藤原ゼミOB,OGの皆さま
国際2期 佐藤です。 次回の課題書を選定いたしましたので、お知らせいたします。
[日時] 2024年6月1日(土) 15:00〜17:00
[テキスト] 『絵画の政治学(リンダ・ノックリン:著/坂上桂子:訳」』【ちくま文庫】 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480510907/
独断的ですが、こちらにいたしました。 翻訳調で、かつ絵画に興味のない人にとっては、いささか難儀な本かもしれません。 全章まででなくとも、いくつかの章だけでも読んでいただければと思います。
個人的に美術の世界にはずっと興味がありまして、社会思想や産業史、体制、文化などと連関を解き明かす本はないかと見て回っておりましたが、いろいろ美術や絵画そのもの歴史本や評論本はあるものの、立体的な分析や評論本はからっきしなく、いろいろ調べたところ、ほぼ唯一という形で現れた本です。
私が知らない画家もあって、個人的にも難儀な本ですが、みなさまのお知恵を拝借しながら、 画家たちがなぜ、そのようなテーマで、なぜそのような手法で描くことになったのか、作品がどのように権力者に利用されたのか、そもそも画家という存在はどのような役割を担っていたのかといったことに触れることができればと思っております。
以下、ちくまのサイトからです。
●この本の内容 美術における政治的なものをどのように考えるべきか。クールベやマネ、ドガ、スーラらの19世紀絵画を、ヨーロッパ/オリエント、純粋芸術/大衆芸術、男性/女性といった、作品を取り巻く社会的・政治的関係性から読み解いていく。フェミニズムをひとつの起点として、より広く「美術史を“他者性”の視点から考える」ことを目指した本書は、作品の新たな見方を提示するのみならず、従来の美術史規範の妥当性、イデオロギー性への問いをも投げかけた。表現形式の議論に偏重していた近代美術史に政治的視点をもたらし、美術史研究に新たな1ページを付け加えた名著。
●この本の目次 1 アヴァンギャルドの創造―フランス、一八三〇‐一八八〇 2 クールベ、オリェールと場所の意味―一九世紀美術における地域性、地方性とピクチャレスク 3 虚構のオリエント 4 カミーユ・ピサロ―気取らない眼 5 マネの『オペラ座の仮面舞踏会』 6 ファン・ゴッホ、ルヌアールとリヨンにおける織工の危機 7 レオン・フレデリックと“労働者の人生の段階” 8 ドガとドレフュス事件―反ユダヤ主義者としての画家の肖像 9 スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』―反ユートピアの寓意
以上、よろしくお願いいたします。 |
No.1420 - 2024/04/22(Mon) 08:45:50
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