12月2日に発売された東京事変のニューシングル「能動的三分間」を聴きました。
初回生産分のみ特典として、「東京事変 live tour 2010 ウルトラC」チケット先行抽選予約案内が封入されています。予約受付期間は2009年12月2日〜8日。印字されたシリアル番号を入力すると申し込めますが、CD1枚で申し込めるチケットは1枚だけ。チケットが欲しいファンが大量に買い占めたのか、週間オリコンチャート(2009年12月14日付)で1位を獲得しました。発売翌週にCDショップを訪れたところ、どこも初回盤が売り切れていてびっくり。あわててインターネットで注文してなんとか初回盤を取り寄せました。「ウルトラC」のチケットは、林檎班会員先行予約とSR猫柳本線ポケット会員先行予約ですでに確保していたので、特典は必要なかったのですが、ここ最近の椎名林檎の初回盤ではかなり売れたほうでしょう。
また、シングル購入者限定で、東京事変のオリジナル待受画像プレゼントの特典があります。特設ページにログインするには記載されたパスワードが必要です。限定コンテンツとして「事変ロゴ待受」(4種類)、「TV-SPOT」、「オリジナルFLASH待受け」(マーマーマラソンFLASH(助走編))、「デコメ絵文字」、「東京事変オフショット」などが楽しめます。
CDジャケットはストップウォッチの写真。「03'00"00」と3分ジャストを表示しています。上部に「BPM-120」(=2拍で1秒)とテンポが書かれているのもおもしろい。裏面はスポーツウェアを着たメンバー5人が準備体操をしている写真。刄田綴色が金髪(黄色に近い)ポニーテールです。椎名林檎が履いている緑色の変わった形の靴(ブーツ?)が目を引きます。
CD表面は銀色にコーティングされています。何も書いていないように見えますが、よく見ると「M1_BPM-120_TIME-03'00" M2_BPM-128_TIME-03'33"」と小さく書かれています。曲名を書いていないのがユニーク。
1曲目は「能動的三分間」(作詞・作曲:椎名林檎、編曲:東京事変)。glico「Watering KissMint」のCMソングです。ジョン・ケージのようなクラシック現代音楽を思わせるすごい曲名です。 ノイズのような電子音をステレオ効果で聴かせる短い前奏に続いて、早くも英語の歌詞が歌い出し。このサウンド感は伊澤一葉にとっては新機軸と言えるでしょう。H是都Mを少し思い起こさせました。浮雲との掛け合いがありますが、椎名林檎といいハーモニーでぴったり合っています。テレビCMで使われている部分はリズミカルでドラムのビートが効いています。 3分ジャストでキーボードの一音を残して終わります。間奏で各楽器のソロもほとんどなくシンプルな楽曲です。 歌詞は英語と日本語が混在。「ヒッチハイクの巧いベテランペーパードライバー」「ダイナマイター」という「君」に対するメッセージソングです。YOUを「U」と書くところは「ギブス」を思わせます。「格付(ランキング)のイノチは短い」「音楽(ミュージック)のキキメは長い」という歌詞はなかなか鋭い。現代の音楽界に対する憂いでしょうか。エンディングは英語の歌詞が掛け合い重なり合います。 なぜ「三分間」なのかという答は、歌詞の2行目と3行目に「You're fixing ramen You pour hot water in」とあるので、熱湯を注いでラーメンができるのを待っている時間ということでしょうか。ちなみに、「Watering KissMint」のガムに関係する歌詞はありません。
2曲目は「我慢」(作詞:椎名林檎、作曲:伊澤一葉、編曲:東京事変)。BPM-128で、演奏時間は3分33秒。 冒頭は速めのテンポでささやくように歌います。歌詞がなぜか関西弁です。椎名林檎の作品で関西弁で歌われるのは初めてではないでしょうか。サビは跳躍のある大胆な旋律進行。伊澤一葉ではなく、椎名林檎が作曲したように聴こえます。歌詞は「ざけんな」「阿呆」「娑婆が戦争」など、現代に生きる椎名林檎の葛藤を歌っているようで、我慢という曲名とはかなり開放的な曲であり、歌い方です。ストレス発散というところでしょうか。椎名林檎は「目論む」を巻き舌で歌っています。巻き舌を聴くのはひさびさですね。うれしい。 中間部はピアノ伴奏で一転して肩の力が抜けてかわいらしい。「今日」を「けふ」と歌っています。「No more, No more」では男声コーラス(伊澤一葉?)が入ります。2曲を1曲にまとめたと言っていいほど、1曲でいろいろな曲想を見せます。東京事変の表現力の豊かさで聴かせる作品です。
EMIミュージックジャパン TOCT-40280 |
No.540 - 2009/12/22(Tue) 01:51:04
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