[ リストに戻る ]
No.2289に関するツリー

   T14新規アイドレス作業ツリー - アポロ - 2009/04/12(Sun) 15:58:55 [No.2289]
食品加工工場 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:01:23 [No.2291]
締切変更 - アポロ - 2009/04/27(Mon) 02:05:11 [No.2317]
文章進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:03:04 [No.2294]
食品加工工場〜酒造〜(東西天狐)第一稿 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:12:36 [No.2300]
食品加工工場〜生命の水〜(東西天狐)第二稿 - 天狐 - 2009/04/23(Thu) 08:54:06 [No.2313]
食品加工工場(東西天狐)第一稿 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:11:20 [No.2299]
食品加工工場(玄霧弦耶)第一稿 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:08:58 [No.2298]
イラスト進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:02:35 [No.2293]
外観 - しじま - 2009/04/24(Fri) 01:07:34 [No.2314]
食品加工工場 - イク - 2009/04/12(Sun) 17:36:41 [No.2304]
ページ構成進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:02:08 [No.2292]
進行状況1 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:16:31 [No.2302]
進行状況2 - アポロ - 2009/04/21(Tue) 00:51:05 [No.2311]
進行状況3 - アポロ - 2009/05/28(Thu) 02:09:45 [No.2327]
進行状況4 - アポロ - 2009/05/28(Thu) 10:44:19 [No.2328]
確認ー - 玄霧弦耶@藩王 - 2009/05/28(Thu) 18:04:39 [No.2330]
お料理教室 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:01:00 [No.2290]
締切変更 - アポロ - 2009/04/27(Mon) 02:06:21 [No.2318]
文章進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:04:53 [No.2297]
お料理教室(玄霧弦耶)第一稿 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:14:16 [No.2301]
イラスト進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:04:15 [No.2296]
進行状況1 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 17:53:24 [No.2305]
土日になるけど - イク - 2009/05/28(Thu) 21:00:08 [No.2331]
進行状況3 - アポロ - 2009/07/17(Fri) 00:29:22 [No.2394]
ページ構成進行状況 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:03:47 [No.2295]
進行状況1 - アポロ - 2009/04/12(Sun) 16:17:04 [No.2303]
進行状況2 - アポロ - 2009/04/21(Tue) 00:52:51 [No.2312]
進行状況3 - アポロ - 2009/05/28(Thu) 13:09:17 [No.2329]



並べ替え: [ ツリー順に表示 | 投稿順に表示 ]
T14新規アイドレス作業ツリー (親記事) - アポロ

T14新規アイドレス作業ツリーです。
進行状況の報告等にどうぞ。


[No.2289] 2009/04/12(Sun) 15:58:55
お料理教室 (No.2289への返信 / 1階層) - アポロ

4月20日あたりで一旦まとめられたらと思っております。
緊急ではありませんのでくれぐれも無理はせず、自分のペースで進行お願いいたします。


[No.2290] 2009/04/12(Sun) 16:01:00
食品加工工場 (No.2289への返信 / 1階層) - アポロ

4月20日あたりで一旦まとめられたらと思っております。
緊急ではありませんのでくれぐれも無理はせず、自分のペースで進行お願いいたします。


[No.2291] 2009/04/12(Sun) 16:01:23
ページ構成進行状況 (No.2291への返信 / 2階層) - アポロ

ページ構成の進行状況はこちらに。

[No.2292] 2009/04/12(Sun) 16:02:08
イラスト進行状況 (No.2291への返信 / 2階層) - アポロ

イラストの進行状況の報告はこちらに。

[No.2293] 2009/04/12(Sun) 16:02:35
文章進行状況 (No.2291への返信 / 2階層) - アポロ

文章の進行状況の報告はこちらに。

[No.2294] 2009/04/12(Sun) 16:03:04
ページ構成進行状況 (No.2290への返信 / 2階層) - アポロ

ページ構成の進行状況はこちらにどうぞ。

[No.2295] 2009/04/12(Sun) 16:03:47
イラスト進行状況 (No.2290への返信 / 2階層) - アポロ

イラストの進行状況の報告はこちらにどうぞ。

[No.2296] 2009/04/12(Sun) 16:04:15
文章進行状況 (No.2290への返信 / 2階層) - アポロ

文章の進行状況の報告はこちらにどうぞ。

[No.2297] 2009/04/12(Sun) 16:04:53
食品加工工場(玄霧弦耶)第一稿 (No.2294への返信 / 3階層) - アポロ

#修正予定の第一稿だそうです、おつかれさまです!
#以前にいただいたものを代理投稿させていただきます。(アポロ)



『犠牲と引き換えに私はある事を再び教えられました。』
『それは、民のことを信じ、対話し、互いに協力し合うことです。』
『私は、この事を忘れたくない。そのためにも、再び皆さんの力を貸して欲しい。』
『どうか、今一度手を取り合うためにも。宜しくお願いします。』

                      12309002 内乱後、藩王が国民の理解と協力を得るために行った演説の一

部より抜粋。

/*/

T13末。
三面作戦における内政力の低下、産業転換による既存職業との確執、薬害等の問題に加え、共和国全土を襲った

迷宮問題や土壌問題により、玄霧藩国で大規模な内乱が起こった。

国を憂いた者達による、内乱であった。
結果は、内乱を起こした者たちの全滅で終わったとされている。


そして、内乱があって暫くしてから、復興に悩む藩王のもとに一通の手紙が届いた。
以前、国内の有力者達に送った産業転換や薬害問題に関する書簡の返事であった。
返事が書かれたのは、届いた頃よりずっと前。内乱の頃であると推測された。
内容は、以下の通りだった。

”我々はこれまで共和国と、陛下と、大統領のために働いてきました。”
”今になってこのようなことをされることに、強い憤りを感じております。”
”この上は我々は滅びるまで戦い、第七世界人を追い出すために戦わねばなりません”
”陛下。”
”どうぞ、”もう一度お考えなさいますよう。臣下一同、伏してお願い申し上げます。”
”敵は我々ではございませぬ。”

藩王はその日、何度も手紙を見ては涙し、己の無力感に苛まれた。
直ぐに返事を送ったが、恐らく返事は来るまいと言われていた。
天国からの返事は、届かない。

玄霧藩国は国を影から支えてくれていた存在を、失ったのである。

/*/

だが、しかし。
それで落ち込み、絶望している暇はなかった。

手紙を送った面々は、最後まで国を憂いていた。
ならば今やるべきことは一つ。
彼らの意志を受け継ぎ、無理をせず、着実に国を良くしていく事である。

内乱を起こし、敗れ、落ち延びた者達がいつか帰ってくる下地を作る為にも。
彼らもまた、手を取り合う「民」なのだから。

今こそ、国民と共に手を取り、平穏を得るための反撃が始まるのだ。

/*/

演説の後、藩国がまず取り掛かったのは「食の安全と安定供給」という内需を満たし、外に向けて販売する「資金源とし

ての交易品」を作る為の食糧加工工場の建設だった。

マンイーターや土壌汚染による食料恐慌などを経て、NWでは『食品の安全性』というものは急激に重要性を増した。
更に、食事というものは軽視すると体調を崩し、重視すると今度は食べたいものが食べられないというジレンマを抱えてい

る。
ここに、目を付けた。

玄霧藩国は、医療従事者が多く、共和国の中でも進んだ医療技術や薬学知識を持ち、各国に様々な薬品を卸して

いる。
これを利用し、安全で栄養バランスのよい加工食品を作ったり、サプリメントのような栄養補助を目的とした製品や、病

床に付いた人などの為の特別用途食品を作ることも出来ると考えたのだ。
これならば、マンイーターの時に疫病研究所で協力した際の対疫病のノウハウなどを無駄にする事も無い。
医療国であるところの玄霧藩国は、医療国だからこそ出来ることで、国内の。ひいては共和国全土の「食」にアプローチ

する事を目的としたのである。

品質の高い食料が欲しいなら、農業国から買える。
安い食料が欲しいなら、帝国などからでも買える。
だが、それでも玄霧藩国のものを買う為の何か。
これを、自国の得意とする分野で補おうと考えたとも、言える。

