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あれっΣ(・□・;)!? やまんばさんは、富士山の見えるあたりの山姥の里にお住まいかと思ってましたが、もしかして大間違いでしたか? というのも、モズはいちおう、北海道と標高の高いところ(図鑑等では1500メートル以上とか出ています)以外のところでは留鳥(1年中とどまっている)ということになっているのです。
ただ、では標高1000メートルのところに1年中モズがいるのかとか、竜飛岬の冬にもモズはいるのか、と問われると、埼玉のヘソのあたりからまず出ることのない僕には、なんともいえませんです。(^_^;
ともあれ、冬場のやまんばさんのガーデンでは、モズは見かけることがない……ということですよね? これはたぶん、時期的なことと関係していると思います。
モズは秋の深まりとともに、テリトリーを確定します。だいたい1ヘクタールとのことです。 テリトリー内には、夫婦者は一緒に住むわけではないそうです。オスのほうがメスを追い払って、メスはその隣に行きますが、でももしそこにほかのオスがテリトリーにしていたり、テリトリーにしようと侵入して来たら、オスのほうが強いので、メスはまた別の場所を探して移動します。つまり、メスは狩り場としては、あまりよくない場所で冬を過ごすもののようです。
いま、2月ももう終わりに近づいていますが、温暖な平地部ですと2月・3月にもう産卵するモズもいます。つまり2月にはもうカップルができてしまっているのです。
カップルができる前の段階はどういうことになっているかというと、まずメスのほうがテリトリーを離れ、隣接地からはじまって、あちこち放浪するようになるのです。 そうすると、真冬の間は、メスといえども邪険に撃退していたオスも、この2月期になると受け入れるのです。
受け入れるオスは、秋の“高鳴き”ではなくて、“ぐぜり鳴き”といって、綺麗な声で、いろんな鳥の鳴き声を織り交ぜた声でメスにアピールします。(これが「百舌」とう漢字を当てている理由です) そして、メスがそのオスを気に入れば、メスはそのオスのテリトリー内で夫婦として一緒に過ごすことになるのです。
やまんばさんが見かけられたモズが、もしメスでしたら、それはちょうど放浪の旅に出たモズが、たまたまやまんばガーデンに通りがかった、ということだと思います。 そうではなくてオスのほうだった、ということですと、すでに周囲でメスのテリトリーが放棄されているのを知って、オスが来たるお嫁さんのために、そしてその子孫繁栄のために、あらかじめテリトリーの拡大をはかっている最中、ということになろうかと想像します。
あと、留鳥の件で補足しますと、モズは子育てを終わって夏になると、急に姿が見えなくなります。どうも近場の山に避暑に出かけているらしいです。 春先の“ぐぜり鳴き”に折り込まれるほかの鳥の鳴き声(これを“ひろい込み”といいます)の中に、夏の比較的標高の高いあたりの鳥の声のレパートリーが多いのがその証拠らしいです。 |
No.1611 2010/02/23(Tue) 23:06:30
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