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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
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Re: 石版 第四幕「踊り狂うか... - 文矢 - 2008/02/20(Wed) 20:41:06 [No.261]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/11/22(Sat) 19:57:33 [No.421]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/11/24(Mon) 07:07:31 [No.422]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第二幕「これがあの男に渡ってしまった」 其の六 (No.227 への返信) - 文矢

 何故、イカたこ達はゼクロスを送ったか? その理由は簡単である。ゼクロスなら必ず始末できるという信頼があったから。信頼は、人と人を結ぶにおいて最も重要な事だ。実際、今までゼクロスはその信頼に答えていたのであろう。
 だが、その信頼は裏切られた。ゼクロスの敗北。さらに、ゼクロス死亡という残酷なまでの事実によって。死という言葉はこの世の定義で最も変わらない事実ではないであろうか。いくら泣き叫んでも、一度失った命は戻りはしないのだ。
 これから語るイカたこ達の会話は、上記の事実が巻き起こる三十分ほど前から始まると思ってほしい。ゼクロスを出発させる直前だ。いいであろうか。それでは、語り始めよう。
「この英語で書かれているレリーフは意味が分からないし、こちらは文字が読めないな」
 ミサイル研究所だった。その両手にはレリーフが一枚ずつ握られている。片方が、『Do not pass this to that man. (これをあの男に渡すな)』と書かれているレリーフ。もう片方が古代文字と石版の絵があるレリーフ。じおすが解読をしていたというレリーフ。
「えっと〜その二つを重ねてみると何かが起こるとかじゃないんですかあ〜」
「さっきこのゼクロスがやってみた。何も起こらない」
「そうなんですかあ〜」
 ゼクロスとすずらんのやり取り。そう、彼らはすでにこの二つのレリーフを使ったら何かが出てくるのではないかというパターンはやり尽くしていた。だが、何度やっても結果は出ない。
 世界を破壊できる力を持った石版の位置は、決して出ないのだ。何故、片方が英語で書かれているのか。それは、まだ誰も理解していなかった。
 そんな時、イカたこが虫眼鏡とピンセットを片手に持ちながら古代文字の書いてある方のレリーフを取った。そして、そのピンセットで何かをつまみとった。そして口を開く。
「ここにだ、何かの破れカスみたいのがある。触った感覚からすると、多分プラスチックで出来た透明シートの欠片だろう」
「それがどうかしたんですかあ〜?」
 すずらん。イカたこはその破れカスを透明な袋に入れる。その透明な袋はほとんど空気と同化しているが、ある程度の衝撃、汚れから中の物を守る為のテクノロジーが使われているものだ。
「これは間違いなく、じおすの手にあった時に付いていたものだ。これがどういう事か分かるか? じおすはこの上に透明シートを重ねていたのだよ。保護する為じゃない」
「分かりませんよ〜そんなの〜」
 そんな中、ミサイル研究所が少し考えた後で答える。
「この上に、文字が書いたシートをのせていたんだ」
「その通り」
「ん? どういう事だ。文字が書かれているシートって」
 ゼクロス。イカたこは少し笑いながら答えた。
「じおすは他の古代文字を参考にする為にその透明シートを置いたってことさ。そしてだ、よく見たらこの古代文字はあの文字に似ている」
「ヒエログリフだ」
 ミサイル研究所は答える。ヒエログリフ。主に古代エジプトで使われた文字。神聖文字ともいわれ、二十一世紀の時点で完全に解読する事ができる文字だ。
 イカたこは又、笑った。
「つまりだ、この古代文字はアフリカへと影響を与えた文字なのではないか? この古代文字が伝わるに伝わって、ヒエログリフになった。今まではそういう学説さえ無かったが、ありえるとは思わないか?」
 イカたこはそういうと、ポケットから小さな機械を取り出し、それをいじりだす。それは、すぐに防衛軍専用データベースにつなげられる携帯子機だ。これで検索すれば、あらゆる事が現れていく。
「解読できるかもな、この古代文字を! これさえ使えば、今ある奴らをグチャグチャに踏み潰し、爆発させ、この世を完全に支配する事ができる!」
 ミサイル研究所が興奮気味でそう言った。ミサイル研究所、彼は昔から荒っぽい性格であった。自分が気に入らない、許せない奴がいると、そいつには殴りかかった。そして、彼が喜びを最も感じる時。それは、何かを壊した時だった。自分が何かを支配して、さらに何かを壊せる。軟体防衛軍に入ったミサイル研究所にとって、それは大きな快感だった。
「そうだ、ゼクロス。この文字の解読は恐らく、すぐに終わるだろう。その間にどらEMON達を片付けておいてくれ。奴らは『地平線テープ』空間にいる」
「了解しました。もちろん、繋げるのはここじゃないですよね?」
「ああ、その通りだ。ここから繋げたら戦いのとばっちりを喰らうことになる。それは絶対に嫌だからな。外に出てやって来い」
「はい」
 ゼクロスはそう言うと、マシンの中から出て行く。イカたこはレリーフの古代文字を一つずつ解読していった。その作業はとても地味だ。だが、それは気にならないであろう。どんな人にでもあると思う。どんなに地味な作業でも、それが自分の大きな目的に繋がるのなら熱中する。
 例えば、プラモデル。一つ一つの地味なパーツだからって、それをサボる人はいないだろう。格好いいメカにするには、それ一つでも欠けたら意味が無いからだ。それと同じだ。
「イカたこさ〜ん、解読できたらすぐに取りに行きましょうよ」
「ああ、そうだな。ゼクロスが奴らを倒したらだ」