/*/

さて、その食糧加工工場であるが。正確には工場群である。
この工場群は、大まかに分けて4つの区画によって成り立っている。
4つの区画は、
・健康食品などを作る【加工食品区画】
・乾物などを作る【保存食区画】
・サプリメント等を専門に作る【栄養補助食品区画】
・古くからの藩国の産物である酒造を行う【酒造区画】
からなり、その中で種類別に更に細かく分かれている。
以下で、それぞれの区画を簡単に説明しよう。


○加工食品区画
加工食品区画は、4つの区画の中でも1・2を争うほど大きい区画である。
主な生産物は、ハーブなどを使用した食品や、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの健康食品となっている。
#本来、食品は健康の為にあるものなので「健康食品」というのはある種の形容詞になる。
また、育児用の離乳食や特定の疾患に対応した塩分をカットした病者用食品もここで作られる。

この区画で作られる食品のうち、「健康食品」として出されるものは、藩国の医療組合の協力の下、エビデンス(科学的

根拠)を確認されている。
#そのため、「健康食品」と呼ぶよりは「保健機能食品」と呼ぶほうが本来正しいが、ニュアンスの問題からあえて「健康

食品」とする。
勿論、離乳食や病者用食品も安全性や栄養面の検査を通ったものしか出荷されない。
食の安全と、栄養面の調整をかねる重要な区画である。

このように書くと、大掛かりな機械で全工程を自動化しているように感じるかもしれないが、機械化部分は意外と少ない


完全に機械に任せれば一定の品質で大量に作ることも可能だろうが、どこまで行っても自然の力には勝てない部分が必

ずあるためである。
可能な場所は機械化を。機械で出来ない部分を人の手で行うことで、高品質のものを十分な量生産できるようになっ

ているのだ。


○保存食区画
保存食区画は、その名の通り保存食を取り扱う区画である。
魚や肉の燻製や、チーズ等の発酵製品、ジャムやハチミツなどのスプレッドと、種類は多岐に渡り、そのため、加工食品

区画と同じくらい大きい。
加工食品区画が外向けの商品を作る区画とすると、此方はやや内向けの商品を区画と言える。
宇宙港によるデータや経験を元に、宇宙用保存食(所謂宇宙食)なども作っており、案外バカに出来ない区画でもある



災害時や緊急時における保存食の質は生命にかかわる為、出来るだけ長持ちし、可能な限り栄養の取れる食品を開

発することにも注力されている。
現在はまだ試作品の段階だが、栄養補助食品区画との協力で、長持ちする一口サイズのビスケットに様々な栄養素を

込めた製品も出来つつある。
なお、この区画の製品は長持ちさせる為に防腐剤の類を使うこともあるが、極力人体に害の無いものを使うことが義務

付けられている。


○栄養補助食品区画
栄養補助食品区画では、錠剤やカプセルタイプのサプリメントを主に取り扱っている。
本来は食品加工区画の更に一区画である予定であったが、発展性を考慮され別に区切られた経緯を持つ。そのため、

現在は一番小さいが、各国からの受注生産による常備薬代わりの各種サプリメント等を開発する話や、共和国宇宙軍

計画の際、宇宙艦船に登場するパイロット達のためのカルシウム剤やビタミン剤を作る話もあり、今後の展開が期待され

ている。

共和国宇宙軍計画は多くの藩国が協力しているが、機械分野での協力はともかく、パイロットの体調管理などの分野

ではまだまだ発展・協力の余地があるため、玄霧藩国としても力をいれて行きたい分野とされている。発展性を考慮され

て区切られた理由の一部も、ここにある。

さらに、ここで作られるサプリメントは自然由来の材料を使って作っており、他の区画で余った野菜の切れ端などを再利

用するなどして廃棄物をなるべく出さないようにするなどにも一役買っている。この区画の製品も勿論、藩国の医療組合

の協力の下、品質と安全性の確認がされている。


○酒造区画
酒造区画では、古くから藩国で行われていた酒造の経験を元に、様々な酒を作っている。
酒処として有名であった為、玄霧藩国ではそれこそ様々な種類の酒がある。
それ故、酒造部門はその設備の殆どが工場外部にある。
というのも、とある家系にしか伝わっていない品種などがある事と、余りにも種類が多いため、各生産者と契約し、それぞ

れで生産を行う形にしたからだった。
他の区画でも、全てを一つの工場で作ることは不可能なので区画別にいくつかの子工場を持っているが、此処は群体の

ような感じである。

そういう経緯から、酒造区画で作られているものは今まで藩国に無かった種類の酒となる。
現在は、本格的な蒸留設備による高品質な蒸留酒をメインに生産しており、中でも一番の目玉は特設のガラス温室

栽培によるマスカットを使用した貴腐ワインと、その貴腐ワインを更に蒸留したブランデーである。
アルコールとつまみの関係にある保存食区画との協力や、薬酒などの面から加工食品区画との協力も多く、様々な研

究がなされている。

但し、この区画はアルコールの原料から生産し、熟成させて売り物にする為、暫くは殆ど利益が出ない。
が、その間は生食用に別に育てたマスカットの販売や、他のアルコール類の販売利益等の他、国からの援助などを当て

て繋ぎ、順次拡大してゆく計画になっている。

/*/

このように、様々なものを作るわけだが、それだけ問題も複数発生する。
特に原材料の確保については重要で、これだけの種類を作るには、それだけ多種多様な材料を必要とする。
自国で農業比率を上げることも検討されたが、確保しきれない原材料はNACを通じ、安全性の高いものを各国から

仕入れ、使うことに決まった。
前出の通り、帝國の安価な食料や、共和国内の高品質な食料は多い。
そこにわざわざ後から参戦し競合するくらいなら、そういった国から原材料を買い、加工し、販売するという加工貿易の形

をとるのは、自然な流れだろう。

こうして、当初は「一つの要因で転ぶ危険性の高いモノカルチャー産業からの脱却」を目指し建設を計画された食品加

工工場は、同じ国に生きるもの、同じ世界に生きるもの同士が協力し合い、発展していくことを形にしたものとなった。
残った問題に、サプリメント等の流通による自炊率・食事回数の低下や他国食品の流入による自国食品の衰退などが

あげられるが、それについては同時期に建設される【お料理教室】で食の重要性を説き、食育などを学ぶ場を作ることで

解消することになっている。

→【お料理教室】となってるところでお料理教室へのリンクをつけ、話をリンクさせる感じで。

……ここまでに書いた食品加工工場の内容は、現時点では全て計画なだけである。
いずれ、大勢の働く人々でごった返し、様々な国に輸送される食糧を夢見て皆は作業を続けている。
その目に、国民達から信頼され、国民達を信頼する国になった自国を移しながら。
内乱などに負けず、明日を生きるために。



#要点の「食糧加工工場」は文章でクリア。
#周辺環境の「輸送される食糧,働く人々」はちと薄いんでイラストで補強必須。


[No.2298] 2009/04/12(Sun) 16:08:58
食品加工工場(東西天狐)第一稿 (No.2294への返信 / 3階層) - アポロ

#以前にいただいたものを代理投稿させていただきます。おつかれさまです!(アポロ)


*加工食品区画

「やくしょくどーげん、ね!」
「今は医食同源、だね。まあうちが薬食と云うと普通に誤解招きそうだからねえ」

 食品加工工場群において最大の規模を誇るこの区画には、必然的に多くの人の手が必要とされた。
特に機械に頼り切ることを良しとしない政府の方針から、昔ながらのマニュファクチュア方式が採られたのである。
入荷、仕分け、計画、加工、出荷、そのうちの多くの手作業を担当するのは女性国民達だ。
一定の年齢以上の希望者ならばほぼ必ず採用され、職場の先達から料理の基礎を学びながら働くのである。
後に玄霧に料理下手な嫁はなし、と言われる礎はこんなところにあったりする。

