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No.2632に関するツリー

   EV172関係枝 - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/05/26(Thu) 02:22:12 [No.2632]
完成&提出しました - 階川雅成 - 2011/06/27(Mon) 22:03:46 [No.2647]
人種族文章 - 階川雅成 - 2011/06/26(Sun) 00:38:46 [No.2644]
修正部分 - 階川雅成 - 2011/06/27(Mon) 21:03:52 [No.2645]
修正部分その2 - 階川雅成 - 2011/06/27(Mon) 21:34:39 [No.2646]
猫士種族設定テキスト(仮) - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/06/25(Sat) 10:59:17 [No.2643]
意見箱 - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/05/26(Thu) 02:37:47 [No.2635]
作業締め切り一週間延期のお知らせ - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/06/18(Sat) 01:20:10 [No.2641]
ぬこ作業しますノ - イク - 2011/06/09(Thu) 03:26:24 [No.2637]
クレールさんのまとめ - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/05/26(Thu) 02:23:01 [No.2633]
うちに関係する所を抜粋+簡単なまとめ - 玄霧弦耶@藩王 - 2011/05/26(Thu) 02:37:10 [No.2634]



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EV172関係枝 (親記事) - 玄霧弦耶@藩王

ここにEV172関係の情報などをまとめていきます

[No.2632] 2011/05/26(Thu) 02:22:12
クレールさんのまとめ (No.2632への返信 / 1階層) - 玄霧弦耶@藩王

http://www.kotonet.com/~gamechaki/cgi-bin/cbbs.cgi?mode=all&namber=2624&type=0&space=0&no=0


ここに質疑大会の大まかなまとめがあります。
暇なときにでも眼を通してみてください。


[No.2633] 2011/05/26(Thu) 02:23:01
うちに関係する所を抜粋+簡単なまとめ (No.2633への返信 / 2階層) - 玄霧弦耶@藩王

+ 芝村 > 172は、基本的には設定付けて絵かいて、L化してもらう点では従来のアイドレス作業とかわりはない。 (5/26-01:01:23)
+ 芝村 > かわりがあるのは、要点がない。 これまでの見聞きした情報が要点だ。 (5/26-01:01:50)
+ 芝村 > 設定がない部分は、今まで通り、好きにやれる。 (5/26-01:02:23)
+ 芝村 > というだけ。なんだが。 今度は困った事に、新興種族が二個あったりするところがあるのよね。 (5/26-01:03:03)
+ 芝村 > 最初、まあ、自己責任だしな。一国1でやって、オーバー分は人の血ではらえと思ってたんだが、176の派手な心のおれっぷり、例えば是空の心ばきばきとか見ると、まあ、自己責任だけではやう゛ぁーい気がしてる (5/26-01:04:48)
+ 芝村 > とはいえ、暁の円卓や、FVB、ゴロネコ、星鋼は、一個で十分。とかもあるので、バランスどうとるべかなー。+L化にかかる俺の作業どうしようと、遠い目。な状態。 (5/26-01:06:09)


+ 芝村 > で。今から言う案ですすめようと考えてる。すこしきいてね。 (5/26-01:09:05)
+ 芝村 > 1:犬士/猫士が一つしかいらない場合。 これに加えて、一個 上位の上の人アイドレス作成を許可する。 (5/26-01:10:22)
+ 芝村 > 2:それ以外は新興種族と犬士、猫士併せて 二種まで、L化出来る。 (5/26-01:10:58)
+ 芝村 > 3:そこから漏れる種族については、放置プレイ。 なのでまあ、なるべく。可能な限り、数が少なくて安全そうなのを放置すること。 (5/26-01:11:52)
+ 芝村 > 4:本日までの段階で新しい種族の話を聞いた事がない国)は、1に該当すると思って作業しても良い。 (5/26-01:13:15)
+ 芝村 > それらは気にしないでいい程度だ。 (5/26-01:13:42)


+ 玄霧弦耶 > Qku:確認したいのですが、玄霧藩国も1でよろしいでしょうか? (5/26-01:23:55)
+ 芝村 > Aku:ええ。 (5/26-01:25:34)
#形質問題自体はお料理教室で解決済みのため。

+ 玄霧弦耶 > Qku2:確認したいのですが、「猫士用の種族を作る」というのは「アメショー」とか「マンチカン」とか、猫の種類でそのまま種族として「猫」をつくればよいのでしょうか?勘違いしているといけないので・・・ (5/26-01:37:55)
+ 芝村 > Aku2:いやそれでいいよ。 (5/26-01:38:42)

