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食品加工工場 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:01:23 [No.2291]
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食品加工工場〜生命の水〜(東西天狐)第二稿 - 天狐 - 2009/04/23(Thu) 08:54:06 [No.2313]
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食品加工工場〜生命の水〜(東西天狐)第二稿 (No.2300 への返信) - 天狐

「兄さん、争いが終わったみたいだよ」
「よし、俺は酒を造るぞ弟よ!」
-ある兄弟の会話-
OR
「…なあ、あれはいったい何をしているんだろうか」
「僕の目がおかしくなってないとしたら…お酒を造っているんじゃないかなあ、と」
-荒廃した土地で不思議なものを目撃した政庁の視察員-


 酒は天の美禄という。
なるほど酒ほど人を魅惑し、幸福を与え、堕落させるものもそうそうあるまい。

 酒はいつも文化と共にあった。
なるほど酒ほど古くから人を問うてきたものもそうそうあるまい。

 ここにある兄弟がいる。
兄をアルマ=ニャック、弟をコ=ニャックといった。
二人は玄霧藩国で五指に数えられる酒蔵の職長と経営者である。
彼らもまた多分に漏れず酒という名の『』に取り付かれていた。
兄は情熱を以って、弟は才知を以って道を行く。
彼らのそれは最早信仰の域に達していたと言って良い。
 だから彼らは国の内乱が明けると、当たり前に誰よりも先んじて酒蔵を開放し、酒造を再開した。
水が無ければ自ら井戸を掘って汚水を蒸留し
土が無ければ家の土壁を崩して苗床とし
日が無ければ巨大温室を作り上げて採光し
畑を襲うモノがあれば先頭に立って農具を振るい
倒れる者があれば後を請負い
それはまるで祈りを捧ぐ狂信者の如く。

 祈り。
それは彼らの祈りであった。
たとえ灼熱の津波が押し寄せようとも、極寒の禍つ風が吹き荒ぼうと、鋼鉄の嵐が荒れ狂おうとも、
世界が終わるその日まで、否、世界が終わるその時まで示す彼らの祈り。
人を、世界を、何よりも酒を愛するが故の。

 彼らは主義や主張、政治といったものにはさほど興味がない。
なぜならそれらは本当に美味い酒の前では毛ほどの価値も失う、と信じているからだ。
聞く人が聞けば目を剥きそうな話ではあるが、実際この兄弟が作る酒はその程度には美味い。
それを表すちょっとした逸話がある。
内乱後、藩王を始めとする面々が国民たちとの対話に臨んだ際、どこからともなく現れた二人組みの男が大量の酒樽を議場に持ち込んだせいで、対話の場が宴会場と化した、というものである。
この話の真相は闇の中であり、当事者であろう者に聞いても彼らは揃って首を横に振り否定する。
それでも、あの兄弟ならやりかねないともっぱらの噂である。

 なぜ彼らがそこまでに酒を愛するのか、それは彼ら兄弟以外には到底理解できない理由があるのだろう。
単に酒好きなだけかもしれないが、そんなのはほんの些細なことだ。
彼らの酒は人々を幸せにしているし、彼ら自身も幸せなのだ。
だから今日も彼らは変わらずに酒を作り続ける。
自社の工房で、国営の食品加工工場で、生命の水は造られ続けている。



ここから下は自重なしのネタばかりです。
提出用に適当に削って使って…もし使えたら使ってください



固有結界-無限の酒造-
体は酒で出来ている
血潮はブドウで心は麹
幾度の醸造を超えて未完
ただの一度の売れ残りもなく、ただの一度の嘔吐もなし
担い手は此処に二人 酒の丘で樽を醸す
ならば我が生涯に意味は不要ず
この体は、無限の酒で出来ていた


