----- 長篇官能私小説「淫妻・麻紗美 第2話」第1章第2節をアップしました。 ----- 「どうやら、あなたにはセックスに対して、強い偏見があるようですね」
小百合は、じっと麻紗美の瞳を凝視したまま口を開いた。
「瑠里子さんがああして性の歓びを得ること、その事にこだわりがあるのでしょう?」
「どういうことでしょう」 「一言で言います。あなたは、瑠里子さんに嫉妬しています」 「な、なんていうことを・・・どういう意味です」
麻紗美は思わず声を荒げてしまった。女教師の言葉は、適格に彼女の一番触れて欲しくなかった部分に触れてきたのだ。
「ひとつお伺いしますわ。もしかして、あなた本当のセックスの歓びを知らないのじゃあ、ありませんか」 「し、失礼な。そんな事に答える必要はないと思います」
麻紗美は激しい口調でそう言ったが、小百合は少しも臆することなく言葉を続けた。
「あなたはご主人とのセックスに、必ずしも満足していない。まだ本当のオーガズムを経験したことがないのです。それなのに、あなたの娘が、母親のあなたを差し置いて女の歓びを知ってしまった。それがあなたには不安なのです」
「違います」 「あなたの中の女は、本能でその歓びの存在を知っている。しかし、あなたのつまらない理性と常識が、それを否定しているのだわ」
「違います」 「あなたは満たされていると思い込んでいる。でも、その実、その身体の中に押さえ込まれた欲望が渦巻いているわ。そして、その欲望が瑠里子さんの歓びにうねる様子を見るうちに、あなたの意識の表層までも現われてくる。身体が火照る。でも、あなたの理性と常識がその欲望を認めない。娘の欲情した様に欲望をそそられていることに、強い抵抗を感じるのだわ」
容赦のない小百合の言葉。麻紗美はその正しさを一方では理解しながら、しかし、頭を強く振らずにはいられなかった。 ----- |
No.8271 - 2017/11/27(Mon) 20:41:24
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