#122 海霧
劇団民藝公演『海霧』を三越劇場で観劇しました。

原作は、吉川英治文学賞を受賞した同名小説で、脚本は小池倫代さん、演出は丹野郁弓さんでした。

北海道の釧路を舞台とした、明治、大正、昭和へと激動の時代をひたむきに生きた三代の母と娘の物語です。

主演の樫山文枝が素晴らしい。そして若手の中地美佐子さん、桜井明美さん、神敏将さん、みやざこ夏穂さん、斎藤尊史さんらがとても良かったです。

情感豊かな母と娘のドラマで、その中に時代と向き合う家族、いい舞台でした。
2008/12/20(Sat)12:53:33

#121 ロゼット
Habaneraプロデュース[女優のための芝居企画@]『ロゼット』(作・演出 早船 聡)を池袋のシアターグリーンで観ました。

早船聡さんは、今年、新国立劇場シリーズ同時代に『鳥瞰図』を脚本提供(演出は劇団文学座の松本祐子さん)している。現在(いま)最も期待される劇作家の一人だ。

私も今年の8月に、早船さんが書き下ろした、劇団サスペンデッズ公演『MOTION&CONTROL』を観劇している。

舞台は、観葉植物のレンタルやインターネットで花やハーブの種など植物を扱う「ロゼット商会」の事務所である。

この会社の代表の典子は、以前、やはり植物を扱っていた会社に勤めていたが、会社の同僚で妻子のある年の離れた男性との不倫が会社にバレたために、独立して「ロゼット商会」を設立したのだ。バリバリの営業ウーマンのように見える。

真樹は典子の中学2年からの親友で、出来ちゃった婚の一児(男の子)の母で、典子を手伝うためにロゼット商会にパートで勤めている。

ロゼット商会にはもう一人、植物のプロの加賀という男性がいる。観葉植物のレンタルのメンテナンスや注文の花の配送などをしている。加賀には年の離れた妹の美晴がいて、最近、兄貴に彼氏との仲を引き裂かれて家に引きこもっている。

ドラマは、典子や真樹の同級生の祐二と真樹が、街中で偶然出会って話が盛り上がり、じゃ典子にも会おうということで、この事務所にやってきたところから始まる。祐二は見るからに水商売っぽい。実際、フィリピンパブやキャバクラなどを何軒か経営しているようだ。真樹の企画した「ポインセチア」も、店に500鉢購入しよう、などと調子のいいことを言っている。そこへ典子が帰ってくる…。

この会社では、典子が考えている植物のリサイクルのような環境を考える商品と、真樹が勧める「ポインセチア」のような季節や時代の流れに乗った使い捨ての商品とが混在しているが、商品に対するそれぞれの考え方が、そのまま典子と真樹の生き方や考え方を表しているように見える。

植物のリサイクルをビジネス化するために典子は、加賀の妹の美晴をパートとして雇うが、そのことで真樹が事務所を辞めようとする。真樹は、夫や姑に不満があり離婚して子どもを一人で育てようかと考えていたのだ。そのためには、ロゼット商会にはなかなかお金にならない植物のリサイクルよりも、もっと売れる商品を扱い、もっと財政的にもしっかりとした会社になって欲しいのだ。そして真樹はそんな会社に勤めたいのだ。だが典子は…。

そんなとき、営業中に典子が過労と風邪のために倒れてしまう。病院に駆けつけた真樹たちに、典子が今まで隠していた乳ガンがわかってしまう…。


とてもいい芝居でした。普通の日常生活の中に、女性同士の友情が鮮やかに描かれていました。表面的にはケンカしようが、いい合いになろうが、相手を思いやる気持ちが伝わってきました。時にはそれが過剰になったり、重荷になったりもするけど、人は独りじゃないんだ、という想いを感じました。

ロゼットとは、雑草が冬を越すときの姿の名称です。
2008/12/20(Sat)12:52:35

#120 AKURO
TSミュージカルファンデーション公演『AKURO』を観劇しました。

AKUROとは、悪路王と恐れられていたアテルイのことだが、この物語は、坂上田村麻呂とアテルイの戦いで大和朝廷が陸奥(みちのく)を平定したあとの話です。

初演も観ていますが、劇場がサンシャイン劇場から東京芸術劇場になって、舞台が広くなり、謝珠栄さんの演出&振付がより生かされた舞台になりました。男優陣のダンスの素晴らしさは今年最高だと思います。男優の群舞を演出&振付させたら、謝珠栄さんは日本一だと思っています。

男優陣がいいのはいつものことながら、坂元・駒田・吉野・平澤さんの4人は、特に良かった。また、個人的には思った以上に、神田沙也加さんの芝居が、陰影のある役をうまく演じていて良かったと思いました。

