東京事変DVD「Dynamite out」をようやく見ました。リリース直後に買ったのに見る時間がなくてほったらかし。「おまえは本当に椎名林檎(東京事変)ファンか?」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、お許しを。
このDVDは、東京事変初のライブツアー「東京事変 live tour 2005 "dynamite!"」のうち、2月9日の名古屋公演(名古屋国際会議場センチュリーホール)の模様を収録しています。一部収録されていない曲があるということなので、「賣笑エクスタシー」のような完全収録ではありません。 結論から言うと、椎名林檎(東京事変)のライヴDVDでは過去最高の出来です。「下剋上エクスタシー」を超えました。かなり長くなりますが、感想を収録順に書きます。
林檎の唄(作詞・作曲:椎名林檎、以下、特記しない場合は、作詞・作曲:椎名林檎)は、ストロボ効果で華々しくスタート。ミュージックステーション(2004.11.26)で見せたように星型のタンバリンを振りながら歌いました。 入水願いは2曲目にして大熱唱。目を大きく見開いて絶叫しています。 遭難は悟ったような軽い歌い方。 ダイナマイト dynamite(作詞:Tom Glazer 作曲:Mort Garson)は「Dynamite in」に収録されていました。ここで椎名林檎がコートを脱いでドレスになります。 ここでキスして。は、ひさしぶりに聴きました。懐かしい。椎名林檎の歌声は高音に伸びがあります。 晝海幹音のMCをはさんで、顔(作詞:椎名林檎 作曲:晝海幹音)。椎名林檎と晝海幹音の二重唱。椎名林檎がクラシカルギターを弾いています。 続いてif you can touch it(作詞・作曲:晝海幹音)。先ほどの晝海幹音のMCによれば、晝海幹音のファーストアルバム「夢と寝言」(残念ながら廃盤らしい)に収録されている作品です。これも椎名林檎と晝海幹音の二重唱。一度聴くとなかなかクセになる曲です。バンドの伴奏も充実。 母国情緒もリラックスした歌い方。椎名林檎は足踏みしたり、客席に手拍子を求めたりしています。 車屋さん(作詞・作曲:米山正夫)は、椎名林檎が最初と最後にピアニカを演奏。これがうまい。アクセントなどの細かい表情がついています。晝海幹音がバックコーラスをつけています。 「ニュージーランド村は日本に3ヶ所ある」という刃田綴色のMCをはさんで、月に負け犬。私が就職活動をしていたときによく聴いた曲です。大学4回生の頃を思い出しました。 同じ夜は、H是都Mのピアノと椎名林檎のデュエット。椎名林檎は目に涙を浮かべての熱唱。感情移入がすさまじい。ピアノ伴奏だけでここまで聴かせるとは素晴らしいです。 現実に於いて(作曲:H是都M)と現実を嗤うは続けて演奏。アルバム「教育」では機械的な印象を受けましたが、このDVDではライヴらしい解放感ある自由な雰囲気で演奏されています。ここでも晝海幹音がバックコーラスを担当。 恋の売り込み I'm Gonna Knock On Your Door(作詞・作曲:Aaron Schroeder,Sid Wayne)は、「Dynamite in」に収録済み。 続いて亀田誠治のMC。椎名林檎の楽屋トークを暴露。「意外に乙女な会話をする」とか「くちびるプルプル」とか。隣の椎名林檎は赤面していました。亀田誠治は椎名林檎のことを「椎名」と呼んでいました。 ここで亀田誠治が作曲した2曲を演奏。スーパースター(作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治)は、このDVDで初めて収録された作品。情熱的なバラードといった作品。「テレビのなかのあなた 私のスーパースター」という歌詞ですが、椎名林檎はいったい誰をイメージしてこの歌詞を書いたのか気になるところです。 透明人間(作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治)は、「Dynamite in」に収録済みですが何度聴いてもいい曲ですね。椎名林檎の歌声が映える曲です。歌い終わった後、椎名林檎が後ろを向いて目頭を押さえています。 駅前は、前曲の影響のせいか涙声でスタート。ラストに向かって盛り上がります。 ?煤`クロールは、「Dynamite in」に収録済みですが、クロールでのH是都Mの電子音効果はやはり「すごいと実感。 丸の内サディスティックは、椎名林檎がピアニカを演奏。お決まりの「丸サ」ステップもちょっとだけ披露。客席に左右を手を振らせます。原曲はベースソロが中間部にありますが、ここではピアノソロに変更されています。 その淑女(をんな)ふしだらにつき the lady is a tramp(作詞:Lorenz Hart 作曲:Richard Rodgers)は、CDよりもテンポが速く即興性が増しています。椎名林檎は客席に手拍子を促してかなりノッています。 御祭騒ぎは、スピード感があります。楽しんで演奏しているのが伝わってきます。 サービス(作詞:椎名林檎 作曲:H是都M)は、前奏のときに椎名林檎がビデオカメラでメンバーを撮影しています。そしてお決まりの拡声器(ハンドマイク)で歌います。 群青日和(作詞:椎名林檎 作曲:H是都M)で本編終了。 客席から巻き起こったアンコールに応えて、メンバーが再入場。グッズにあるTシャツやジャージに着替えて登場です。H是都MのMCの後、心。軽く流して演奏。 椎名林檎のMC。「まわって」との客席からのリクエストに「雙六エクスタシー」でも見せたように両手を広げて一回転。「名古屋はこのツアーで一番大っきいホールだったので空席ができちゃうんじゃないか不安でした」「これだけたくさんの曲をやったのは初めてで不安だった」などとコメント。最後の曲は夢のあと。ラストにふさわしい熱唱。椎名林檎はいつものように礼をして演奏途中で退場。 エンドクレジットにCDの「ダイナマイト」が流れて終わり。
椎名林檎は「名古屋ー! カモーン!」と絶叫するなど絶好調。また前列の客と握手したり、手拍子を促したり、客席とステージとの距離を縮めるようなパフォーマンスを見せました。今までのライヴではなかったので意外ですが、これも余裕が出てきたということでしょう。歌い方も最初は抑えて歌って、クライマックスで爆発させるメリハリがついています。 晝海幹音は「雙六エクスタシー」のときにくらべると表現に幅が出てきました。寝転がったり、ギターを背負って演奏したりパフォーマンスもすばらしい。 H是都Mはカメラや客席を意識したアクションがおもしろい。イスに立ったり腰を振ったり見てて楽しいです。 刃田綴色は、バンドの中核の存在になって、要所を締めた叩き方が見事。 亀田誠治は、あまり目立ちません。時折歯を食いしばったり、歌詞を口づさんで演奏しています。
予想以上に完成度が高い演奏で本当に驚きました。晝海幹音とH是都Mの脱退で、この5人でステージに立つことは今後ありませんが、このメンバーでもっと東京事変の音楽を高めて欲しかったですね。 |
No.164 - 2005/10/24(Mon) 00:44:05
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