+ 玄霧弦耶 > Qku3:うちだと新しい種族は「器用な森国人」とかにして、普通の森国人より器用だけどひ弱、とかにしたら大丈夫そうでしょうか? (5/26-02:05:19)
+ 芝村 > Aく3:いいんじゃね (5/26-02:05:50)



+ 久珂あゆみ > Qa3:FEGの猫士ですが 種類(アビシニアンとかマンチカンとか)決めるのではなく (それぞれ国民さん好きな猫とかいるとおもうので) 特に奇抜な設定はなく いままで FEGを支えてくれた猫たちとして FEG猫をL化するのは特に問題ないでしょうか (5/26-01:43:46)
+ 芝村 > Aa3:雑種ね (5/26-01:44:40)

+ ユーラ > Qほね3:種族アイドレスとして普通の犬を作成した場合でも、職業アイドレスを着ることで二足歩行できたりするというのは、設定上問題ありそうでしょうか? (5/26-01:44:11)
+ 芝村 > Aほね3:ありそう。 なんかうまいこと設定つけて、変形型にしたら? (5/26-01:46:50)

+ まなせ > Qま3:今FVBの犬士は秋田犬と雑種というのがアイコン作成時の設定です。どちらかでつくると片方が衰退したり迫害されたりする心配はありませんか? (5/26-01:48:50)
+ 芝村 > Aま3:虐殺でいいじゃない (5/26-01:49:50)

+ まなせ > Qま4:雑種化が進んで秋田犬がいなくなったという設定にすれば「虐殺」などは回避できるでしょうか? (5/26-01:52:41)
+ 芝村 > Aま4:ええ。 (5/26-01:54:29)

+ 来須・A・鷹臣 > Q臣3:高位森国人の上として、エルフあるいはハイエルフという方向性は大丈夫でしょうか? (5/26-01:55:27)
+ 芝村 > A臣3:ええ 多くの森国はそうなるだろう (5/26-01:57:00)

+ 来須・A・鷹臣 > Q臣5:エルフ・ハイエルフが絶技使いまくりということでしょうか? (5/26-02:02:16)
+ 芝村 > A臣5:いや、ヤオト影響の話 (5/26-02:04:53)

+ 来須・A・鷹臣 > Q臣6:エルフアイドレスを作るとして、弱点として「彼らは個々に絶技を持つことはできない」という設定にした場合、絶技ばんばん使うようなことは回避できるでしょうか? (5/26-02:07:29)
+ 芝村 > A臣6:ええ (5/26-02:08:46)

+ 冴月 > Qgo3:猫士に関してですが、職業を自然にこなせる程度に(マシンマイスターとかができるくらい)言葉を話せたり、二足歩行したり、手先が器用だったりなどの、いわゆる今までの猫士的な設定は問題ないでしょうか? (5/26-02:09:52)
+ 芝村 > Ago3:ええ (5/26-02:10:36)


/*/

簡単なまとめ

今後は変な設定の受け取りかたされるので、ちゃんと種族を分けよう。

#森国人+猫妖精とかだと、「森国人の皮(そのままの意味で)をかぶった猫」とかになってくるらしい

確認してみたところ、玄霧藩国は純粋な猫の種族一つほしいのと、作るなら新しい森国人の種族一つがつくれる。

とはいえ、猫の種類をこれ、とすると、他の種類が虐殺とかに受け取られるので、出来るなら「玄霧猫」として、雑種化が進んだうち特有の猫、とかにする形になるとおもう。
その上で、二足歩行や人語を解するところ、手先の器用さも必要になるので、うまく設定つけたい。

上位種族に関しては、エルフっぽくなるとはおもう。
けど、そんなのは余り気にせず、余り強くない設定で、器用か知識が高そうだけど、ひ弱そうな感じにして、絶技とか使えない、普通の「ちょっと優れた森国人」あたりを目指せばいいとおもう。
「玄霧の民」とかでもいいけど、ちょっとどうなるかわからない。「(職業名)の民」みたいにすると、その職業だけが優遇されてるとか反映されかねないので、まあ、こんな感じかな?というところ。


