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TMC掲示板

筑波大ミス研への質問など、常識の範囲内でご自由にお書き下さい。

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(No Subject) / sad
乾くるみ「クラリネット症候群」
 強いてジャンル分けするなら暗号もの。クラリネットが壊れたことでドレミの声音が聞こえなくなる主人公の話です。不満があるのは装丁。読むと分かりますが、女性にバイアスが掛かっていて、前作「クラリネット症候群」のときのアニメ調の表紙と扉絵が本作にはぴったりなのです。

三津田信三「山魔の如き嗤うもの」
 ベースはホラー、根底は本格、という指針は変わっていません。コミカルな笑いどころも多数あります。しかし、肝心の本格面がちょっと弱かったかな……他の部員の意見も伺いたい。

石持浅海「賢者の贈り物」
 石持さんらしく探偵役がみんな、可能性を挙げては潰しをします。日常の謎なのでどうしても謎と解決が弱くなるのですが、最後の一編で上手に締めてくれました。

瀬名秀明「エヴリブレス」
 舞台は数十年後。オープンソースの仮想世界と脳接続デバイスによって、現実を曖昧に描写しています。ある女性の一生を描くようでいて、実際は彼女の幼年〜青年期が物語の全てを支えます。あぁ、ジュブナイルっていいですね。このミスとは関係なしにお勧めします。
No.215 - 2008/04/28(Mon) 03:28:09
Re: / sad
前作は「マリオネット症候群」でした。ミス
No.216 - 2008/04/28(Mon) 03:34:06
(No Subject) / sad
鳥飼否宇「官能的」

盗撮や覗きによってオカズを入手する教授と何回したかまでを記録する助手。そして教授は興奮すると推理を始める設定。ここから分かるように前編が引く一歩手前までのバカミスであり、真相も「ねーよ」レベル。
よく書いたものです。良い意味で。

貴志祐介「狐火の家」

仕事しすぎだと思ったら掲載をまとめた短編集でした。印象としてはホロスコープと同レベルです。さっくりさっぱり。
ちなみに、作中に登場する棋士レベルのフリー将棋ソフトは、明らかにボナンザという実在のソフトがモデルなんですが、ネットで気付いた人は少なそうですね。
No.212 - 2008/04/09(Wed) 02:32:42
Re: / sad
芦辺拓「裁判員法廷」

 抜群に面白いです。メイスン何それおいしいの?という前知識でもすぐ読み切ってしまいました。
 法廷物の王道の展開『審理』。鍵となるはずだったいない証人が核をなす『評議』。怒濤の展開で読者を翻弄する『自白』。3編通じて登場する弁護士がいいキャラです。
No.213 - 2008/04/16(Wed) 07:22:56
Re: / オムロ
 ビゴー!ビゴー!ビゴー!ビゴー! テンションがマックスで眠れません。

ジョン・ブラックバーン『刈りたての干し草の香り』
 本格ミステリ+モンスターパニックと帯にありますが、メディアミックスが普通の現代では本格分は薄かったかも。しかし作品の陰鬱な終末観はB級怪奇ネタにゴシック小説の威厳を与えたようで。デビュー作なのでこの作品では得意の大技を決めてくれませんでしたが、新刊じゃないけど同著者の『闇に葬れ』は傑作です(断言)。いろんな意味で。

レジナルド・ヒル『ダルジールの死』
 ええ、あのダルジール警視が爆弾テロで重体!? と言っても諸兄にはそれ誰? でしょうけどなかなか衝撃的な展開でびっくりな、ヨークシャー警察の(アンチ)ヒーロー、ダルジール警視シリーズ。今回は中東関連のテロリズムやら公安やらが絡んで異色作。あえて誤解を恐れずに言うならば、キャラ萌え英文学なこのシリーズも布教は難しそうですね。複線ってのは事件だけではないのですよ。

ギルバート・アデア『ロジャー・マーガトロイドの仕業』
 著者は有名な作家さんでこれはクリスティへのオマージュでありパロディらしい、と聞いてもなんだか納得がいかない私の人生初壁本。うーん短編でやればまだパロディになるんじゃないかと思うけど今更なネタだしなあ。でもオチ以外は嫌いじゃありません(笑)。

テッド・ルイス『ゲット・カーター』
 兄の死の真相を探るために一人の男が生まれ故郷に舞い戻るお話。1970年発表。クライム・ノヴェルの王道とも言える作品で真新しさはないでしょうが、瑞々しさは失われていません。ノワール入門に良いかも。