TSミュージカルファンデーションは、今年一番いい仕事をした創造団体だと思います。2月の『タン・ビエットの唄』の再演、そして今回の『AKURO』の再演と、再演の2本では初演以上の完成度のミュージカルを作り、6月の『Cally』の初演では、独創的な企画を脚本にし、素晴らしいステージングの舞台を作り上げました。本当にレベルの高いミュージカルを3本作った成果は、今年最高の創造団体だと思います。
2008/12/20(Sat)12:51:41

#119 11月の芝居
11月に観た芝居

*山の巨人たち(新国立劇場)
*普通の女(テアトル・エコー side B)
*ザブザブ波止場(劇団道学先生)
*死立探偵(ジャブジャブサーキット)
*赤シャツ(劇団青年座)
*源氏物語 朗読 (博品館劇場)
*春立ちぬ(劇団俳優座)
*戦争と市民(燐光群)
*SOLITUDE(SPIRAL MOON)

今月のベスト1は、 劇団俳優座『春立ちぬ』です。

良かった作品は
「ザブザブ波止場」「SOLITUDE」

面白かった作品は
「普通の女」 でした。
2008/12/20(Sat)12:50:27

#118 10月の芝居
10月に観た芝居

グッド・ドクター(シルバーライニング)
アプローズ(ピュア・マリー)
Dという名の永遠(DOG☆DIAMOND)
スペース・ターミナル・ケア(劇団俳優座)
東海道四谷怪談(JAM SESSION)
海鳴り(劇団民藝)
ロミオとジュリエットとジュリエット(パルズシェアー)
ルルドの奇跡(ミュージカル座)
愛しい髪優しい右手(海市―工房)
思い出トランプ(ONEOR8プロデュース)
ミュージカル 源氏物語 (STEPS)
てけれっつのぱ(劇団文化座)
解脱衣楓累(劇団前進座)
孤独から一番遠い場所(演劇集団 円)
空ゆく風のこいのぼり(劇団東演)
バッタモン(トム・プロジェクト)

今月のベスト1は、 劇団文化座「てけれっつのぱ」です。

良かった作品は
「東海道四谷怪談」「海鳴り」「思い出トランプ」「空ゆく風のこいのぼり」

面白かった作品は
「グッド・ドクター」「Dという名の永遠」「バッタモン」でした。
2008/12/20(Sat)12:49:37

#117 赤シャツ
青年座『赤シャツ』を紀伊国屋ホールで観ました。

マキノノゾミさんが劇団青年座に書き下ろした3作品(『MOTHER』『フユヒコ』『赤シャツ』)の中で、『赤シャツ』だけ観ていませんでした。今回3本を一挙上演することで、観ることができました。

赤シャツは、夏目漱石の『坊っちゃん』に出てくる嫌味な教頭ですが、坊っちゃんからの目線ではなく、赤シャツが本当は嫌味な奴じゃなかったら…、そんな目線で『坊っちゃん』という作品を見たら…、という作品でした。

赤シャツ個人の思いと周りの人間の評価の違い、空回りする赤シャツから、自分にも通じるような気がしました。かなり面白い舞台でした。

俳優では、主役の赤シャツを演じる横堀悦夫さんがとてもいい。赤シャツは彼の代表作だ。赤シャツの家の家事をするウシ役の今井和子さん、野だいこ役の小豆畑雅一さん、ウラナリ役の宇宙さんがとても良かったです。
2008/12/20(Sat)12:46:18

#116 ザブザブ波止場
劇団道学先生公演『ザブザブ波止場』を観劇した。今回が3演目で私は再演の舞台を何年か前に観ていました。

今回の舞台では、道学先生のいつものメンバー(青山勝・海堂亙・福島勝美・かんのひとみ)に、強力な客演陣(井之上隆史・浅倉伸二・中野英樹・草野徹・斎藤志郎・雨蘭咲木子)である。

再演時もかなり面白かったのだから、キャストが変わりもっと面白くなるだろうと期待して観劇しました。

期待以上に面白くほっとあったかくなる舞台でした。

まずは脚本が面白い、昭和40年代後半の宮崎県油津の漁協事務所を舞台に、漁協の事務員、漁師、地元の警官などの人間群像劇である。演出的には舞台装置に工夫があり、とてもスピーディーな展開のドラマになっています。

俳優では、警官役の井之上隆史は再演からこの役をやっているが、その軽妙な演技は特に素晴らしく、この舞台にいいスパイスを加えている。次に漁師を含む漁協の関係者たちだが、青山、かんのを中心にとてもいいアンサンブルで、この舞台の芯というか、中心を担っている。浅倉伸二・斎藤志郎のコワモテ(怖い面構え)コンビは、一番おいしい役どころをストレートに演じている。唯一の綺麗どころの雨蘭ちゃんは、小料理屋のおかみ、船主の妻を素直に演じていた。

全体的にとても楽しい舞台でした。
2008/12/20(Sat)12:44:48

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