[No.2634] 2011/05/26(Thu) 02:37:10
意見箱 (No.2632への返信 / 1階層) - 玄霧弦耶@藩王

まとめや抜粋をみて、「こうしたらいいんじゃね!」ってのがあったらこちらにお願いします。

[No.2635] 2011/05/26(Thu) 02:37:47
ぬこ作業しますノ (No.2635への返信 / 2階層) - イク

作業希望挙手っ

PC繋ぐのはやはり週1なので、
メッセや話し合いとかの参加は厳しいですが…
質疑見たり掲示板とmixiでのやりとりは出来ますので、
作業参加いたします。

目標を確認し、ルートを確認して、爆発・誤解のないよう…やってみます。
取り合えずいくつかラフを絵板に投下しておりますので、
ご意見ご指摘等 ガンすかいただけたらと思います。

人は…人の方はどうだろう…
誰もいなければ1枚はなんとかがんがります…


[No.2637] 2011/06/09(Thu) 03:26:24
作業締め切り一週間延期のお知らせ (No.2635への返信 / 2階層) - 玄霧弦耶@藩王

本日のNWCでのゲームにより、EV172の締め切りが6/20からさらに一週間延長されました。

とはいえ、18日に一度すりあわせとかしたいので、それまでに一先ず形を仕上げてください>作業者一同

以下、簡単な経緯説明。


○いったいどういうことなの?

http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=15592

えーと、上の質疑をみるに、現在うちの国がなんかの余波で存在しないことになってます。
で、他にもそういう国が幾つかある模様。
それをなんとかしようと本日ゲームを行いましたが、なんだかんだで色々投入した結果、敵のヘマで望みはつながった様子。

ただ、滅亡回避は再計算が必須なので月曜日くらいまでかかりそうかつ、滅亡回避できてるかも不明、その間は質疑もできない(かえってこない)だろうから、延期。というわけです。

以上、連絡でした。
上にも書いたように、いったん18日に形にするのは今のところ変更なしということで行きましょう。
そのうえで、質疑しつつ調整って感じで。


[No.2641] 2011/06/18(Sat) 01:20:10
猫士種族設定テキスト(仮) (No.2632への返信 / 1階層) - 玄霧弦耶@藩王

なんか、すごく長くなったし、最後の〆の文章がガンパレリプレイで見たような気がするけど、大体こんな感じに仕上がりました。
問題点や疑問点、その他長すぎるんで削れとかあったらレス下さい。
概ね、必要な部分はかけてる・・・はず。

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『ほんとうにいろんなものがかわりましたが、ひととねこのかんけいは、かわりませんでした。』