 彼女達の朝は早い。
家族の中で最も早く起き出すと、母は家族の食事を、娘は自分と母の食事を作り出勤、登校する。
午前中は主に食品の仕分けと下ごしらえ、昼休憩を挟み午後からは加工に入る。
午前の作業は熟練するまでに特に時間と経験を要する。
良品と悪品を見定め、それぞれの食材に適した仕込を施すこの作業、一般に一人前に達するのに3年はかかると言われている。
 昼食の時間、その日の弁当を食べながら母が娘に色々と指導を行う光景があちこちで見られる。
また、食堂で食事を採るのは朝寝坊をしたか、加工工場最強の調理技術を持つ「食堂のおばあちゃん」の技術を少しでも盗もうとする猛者達である。
 午後の作業は短い。
午前中に用意した物を完成させる過程であり、ここでは勘と舌での勝負となる。
極限まで設定調整された栄養と味のバランスに仕上げるべく、一つのミスも許されない。
小さじ1杯の塩が全てをダメにしてしまうことを知っている娘達の目は、決闘に挑む戦士のそれと比べても遜色はあるまい。
失敗させた場合は自分達の夕食になるのだから必死である。
こうして完成した物は最後に機械に分類され、梱包され、出荷されていく。

 そして太陽が西に傾き出す頃、彼女達は退社する。
男共が無茶も出来るように、今日も彼女達は変わらずに家の仕事もこなすのだ。


*保存食区画

「サラミ!チーズ!ソーセ−ジ!」
「全部ツマミじゃないの」

 共和国を襲った大規模な食糧危機の反省から、玄霧藩国でも長期的に保存の利く食料の生産は急務となっていた。
しかしながら近年の保存方法、つまり大量の人工保存料や添加物を用いる方法は健康維持の観点から却下される。
そこで古くから伝わる塩蔵、燻製、乾燥、発酵といった天然の手法や真空凍結や冷凍保存に改めて目が向けられることとなった。
 これらを行うにはともかく男手が必要である。
故に隣の加工食品区画とほぼ変わらぬ規模でありながら、こちらは妙にむさくるしい空間となった。
肉、魚、野菜、果物、海産物etc…際限なく輸入、輸送されてくるそれらを男達が加工していく。
ここの保存食を最も多く消費するのもまた彼らであるため、自然とその仕事ぶりは白熱する。
そう、期限の迫った保存食は酒のツマミとして格安で販売され、彼らの晩酌の伴となるのだ。
 区画の外れの倉庫地帯に増設された保存庫に、今日もまた男達が大量の保存食を格納していく。
これらが非常食として用いられることの無いように、祈りを捧げながら。



*栄養補助食品区画

「ねえねえ、これって食べ物なの?」
「要するにお菓子みたいなもんよ」

 医療技術一辺倒から脱却を目指しつつ、その技術を他分野に応用する。
ここはその理念をある意味で最もよくあらわしていると言えるだろう。
ここに勤める者の多くが医療方面の知識にも明るいのだ。
 とはいえその見た目は食品と言うよりは薬と言った方が正しい。
反面、人体に必要とされながら不足しがちなビタミン・ミネラルなどを補うために特化しており、効用は高い。
医療品ではなく、普段からの生活の中で病にならない体を作るために−それは本来の意味での『おやつ』とも言えたのかもしれない。
 なお、ここは人の手を新商品の開発に多く回しているため、製造の段階においては機械が負う部分が多い。


*酒造区画

「ヒャッハアアアーーーーッ!!酒だ酒だーっ!」
「どこの世紀末の悪党よアンタ」

 酒造に関しては古くから技術を伝える酒造業者達に一任された。
藩国からは場所と必要な機材を貸し出し、特に力を入れる貴腐ワインなどに援助や買取を行う。
良くも悪くも酒はこの国を表すものであるがゆえに、極力干渉を行わないようにしたのだ。
 今日もブドウ踏みに合わせて陽気な歌が聞こえてくる。
麦刈り稲刈りに合わせてゆったりとした拍子が鳴る。
なお、彼らの一番の楽しみとして、その年一番の酒については酒呑豊穣の祭において国民たちで味わうことがある。
それは、どんな苦しい時も決して諦めなかった彼らを支えた習慣の名残であった。


-玄霧の酒を知らずに死ぬとはなんともったいないことか
      一度はおいで、共和国の酒蔵玄霧藩国-


[No.2299] 2009/04/12(Sun) 16:11:20
食品加工工場〜酒造〜(東西天狐)第一稿 (No.2294への返信 / 3階層) - アポロ

#以前いただいたものを代理投稿させていただきます。おつかれさまです!(アポロ)



「ワイン、か?しかし葡萄園は先の土壌汚染で軒並み壊滅したと聞いているが…」
「心配は無用です。うちの国の酒造職人たちは、自分の命よりも家族と苗を優先する馬鹿ばかりですので」

-開発計画の会議において胸を張る農産担当官-

OR

「うむ。これを民の皆が味わえるようになるのが目標だ。頑張ってくれたまえ」
「ちょ、貴腐ワインって?!そんなの量産しても採算が取れませんよ!」

-計画指示において至極真っ当な意見を却下される農産担当官-


共和国随一の酒造国家として名高い玄霧藩国。
しかしながら人の業が招いた深刻な環境汚染、とりわけ土壌へのそれは酒造業者をも直撃していた。
降りしきる酸の雨、汚泥と化した土、冷え切った禍風、そして内乱。
だが、彼らは心底へこたれなかった。
「俺の爺さんの代の頃に比べりゃ屁でもねえさ。あの頃は自然や、ガラの悪い連中と毎日が戦争だったからな」

それは、酒を愛する者たちの汗と復活の物語。

壊滅した畑の復旧。
それは何においても優先されることであった。
米にしろ麦にしろ果実にしろ…材料がなければ酒を造ることは出来ない。
しかしながら全てを同時に、というのはいかにも無理な話である。
もともと育成条件が異なる上に、職人気質の強い各家が独自に発展させたそれらはあまりにも数が多かった。

酒造組合長はその中で、ブドウ…つまりワインを選んだ。
それは玄霧に酒は多けれど、ワインが老若男女問わずに最も 呑まれているからであった。
呑まれてこそ、幸せにしてこそ酒である。
そして、もとよりのワイン農家の者は畑を建て直す栽培、他の酒の者は醸造施設の復旧に分かれて一丸となっての酒造りが始まった。

それは苦労の連続であった。
古くからの蒸留技術を応用して死んだ水を日々わずかずつ蘇らせ、
各家の土倉を開いて保存してあった土を片端から試し、
限られた日照時間を最大に生かしながら風の通り道を作り上げ、
畑を襲う様々なものと戦い、
慣れぬ作業に倒れるものが現れ、
生活の為に諦めて去る者を見送り、
最初に収穫を行った時には彼らは数を大きく減らしていた。

電気機械を一切使わない伝統的な蒸留装置故に醸造の効率も良くはなかった。
だが彼らは一本一本手作りに拘った。
それは職人としての誇りもあった、最初は自分達の手で、と云うのもあった。
だが、何よりそれでなければ伝えられぬ、と彼らは識っていたのだ。

そうして完成したワインは100にも満たなかった。
半分を保存用に、内更に半分を研究用に。
残りの半分を王室と市場に無償で回し、利益は出さなかった。
それは彼らの宣言であったのだ。
我ら玄霧の酒は、死んでいない、と。

翌年からは品種改良と耕地の開拓が進められた。
収穫は倍になり、人が少し戻ってきた。
そして収穫が少しずつ増え、酒造りを離れた者達が再び戻ってきた頃。
天を突く巨木が玄霧藩国を覆っていた------


「そして…世界樹によってNWの環境が浄化されたんでしたね」
「ええ。そこから我が国も漸く本格的に各地の復興を支援できるようになりました。今でもあの日々のことはよく覚えています」
「なるほど。それでその…『最初のワイン』は呑まれたのですか?」
「ええ、そのとき政庁にいた皆で少しずつ分け合いました。町の方でも同じようにして飲まれていたみたいですよ」
「どんなお味でしたか?」
「そうですねえ…あの頃は皆お酒を飲む余裕も無くしていましたからね。そんな僕達を癒してくれる味でした」
「そ、そうなんですか…(ゴクリ)」
「ははは。大統領と、帝國の宰相附に贈ったモノ以外は全て我が国で呑まれてしまっていますから…ああ、今あるものでよければいかがです?今年の貴腐ワインはこの数年でもなかなかの出来なんですよ」
「是非いただきます!(耳と尻尾パタパタ)」