エラリー・クイーン『ナポレオンの剃刀の冒険』
 小説ではなくアメリカで1939〜47年まで放送されていたラジオドラマの脚本集。ただしちゃんとリーとダネイが書いています。ラジオ向けなのでミステリクイズ的な要素が強く複線も分かりやすくなっていますが、短編集並みのネタを使っています。ああクイーンだなぁと至福でした。
No.214 - 2008/04/20(Sun) 04:40:17
(No Subject) / オムロ
試験期間はまさに読書に打て付けですね。そこに原稿の締め切りも加わればそりゃもう・・・・・・楽しいなあ。

ローレンス・ブロック『殺しのパレード』
殺し屋ケラー・シリーズ。孤独な殺し屋のどうってことない(?)日常を淡々と描く連作短編。9/11を境に徐々に崩壊し始めるケラーの描写が印象的。次作は長編で打ち止めとか。期待。

ジェイムズ・グレイディ『狂犬は眠らない』
精神的にぶっ壊れて秘密施設に収容されていた元スパイたちが、精神科医殺しの濡れ衣をはらすため脱走して黒幕を突き止めようとする冒険サスペンスミステリ。ストーリーもさることながら、それぞれのキャラがたっていてむちゃくちゃ面白い。おすすめ。

森博嗣『タカイ×タカイ』
なんかあまり賛成を得られなさそうだけど、小川さんと真鍋君がお気に入りのXシリーズ。事件は普通の森ミス。Vくらいのクオリティか。思いっきり”名古屋”と書いてある誤植があって笑いました。

森博嗣『もえない』
青春ミステリィ。大嫌いな高校生が主人公だけれど、特に不快でもなく普通に面白く読めました。佳作だと思います。なんだか解決編が唐突だったように感じたけれど、普通の高校生の視点ならこんな感じかな、と結構納得。

法月綸太郎『犯罪ホロスコープ』
隠れ法月ファンとしては長編にはないgdgdした感じが心地よい短編集。法月さんって真面目だなあ〜と好印象。無理して書いたと思われるサブカル文章がツボでした。

パーシヴァル・ワイルド『検死審問−インクエスト−』
”乱歩が称えた”って言われてもあの人も偏食だからなあ、とあんまり期待していなかったのですが大当たり。事件自体は平凡ですが、まさに”何をどう見せるか”の妙。傑作でしょう。ミステリ嫌いのチャンドラーも誉めたとか。ちなみに復刊新訳です。

ジョアン・ハリス『紳士たちの遊戯』
ドキ☆学園サスペンス。しかも名門男子校。愛憎劇!きっと会長様のテリトリーですな。学園を狙う謎の復讐者と、立ち向かうラテン語(!)担当の老教師の視点で描かれます。ミステリマニアならトリックは見破るでしょうけれど、ちょっと捩れた青春小説としても読めてかなり良かったです。
No.209 - 2008/03/02(Sun) 05:59:30
Re: / たかつか
むぅぅ…悔しいけど読んでみたい。


『名前探しの放課後』辻村深月
タイムスリップで三ヶ月前の世界に飛ばされた主人公が、誰かのCENSOREDを止めるため“名前探し”を始める学園ミステリ。
キャラクタ、構成、謎ともに素晴らしいと思います。特にラストに向かっての展開は秀逸。他作品を読んでいない私にはわからない部分があるのが残念でしたが、それでも余りある魅力がありました。おススメです!

『TOKAGE 特殊遊撃捜査隊』今野敏
銀行員誘拐事件を題材に、特殊部隊の活躍を描(きたかった)いた警察小説。
このタイトルにする意味あったのかなぁ、と思うくらいトカゲ部隊の印象が薄いです。隠蔽捜査と比べちゃうと見劣りするかも。ただ今野さんはサイン会のときに一人ひとりに立って挨拶をされていたので、好印象を持っていたり。

『指し手の顔 脳男?U』首藤瓜於
ウワサの脳男続編ですが…うん、いまいち☆
複数の事件に関する様々な描写が、間に挟まるキリスト教の薀蓄でごった煮にされた感じで、なんとも消化不良です。この調子だと3がありそうだけど、もう止めといたほうがいいんじゃ…。

『官能的』鳥飼否宇
ヘンタイ助教授が変態しながら、かつ数学的思考(!)を用いて事件を解決する連作短編集。タイトルにだまされてはなりません。ちゃんとミステリしてます。
もうあらゆる意味でよくやった!というか、スゴイの一言。続編ないのかなぁ。

『完全恋愛』牧薩次
某作家さんの別名義作品。傾向が違いすぎるので、言われなければ気づかないかもしれません。
最近時代の変遷を描きながら、複数の事件を結びつける秀作が多いですが、これもその一つかと。3つの事件に恋愛を絡ませて、上手く描かれているなぁと思いました。かなり良いです。

