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冒険レポート-NO:44失われた黄金探し 今回の冒険では「イベント05 冒険開始!(その3)」に対する物である。 さて、今回の冒険が始まる前に一つの事件があった。 それは藩王玄霧と華族如月敦子の間で発生した微妙な戦いだった。この権力者同士の戦いの結末として、今回玄霧藩国では二つの冒険が勃発したと言っても過言ではない。 きっかけは前回の「NO:11 ブラック恋人探し」で黒霧が愛に目覚めてしまった事だった。もともとこの事件は玄霧やら如月やらといった人物達が黒霧をからかおうというネタから始まった出来事だったが、その結果に二人は満足していなかった。いや、結果だけ見れば二人の計画は成功だったのだが、思ったほどおもしろくなかったのである。 そこで二人は喧嘩した。以下に二人の喧嘩内容を記述する。 「どう考えてもこれは参謀の知恵不足だろう。まったく、もう少し頭を使う事を憶えたらどう?」 「これは主犯の玄霧のせいよ。もうすこし面白くなるはずだったのにっ。きぃーっ!」 喧嘩勃発。 そして二人は両者を陥れるべく手持ちの部下やら関係ない人々やらを巻きこんで暗躍を始めた……。 ちなみに言うと、これが「イベント05 冒険開始!(その2)」で玄霧藩国が動かなかった理由にあたる。藩国中枢の目の向く先が冒険どころではなかったのだ……。 さて、このとき藩王玄霧はこう考えた。あの後喧嘩別れしたまではいいのだが──どうやら吏族一同が泣いていた事は都合良く記憶から閉め出したらしい──このまま引き下がっては腹の虫が治まらない。 と、そこで一計を案じた。そういえばあの性悪女ずいぶん金を貯め込んでいたはずだ。まったく、この玄霧の目を欺こうなどとは片腹痛いわ。ふっふっふっ。これは思い知らせねばならん……。 そして翌日。忍者にして吏族にして更に言えば華族である雅戌は藩王に呼び出された。この二人、実は如月敦子と仲違いする度にがっしりと手を組んで共同戦線を張る仲にある。今回も雅戌は昨日のしょもない喧嘩のことを知っていたので別段不思議とも思わずに藩王の下に出向いた。この日も藩王は私室にしか見えない執務室で某携帯ゲーム機で遊んでいた。 「よう悪友」玄霧は言った。 「いや、流石にそれは身も蓋もなさ過ぎないか?」やや呆れた感じで雅戌。 「まあそれはともかくこれを見ろ」 そう言って藩王が懐から取り出したのはなんだか子供の手による物っぽいあやしぃ地図だった。 「……って、これうちの国の地図じゃないですか」 「今新版の発注をすませた」何故か胸を張る玄霧。 「いやそれ何日も前からやれっていってたでしょう?」 「ムゥ〜ン。それはともかくだ」 すげぇ誤魔化し方である。 「地図のここ、右側にある山を見ろ。ここになんか宝箱マークがついてるだろ」 「……ああ、箱だったんです。てっきり黒くて速くてかさかさしたものかと」 「それを言うな」 「で、これが何なんです?」 「うむ。宝の地図である」 「ぼけましたか」 この点、雅戌は容赦がない。しかし藩王の鉄拳を顎にくらうと、容赦ない自分の性格をかなり恨む事となった。 「で、お前には今すぐこれを探しに行ってもらう」 「ちょ、今すぐですか? なんで!」 大体これでは藩王の妙な遊びに付き合わされるだけではないか。何か少し前に黒霧とかいう文族がこっぴどい目にだかいい目にだかあったらしいが、その二の舞はごめんである。 「大丈夫。かなりのお宝があることは確約しよう。死ぬこともない。保証する。だから行け」 しかしこの場では玄霧の押しの強さに抵抗できなかった。その後二時間ほど粘って雅戌は言い訳をしまくったが── その日の午後、スコップを肩に担いだ雅戌の姿が山の中腹にはあった。かなり真剣に地図とにらめっこし、黒くて、じゃない宝箱の位置を確認。マスクを取ってひげで気流やら気配やらいろいろ確認しつつ、ここだと思ったところにスコップを突き刺した。 がちん、とすごい音が鳴った。 まじかよとか思いながら周囲の土を掘り返すと、なんと馬鹿げたじゃない驚いた事に宝箱があったのだ。「まじかよ」と思わず呟いてしまったことを一体誰が責められよう。しかも宝箱を開けてみれば、そこにはまさしく金塊の山。まぶしくて目を瞑ってしまいそうなその輝きを目の当たりにして雅戌はしばしの間呆然としていた。 すぐそばの山肌にくないが突き刺さったのはそれから数秒後のことだった。はっとして振り返れば、何かものすごい遠いところからすさまじい勢いで走ってくる人影がある。雅戌は殺意に背筋が粟立つのを感じた。 とりあえず雅戌は宝箱を抱えて走り出した。「まてーどろぼー」という声を遙か彼方に危機ながら疾走、間もなくして彼は奇妙な刺客から逃げ去った。 そして翌日、彼の持ち帰った資金4億は全て国庫に納められることとなった。 ちなみに、その資金の話を会議の場で雅戌が持ち出したとき藩王玄霧は靴下だらけの姿、また華族如月敦子はすさまじい渋面であったことを追記しておく。 後日譚。 議会終了後、玄霧と如月敦子は二人だけで会議室に残った。そして最後の一人が出て行きぱたんと扉が閉められると、お互いすさまじくさっきだった様子で怒鳴りあった。 「お前この靴下は何だ! 全然とれないじゃないか、しかも臭いっ。どうしてくれるんだ!」 「それはこっちの台詞だこの盗人藩王! 私のへそくりをよくもよくもよくもーっ!」 玄霧藩国は今日も平和である。 [No.269] 2007/01/08(Mon) 16:45:21 |