-酒は、人生の最良の友である-



CM

ヘルメットの男
「ゥンまああああ〜いっ。名産「よく出来た弟マスカット」を使った貴腐ワインは最高よぉ!」
うわらば!な男
「若人よ、酒造はいいぞ!」
ヘルメットの男
「今は美味い酒が支配する時代だ!いい時代になったものよ!」
うわらば!な男
「若人よ、酒造はいいぞ!」
ヘルメットの男
「ひぇっひぇっひぇ!俺こそが玄霧藩国最高の酒造職人様よー!」
うわらば!な男
「若人よ、酒造はいいぞ!」


[No.2300] 2009/04/12(Sun) 16:12:36
お料理教室(玄霧弦耶)第一稿 (No.2297への返信 / 3階層) - アポロ

#修正予定の第一稿だそうです、おつかれさまです!
#以前にいただいたものを代理投稿させていただきます。(アポロ)



『つまりはこういいたいんです』
『もっと皆さんと触れ合う場を作りたい』
『そう持ったとき、自分に出来るのはこれしかないと思ったんです』

                            22309002 玄霧弦耶、料理教室完成の際の言葉。


/*/


内乱からの復興が続く玄霧藩国に、食品加工工場に続き、新たな施設が建造された。
『玄霧藩国料理教室』
その名の通り、料理を教える教室である。
ただこの教室は普通の料理教室と違い、実技だけではなく、医食同源の考えから食事も予防医学の一環とし、食育を通じて「食」に対する理解や知識を増やす場でもあるのだ。

とはいうが、実はこの施設はそんなに大きくない。精々、大き目の一軒家程度である。
それというのも、藩国内でこういった分野に詳しい人間はそんなに多くない。
また、この教室の真の目的は、料理を通じての国民と藩王たちとの交流にあった。
そのため、数人のスタッフと、協力してくれる数少ない国民達で回る規模の大きさになった。と言うわけなのだ。

しかし、規模は小さいが、中身はなかなかに充実している。
教室が開くのは授業二回の実技二回で週に四回。一週間で一つ〜二つの料理の作り方と、食材の旬や見分け方等が判るようになっている。
そうして、和食洋食中華でローテーションを組み、授業が進められていく。
授業に出るには事前登録制で、参加したい週と作ってみたい料理の確認をとった後、一週間分の料金(材料費込み)を支払い、登録したら後は当日に通うだけである。
機材や材料などは全て教室側で準備してくれるというわけだ。
また、週に3週は和洋中で決まっているが、それでは4週目(或いは5週目)が余ってしまう。
これはどうするかというと、作りたい料理がどうしてもかみ合わない人たちの為の週であり、授業と実技が一緒になった一日分の料金のコースに当てるのだ。
主にデザートなどを学ぶ人は、一日で終わるこちらのコースを選ぶことも多い。

/*/

『身土不二』という言葉がある。
仏教用語で「身」(今までの行為の結果=正報)と、「土」(身がよりどころにしている環境=依報)は切り離せない、という意味である。
これを転じて、食養運動のスローガンとして「地元の旬の食品や伝統食が身体に良い。」という意味として使われている。

科学的根拠から言えば、旬の食材は栄養価が高いなどという事もあるが、この場合はこう言いたい。
『気候、風土、土地。そこで育った人は、そこで育った食べ物と共に生きる』
同じ土地で生まれたものは、同じ成分でできてるのだと。


『食育』という言葉がある。
「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること、とされている。
生きるための基本的な知識であり、単なる料理教育ではなく、食に対する心構えや栄養学、伝統的な食文化についての総合的な教育のことである。

だが、ここはもっともらしい言葉を用いて説明するより、こう説明したいと思う。
『美味しくて体にいいものを食べることができれば、人は健やかに育つ』
つまりは、そういうことなのだと。


『医食同源』という言葉がある。
元は薬食同源思想から作られた造語である。適切な食事を取ることによる予防医学の一種であり、薬膳による食の医療作用を表現している。
五行思想における「木 火 土 金 水」に対応した「酸 苦 甘 辛 鹹」の五味と「熱 温 平 涼 寒」の五気。
五味や五気にあわせた五畜(馬 羊 牛 鶏 豚)、五果(李※スモモ 杏 棗 桃 栗)、五穀(麻 麦 稲 黍※キビ 大豆)、五菜(韭※ニラ 薤※ラッキョウ 葵※オクラ等 葱 ?※豆の葉)。
さらにそれらを取ることで「肝 心 脾 肺 腎」の五臓が満たされると古くから言われている医学でもある。

ただ、そんな小難しい理論より、こっちのほうがいいだろう。
『食べ合わせのいい物を使って料理をすれば、より美味しい』
料理は楽しくなくてはいけない。難しい話は二の次なのだ。


玄霧以下のスタッフは、これらの考えや教えを基に、「食の大切さ」と「料理の楽しさ」を国民に教えつつ、料理を通じ、一つの作業を共にすることで国民に呼びかけようとしたのである。
もう一度、手を取り合うことが出来ると。
我々は、仲間なのだと。

/*/

完成してから暫くは、周囲にどのような内容か簡単に説明する必要などから、一日で簡単な授業から、直ぐに出来る料理の説明と実習が多く設定されている。
そのときは主に、クッキーの作り方や、ケーキの作り方などといった藩王がよく作っているものから教えていたようだ。

そうしてから暫く後、実際に本来の時間割で進むこととなる。
週の初めの二日分は、座学の時間。中休みがあって、次の二日分で実技。週末には練習した料理が自分で実践できるようになるのを目的としている。
座学の時間は、使う材料や調味料の扱いからはじめ、その週で作る料理によって詳細の異なる授業になる。
例えば作るものが和食なら出汁の取り方から学び、中華ならば中華鍋の扱い方、洋食では用途にあった道具の説明等で、それから更に煮物揚げ物炒め物で油の扱いや火力に下ごしらえなどを詳しく教えていく。

例えば、メジャーなところでエビフライ。
料理は五感、即ち、見て楽しみ、香りを楽しみ、食感と音を楽しみ、味を楽しむものである。
見て楽しむ為には綺麗な色で、香りを楽しむ為には油に拘り、食感と音を楽しむには適切な温度で揚げ、味を楽しむにはそれら全てに加えて下ごしらえが大事になる。
まずは、蝦の尻尾の先を少しきり、尻尾の中の水分を包丁でだし、蝦の背ワタ取る為に蝦の第二関節から第三関節の間に爪楊枝(竹串)を入れて引き上げることで抜き取り、腹のほうに斜めに切れ込みを入れることで、ピンと綺麗に揚がる。

 #背中のほうにも切れ込みを入れて叩いて伸ばす方法もあるが、個人的には蝦の食感が乏しくなるのでこうしたほうが美味しい、と昔親から習いました。

ただ、この当たりのことが完璧に出来たほうが勿論良い。が、だからといって失敗したことを責めることは無い。
料理は、まず挑戦するのが大事である。
家庭で自分や家族の為に作る。そう思うことこそが第一歩であり、一番大事なことなのだ。
いかに技術的に優れていても、気持ちの入ってない料理は見た目だけ豪華なものと一緒で、なんだかガッカリしてしまうものだ。
やはり、『料理は心』、である。自分は、これを至極名言だと思っている。

/*/

では、ある一日の風景を覗き見て、実際どのような感じで授業が進むのか見てみよう。

この日は丁度、デザートのクッキーを教える日だったようだ。

/*/

「えー、一口にクッキーといっても、いろんな作り方があります。恐らく、皆さんが直ぐに思い浮かべるのは型で様々な形にくりぬいたやつでしょう。他には、材料を混ぜたあとに棒状に伸ばして冷やし固め、切り分けてオーブンで焼く方法や、ホイップクリームを搾り出すように生地を搾り出して形作る方法もあります。ちなみに、冷やして固めて切り分けるのがアイスボックスクッキー、搾り出すのは搾り出しクッキーと言います。そのままですね。最終的にオーブンで焼き上げるのには変わりありませんので、余り気にすることは無いかもしれませんけど」

