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絶対にこの子供達を守る―― どらEMONはすでに、そんな覚悟を決めていた。絶対に、ここにいる全ての者を殺させはしない。いや、一人だけ殺しても良い奴がいる。それは自分。この永戸どらEMONだ。それ以外は、絶対に殺させはしない。どらEMONは、そう考えていた。 自分の尊敬する者、大島。自分の信頼する仲間達、松村、小出、田中。そいつらとの約束を破るわけにはいかない。絶対に、絶対にやり遂げなければならない。だからどらEMONは痛さを堪え、日本刀を握り締める。 助ける。ここから、彼らを脱出させる。それだけを思う。だからこそ、今から戦う。奴を。ゼクロスを、一刀両断にしてやる。彼らの平和を、自分の平和を守りきる為。 ゼクロスとの距離は十メートル。それを、ゆっくりと縮めていく。走って一秒程で近づける距離。そう、射程距離に入るまで。気づかないくらい、ゆっくりと。 その間、誰も喋りはしなかった。漫画とかでよくある、オーラとでもいうのであろうか。彼らは、それを体験していたのだ。呼吸するのにも体力を使うような、重い場の空気。 射程距離に入るまで、後五十センチ。四十五センチ。四十センチ。三十五センチ。三十センチ。 ゼクロスは、動いていなかったが、その気になれば銃弾を撃ち込めるであろう。ただ、どらEMONが日本刀を握り締め、いつでも弾けるような構えだった為、撃ち込まない。 残り二十センチ。十五センチ。十センチ。八センチ。七センチ。六センチ。五センチ…… その時、ゼクロスの腕が動いた。ゆっくりと腕を上げていく。ゼクロスの考えはこうだった。奴の腹には怪我がある。『お医者さんボックス』を使ったとしても、そこまですぐには治らない。痛みがある筈。という事はだ。痛みを感じてピクリと動きが止まる一瞬がある筈。そう考え、銃弾を撃ち込む事にしたのだ。 「残念だったな。ゼクロス。すでに、射程距離だ」 最後の一歩をどらEMONは大きく踏み込み、空を歩いた。そして、日本刀を振り上げる。ゼクロス、操縦桿を握り締める。どらEMON、刀を振り落とした。 一瞬。一瞬の映像というのを見た事があるであろうか。テレビ番組とかでよくあるであろう。例えば、俳優がセットから出た途端、セットが大爆発する。今起こったことも、それと同じ一瞬の出来事であった。 ゼクロスは一瞬の間に、ロボットをずらした。少しのズレぐらいはどらEMONも考えていた。だが、それでも無駄だった。斬れたのは、ゼクロスのロボットの左腕だけであった。 それは、ゼクロスのロボット操作の腕を静かに物語っていた…… 「エクセレント! それでこそこのゼクロスに殺される権利があるというものだ。永戸どらEMON。正式に名乗らせてもらおうか。私の名前はゼクロス・アークウィンド。スペルはゼット、イー、シー、アール、オー、エス。Zecrosだ」 「お前の目的は、その名前を未来に残す事らしいな」 どらEMONはさっきの出来事に動揺しながらも、静かに言った。 「残す? 違うな。残されるのだ。確実にな。このゼクロスという名前は!」 「同じようなものさ。だから、俺も目的を教えてやるよ。タイムパトロールの目的をな」 そういうとどらEMONは静かに眼鏡をあげた。腹の傷が痛むが、関係なかった。大きく口を開けて叫ぶ。 「タイムパトロールの目的とは! いいか? タイムパトロールの目的は、『未来を残す』事だ! 将来のすばらしき人々に『未来を残す』事だ!」 「未来を?」 「ああ、その通りだ。だからこそ、お前らの集団を止めなければならない。今、この状態の人々が作った未来を、破壊しようとしているという事だからな」 十年前のことだった。永戸どらEMONは二十二世紀で暮らす平凡な少年だった。友達と笑い、家族とは時に喧嘩もし、勉強も面倒くさがる。そんな少年だった。 そんなどらEMONが変わったのは、ある出来事が切欠だった。今までの平凡な日常を、全て崩す、大事件。 その日、どらEMONは学校へ友達と向かっていた。下らない話をしながら、笑いあっていた。宿題はやったとか、昨日やっていた番組、面白かったよな、とか。そんな普通の小学生の会話であった。 「なあ、何だあれ?」 友達の一人が言った。場所は、マンションが建つらしい空き地。そこには、見慣れない透明のガラスみたいなものでできたケースがあったのだ。それを悪戯で動かそうとしたが、重くて動かない。 だが、それでも不思議な魅力があった。近づいて、もっと調べたい。そんな魅力がそれにはあった。 「やばい、もう少しで学校入れなくなるぞ」 その時、どらEMONが空間に浮かぶ時計を見て呟いた。時間になると、自動的に門が閉まってしまうシステムなのだ。やばい、とばかりに一行は急いで学校へ向かった。 学校内。四時間目。もう少しで給食を食べれる、そんな時間だった。子供達の集中力も切れてきていて、窓の外をずっと見る。そんな時間帯だった。目の前のパソコンに授業内容が移されていても、興味がある子供は数人しかいなかった。 そんな時、爆発が巻き起こったのだ。その場所は、さっきガラスのケースが置いてあった場所だった。 日常の歯車が壊れ、非日常の歯車が静かに回りだした―― [No.224] 2007/12/22(Sat) 10:24:56 |
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