お世話になります。
逸品館さんが試聴導入されるのか分かりかねますが、私の方ではspring2の後継機であるMAY DAC KTEを試聴する機会が出来ましたので、感想を残しておきたいと思います。 なお、私の環境上、SOULNOTE D-2との比較論になってしまいますので、ご容赦ください。
(環境)MNP-i5→MAY DAC→NEO CLASSIC 300B→LEBEN CS660P→GHOST2.1
アップサンプリング 1,411.2Mまで
まずMAY DACの印象として感じるのは、デジタル的にすごく原音に忠実な機種ということです。 素直な響きで解像度が高く明瞭なためか、クッキリ、ハッキリした音像で、音の空間表現や細やかさは特筆するものがあります。 例えば、ドラムの音がドンッと鳴ると、その音がすぐに収束し、次のドラムを叩く音に繋がっていくため、分離良くスピード感が高く明快です。 音の輪郭がクッキリしている恩恵で、前後の楽器の位置がよく分かるようになっており、空間表現能力に関しては、非凡なものを感じさせるものがあります。 細やかな分解力があるため、例えばピアノを弾くときも鍵盤の違いが見えるようです。勿論、楽器の位置関係も良く見通せます。 NOS DACであるためか、誇張感がなく自然で、特に低域の引き締まりにより、楽器のリアリティがよく出ます。余計なものを排除して、NOSで自然に原音を取り出すとこんな音になるのだなぁという感想でした。
対してSOULNOTE D-2は生命感溢れるアナログ的な音により、味わいが非常に濃いです。 響きも濃く、一音ごとに厚みがあり、鮮烈に切れ込みを入れていく熱いサウンドです。 アンプを変えたのでは、というほどそのパワー感が凄まじいものがあります。 音の量感に関しては桁違いで、中域の濃さは圧倒的です。心地よく音が響き、全ての音が生きているように感じさせます。 ドラムで例えるなら、ドンーッといった余韻を残して鳴り響くため、繊細ではありませんが、響きが途切れないため音楽の世界に浸っていられます。 真空管的な味わいの欲しい人はSOULNOTE D-2の方が好みでしょう。
結論を申しますと、デジタル的な正確無比な音が好みの人はMAY DAC、アナログ的な心地よさが好みの人はSOULNOTE D-2なのかなという印象でした。 MAY DACは余計なものを付け加えないせいか、SOULNOTE D-2に比べて薄味で、パンチ力が物足りません。その代わり、空間表現がクッキリしているので、細やかでスタジオの中にいるようです。 基本的な情報量はMAY DACの方が細かい音も聞こえてきましたが、大した違いでもないですので、完全に好みで分かれるところだと思います。 私はSOULNOTE D-2の方が聞いていてアナログらしく「音楽的」だと感じました。
以上にてよろしくお願いいたします。
[No.16845] 2020/06/16(Tue) 06:35:55 |