                       「ねこのきょうだい」より抜粋。


/*/


玄霧藩国のとある一軒家。

大きすぎるわけでもないが、小さくもない、平凡な構えの家。

窓際には大きな猫、ベッドには横になった子供、そして、本を読み聞かせる母親。

子供はまだまだ遊び足りないという様子だが、絵本の内容も気になるようで、ベットのなかでそわそわとしている。

そんな親子を横目で見ながら、絵本の物語を聞いていた猫が眼を細める。

その物語は、昔々の話。

猫と人間の話を書いた、絵本だった。


/*/



むかしむかしのおはなし。



どれほどむかしかわすれてしまうくらい、むかしのおはなし。

このくにでは、みんなかぞくでした。

そらをとぶとりも、はやくはしるうまも、みんなみんなかぞくでした。

そのなかでも、ねこは、とくになかよしでした。

なぜなら、ねこはみんなとおはなしができたのです。

とりやうまもおはなしはできましたが、おはなしできるのはおじいちゃんやおばあちゃんだけでした。

けれども、ねこはみんながおはなしができたのです。

だから、ねこは、とくになかよしでした。

かぞくのなかでも、ねこはきょうだいのようなものでした。



ながいあいだ、ひととねこは、いろんなおはなしをしたりして、すごしていました。

ときには、ひとがなやんでいることを、ねこがおもいついたことでかいけつすることもありました。

そんなあるひ、いそがしそうなひとをみて、ねこがいいました。

 「やあきょうだい、たいへんそうだね。なにかてつだおうか?」

それをきいて、ひとはほほえみながらかえしました。

 「ありがとうきょうだい。でも、えんりょしておくよ」

ねこは、すこしかなしくなりました。

きみたちはものをもてないし、たってあるくこともできないので、むりだよ。といわれたきがしたのです。

だからねこは、ものをもつことからはじめました。これは、もつだけなら、けっこうかんたんでした。

つぎに、あるくこと。ずっとはちょっとたいへんだけど、たってあるくのも、むりではありませんでした。

ねこは、ながいじかんをかけて、たってあるいたり、ものをもてるようになったのです。

そして、あいかわらずいそがしそうなひとをみて、ねこはいいました。

 「やあきょうだい、たいへんそうだね。これをはこべばいいのかい?」

ひとは、うしろあしだけでたち、にもつをもつねこにおどろきました。

でも、すぐににっこりとわらい、いいました。

 「ありがとうきょうだい。それじゃあ、いっしょについてきておくれ」

こうして、ひととねこは、いっしょにおしごとをするようになりました。

ひとはねこにてつだってもらい、そうして、いろんなものがかわっていきました。


それから、ほんとうにいろんなものがかわりましたが、ひととねこのかんけいは、かわりませんでした。

いまでは、みんなみんなかぞくということを、すっかりわすれてしまっているひともたくさんいます。

それでも、ひととねこのかんけいは、ずっとずっとかわりませんでした。

きっと、これからもこのかんけいは、ずっとずっとかわらないでしょう。

ひととねこは、きょうだいなのだから。



/*/


………

……




「めでたしめでたし、おしまい。……あら?」

母親が本を閉じながら、すやすやと寝息を立てる我が子に毛布をかける。
毛布の重みが気になるのか、もぞもぞと動く子を、優しい瞳で見つめる母。
暫くその様子を眺めていると、声がかかった。

「おっ、もう寝ちゃった?」

「ええ、もうぐっすり」

「いいなぁ。俺も絵本読んで寝かしつけたいなぁ」

「あなた、読んでる間に熱中しちゃうでしょ?」

父親が入り口から覗いていたようだ。
うらやましそうな父親と、それに答える母親。大よそ、何時もの会話だ。
暫くごねる子供をあやすような会話が続いていたが、不意に寝ている子供がモゾリと動いた。
……どうやら、寝返りをうっただけのようだ。あちらの夫婦も胸を撫で下ろしている。

「一瞬、起きたかと思ったわ」

「起きてたら次は俺が絵本読むよ」

「はいはい。じゃ、今のうちにお風呂入っちゃうわね」

「じゃ、こっちは晩酌でもしておこうかな」

と、父親のほうと目が合った。
どうやら、お誘いを受けているらしい。
これもまた、何時ものことなので、私はのそりと身を起こし、窓べりから床に降りた。
『はてさて、今日は何の話を肴にしようか』
等と考えながら、食卓へと四つの足で歩き出す。
立って歩くのは、それなりに疲れるのだ。これくらいでバチもあたるまい。


/*/


食卓に着くと、テーブルには既に幾つかの肴と徳利が用意されていた。
何時も私が座る位置に専用の座布団まで置いている。
どうやら、連れ合いが寝かしつけている間に用意したらしい。
相変わらず、そつがないやつだと感心する。

「今日は鰯が旨そうだったので鰯尽くしにしてみたよ」

嬉しそうに語るヤツを尻目に、所定の位置に座る。
こちらの猪口に注いでもらい、こちらも体を伸ばして返杯する。
そのまま、無言で一杯飲む。
ここまでが、何時ものパターンだ。

「さて……今日は何の話をしようか?」

ヤツが徳利でこちらに注ぎながら、話を振ってきた。
少々思案するフリをしつつ、答える。

「そうだな。じゃあ、先ほどの絵本の話でも」

「さっきの絵本かー。お婆ちゃんに聞いた話と大体同じだったなぁ」

「まあ、こちらで伝わっている話も大体一緒だがな、幾分か抜けている部分もある」

「思想の違いってやつかね?」

「いや、単に、絵本にするに当たって長くなる部分を省いただけだろう。それに…」

「それに?」

「絵本でまで都合の悪いことを隠すほど、我らの仲は悪くなかったと記憶している」

「違いない」

笑いながら答えるヤツの猪口に酒を注ぎながら、私はしばし、我々について語ることにした。


/*/


そもそも我々猫が人と意思疎通が出来るのは会話が可能というところが大きい。
他の種にも会話が出来るものはいるが、極々限られたものしかいない。
このあたりは絵本でも書かれていることだ。
問題はなぜ会話が出来るか、という部分だが、これについて調べた結果、一種の魔法であると結論付けられている。
古くからこの国にあった思想と、森国であることの効果が、共和国の象徴である猫に強く結びついた結果、だそうだ。
『猫の神様』と呼ばれるような猫だと、絶技メッセージとやらをつかえるようだが、これとも違うようだ。
我々が絶技の類をつかえると言うのは聞いたこともないしな。通訳の魔法、といった所か。
詳しくは学者先生にでも聞けば何時間でも語ってくれるだろう。
まあ、細かいところは知らないが、そういったこともあって、我々猫にも魔法の素養はあるわけだな。
もっとも、殆どの森国人たちにはあるものだし、我々は基本的に会話位にしかつかえないが。

