまぼろしかと思ったけども、しっかりした線と関節と確かな温かさに本物だと気づく。まぼろしというのは決まってやわやわとしていて境目の分からない、線の見えないものだと私の中では決まっていた。寝たふりをして握り返さずに居たら、絡んでいた指はゆらゆらとうごめいて、私の人差し指をにぎったり、親指の腹を撫でたり、好き勝手に遊び始める。手のひらをかりかりと引っ掻く、その動作がまるで構って欲しがる猫のようで、思わず私はくすくすと笑ってしまった。随分爪が伸びている。あとで切ってあげようかなあと思いながら、私はまぼろしではない愛おしい手に、指を絡めた。
No.69 - 2012/02/01(Wed) 01:20:50
(No Subject) / ふゆの
肌、結構白いなあ。
フローリングの床の上に申し訳程度にひかれた安物のカーペットの上で仰向けになっている彼のほっぺたに指を這わせながら、僕は改めてそんなことを思った。
お風呂から上がったばっかりの時は桃色に染まってたけど、ちょっと冷めてきた今見ると、意外と白い。うーん、昔からこんなに白かったっけ?うーん、うーん、そんな気もする。僕の想像の中の彼はもう少し焼けていた…のはあれは高校生だったからか。うん、そうだ、体育祭とかやってた。まだ付き合い始めの頃で自分の競技が終わって木の下でぼーっとしてたなあ、彼。友達少ない訳じゃないし、女の子にも人気あったのに。なんで結構一人のこと多かったんだろ。あれかな、オーラかな、スマートで寡黙でストイックな感じなとこがちょっと孤高の人ーみたいな感じで近寄りがたかったのかなあ。実際は確かに口数が少なくはあるけど、面倒見良くて、素直で、寂しがりな可愛い人なのになあ。あと別にそんなすごいストイックじゃないし。そんなの知ってたのも僕だけなんだなあと思うと、自然と笑みがこぼれて来る。あんまりにも嬉しくて、押し倒されて何していいかわかんなくなってる彼に口付けた。薄いけど柔らかい。これは昔から変わらない。告白された直後にした時も体育祭の時に木の陰に隠れてした時も僕が留学を終えて日本に帰ってきた時も、こうやって成長して大人になった今も。舌が暖かくて、唾液と一緒に生き物みたいに動いてる。舌使いも上手になったなあ。僕もだいぶ頭の芯が痺れてぼやけるようになったよ。昔は自分が息継ぎするのに精一杯で、何かキスだけでしんじゃいそうだったのになあ。涙とかすっごい浮かべてたしなあ。ああ可愛かったなあ。今でも可愛いけど。
生き物みたいな真っ赤な舌を軽く噛んでひっぱり出してみたら、つーって唇の端から唾液が流れた。閉じてた目が薄く開いて潤んでる。蛍光灯の電気が反射して目元がラメを散らしたみたいにきらきらしていた。ほっぺたがお風呂上りの時の色に戻ってきていた。熱い吐息が僕のほっぺたにかかって、僕の顔も段々熱くなってきた。
ベッドがあるにも関わらず、床で始めようだなんて、同棲までしてるのにわざわざ飲み屋街の近くにある安いホテルに入るなんて、ちょっと変なシチュエーションのような気もする。でも別に酔った勢いだなんて、そんなんじゃない。僕も彼も実はそんなに飲んでない。ただ久しぶりに2人の休みがあったから、たまには外に出て、いつもしないことしてみたくなっただけ。学生の時にはもう戻れないけど、でもちょっと戻りたいなって、あのフリーダムで若くってなんでもできてきらきらしてた時間が懐かしくって。あの時はこんなふしだらなことはまだしてなかったから、もうそれを知ってる時点で戻れてないのかもしれないけど。
咥えてた舌を離したら、つ、って糸が引いてちぎれた。意外と肌白いよねえ、綺麗だねって笑いながら言ったら、桃色の目元が更に赤くなった。君の方が、綺麗って、ぼそぼそって呟いて、ああやっぱり可愛いなあ、と思って僕は顔をほころばせながらそのまま首筋に顔を埋めた。
No.68 - 2010/06/15(Tue) 00:58:41
(No Subject) / ふゆの
首を絞めるのは愛情か、否、劣情から生まれる歪んだ愛?憧れは「それ」になりたいという感情で自分を殺したいという自殺願望。「それ」になりたいなりかわりたい「それ」を自分にその才能を下さい嗚呼妬ましやうらめしや、何故あなたはわたしではないのか、何故わたしが選ばれないのか、ねえねえなあなあ、聞いてる?聞こえてる?神は二物を与えて禁断の林檎を食べたのはきっとわたしの祖先ではなくて零物のわたしはきっと人間にもなりえない。最低な嫉妬をして土下座の上に踏めばいい。見えないくせに見えてないくせに何もやらないくせに欲しがってばかりは外道で下道。地を這うような心持で何ができるのか。周りに廻って輪廻転生。百八つの煩悩を消して零から生まれて無に還る。結局は空で、嗚呼眺めた心の中には何も入ってはいませんでした。
No.67 - 2010/06/02(Wed) 22:56:56
(No Subject) / ふゆのめえ
足元なんていじらないでそんな回りくどいことなんてしないで。どうぞ直接的に。遠慮なんてしないで。
あなたの綺麗な黒い髪をどうぞ僕の首元に胸元に腕に肌にまとわりつかせて。白い肌と黒い髪のコントラスト、何て美しいの!
穢れるなんて馬鹿じゃない?汚いなんて滅相も無い!何を言ってるの、何を戯言を。あなたはどこまでも美しい。
さあその帯をはずしてボタンをはずして引き千切ったっていい。あははどこまでも丁寧なんだね。細い指で小さいボタンを、
丸っこい爪で引っかいて。僕の胸も引っかいて良いのに。
頬を撫でて、唇を重ねて、愛を貴方に欲望を僕に。零れるほどに溢れるほどに。
愛とは狂気?まさか。あなたは狂ってなんか無い。
笑って口付けを。愛しく託を。愛の言葉をさあどうぞ。愛の飛沫をさあどうぞ。
金色と白だって、ほら、ねえ?結構綺麗でしょう?デコレーションは盛大がいい。美味しそうに、極上のデザート。
主食が無いって?まあそれはそれで。
指先で愛を。舌先で愛を。口内で愛を。体内で愛を。形は色々。思いは色々。決まりごとなんて無い。決まりごとなんて捨ててしまえ!
ああ体が跳ねる。揺れる。抑えられない。耐えられない。零れる。吹き出す。ああこれこそが最高の、



