 | 勝利とは、手段であって目的ではない。 それはカンナミも分かっていた事。しかし、勝たないことには、何も出来ないのも事実。 字幕では「ティーチャーを倒す」と書いてあったが、実際には「I kill to father」と言っていた(らしい)。 戦って勝ち取りたいものは、戦闘人形たる自分や自分をとりまく世界ではなく、世界にダイレクトに接触する何か、だったんじゃなかろうか。 この映画の声優、タレント声優故に出来がイマイチ(又は最低)と言われてる。思い当たることはある。だけどあの演技は、俺的には正しいものだったと思う。 カンナミやスイトを始めとする「キルドレ」は、あの世界において何者か。カンナミやスイトは自分達を、この世界の中で何だと思っているのか。「お客様」だと思っているんじゃないか? 少なくとも、「少しの間滞在して、通り過ぎていく存在」、と言葉にすると同意しないかも知れないけど、とにかくそんなカンジで、この世界に対してダイレクトに接触していない存在、外部の存在、膜を隔てた向こう側、だと思っているんじゃなかろうか。だからああいう喋りなんじゃないか? けれども、膜が破瓜する時が、訪れた。スイトとの出会い。スイトにとっては、カンナミ(クリタ・ジンロウ)との出会い。
今ここに、「他ならぬ自分」がいて、目の前に「他ならぬ彼女」がいる。膜を破って一つになりたいと思う相手がいて、だけどもそれは叶わなくて、唯一、この他ならぬ自分による膜を破瓜せしめ得る方法は、お互いがお互いを殺す事、の様にこの二人には思われた。刹那的で短絡的なこの行動によってクリタ・ジンロウは死に、スイトは生き残った。 スイトは膜を破れずにいる…。この状態で、カンナミとして転生したクリタが現れる。 カンナミは、最終的にクリタとしての記憶を取り戻し、スイトの為にスイトを撃つ。が、弾は外れた。(恐らく、本気で撃ったのに当たらなかったんだと思う。こう書くとご都合主義に思えるけど、片手で撃った点(至近距離だから片手で十分だろう、と思っただろう)、そして「弾が真っ直ぐ飛ぶとは限らない」というミリオタ知識の上から見ると、ご都合主義と見なすこと自体、思考停止だね^^という気分になる) 弾が外れたって事自体に、カンナミは何か運命みたいなものを感じたんじゃないかな…。 それで、ガシッ!ギュ〜と抱きしめて言ったんだろう。「何かを変えられるまで、君は生きろ」と。 スイトの目の前に、銃口が黒い正円として存在する。当てる気が無いなら、楕円になってる筈。スイトはカンナミが本気なのが分かったし、だから突っ立っていた。なのに外れた…。一度ならず二度までも…。スイトもやっぱり、運命みたいなものを感じたんだろう。カンナミに抱き締められて、大粒の涙を流す。 「何か」を…変えるには、どうしたらいいのか? カンナミはティーチャーと戦って、死んだ。(機銃弾がコクピットに二発命中、カンナミの頭があった辺りにスイカが割れた様な派手な血痕が飛び散る)カンナミが死んだことを受け止めたスイトは、タバコを吸うのをやめた。そして歩きだす。何かを変える為に。 無限に繰り返すこの世界で、それは蟷螂の斧を振るが如き。俺は泣いちゃったね…。 |
No.32 - 2008/08/17(Sun) 17:25:15
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