全盛期のニャック兄弟伝説
以下は歴史書に「全盛期の兄弟伝説」として残されているもの記述を箇条書きにまとめたものである。
(*1:ここに記されている物は氷山の一角であり、現在も積み上げられ続けている
(*2:全盛期の、とあるが兄弟は未だなお飲酒と酒造を続けているのは言うまでもない
(*3:伝説に一部矛盾する内容があるが、これは兄弟が一組でなく、集団として存在する事から生じていると思われる
(*4:なお、この伝説について兄弟を身近に知る人物たちは「だいたいあってる」と発言しており、このことからも信憑性は高いと言える

酒にまつわる伝説

まず度数60%から

一杯=瓶一本

その計算法で日に五杯

仕事のある日でも一杯

豊穣祭開幕直前飲酒はザラ

ワイングラスを一睨みするだけで中身が減っていく

未だ本気を出したことがない(周りの人が呑めなくなる

メチルアルコールは大人の味

居酒屋の戸を引くと店主がその場に崩れ落ち、客は急性アルコール中毒を起こした

日に測定不能量のアルコールを消費するが、常時どこからともなく補給されているので無問題

兄弟は、王妃を必死に追いかける藩王を肴に酒を呑んだ事がある

クロゼットには服の代わりにワイン瓶が入っている

グラスを掲げるとワインが極光を放った

飲酒時の兄弟にとって度数50%以下は水かノンアル扱いである

商売敵に襲われ手傷を負うが、傷口からワインが溢れた

その場で敵と宴会になった

水不足の地域にて、杖で地を叩くとワイン湖が出来た

兄弟と馬車で同道すると酔った上に酔う

二人で両手を合わせ輪を作ることであらゆるものからアルコールを精製できる

血中アルコール度数が高すぎて時々自然発火する

講演会の以来を引き受けるのは打ち上げの飲み会が目当てである

その打ち合わせはもちろん居酒屋

体重のおよそ5割がアルコール

体調が悪いときは酒を点滴する

小学校の作文で書いた将来の夢は「酒の千年帝國の皇帝と宰相」

部屋の加湿器に貯まるのは水とワインが1:9

名言「酒は剣よりも強し」

常に手元に酒が無いと不安で挙動不審になる

一度営業した居酒屋は初日に自分たちで飲んで閉店させた

出生時、開いた手にはブドウの種が握られていた

生まれた場所は酒蔵で産湯はブドウの果汁

三食酒でも生きていけるが必要量が膨大すぎて出来ない

よく見ると肝臓が複数ある

俺達の肝臓は宇宙だ

名言「水がないならワインを飲めば良いじゃない」

「そんな飲むわけがない」と言っていた新入社員が5分後酒まみれで戻ってきた

宴会場から半径200mは酒がなくなる確率が150%。一度飲まれて取り寄せたものも飲まれる確率が50%の意

家の蛇口は純度100%の水と純度100%アルコールの二つある

自ら投げたワイン樽に飛び乗って高速飛行する

最近のマイブームはスピリタスを肴にしてワインを飲むことらしい

バイオエタノールを新種の酒だと思っていた

脳内にスカウター機能があり、酒類を見るだけでアルコール度数が計れる

「度数たったの5か…」と、言いながらも旨そうに一滴も残さず飲んだ

「神様の取り分」「天使の分け前」「ニャックの不思議」は同じ意味

空気中のアルコール濃度を調節して指パッチンで衝撃を与えることで自在に爆発を起こすことが出来る

拘束制御術式を開放すると酒の河ができ、今まで兄弟との宴会で斃れた者たちが一斉に襲いかかる

兄弟の写真を取ったらそこには巨大な酒樽が並んで写っていた

一緒に写った人は二日酔い、撮った人はアルコール中毒に

夏至の日の正午、最も高く上った太陽に兄弟が照らされるとその影は酒樽であった

「いいお酒はどうすれば作れますか?」と質問したら「君にはまだ呑みが足りない」と言われた

酒を造っている時間が人生の大半、残りの半分は酒を飲んでいる

兄弟の周囲は火気厳禁と思われていたが、気化アルコールが多過ぎて酸素濃度が足りず、火が消える

-ニャック酒蔵カタログの宣伝文より-


おk!(やりきった顔で


[No.2313] 2009/04/23(Thu) 08:54:06

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