『蒸気駆動の少年』ジョン・スラデック
ぶっ飛んでいて、わけわかんないスラデックの短編集にしては読みやすいかもしれません。でもジャンル分けができないのは相変わらず。殊能さんもおススメしてましたー。
No.210 - 2008/03/04(Tue) 17:48:56
(No Subject) / sad
また出ましたね占星術。今度は黄色い表紙で。
何度目だナウシカ
No.204 - 2008/02/02(Sat) 18:53:46
Re: / I原
書店で見かけましたが箱本みたいなやつでしたね。
なんという金曜ロードショージブリ的商法
No.205 - 2008/02/02(Sat) 19:36:18
Re: / sad
歌野晶午『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』
 警官であり主人公の歳三さんと、姪のひとみちゃんが戯れる様子を生暖かく見守る作品です。ひとみちゃんはあくまでヒントを与える役であり、真相よりも雰囲気を楽しむのがおすすめです。
 ところで。ひとみちゃんがする「顔を頬に当てムンクの叫びのようなポーズ」とは、BJに登場するピノコの「アッチョンブリケ」だと思うのですがどうでしょう?
No.206 - 2008/02/05(Tue) 11:31:29
Re: / sad
深水 黎一郎「エコール・ド・パリ殺人事件」
密室ですよ。犯人当てですよ。そしてウルチモの作者!
ウルチモといい本作といい、読んでいて五目並べで陥穽に気付かず負けるような気分です。この密室は寡聞ながら前例もあるでしょうが、作品内に登場する殺害方法は常人にはなかなか考えつかないでしょう。前作に続くトリッキーな作品です。あ、SFはありません。

牧薩次「完全恋愛」
一言で言って、男版赤朽葉でしょうか。一人の画家の生き様を昭和から現代まで綴る傍ら、そこここで殺人が起きるお話です。超能力は出ませんが雰囲気は赤朽のほうが好み。改めて、歴史は女性で廻ると実感しました。

貴志祐介「新世界より」
 近未来、人間はPK(超能力)を身に着け自然の中で暮らしています。PKの原理がほとんど説明されないし能力発動の描写もやや無理があると思います。電波担とかは嫌いな一作になるでしょう。一部能力バトルと化していますしラノベを意識されたんでしょうか?
 上巻はジュブナイル、百合、薔薇。
 下巻は戦闘、グロテスクホラー、5%くらいミステリ的反転。
悪くはないですがミステリとしてはちょっと・・;
(ちなみに、作中のつくば市図書館のクオリティに脱帽しました)
No.207 - 2008/02/12(Tue) 19:44:50
Re: / I原
他で感想を書くと書きずらくなるという法則
歌野晶午『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』
歌野さんは新本格の人でありながら、社会派としても十分いけると思うんですが、どうでしょう?

貴志祐介『新世界より』
3年半ぶりの超大作。僕は好きですよ。てか、今年のこのミスにおいて、ベスト10は確実でしょう。
日野光風氏のキャラが濃すぎる。
映画化されまくっている貴志さんですが、これはアニメにしたらおもしろそうかと。
貴志ホラーの根幹は変わっていません。
No.208 - 2008/02/14(Thu) 00:59:49
(No Subject) / kabu
森博嗣『タカイ×タカイ』(↓会長様まさかの誤記!)
よくも悪くもいつもの森先生。個人的には、劣化版笑わない数学者って感じがしました。そんなこともないけど。

島田荘司『Classical Fantasy Within 第一話 ロケット戦闘機「秋水」』
今年の大河ノベル。っていっても3ヶ月刊行したら少し休むそうですが。
これはいいSFですね。
とりあえず1話目ということでこれからに期待。
No.198 - 2008/01/16(Wed) 09:10:05
Re: / I原
課題で忙しいはずなのに、他に読んでいる本があるのに、いつのまにか読み終わっていた…あれ?おかしいな…

法月綸太郎『犯罪ホロスコープ?T六人の女王の問題』
素晴らしく外れがない短編集。どの短編もよくできていて、さらにサクサク読める。12星座がモチーフで牡羊座〜乙女座までの物語が入っています。早く後半を出してほしいと思わせる出来です。本ミス暫定1位です(まだ2作しか読んでないですけど)

レポ・・・−ト・・・?
No.199 - 2008/01/27(Sun) 17:56:31
Re: / たかつか
ご、誤記!なんたる失態・・・

東野圭吾『ダイイング・アイ』
ホラーサスペンス・・・?
東野作品としては平均かなぁ。
ガリレオの新作に期待。

皆川博子『倒立する塔の殺人』
ジャケ買い。かなり凝った装丁です。
舞台は戦時下の女子校。少女たちによって回し書きされた、1冊のノートを巡る物語。
幻想的な雰囲気がなんとも好みで、予想外に楽しめました。おススメです。