ん?「『基本的には』というのはどういうことか」だと?
君も知っての通り、我が国には魔法医や精霊医がいて、寮がある。寮では、猫士の教育もしているな。
つまりはそういうことで、素養を持ったものがしっかりと過程を踏み、利便さ・危険さを学んだ上で魔法を使うわけだ。
勿論、好き勝手につかえるわけではない。あくまで仕事の際に適切に使う訳だな。
そうそう、『素養を持ったもの』については、手先の器用さなども含まれるな。
何せ、こちとら肉球付きだ。持ったりするのは問題ないが、細かな作業をするには余り向いてるとは言えない。
そんな中にも、器用なヤツはいるもんで、色んな道具を人並みに使いこなすやつも、いる。
口に咥えてつかえるものならそういう風に改良するやつもいるな。此処までくると趣味嗜好の問題とも言えるが。
わかりにくければ、『手先が器用だったり、魔法の素養が強いものが猫士になりやすい』とでも覚えておけばいい。

なに?「じゃあ二足歩行はどうなの?」ときたか。
そうだな、学者先生曰く。
「森の多いこの国で木の上に登ることも多く、立ち上がる姿勢になじみがある事」
これが土台になってるらしい。私もコツをつかめば直ぐに立てたさ。ま、疲れるので余りやらんが。
そういったこともあって、殆どの猫がやろうと思えばできるので、そんなに重要視されていることではないな。
確か、先ほどの手先の器用さにも、二足歩行を行うことで前足が空いたことが作用したとも言っていたな。
とは言っても、人より器用なヤツはそうそう居ないな。一般猫並みから人並みくらいだろう。
訓練をつんだ猫士ともなれば、もう少し器用だったりするんだろうがな。

「何だか適当だなぁ」だと?
……まあ、我らは猫だ。猫は猫らしく、適当でいいではないか。
いやいや、今言ったことは全て、ちゃんと研究も証明もされていることだがな?
こればっかりは性格だ。許せ。猫の中にも生真面目なやつもいれば、私のようなのだっている。
ついでに言うと、体格も結構まちまちだな。大きいやつでも立ち上がって1m20cmくらいだが。
手先の器用さも含め、この辺は全部、人だって同じだろう? 
長い長い時間を共に過ごしてきたんだ。人も猫も、環境に適応していった形がコレなんだろうさ。


/*/


……ひとしきり語り終え、私は猪口を置いた。
目の前の男は今回の話がことのほか気に入ったようで、次々と疑問を投げかけてくる。
こちらとて詳しいわけではなし、多少疲れたのもあり、適当にあしらっていたが、その中に、こんな質問があった。