壇上で、玄霧がとつとつと語っている。
好きな分野の話だからか、妙に饒舌だ。
余り美味くもない絵を描いて、材料や手順などを説明している
なお、アイスボックスクッキーと型抜きで作るクッキーの違いはそんなに無い。
精々が冷蔵庫で寝かせる時間程度である。あと、バターの量と、艶出しの卵黄を塗るかどうか。

「で、せっかくなので今回は手軽に出来るアイスボックスクッキーのほうをしましょうか。大体の作り方は、バターを練る、砂糖を二回ぐらいに分けて加えて更にバターを練る、卵を溶いたものを三度くらいに分け入れながら混ぜつつ、バニラエッセンスを加える。その後、薄力粉を振るいいれてよく混ぜたら冷やして固めて切って焼けば出来上がり、ということです。あとは冷やす前にお好みで隠し味を入れるとチョコやミルクなクッキーになります」

と、説明しつつエプロンと三角巾を身に付けていく。
今まで聞いていた生徒達もそれぞれ身に付け、手を洗って準備万端である。
ざっと見回してみると、壮観である。
藩王以外は殆ど女性ばかり。中には男性の姿もあるが、どうにも居心地が悪そうではあった。
中にはそんなに参加しづらいのか、外から眺めている男性もいる。
そんな様子を少し苦笑しつつ眺めた後、外に向かって呼びかける。

「そこで見てても判りにくいでしょうし、どうです?一緒にやってみませんか?参加費用はおまけしておきますので」

すると、一人だと思っていた男性が二人、三人、四人と増えていく。
どうやらどこかに隠れていたようだ。女性もいる。
落ち延びていた暗殺者達が様子でも探りに着たのか?と一瞬思うものの、気にしないことにした。
それならそれで、料理教室を開いた意味も、ある。

「じゃ、後から参加した人も三角巾とエプロンを付けてくださいね。手もちゃんと洗って。・・・はい、では皆さん。黒板の手順の通りに始めましょう。まずはバターを泡だて器で練ってくださーい。判らなかったらなんでも聞いてくださいねー」

/*/

数分後。

「すいませーん!バターが全然練れないんですけどー」
「あー、こりゃ力が足りないね。ある程度までは練ってあげるんで、その後は自分で頑張ってみてね」

「あの、なんか砂糖入れたら塊が・・・」
「あぁ、これはちょっと面倒だな。砂糖を入れるときは一気にいれずに2・3回に分けなきゃ」
「どうしましょー・・・」
「大丈夫大丈夫。泡だて器で潰すようにして内側から外に伸ばすようにしたらある程度はなんとかなるよ」

「た、卵混ぜてたら分離してきたんだけどどうしたらいいですか!」
「うむ、まだ慌てるような時間じゃない。落ちついて混ぜ続けるのだ。バニラエッセンスも忘れずに」

すいすいと作っていく者もいるが、何人かはなかなかに悪戦苦闘しているようだ。
先ほどの途中参加の面々は黙って黙々と作業を続けている。まさに機械のような手つきでこなしていく・・・と思いきや、卵が美味く割れなかったりもして中々に面白い。
それでも、玄霧自体が誰かに何かを教えるのが好きなのと、料理が好きなのが効いたか、定期的に見回り、丁寧に教えて回ったお陰で大きな失敗をするものもなく、のんびりと楽しく時間が過ぎていった。
そうして、暫くたったころ。大体の人が卵を混ぜ終わった頃に玄霧が声をあげる。

「はーい、じゃー薄力粉とかを入れる前に注目して下さい。このまま粉だけを入れるとプレーンクッキーになりまーす。で、ここでココアとかお茶とかハーブとかを練りこむと、それぞれの好みの味付けにすることが出来ます。練乳とかを混ぜてミルク味にもできますねー。基本、甘みか少し苦味のあるものだったら失敗はしないので、挑戦してみたい人は挑戦して見ましょう。但し、自分でも食べれないものは混ぜないようにー」

はーい、という声が聞こえ、それぞれが思い思いの材料を混ぜている。
何も混ぜないものもいれば、ココアの粉末を混ぜるもの、牛乳と粉ミルクを多く混ぜるもの、中には摩り下ろしたニンジンを混ぜているものもいる。
なんだか不思議なものを混ぜているものもいたが、この時点では誰も気づいていなかった・・・

/*/

混ぜ終わって冷やし、固まるのを待つこと暫く。
その間は、質問に答えたり、ちょっとしたウンチクを語ったり、世間話に花を咲かせる皆を見たりですごしながらも、皆一様にワクワクしていたようだ。
初めて作るものでも何度も作るものでも、やはり皆で料理を作ってる間の話というのはどんなときも楽しいものだ。
そうしておおよそ1時間半ほどたった頃、懐中時計をみて玄霧が言う。

「よし、じゃあそろそろ見てみようか。掌で押してへこまないくらいに固まってたら、包丁かナイフで切り分けて、オーブンで焼きまーす。硬いので気を着けてねー。オーブンの温度は170℃にあわせて下さい。今回はこっちで設定しておいたので、そのままいれてOK。大体20分くらいで焼きあがるので、表面がいい色になってきたら取り出してねー。火傷にだけは十分注意するようにー」

冷やす時の形次第で思い思いの形に作れるが、今回は簡単に棒状か直方体にかため、輪切りの要領で形作っていく。
厚さは、大体4mm程。まぁ、そんなに気にせずとも、薄すぎず厚すぎずなら問題は無い。

「焼いてる最中はじっとオーブンを見るのもよし、本でも読んで時間を潰すもよし。他のことで時間を潰す人はそっちに夢中になって焦げないように。白状すると、自分が既に何度もやってるのでガッカリ感はしゃれにならないよ?」

などと言いつつ、玄霧もオーブンに自分の作品を入れる。
今回はプレーンとチョコの二層の渦巻きクッキーだ。二つの生地を用意し、薄く延ばして重ねて丸めて形を整えれば出来る。
あとは、20分程度のんびりしながら香ばしい匂いがするのを待つだけだ。

「あ、そうそう。いい匂いがしてきても、表面がなんかやわらかそうなときがあります。そういう時も一旦取り出して冷ますように。冷えればいい感じに固まってくるので、失敗じゃありませんよー」

……体験談である。
一番最初に作ったとき、バターが多かったのかオーブンの火力が弱かったのか、なかなか表面が固まらず何度も焼きなおしたお陰で岩のように硬いクッキーが出来たことが、あった。
案外、表面がやわらかそうでも冷めれば十分固まるものです。これほんと。

/*/

「じゃ、出来上がったようなので試食の時間でーす。皆さん、出来たクッキーをもって向こうのテーブルに移動しましょー」
『はーい!』

さて、実習の一番のお楽しみ。試食の時間である。
講師役である玄霧が参加者の作品を一つずつ味見し、感想を言う。
その後で、皆で食べあって参考にしたり、話の種にしたりする。
ルールは一つ。他人の料理に関して文句はつけないこと。

「では失礼して。お、これはチョコ味かな・・・と、ありゃ、チョットだけ焦げちゃったみたいだね。ココア混ぜると焼き色わかりにくいから。でも、ソレくらいのほうが手作り感があって良いと思うよ、うん。美味しい美味しい」
「はぁ・・・次は色の薄いもの混ぜてみます」

「お、コッチは・・・あ、ニンジンクッキーか。これならニンジンが嫌いな子も食べれるね、うん。後でドレくらいニンジン入れたか教えてくれる?」
「はい。結構多く入れたけど、ちゃんと甘くて美味しく出来たと思います」

「んー、これは・・・えーとネ、何を混ぜたんだろうカナ。舌がピリピリするんだけドネ?」
「あ、そのー。ちょっと毒を。いえ、違うんですよ!命を狙ったとかじゃなくて!忍者の家系は毒物になれないといけないんですけど、ほら、今の子達が中々!」
「うん、わかった、わかったから。取り合えず今回の試食会では持ち帰ってね。何かあったらいかんので」