「…うーん、あのねえ、そんなおっかなびっくりじゃなくていいから」
「…これ以上は、」
「もー、妄想だけが先走りだよ。やっぱり君は上じゃ駄目な気がする」
「…最初から出来ないって言ったのに」
「だって、ねえ?たまにはポジションの交換も言いかと思って」
「……無理です」

+++
昔の文サルベージしてきました
No.66 - 2010/05/15(Sat) 00:56:25
若干年齢指定的予定 / ふゆの
椅子にかかっていたジャケットをはおり、通勤かばんを手に、残っていた同僚に労いの言葉を残して退社する。時刻は20時。定時は18時。2時間の残業。今は年末師走時。今年の仕事は今年中に片付けようという課長の意気込みの下、俺達社員は溜まった仕事を片付ける。課長は大らかな比較的良い上司だとは思うが、たまに仕事を溜める。そんなところはたまに傷だ。
疲れた顔のひしめく通勤快速に乗って、つり革を握る。昨日までは帰るサラリーマンに混じってきらきらと顔を輝かせた若い男女が多く乗っていた。片手には有名な洋菓子店のケーキの箱。もう片手は恋人繋ぎ。今日は25日。昨日は24日。正規のクリスマスは今日だって言うのに、この日本という国はイブが終わればクリスマスは終了。イエスキリストが生まれたことなど関係なしに電車にいるのはスーツと通勤かばんばかりだ。
つり革を握りながら俺は少しだけ寂しくなる。昨日も今日も電車に乗り、会社に行き、一人で家に帰ってごく普通の夕食を食べた。鳥の丸焼きもクリスマスケーキも一人で食べるなんてそんなことは、少し寂しい。一人身ならまだしも俺には恋人が居て、その恋人とともに住んでいる。ただ、少し珍しい職業についているその恋人は会社勤めの俺と違って仕事時間も場所も不規則だ。今現在だって、家どころか日本にも居ない。大きなクラシックコンサートのゲストとして呼ばれて、2週間ほど前からヨーロッパの方へ行っている。
(クリスマスまでには帰ってこられるって、言ったのに)
所々にネオンの光る窓の外を見つめながら思う。彼の仕事が不規則なのは分かっているつもりだし、こんなことを思っても何にもならないことも分かっている。幼い頃からの夢を彼が叶えられたことを嬉しく思っているし、あんなに美しい音楽を作り出す彼が自分の恋人だということを誇りにだって思っている。
No.65 - 2010/02/04(Thu) 01:17:35
途中。 / ふゆの
笑った彼が好きだったなんて、今更言ったって誰が信じてくれるだろう。綺麗な黒い髪を揺らして、僕の言葉にきょとんとした顔をして、それから柔らかく笑う顔。僕の話を静かに聴いていてくれたときの優しい微笑み。胸に抱いたわだかまりがそれだけで溶けてゆくような、うずく棘の痛みが安らぐような、そんな気分になる彼の素直な感情が好きだった。いつも冷たい彼の指先を何度も両手で包み込んで暖めたけれど、本当に暖めてもらっていたのはきっと僕の方だったのだ。
ぽたぽたと涙が零れる。何日も何日も泣いたのに枯れることをしらない泉のごとく、僕の瞳からはとめどなく涙が溢れる。何日もずっとずっとベッドの上にいる僕の髪はぼさぼさに乱れ、泣きすぎたせいか唇はからからに乾き、慟哭のために声はまるで老人のようにかすれていた。それでも泣き足りない。足りない足りない足りない。こんな程度では全然足りないのに。
僕は彼のことが好きだった。誰も信じてくれないかもしれないけれど、大切にしたかった。友愛という感情でも情愛という感情でも。たった一人の友人を失いたくも傷つけたくもなくて、どうしようもなく愛していた。だけれどもだからこそきっと、同じくらい愛して欲しかった。僕が彼に与えた愛情と彼が僕にくれる愛情。その二つが比例しなければ、僕は満足できなかった。僕だけのもので居て欲しかった。僕を見て僕を大切にして僕を忘れないで僕が僕の僕を。