「この国には昔々、全身緑の猫も居たって聞いたが、マジで?」

ずいぶんと懐かしい話だったので、ついつい真面目に答えてしまった。

「あぁ、確かに居たぞ。と言うか、今も居る所には居ると思うぞ」

漸くまともに帰ってきた言葉に関心を示したのか、続きを催促する目でこちらを見てくる。
やれやれと思いつつ、私はもう一席ぶつ事にした。

「数はだいぶ減ったと思うがな。まあ、この国の猫は長い間に混血も進んでるので、全体で一つの種類みたいなものだ」

「ふんふん」

「そういった血が混じっている以上、隔世遺伝やなんやらで、ひょっこり生まれることもあるだろうさ」

へぇー、と言いながら鰯の刺身を食べるヤツに、続けて言った。

「まあ、今のところは寒色系の猫が多いみたいだな。黒やら深青やらのな」

「確かに、そういうやつばかり見かける気はするなぁ」

「言うなれば、我々の種類の猫は、この国の名前を取って『玄霧猫』と言ったところか。語呂が良いのやら悪いのやら」

「…じゃあ、俺たちは『玄霧人』ってか。なるほど」


微妙に違う気もするが、まあ、面倒だし似たようなものだしで、それ以上は言わなかった。


/*/


その後も適当に会話しつつ晩酌を続けていたが、不意に「そういえばさぁ」と、前置きをして、ヤツが言った。

「今日はまだ、乾杯してなかったな」

……本当に、いまさらである。
既にヤツの連れ合いは風呂から上がってとっくの昔に寝ていると言うのに。
まあ、それを言うのも無粋なので、調子を合わせる事にした。

「そう言えばそうだな。では、何に乾杯する?」

「じゃあ……『人と猫の兄弟』に、だ」

大方、酔った上に先ほどの絵本に感化されたのだろうが、全く、何時もの事ながら臭い事を言う。
だがまあ、こういうところが嫌いでは無い辺り、こちらも似たようなものだろうか。
一点だけ気になる部分があるので、直しつつ、賛同する。

「長いな。『兄弟』で良いだろう」

こちらが乗っかってきたことが嬉しいのか、ヤツがニカリと笑いながら猪口を掲げた。
こちらも、それにあわせて掲げる。

「では、『兄弟に』」
「『兄弟に』」

二人そろえて、猪口を前に出しながら、次の言葉を言った。

「「乾杯!」」


そのまま、二人で一気に酒を煽った。


……まあ、酔った挙句に芝居がかった乾杯なんかしたおかげでテーブルにこぼしたりもしたが。些細なことだ。
改めて、人と猫とのこんな関係は、この国がある限り、早々変わらないと感じるには十分だった。

人と猫は、種族が違うが、似たところはある。そして、お互いを理解できれば、友人になれる。
気の会う友人と長い時間を過ごせば、血の繋がりは無くとも、兄弟のような関係になることもあるだろう。

我々猫は三日たてば恩を忘れると言われる種族だ。
それについては種族差別だ個体差だと否定したいところだが、忘れっぽいのが多いのは、確かだ。
だが、猫だって本当に大事なことは忘れない。人の血の繋がらない兄弟としての関係だけは、忘れない。

ああ、あの絵本は、本当に大事なところは、しっかり書いていたようだ。

『ほんとうにいろんなものがかわりましたが、ひととねこのかんけいは、かわりませんでした。』

これが、ずっと続けばどんなに良い事だろうか。


[No.2643] 2011/06/25(Sat) 10:59:17
人種族文章 (No.2632への返信 / 1階層) - 階川雅成

 人を人足らしめるものとは何か。
 それ即ち、願いである。

 人が過ちを犯すその起源とは何か。
 それ即ち、願いである。

 人が善を成しえるのは何故か。
 人が願いを抱えて生きているからである。




 人の持つ願い、それは生まれついて持ち合わせたものと、育った環境によって植えつけられたもの。
 受け継がれてきた文化と重ねてきた経験、そして生物として持ち合わせる生理的な欲求が絡み合い、
交じり合って形になるものである。

 人の業、それは自らの抱いた願いを元にした行動のことを指す。
 当然、自らの行動によって生じる、(善悪・好悪を問わない)ありとあらゆる結果についても、自らの業の一部として考える。

 人とは、迷い悩み、幾度も揺らいだり折れたりしながら、自らの願いに従って生きていく存在である。
 よって、人の人たる由縁とは、自らの業から目を背けず、深い思慮と共に受け入れて歩んでいく事を指すのだ、といえるだろう。


/*/


 玄霧藩国は森国国家である。
 高位森国人はいないので、昔と変わらず、普通の森国人ばかりが見られる国ではあったが、
さりとて特徴がない訳ではなく、長い歴史と共に、(職業などとは別の意味で)他の森国国家と微妙に異なった変化を遂げてきている。

 とはいえ、その変化はさして大きいものでもないのだが。
 元々、高位森国人が出る事もなく、森国人のままずっと暮らしてきた種族であるし、
家庭の味が根強く存在する文化であることもある。恒常性が高い国民性であると言うことも出来るか。

 大雑把に見て、森国人よりも各種能力の向上が見られる。
 身体能力、運動能力面での強化はというと誤差程度でしかないが、精霊文化の浸透と、、
それによって、魔法・精霊との交感において、適性が伸びている点は、わかり易い特徴と呼べるだろう。