 地平線空間。そして、ゼクロスが死んだ後。のび太は震えていた。周りの皆からは褒められるものの、死という言葉が襲い掛かってきていた。自分が人を殺すことに関与した。それが、嫌だった。人の命は重い。地球よりも重いという言葉さえもある。
 のび太の頭の中に、ゼクロスの断末魔の声が焼きついていた。――『このゼクロスが! 後の世に名を残す、ゼクロスがぁぁ!』
 ゼクロスは言っていた。自分は未来に名を残す者だと。確かに、そうだったんじゃないであろうか。自分がやらなければ、ゼクロスには別の人生があったのではないか。そんな気持ちが、のび太の心を取り巻いていた。
 だが、時間は進む。どんな事が起こっても、秘密道具を使ってでさえも時間に支配されるものなのだ。
「とりあえずだ、今から逃げる」
「ど、何処に? ママに会える?」
 スネ夫。スネ夫の精神は、限界に達していた。戦い。戦い。スネ夫の耳には、今までどらEMON達が戦った相手の声が焼きついていた。怖い。怖い。怖い。死にたくない。そんな気持ちだった。
「あそこのテープは、駅前に繋がっている。だが、家族の所に行こうとすると、家族に危害が及んでしまう可能性がある」
「じゃあ、どうすれば……」
 静香。その質問に対し、どらEMONは冷静に答える。
「ここに『タイムベルト』がある。二つしかないが、『フエルミラー』で増やせるだろう。あそこから出て、未来へと行く」
「行けるんですか?」
 のび太。
「そこは可能性に賭けるしかない。タイムパトロール本部に行けば、恐らく大丈夫だ」
 その作戦は、結局実行することになった。駅前は、未来の本部前になるらしい。特別パスポートが無いと入れないが、どらEMONは持っている。行く。それしか判断は無かった。
 ゼクロスが入ってきたテープはまだあったが、そこから入ろうというのは危険すぎて却下されている。
 そして、一行は外に出て、『タイムベルト』のダイヤルを静かに動かす。未来へ、未来へ、逃げる。全てを、守る為に。
 未来へ――


「ゼクロスが、死んでる」
 それは、ミサイル研究所による報告だった。すでに、一行が出た後。ミサイル研究所が確認の為に地平線空間に入ったのだ。
 そこにあったのは、ゼクロスの焼死体と、ロボットの残骸。まだ少しだけ煙が出ていたが。ゼクロスは絶命している。
『それは、本当なのか?』
 ミサイル研究所は通信機で話していた。その相手はもちろんイカたこだ。
「ああ、完全に死んでいる。DNAデータを調べても、本人だ」
『そうか……』
 その後、沈黙が続いた。そして、少し経った後、泣き声がミサイル研究所に届く。その泣き声は、すずらんのものだった。そして、イカたこからも一粒、涙が零れていた。
「泣いているのか?」
『いいや、泣いてないさ。悲しんではいるけどね』
 泣いてるな―― ミサイル研究所は思う。ミサイル研究所から、涙は出なかった。ただ、あった感情は『何故、負けたんだ』という言葉だけだ。
 勝たなければ、ただの敗者だ。敗者。それ以上でもそれ以下でもない。どんなに素晴らしい戦いをしても、負けだ。ただの敗者だ。
『ゼクロスの死は、受け入れよう。レリーフの解読ができた。今から、ヨーロッパに向かう』
「ヨーロッパァ?」
『ああ、スペインあたりかな』
「スペインねぇ、了解」
 解読はすでにできていた。そして、イカたこのいる机の端に置かれているレリーフが光る。
 そこに書かれている文字は『Do not pass this to that man. (これをあの男に渡すな)』
 これを、あの男に渡すな。これを、あの男に――

 これがあの男に渡ってしまったのだ。あの男に、渡ってしまったのだ……


石版 一時閉幕 第二幕「これがあの男に渡ってしまった」


[No.228] 2007/12/26(Wed) 07:51:31

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