| 夢うつつ、絡んだ指はまぼろしかと思ったけども、しっかりした線と関節と確かな温かさに本物だと気づく。まぼろしというのは決まってやわやわとしていて境目の分からない、線の見えないものだと私の中では決まっていた。寝たふりをして握り返さずに居たら、絡んでいた指はゆらゆらとうごめいて、私の人差し指をにぎったり、親指の腹を撫でたり、好き勝手に遊び始める。手のひらをかりかりと引っ掻く、その動作がまるで構って欲しがる猫のようで、思わず私はくすくすと笑ってしまった。随分爪が伸びている。あとで切ってあげようかなあと思いながら、私はまぼろしではない愛おしい手に、指を絡めた。 |
No.69 - 2012/02/01(Wed) 01:20:50
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