ぶんぶか手を振りながら弁明する女の子を宥めつつ、次のを食べる。

「で、これは・・・ハーブかな・・・んー・・・ん?」

ピタリ、と玄霧の動きが止まる。
作ったのは、後から参加した面々のようだ。とりあえず、皆に少し待つように言い、その面々を部屋の隅に連れて行く。

「その、なんだ。こんなこと聞くのも野暮なんだが、これ、スペースなお菓子(#1)じゃない?」
「・・・ええ、良くご存知で。普通食べただけではわからないと思ったのですが」
「あー、うん。アレから色々勉強してね。前に大麻の葉っぱを使った料理を一度だけ作ってみたわけだが、それに味が似ていたんで気になってな」
「ご安心を。医療大麻(#2)として処方されているものです」
「・・・分量は?」
「そちらについては我々も心得てますので。食べても大きな害はありませんよ。逆に薬物依存にも効果がある(#3)のはご存知でしょう?」
「む・・・確かに開いた文献の中にはそういう描写もあったが・・・エビデンス(#4)は取れてないし・・・ソレについては後で話をさせてくれ。兎も角、流石に皆で食うわけには行かんので、後でお茶でも飲みながら話そうじゃないか」
「まぁ、仕方ありませんな。チョット試しただけで、我々も害を与えるのが目的ではありませんので」
「判ってくれて嬉しい。では、戻ろうか」

#1:一般に、お菓子などの生地に大麻を混ぜたものをスペース○○(○○にはお菓子の名前が入る)という。合法な国に行けばスペースケーキとかが食べれるけど、日本では違法です。
#2:大麻を使用した医療方法。現実でも一部の国で認可されており、現在も研究中なところが多い。前出のスペースお菓子を治療の際に使うことも多い。
#3:コカインやヘロインのような依存症の強い薬物から脱却する為に、依存性が低く、耐性の付きにくい大麻を使うことがある。なお、場所によってはこれも違法なので注意。日本ではアウト。玄霧藩国では医療用などに限り合法。
#4:科学的根拠のこと。大抵の場合、ある治療法がある病気に対して効果があるか検証した証明・証拠のこと。

と、密談を終えた後、毒入りクッキーを横に避け、皆でクッキーを摘まみながら紅茶を飲む。
これが和食や洋食などを作るときは流石に紅茶は出ないが、同じように皆で囲んでつまむ。

「座学でも軽く説明したけど、五行説の考えでは相生というのがあってね。例えば、クッキーの原料である麦は五行の火。砂糖で味付けしたことによる甘みは五行の土でね。火は物を燃やし、灰になったものは土にかえるという『火生土』の関係なんだね。で、昔からこういうレシピが残ってるって事は、皆なんとなく感じてたんだろうね。あとはまぁ、やっぱり自分の国で取れた物を料理するのはいいね。ウン」

美味いものを食べて気分が良くなったか、座学の続きを藩王が語る。
真剣に聞いてる者もいれば、適当に流して聞いてるものもいるが、特に気にすることも無く聞いてくれるものに話をしている。
と、その時。

「まーたペラペラ話しちゃって。なに?浮気?」
「げぇっ!火焔!!」

こつん、と玄霧の頭を叩きながら火焔が声をかけてきた。
どうやら様子を見に来たらしい。政治面の細かい部分を摂政たちに任せたことを怒ってるのかも、しれない。
なお、ジャーンジャーンという銅鑼の音が聞こえた人は耳鼻科に行くことをオススメする。

「なにが『げぇっ!』よ。・・・ふーん。邪魔しちゃった?」
「いや、違う、断じて違う。ようこそいらっしゃいました火焔様!ささ、お席にどうぞ」
「ま・・・いいけど。お、クッキーじゃん。いただきー」

横に取り分けておいたクッキーを火焔がおもむろに摘まむ。
まぁ、少しくらい減ってもかまわない、と見逃していたのが運のつきだった。
モリモリ食べてた火焔が急に倒れたのである。それも、派手に。
『バターン』という擬音がピッタリな倒れ方をした火焔に、周りの者もざわつきだす。

「ちょ、何で?・・・って、さっきの毒入り食ったのか!横に避けてたのに!だだだだれかこの中にお医者様はおりませんかー!」

玄霧、PLACEみなしに医療行為がない男。
運悪く、活動しやすいPLACEを着用して料理していたのであった。

「あ、あの、ええと、それ作ったのアタシなんですけど、大丈夫です!」
「ナニガー!一体何が大丈夫なのさー!」

もはや@@である。
製作者の女の子(参加申請の書類によると15歳)の肩をガクガク揺らしながら問い詰める。

「えっと、これは精々が舌先が痺れるくらいしか入れてないので、作った分全部食べてもあんなに派手に倒れることは無いはずなんですよー!」
「でも実際倒れてるんですけどどうしたらいいんですか!」
「だ、だから、ビックリして喉詰まらせたんじゃ・・・ないかなーって・・・」
「それもっと早く言いなさいよ!」
「言おうとしたんですけど藩王がー!」

取り合えず女の子をガクガクするのを止めて、火焔の背中を叩いてみる。
咳き込むと同時に、クッキーの塊が口から飛び出る。
少し勿体無いが、吐き出したものを食べるわけにもいかないので拾ってテーブルの端に置き、火焔の解放を続ける。
飲んでいたお茶を渡し、飲み干すこと数秒。ようやく火焔が大きく息をついた。

「あ゛ー・・・死ぬかと思った。うぇー」
「あー。その。すまん。こうなるかもしれんと思って避けてたんだが」
「もー。なにこれ、なに入れたらこんな味になんの?」
「えーと、多分、毒?」
「・・・・・・・・・」

視線が、痛い。
俺が悪いんじゃない、とかの弁解の言葉も出ず、ただ慌てて周囲に救いの視線を送る。
右を向く。目が合った男性が全力で目をそらした。ハハハ、こやつめ。
左を向く。多数の生暖かい視線が注がれる。こやつめハハハ。
後ろを向いてみる。このクッキーを作った女の子が地面に付くほど頭を下げている。チィ、これは責められぬ。
覚悟を決めて、正面を向く。怒った火焔がいる。ドウシヨウ。

「いや、違うぞ。そういうのを教えてるんじゃなくてだな。チョットした事故と言うか」
「・・・何か言うことは?」
「スイマセンデシタ。ワタシガワルカッタデス。ゴメンナサイモウシマセン」
「よろしい。じゃ、美味しいの頂戴。舌の痺れないヤツね。」

無名世界観の女性は強いのが多いとはいえ、やはり尻に敷かれる運命なのだろうか。
今後、大変そうである。

/*/

以上が、ある日の風景である。
どうにも特別な一日のようにも見えるが、特にそういったことは無い。
むしろ、他の日のほうがすごいこともある。
和食で煮物を作って鍋が吹き零れて大騒動や、中華で中華鍋の扱いで大騒動や、洋食のオムレツをひっくり返すときに勢いを付けすぎて大騒動など、大抵何かがあるものだ。
だが、それもまた、過ぎれば楽しいものである。食材も生き物であるので、料理が台無しになるのはなるべく避けたいのも本音ではあるが。
まぁ、大怪我をしない限りは概ね問題ない。道具や機材の修理は出来ても、命の修理は出来ないものだから。

「人を良くすると書いて食。食というものは生きるうえで重要であると共に、精神的成長にも必要なものである。と・・・」

政庁の中にある寝室で、そこまで書いて、玄霧がペンを止める。
どうやら、料理教室での出来事を日誌に書いていたようだ。

「で、なにやってんの?」

後ろで髪を梳いていた火焔が声をかける。

「あぁ、せっかくなので日誌をつけようかなと思って。何の料理作ったとか判ると被りも少ないし」
「へぇ。暇人ねー」
「・・・いや、まぁ、うん。そうかも。日誌の最後の部分書いたら相手します」

いずれ、この料理教室で学んだことを何かに生かす人も出てくるだろう。
それは家族へのちょっとしたお返しだったり、愛する人へのプレゼントだったり、中には医食同源や食育の考えから医療法の一つとして研究する人も居るかもしれない。
その昔、中国には食医という職業があった。医者の中でも特に優れたものが古代の王たちの食事の調理や管理を任されていたのである。
医者と料理人は、昔は一つだった。ならば、医療国家である玄霧藩国でも、そういった人が出てくるかも、知れない。
それは今の段階ではただの夢物語だが、きっといつかは現れるだろう。
そのときこそ、新しい段階に進めるのではなかろうか。解決策が一つの方向性だけなのではなく、様々な方法から好みの手段を選べるような段階へ。
今を乗り越えれば、きっと。そう願っている。