知っていた。分かっていた。彼は彼の意思で僕を拒絶した訳ではないことを。彼は僕を思ってくれていたからこそ、あれを選択したのだということ。彼は何も悪くない。彼のせいではないのだ、決して。
No.64 - 2010/01/21(Thu) 01:04:11
チィくん→ジョエルさん / ふゆのめえ
あの人は風のような人だった、と思う。
春風のように優しくて、良く晴れた夏の風のようにからりとしていて秋風のような憂いをたまに横顔に乗せて、冬の北風のような強さを持っていた。そしていつだってゆるりと僕の心に入り込み、驚くほど器用に僕を楽しませ、眠れぬ夜には安心させ、痛いところを撫でてくれた。僕よりも頭一つ分高い身長のせいで、いつだって目線の先には一つ結びにした長い髪が揺れていた。赤いメッシュの入った小麦色の髪が細身なのに男性らしい腕と共に抱きしめてくれるときの心地よさを僕は誰よりも知っている。
あの人に僕は何かを与えられただろうか。あの人が僕と出会って、恋をし合っていた、あの短い間に。手を重ねて入れば心さえも重なるような気がしていた、あの頃に。あの人の横顔に映る暗い影の原因を、あの人は全て話してくれたのだろうか。月の無い真っ暗な夜に小さなベッドの中で聞かせてくれた、あの人の昔話。心に刺さってちくちくと蝕む棘の正体。あの夜、あの人はその話をしながら少しだけ泣いた。僕の頭の上で堪え切れない嗚咽が漏れて、僕は一層強く彼を抱きしめた。心すら抱きしめることが出来れば、すぐにでも棘を抜いてあげるのに、といつもより早く音を鳴らす心臓の音を聞きながら、僕は思ったのだ。
僕と出会わなければ、彼はもっと長く生きられたのかもしれない。たとえ限りある命だったとしても、彼がどんなに許してくれようとも、僕は自分の責任が零だとは思わない。口付けをしなければ、抱きしめなければ、手を繋がなければ、好きだといわなければ。彼はもっともっと長い時を、この国で過ごすことが出来ただろう。あんなに酷い病ではなくてもっと軽い病、あるいは事故で苦しまずに命を終えることが出来たのかもしれない。それでも、もう後悔なんてしていない。彼と心を繋ぎあわせられたことを。ずっと人を愛することを忘れていた自分に彼は沢山のものを与えてくれて、十分すぎるほどに愛してくれた。その沢山の感情を後悔なんてしたら、彼にどんな顔をしたらいいのか。死んでしまう最後の瞬間まで自分のことを思ってくれた人のことを愛さなければよかった、なんて思ってはいけない。あんなに大好きで、今でも愛している人に対してそう思うなんて、それこそがきっと最大の罪だ。
この体が朽ちるのは一体いつになるのだろう。僕の身体はあの人が愛してくれていた時とまったく変わらぬ姿のまま、気の遠くなるような年月が過ぎた今でも、この国に存在している。いつか朽ちたその時には、あの優しい両手で僕をまた抱きしめてくれるだろうか。からりと晴天の日のような笑顔で笑ってくれるだろうか。昔話をしながら、それでも強い足取りで天国への階段に導いてくれるだろうか。

(都合がいいって?自分本位だって?)
(そう言われても、それでも)
(貴方の手が差し伸べられるのをずっと待っている)

どうか最後のその時には、僕の名前を呼んで下さい。

+++
わたしは過去話しか書けんのか
No.63 - 2009/11/25(Wed) 00:32:44
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