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「早く向こう側へ走れ!」 どらEMONが叫ぶ。その言葉に従い、ドラえもん達は急いでテープの向こう側の世界へと走る。全速力で。のび太は少し遅れていた。足が遅いからだけではない。泣いているからだ。さっきまでと、同じ理由で。そして、後ろからどらEMONも走り出す。 その時だった、後ろに音が響いた。地面が割れるような轟音。爆発だ。どらEMONはガッツポーズをし、後ろの張ってあったテープはその衝撃で切れた。そして、穴の中に踏み込もうとしていたロボット達もその爆発で吹っ飛ぶ。 「ち、『地平線テープ』ですよね?」 ドラえもん。そう、どらEMONが使ったのは『地平線テープ』という道具だった。そのテープを張る事により、その先に地平線が見える別空間が現れる。だが、テープが外から切られると、もう一度外で誰かが張らない限り、外に帰れないという恐ろしい面ももっている。ドラえもんはそれを不安に思い、問いかけたのだ。 「大丈夫、さっき『どこでも窓』を使っただろ。あそこの先に張ってあるんだ」 どらEMONが辺りを少し見回すと、確かにもう一つ、別の空間と地平線空間が繋がっている。そこから脱出しよう、という作戦らしい。 ドラえもんが一安心した頃、のび太はまだ泣いていた。不安ではない。じおすを、助けられなかった。タイムパトロールの人々も、同じように助けられなかった。助けられない運命だったのかもしれない。だが、のび太は許せなかった。助けられなかった自分を。助けられる力が無かった自分を。だから泣いているのだ。悔しくて。悲しくて。 地平線の空間は静かだった。『お医者さんボックス』でどらEMONは傷を治している。三十分程休憩して、脱出する予定らしい。どらEMONは考える。どうやったら、この先も逃げれるか。そして、どうやったらイカたこ達にバレないで本部と連絡することができるか。その事についてだった。 ――本部はまだ状況を完全に理解していないだろう。それがどらEMONの考えだった。大島は三時間毎に連絡を送っていた。そして、最後に連絡を送ったのは「どらEMONがじおすの居場所を見つけた。今から向かう」と連絡した時、午後五時だ。今の時間は午後七時。後一時間経たなければ状況に気づかない。そんな時間だ。 どらEMONがテープでつなげた場所、それは練馬区外のとある駅前だ。恐らく、外へ出てもバレないだろう。だが、奴らは連絡する為の電波を妨害してはいないであろうか。そんな不安だった。可能性を信じて、行動するかしかない。どらEMONはそう考えた。 そんな時だった。他のところに、元の空間への出入り口が開いた。他のところに、『地平線テープ』が張られたのだ。ほとんど物音は無い。だから、誰も気づかなかった。 距離は、どらEMONから二十メートル程離れている。そして、ゆっくりと中から『何か』が現れた。 それは、奴の得意技だった。思い出してほしい。初めて、奴と一行が出会った時もそうではなかったか? 気づいたのは、別方向から見ていたじおすだけでは無かったか? そう、奴の名前はゼクロス―― ゆっくりと、ゆっくりと射程距離に入るまで近づいていく。ゆっくり、ゆっくりと。その間、誰も気づかない。 そして、最後の一歩。これも、音はたたなかった。ゼクロスの、射程距離に入った。地平線の空間に、銃声が響いた。二発。 「EMONさん!」 静香。手に持っている『お医者さんカバン』を持ってどらEMONへと走り出す。その静香以外、その状況は時が止まっているようだった。 どらEMON。一発は手入れをしていた日本刀で弾き返した。だが、もう一発は腹を貫通した。腹から血がドクドクと流れ出る。そしてだ、そんな状況からゼクロスが構えた。 「それじゃあな、永戸どらEMON。このゼクロスのこの戦いに置ける最初の犠牲者として名に残るさ」 ゼクロスの声が場に響く。そして、銃声。 だが、それは肉に当たる鈍い音は出さなかった。硬い物に当たる音。そして、どらEMONの目の前に腕が飛ぶ。それは、ドラえもんの腕だった。銃弾をどらEMONに通さないようにした、ドラえもんの腕だった。 「痛いね…… この痛み、ゼクロス! お前も味わいやがれ!」 そして、ジャイアン。空を歩き、ロボットの足を掴む。破壊してやる。全力で。ジャイアンはそう考えた。ギシギシと足が音をたてる。 ゼクロスは笑いながら、ジャイアンを足で蹴飛ばした。ジャイアンは地面に叩き付けられる。ドラえもんは『空気砲』をその間に取り出していた。残った片方の腕にはめ、叫ぶ。 「ドカン! ドカン! ドカン!」 三発の空気弾がゼクロスを襲う。だが、それも無駄だった。少しへこませた程度で、ゼクロス自体にはダメージが無い。 ゼクロスは構えた。弾丸をドラえもんの核へと打ち込めるように。完全に、止めをさせるように。ドラえもんは動けなかった。恐怖に、圧倒されていた。 動けない。そんな感覚、初めてだった。トラウマになっている鼠に対しても、びっくりして動けていた。スイッチを切られたりした時以外、動けない時など存在しなかった。なのに、なのに―― 「残念。このゼクロスの最初の獲物は青狸だったか。まあいいだろう。誇りに思え。このゼクロスに殺される事を」 銃声が響いた。だが、それはドラえもんには届かない。弾き返されていた。誰がどうやって弾き返したか? 答えは単純だ。ドラえもんがガードしてから、復活できる余裕があった者。そう、その通り…… 「残念ながら、君には誰も殺させるわけにはいけない」 「……どらEMON」 [No.223] 2007/12/21(Fri) 07:50:50 |
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