 精霊、森羅万象に宿る命の光。
 それを敬い、共に響きあいながら生きてきた玄霧藩国の民は、暮らしの中で精霊とどう接するかを理解して育っていくため、
自然と、精霊との親和性が高くなっており、魔法の行使や、精霊の力を借りた治療に優れた才能を持つとされた。
 精霊を敬うという事は即ち、精霊を道具として使役する絶技の行使など以ての外という事であり、
また、精霊と融合したり、同一化しようとする動きに対しても、カウンターとなる思想である。
 共に生きる隣人であるからこそ、力を分け合えるのであって、一方的に搾取する関係であってはならないし、
完全に同じ存在になっては、隣人として一緒に生きている意味はない。
 魔法的適性の向上も、さして大きく伸びている訳ではないのもあって、過去から現在までの流れから、大きく逸脱する様子はなかった。

 その他、変わった点としては、平均身長が伸びたことと、それとは逆に、体脂肪率の低下が見られた事が挙げられるだろうか。
 噂話の範囲として、全般的に国民の耳が過去より更に尖ってきている、という話もあることから、
(森国人の)種族的特徴が際立ってきているのではないか、という説もある。
 とはいえ、過去三十年における平均身長の推移を見ても、伸び幅は10cmに満たないので、さして大きな変化ではないと言えるだろう。


/*/


 あくまで第三者から見た認識として、玄霧藩国の民は、独立心旺盛であり、自立意識が強い民族であると考えられる。
 独立心の強さは、自らの決定を曲げずに推し進める傾向を強め、また、自身の居場所というべき場を大切にする事に繋がる。
 玄霧藩国の民が、(国民全般を見て)やると決めたら徹底して行なう事、仲間意識が強い事、
家族と認めた相手を大切にする事などは、その裏づけとも言えるだろう。

 これまでの歴史上、玄霧藩国の民が幸せを謳歌していた時代は、決して長くない。
 その主たる原因は別にあるが、過去の悲劇の幾つかには、この性格的特徴が、マイナスに働いていた事も影響している。
 誰もが誰かのために努力を尽くしているはずなのに、どこかズレていって噛みあわない。
 結果としてみんなが苦しむ。幾度となく繰り返してきた事だった。

 一番悪い奴は誰か、と問えば、その答えは簡単に絞れるだろう。
 しかし、その問いに答えた者は皆、同時にこう思ったはずなのだ。

『ならば自分は正しかったのか』


 自らの願いが、そしてその行動と選択が、常に正しい、などと言える者はそういない。
 誰だって、自分のあり方に悩むし、犯した過ちに苦しむ。
 悩んだ末、余計に遠回りをして、より悪い結果に直面して呆然とする事もある。
 自責の念に縛られた結果、身動きが取れなくなり、逆に誰かを傷付ける事もある。
 考えたって、何もよくならない事は確かに多い。
 だが、考えなしで行動するのでは導き出せない答えは、確かにあるのだ。

 それに、何も一人で考え込むだけが能でもない。
 玄霧藩国民の自立意識の強さは先に述べた通りだが、同時にそれは、仲間意識の強さの表れでもあった。
 仲間がいるなら、相談して意見を貰うことが出来る。自分の意見と違うなら、それは認識をすり合わせればよい。
 他にも精霊という大切な隣人がいる。彼らは常に身近な存在でありながら、明確な他者であり、
他者の視点を想像する、という意味で、これ以上ない相手でもある。(なにせ、『何でもあって何でもない』存在だ)

 例えば、最も親しい相手と話し合うでもいいだろう。
 木々に宿る精霊に思いを馳せて、彼らならどう考えるだろうか、と想像してもいい。
 そして、食卓を囲みながら家族に悩みを打ち明けるのもありだ。

 独立心が強い、というのは、決して孤独である事を指し示したりはしない。
 個があるから他が認識できるのだ。自身と他者が異なるから、わかりあう事もできるだろう。
 誰かと心が繋がっているならば。
 過去の事例は、この特徴が大きくマイナスに働いた場面を切り取った結果であって、
それ自体は忘れてはならない事だが、心を縛り封じるものではない。
 
 
 願いがあるから悩みもする。そこから生まれる行動によって結果が発生し、
それが好ましいものならば喜べる。良くないものであれば悲しむだろう。
 それら全ての業を背負って生きていくのが人の姿ではあるが、
しかしその時、人は誰も、一人ではない。


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 玄霧藩国の民は森国人と呼べる人種である。
 しかし、昔と今では幾らか違う。
 姿形は大差ない。能力は幾らか強くなった。
 心は……どうだろう、少し変わったかもしれない。隣人とは近づいた気がする。