道尾秀介『ラットマン』
テーマは青春の終わりらしいです。
ミステリ的にはどうなんだろう、と正直思いますが、ラストの展開には考えさせられるものがあります。
道尾さん的上手さが嫌いでなければどうぞ。

貴志祐介『新世界より』
上下巻あわせて1000ページの厚さも苦にならないくらい、文句なしに面白いです。
SFじゃないの?というツッコミはいれない方向で。
No.200 - 2008/01/29(Tue) 04:14:40
Re: / I原
『新世界より』(上下巻)が高すぎて手を出せない件について。

石持浅海『温かな手』
サクサク読めました、ミステリ部分より人間(?)関係を見てもらいたい作品。寄生獣に似ている気がしました。鮭とば食いてぇ。
No.201 - 2008/01/29(Tue) 15:37:28
Re: / sad
いまさらクイーンを読んでるなんて恥ずかしくて言えない……悔しいっ。でも誰かフランスとオランダ貸して下さい

道尾秀介『ラットマン』
幼くして死んだ姉、脳腫瘍に倒れた父、そしてバンド仲間を襲った殺人事件。これは、上手い。ミステリとして優劣を付けるなら上位を狙えるのではないでしょうか。23年の年月を越えた、伏線と言うよりもピースが嵌っていくことで描かれる絵には唸らされます。一押しです。

法月綸太郎『犯罪ホロスコープ』
 難解なのを期待してましたがちょっと残念。中にはゴリ押しもあるものの、どれも外れはなくさくさくと読める短編集です。「蟹座」の真相、「乙女座」の黒さが個人的に好み。
 それとミクシィやオンラインストレージが作中に登場、さらに参考文献がウィキペディア。この探偵もまだまだ成長しそうです。

石持浅海「温かな手」
 寛子と同居するギンちゃんは「人間より遥かに長命」の「全ての生物を越えた」存在。彼は肌に触れた生物の「生命のエネルギー」を吸い取ることができ、彼女と居るのは彼女のエネルギーが「よくなじむッ」からですWRYYYYYYY!!
 ……というのは冗談(笑)。本当はラブラブな恋人同士の二人が謎解きする短編集です。ワトソン役の寛子さんが本当にやさしい人なので、人が死んでても日常の謎のようなほのぼのした空気が醸されています。女性の筆のようにも感じられるのは驚きでした
No.202 - 2008/02/01(Fri) 07:38:22
(No Subject) / たかつか
森博嗣『もえない』
幻想的な雰囲気を持ったミステリィ。
いつも素晴らしいんですけど、今回はタイトルが特に秀逸でした。込められた意味は絶対忘れないと思います。
シリーズものではないので、追いかけていない方もお気になさらずー。

森博嗣『キラレ×キラレ』
好調Xシリーズ第3弾。有名マジシャンの自宅で発見された死体は地上15mに掲げられていた・・・
ミステリィとしての面白さももちろんありますが、森先生の考え方に触れられる場面を読めるだけで読者冥利に尽きます。
それにしても、マジシャンというキーワード。『幻惑〜』を連想せずに入られませんよね。

石持浅海『温かな手』
SF短編集・・・なのかな。石持さんらしい作品。連作なので最初から読むことを推奨します。
未知の生命体が探偵役という相変わらずの設定にも、違和感なく読めました。特に表題作は切なくて、魅力的でです。

M『L cange the WorLd』
覆面作家で話題のデスノ映画のスピンオフ小説(?)。ミステリとしては断然西尾さんのほうが上だと思います。
映画のネタバレが前提なので、気になる方は観てからどうぞ。
No.197 - 2008/01/14(Mon) 03:59:41
(No Subject) / I原
皆さん、昨日(今日?)はお疲れ様です。そろそろ帰省する人もちらほら出てきますね、かくいう僕も明日帰省しますが。
さて、おそらく今年最後の感想を
黒田研二『ナナフシの恋〜Mimetic Girl〜』
初クロケンさん。楽しめましたね。青春ミステリで、恋愛を主題に高校生らしく青臭く、心情の吐露などは書けてましたね〜
ただ、アノ真相は……びっくりするけどいいのか?

書き終わった後に高校生=青臭いと書いてたことに、自分がオッサンであることを再確認、まだ卒業して1年経たないのになあ……
No.194 - 2007/12/27(Thu) 16:40:44
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