                                     玄霧弦耶の手記より抜粋。

/*/

○おまけ

今回作ったアイスボックスクッキーのレシピをおまけということで乗っけます。
皆も是非作ってみてください。

・材料(およそ20枚分)

バター:80g
砂糖:40g
卵黄:1個
バニラエッセンス:少量
薄力粉:150g

以下、作りたいものによって追加してください。

●ニンジンクッキー
にんじん:50g
りんご:20g
#両方摩り下ろしたものを用意すること

●カカオクッキー
ココア:20g
#薄力粉をその分減らすと粉っぽくなりにくいです。

●ミルククッキー
生クリーム:50g
コンデンスミルク:大匙1〜2杯
#砂糖の量を調節すると甘すぎないものが出来ます。

●レーズンクッキー
レーズン:5〜10g(お好みで)

●ナッツクッキー
好みのナッツ類を砕いたもの:約10g


・下準備

1.バターと卵とを室温に戻す(冷蔵庫から出して30〜1時間放置。冬場の温かい室内だと、バターは様子を見ながら、指で押すと軽く凹む程度)塩が入ってなければいいので、無塩マーガリンでもOK。
2.薄力粉をふるっておく。2、3度やるのが一番良いが、1度でもOK。ココアを入れる人は、他のボウルについでにふるっておこう。
4.レーズンやナッツを入れる場合、刻んでおく。(1個ずつ刻まなくても適当でOK)
5.天板にクッキングシートを敷き、オーブンを180度に温めておく。


・作り方

1.ボールにバターを入れ、泡だて器でクリーム状になるまで練る。

2.クリーム状になったら砂糖を2度くらいに分けて入れ、さらに白っぽくなるまで混ぜる。

3.解きほぐした卵を3度くらいに分けて少しずつ入れる。加える度にしっかりと混ぜること。分離しそうになっても慌てずに掻き回し続けること。バニラエッセンスもこのとき加える。
#分離しかけるのは結構良くあるので、落ちついて対処しましょう。

4.泡立て器からヘラに持ち替えて、ふるった粉類を混ぜる。このとき、切るようにして混ぜると良い。
#このまま焼けばプレーンなクッキーです。

5.他の材料を加える人は、それぞれにボウルに入れて再度混ぜ合わせ、3センチくらいの筒状にしてラップで包み、冷凍庫で1〜2時間固める。

6.固まったら4〜5ミリ程度の厚さに切り、170度のオーブンで17〜20分焼く。オーブンによって時間は5分くらいは前後するので、中の様子を見ながらがお勧めです。

7.焼けたらオーブンから出し、荒熱を取ってからヘラなどで掬うようにして取り、キッチンペーパーの上などで冷ます。

8.完全に冷めたら、美味しく食べれます。余った分は、別のキッチンペーパーをしいたタッパーなどに保存しましょう。


チョットくらい焦げても、それはそれで美味しいものです。
是非、挑戦してみてください。


[No.2301] 2009/04/12(Sun) 16:14:16
進行状況1 (No.2292への返信 / 3階層) - アポロ

リアル事情により16日まで作業ができないので、それ以降の作業になります…大変申し訳ございません。
藩王との話し合いにて、全体的に緑色な雰囲気で作る予定です。
もし、何かページ構成にてアイデアや希望がありましたらアポロまでご連絡くださいませー。


[No.2302] 2009/04/12(Sun) 16:16:31
進行状況1 (No.2295への返信 / 3階層) - アポロ

リアル事情により16日まで作業ができないので、それ以降の作業になります…大変申し訳ございません。
藩王との話し合いにて、全体的においしそうな色の雰囲気(…)で作る予定です。
もし、何かページ構成にてアイデアや希望がありましたらアポロまでご連絡くださいませー。


[No.2303] 2009/04/12(Sun) 16:17:04
食品加工工場 (No.2293への返信 / 3階層) - イク

#アポロさん、お忙しい中作業ツリーをありがとうございます・・!(マンモス土下座

■酒造等含めた外観
・しじまさんが作成中 →現在のラフは藩国絵版にあります。


■製造中の様子
・加工食品作り中の人
・保存食(みそ?)製造中の子達
・栄養補助食品製造中の人々
・酒造のニャック兄弟

→藩国絵版に居ます。
背景は・・ざばっと何とかトライするけどうまくいかなかったら背景抜きで・・・


■食品
・サプリメントを描き描き。見た目大変アホなので、早めに突っ込みプリーズです。→絵版に。
・フルーツはマイムさんがちょこちょこ描いてくれてるのを僕は知っている・・・→マイムwiki
・その他食品、今日描きます。


[No.2304] 2009/04/12(Sun) 17:36:41
進行状況1 (No.2296への返信 / 3階層) - アポロ

作業状況
・お料理教室外観か、授業風景を描く予定です。まだ作業開始しておりません。
・↓こちらどこにも使用していなかったイラストなんですが、冒頭の呼びかけのところでこれ使ってもよい気がしました。
(以前藩国旅行ログ用に描いたのですが、未公表でした)
http://ppp.atbbs.jp/photo/zomig/123952635551.jpg


[No.2305] 2009/04/12(Sun) 17:53:24
進行状況2 (No.2302への返信 / 4階層) - アポロ

作業入っております。タグうち進行中です

[No.2311] 2009/04/21(Tue) 00:51:05
進行状況2 (No.2303への返信 / 4階層) - アポロ

素材作りつつ作業進行しております
http://ppp.atbbs.jp/zomig/mode/all/54/0


[No.2312] 2009/04/21(Tue) 00:52:51
食品加工工場〜生命の水〜(東西天狐)第二稿 (No.2300への返信 / 4階層) - 天狐

「兄さん、争いが終わったみたいだよ」
「よし、俺は酒を造るぞ弟よ!」
-ある兄弟の会話-
OR
「…なあ、あれはいったい何をしているんだろうか」
「僕の目がおかしくなってないとしたら…お酒を造っているんじゃないかなあ、と」
-荒廃した土地で不思議なものを目撃した政庁の視察員-


 酒は天の美禄という。
なるほど酒ほど人を魅惑し、幸福を与え、堕落させるものもそうそうあるまい。

 酒はいつも文化と共にあった。
なるほど酒ほど古くから人を問うてきたものもそうそうあるまい。

 ここにある兄弟がいる。
兄をアルマ=ニャック、弟をコ=ニャックといった。
二人は玄霧藩国で五指に数えられる酒蔵の職長と経営者である。
彼らもまた多分に漏れず酒という名の『』に取り付かれていた。
兄は情熱を以って、弟は才知を以って道を行く。
彼らのそれは最早信仰の域に達していたと言って良い。
 だから彼らは国の内乱が明けると、当たり前に誰よりも先んじて酒蔵を開放し、酒造を再開した。
水が無ければ自ら井戸を掘って汚水を蒸留し
土が無ければ家の土壁を崩して苗床とし
日が無ければ巨大温室を作り上げて採光し
畑を襲うモノがあれば先頭に立って農具を振るい
倒れる者があれば後を請負い
それはまるで祈りを捧ぐ狂信者の如く。

 祈り。
それは彼らの祈りであった。
たとえ灼熱の津波が押し寄せようとも、極寒の禍つ風が吹き荒ぼうと、鋼鉄の嵐が荒れ狂おうとも、
世界が終わるその日まで、否、世界が終わるその時まで示す彼らの祈り。
人を、世界を、何よりも酒を愛するが故の。

 彼らは主義や主張、政治といったものにはさほど興味がない。
なぜならそれらは本当に美味い酒の前では毛ほどの価値も失う、と信じているからだ。
聞く人が聞けば目を剥きそうな話ではあるが、実際この兄弟が作る酒はその程度には美味い。
それを表すちょっとした逸話がある。
内乱後、藩王を始めとする面々が国民たちとの対話に臨んだ際、どこからともなく現れた二人組みの男が大量の酒樽を議場に持ち込んだせいで、対話の場が宴会場と化した、というものである。
この話の真相は闇の中であり、当事者であろう者に聞いても彼らは揃って首を横に振り否定する。
それでも、あの兄弟ならやりかねないともっぱらの噂である。