 そして行く末は、まだ決まっていない。
 だから、その種族の名を、ここに『玄霧の民』と呼び、その歩む先の幸せを強く祈る次第である。


[No.2644] 2011/06/26(Sun) 00:38:46
修正部分 (No.2644への返信 / 2階層) - 階川雅成

第二章後半部分を以下のように差し替え。

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 その他、変わった点としては、平均身長が伸びたことと、それとは逆に、体脂肪率の低下が見られた事が挙げられるだろうか。

 各家庭での食料消費、つまり食卓に並ぶご飯の量で見ると、こちらは増加傾向にあり、
お料理教室の普及による調理技術の向上は、国民の健康にもよい影響を与えていると見ていいはずだ。
 美味しいご飯を食べるのは、嬉しい。楽しい。それだけで気持ちも明るくなる。
 体脂肪率の低下は、貧困等によるものというより、健康面を考えた献立の普及によるもの、と考えてもいいのかもしれない。
 栄養面の改善によって平均身長が伸びている、と考えることもできるだろう。

 また、噂話の範囲として、全般的に国民の耳が過去より更に尖ってきている、という話もあることから、
(森国人の)種族的特徴が際立ってきているのではないか、という説もある。
 とはいえ、過去三十年における平均身長の推移を見ても、伸び幅は10cmに満たないので、さして大きな変化ではないと言えるだろう。


[No.2645] 2011/06/27(Mon) 21:03:52
修正部分その2 (No.2645への返信 / 3階層) - 階川雅成

第三章中盤以降を以下のように差し替え。

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 しかし、これまでの歴史上、玄霧藩国の民が幸せを謳歌できていた期間は、そう長くない。
 それはつまり、国民の気質と国政、または情勢が、すれ違い、噛みあっていなかったという事実を指し示す。
 上手くいっていないのだ。

 大抵の場合、人は、上手くいかなければ悩んだり、考え込んだりする。自分でどうにかしよう、という傾向がつよければ尚更である。
 ただ、考えれば改善するというものではない。そもそも、一人で幾ら考えても、堂々巡りに終わることはよくある。
 逆に考えないで行動したほうがいい事だって多いだろう。
 しかし勿論、考えなければどうにもならない事も沢山ある。

 そして、一人で考えてダメなら、複数人で考えればいい。
 玄霧藩国民の自立意識の強さは先に述べた通りだが、同時にそれは、仲間意識の強さの表れでもあった。
 仲間がいるなら、相談して意見を貰うことが出来る。自分の意見と違うなら、それは認識をすり合わせればよい。
 他にも精霊という大切な隣人がいる。彼らは常に身近な存在でありながら、明確な他者であるから、
(会話は成り立たないが)相手の気持ちを想像して行動する上で、いい参考になる。
 風の気持ちを、森の気持ちを考えてみる、というのは、発想の転換材料として、丁度よいと言える。

 例えば、最も親しい相手と話し合うでもいいだろう。
 木々に宿る精霊に思いを馳せて、彼らならどう考えるだろうか、と想像してもいい。
 そして、食卓を囲みながら家族に悩みを打ち明けるのもありだ。

 独立心が強い、というのは、決して孤独である事を指し示したりはしない。
 個があるから他が認識できるのだ。自身と他者が異なるから、わかりあう事もできるだろう。
 これまで上手くいかなかったのが事実でも、これからも上手くいかないかどうかは判らない。
 過去の失敗を忘れるべきではないが、失敗に囚われてもしょうがない。経験は糧であって、心を縛るためのものではないのだから。

 願いがあるから悩みもする。そこから生まれる行動によって結果が発生し、
それが好ましいものならば喜べる。良くないものであれば悲しむだろう。
 それら全ての業を背負って生きていくのが人の姿ではあるが、しかしその時、人は誰も、一人ではない。


[No.2646] 2011/06/27(Mon) 21:34:39
完成&提出しました (No.2632への返信 / 1階層) - 階川雅成

何度か延期を挟んだりもしつつ、無事完成の運びとなりました。
皆さんご協力ありがとうございます。お疲れさまです。

・玄霧猫:http://suzume28.web.fc2.com/neko/neko_1.html
・玄霧の民:http://suzume28.web.fc2.com/hito/hito_1.html

割合よくできたんじゃないかと自画自賛。いかがでしょう。


[No.2647] 2011/06/27(Mon) 22:03:46
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