 なぜ彼らがそこまでに酒を愛するのか、それは彼ら兄弟以外には到底理解できない理由があるのだろう。
単に酒好きなだけかもしれないが、そんなのはほんの些細なことだ。
彼らの酒は人々を幸せにしているし、彼ら自身も幸せなのだ。
だから今日も彼らは変わらずに酒を作り続ける。
自社の工房で、国営の食品加工工場で、生命の水は造られ続けている。



ここから下は自重なしのネタばかりです。
提出用に適当に削って使って…もし使えたら使ってください



固有結界-無限の酒造-
体は酒で出来ている
血潮はブドウで心は麹
幾度の醸造を超えて未完
ただの一度の売れ残りもなく、ただの一度の嘔吐もなし
担い手は此処に二人 酒の丘で樽を醸す
ならば我が生涯に意味は不要ず
この体は、無限の酒で出来ていた


全盛期のニャック兄弟伝説
以下は歴史書に「全盛期の兄弟伝説」として残されているもの記述を箇条書きにまとめたものである。
(*1:ここに記されている物は氷山の一角であり、現在も積み上げられ続けている
(*2:全盛期の、とあるが兄弟は未だなお飲酒と酒造を続けているのは言うまでもない
(*3:伝説に一部矛盾する内容があるが、これは兄弟が一組でなく、集団として存在する事から生じていると思われる
(*4:なお、この伝説について兄弟を身近に知る人物たちは「だいたいあってる」と発言しており、このことからも信憑性は高いと言える

酒にまつわる伝説

まず度数60%から

一杯=瓶一本

その計算法で日に五杯

仕事のある日でも一杯

豊穣祭開幕直前飲酒はザラ

ワイングラスを一睨みするだけで中身が減っていく

未だ本気を出したことがない(周りの人が呑めなくなる

メチルアルコールは大人の味

居酒屋の戸を引くと店主がその場に崩れ落ち、客は急性アルコール中毒を起こした

日に測定不能量のアルコールを消費するが、常時どこからともなく補給されているので無問題

兄弟は、王妃を必死に追いかける藩王を肴に酒を呑んだ事がある

クロゼットには服の代わりにワイン瓶が入っている

グラスを掲げるとワインが極光を放った

飲酒時の兄弟にとって度数50%以下は水かノンアル扱いである

商売敵に襲われ手傷を負うが、傷口からワインが溢れた

その場で敵と宴会になった

水不足の地域にて、杖で地を叩くとワイン湖が出来た

兄弟と馬車で同道すると酔った上に酔う

二人で両手を合わせ輪を作ることであらゆるものからアルコールを精製できる

血中アルコール度数が高すぎて時々自然発火する

講演会の以来を引き受けるのは打ち上げの飲み会が目当てである

その打ち合わせはもちろん居酒屋

体重のおよそ5割がアルコール

体調が悪いときは酒を点滴する

小学校の作文で書いた将来の夢は「酒の千年帝國の皇帝と宰相」

部屋の加湿器に貯まるのは水とワインが1:9

名言「酒は剣よりも強し」

常に手元に酒が無いと不安で挙動不審になる

一度営業した居酒屋は初日に自分たちで飲んで閉店させた

出生時、開いた手にはブドウの種が握られていた

生まれた場所は酒蔵で産湯はブドウの果汁

三食酒でも生きていけるが必要量が膨大すぎて出来ない

よく見ると肝臓が複数ある

俺達の肝臓は宇宙だ

名言「水がないならワインを飲めば良いじゃない」

「そんな飲むわけがない」と言っていた新入社員が5分後酒まみれで戻ってきた

宴会場から半径200mは酒がなくなる確率が150%。一度飲まれて取り寄せたものも飲まれる確率が50%の意

家の蛇口は純度100%の水と純度100%アルコールの二つある

自ら投げたワイン樽に飛び乗って高速飛行する

最近のマイブームはスピリタスを肴にしてワインを飲むことらしい

バイオエタノールを新種の酒だと思っていた

脳内にスカウター機能があり、酒類を見るだけでアルコール度数が計れる

「度数たったの5か…」と、言いながらも旨そうに一滴も残さず飲んだ

「神様の取り分」「天使の分け前」「ニャックの不思議」は同じ意味

空気中のアルコール濃度を調節して指パッチンで衝撃を与えることで自在に爆発を起こすことが出来る

拘束制御術式を開放すると酒の河ができ、今まで兄弟との宴会で斃れた者たちが一斉に襲いかかる

兄弟の写真を取ったらそこには巨大な酒樽が並んで写っていた

一緒に写った人は二日酔い、撮った人はアルコール中毒に

夏至の日の正午、最も高く上った太陽に兄弟が照らされるとその影は酒樽であった

「いいお酒はどうすれば作れますか?」と質問したら「君にはまだ呑みが足りない」と言われた

酒を造っている時間が人生の大半、残りの半分は酒を飲んでいる

兄弟の周囲は火気厳禁と思われていたが、気化アルコールが多過ぎて酸素濃度が足りず、火が消える

-ニャック酒蔵カタログの宣伝文より-


おk!(やりきった顔で


[No.2313] 2009/04/23(Thu) 08:54:06
外観 (No.2293への返信 / 3階層) - しじま

http://ppp.atbbs.jp/photo/zomig/1240502312501.jpg

外観イラストアップしましたー。
時間があればまだ少し弄るかもしれません。


[No.2314] 2009/04/24(Fri) 01:07:34
締切変更 (No.2291への返信 / 2階層) - アポロ

作業が遅れている人員がおりますので(自分含みますすみません…!)
一応の締切を4月末日
提出目標をGW明けに延長いたします。


完成(?)されてるお二人にレス
>しじまさん
早期の提出お疲れ様です。素敵な水車小屋ですね…!
しじまさんのパース取りが好きです(告白

>天狐さん
こちらも早期の提出お疲れ様です!
ニャック兄弟イイヨイイヨ 文章楽しませていただきましたー


[No.2317] 2009/04/27(Mon) 02:05:11
締切変更 (No.2290への返信 / 2階層) - アポロ

作業が遅れている人員がおりますので(自分含みますすみません…!)
一応の締切を4月末日
提出目標をGW明けに延長いたします。


[No.2318] 2009/04/27(Mon) 02:06:21
進行状況3 (No.2311への返信 / 5階層) - アポロ

大変進行遅くなっておりまして申し訳ございません
一応こんなで進めております

http://academic.meganebu.com/~gosyuyu/syo/syo.html


[No.2327] 2009/05/28(Thu) 02:09:45
進行状況4 (No.2327への返信 / 6階層) - アポロ

一応完成です
ご確認よろしくお願いいたします
http://academic.meganebu.com/~gosyuyu/syo/syo.html


[No.2328] 2009/05/28(Thu) 10:44:19
進行状況3 (No.2312への返信 / 5階層) - アポロ

タグうち途中経過です

http://academic.meganebu.com/~gosyuyu/ryo/ryo.html


[No.2329] 2009/05/28(Thu) 13:09:17
確認ー (No.2328への返信 / 7階層) - 玄霧弦耶@藩王

確認確認。
アポロさんにもいったけど、文章とかは状況変化が大きいので今週末の手紙の返事次第で、ということで。
恐らく結構手直しはいると思います。


[No.2330] 2009/05/28(Thu) 18:04:39
土日になるけど (No.2305への返信 / 4階層) - イク

色塗ってないのとか下書きとか、
昔の含めてちょぼちょぼ絵があるので出しまーすノシ


[No.2331] 2009/05/28(Thu) 21:00:08
進行状況3 (No.2331への返信 / 5階層) - アポロ

イクさんと千隼さんよりイラストが上がっております。
お二人とも本当にお疲れ様です!
http://ppp.atbbs.jp/zomig/mode/all/58/0

こちらも含めましてページ構成を進めております。


[No.2394] 2009/07/17(Fri) 00:29:22
以下のフォームから投稿済みの記事の編集・削除が行えます


- HOME - お知らせ(3/8) - 新着記事 - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - 環境設定 -

Rocket Board Type-T (Free) Rocket BBS