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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
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石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2008/02/09(Sat) 14:26:59 [No.256]
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Re: 石版 第四幕「踊り狂うか... - 文矢 - 2008/02/20(Wed) 20:41:06 [No.261]
石版 第四幕「踊り狂うかの様... - 文矢 - 2008/02/24(Sun) 08:03:45 [No.263]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/11/22(Sat) 19:57:33 [No.421]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/11/24(Mon) 07:07:31 [No.422]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第三幕「受け継がれるべき意思」 其の四 (No.240 への返信) - 文矢

 そこは、実に不思議だった。歩く度、それを見る度、触る度にその感情は高まっていった。不思議、いや奇妙と例えるべきだった。奇妙な空間が広がっているのだ。ジャール達の目の前には。とても、とても奇妙な光景が。
 ジャール達は、四人のグループだった。一人は、地図を持っている。ハウルスから奪い取った、地図を。地図を一瞬だけ見ると、蟻が地図の上にいるように見えた。地図には様々な書き込みがされていたのだ。それは細かい目印だった。この目印が無く、地図だけだったらジャール達は絶対に迷っていただろう。それだけ、複雑な道だった。
 そして、今。彼らの目の前には奇妙な光景が広がっていたのだ。場所は岩山。地面と岩肌には奇妙な傷がついていた。まるで、ドリルを使った跡の様な傷。欠けていることも無く、キレイに傷が付いていた。その傷が、今日や昨日付けられていたものだったらとても、おかしな感じがしただろう。だが、違和感を彼らは感じていなかった。我々の現実世界での様々な歴史的建造物が景色と同化しているように見えるのと同じ。何百年も、何千年も前からこの傷はあったのだ。ジャール達はそう感じた。
 この傷が付いている道はまだまだ先まで続いていた。暗い夜の中、ランプの様なものを点けて行動していた。このランプは――名無しがそれ以上に高性能な物を開発していたが――ジャールが発明したものだった。そして、夜の道を進んでいく。
 ジャールにとって、その道は栄光の道だった。ジャールはこう考える。名無しとかが研究している物を俺が先に解明する! そうすれば、ナンバーワンは俺だ。このジャールだ。ジャールは、そう考えたのだ。
「あ! ジャールさん、あれじゃないですか?」
 地図を持っている部下が差したのは、目の前にある洞窟の様な穴だった――


 場所は変わり、先ほど語ったジャール達の事とは時間的に少し前という事になる。村の病院。いつもは爽やかな風が吹き、笑顔で溢れている病院の玄関に、今までに一度も無かった重い空気がたちこめていた。名無しはハウルスを抱え、じおすや看護士達、患者達はただ立っているだけだった。
 名無しは迷っていた。ハウルスは今、適切な治療をすれば助かる。だが、それができるのは俺だけなのだ。そこを迷っていたのだ。名無しがハウルスを助けることを選択すれば、ジャールが何かをやる。ジャールの方へ行ったら、ハウルスが死んでしまう。どうすればいいのか、名無しは迷った。
 ハウルスと名無しは、親友といってもいい関係だった。ハウルスは名無しを尊敬している為、敬語で喋るがそれは形だけで、我々の現代の普通の友達と同じだった。だからこそ、名無しは見捨てることなど出来なかった。
 看護士達は、ハウルスを自分たちが治療しようと考えていた。前の、ジャールが暴れてたのを知っているのだ。だからこそ、早く名無しには行ってほしかった。ハウルスと名無しがどれだけ固い信頼で結ばれているかは知っている。だが、自分達でも治せる。そう思ったのだ。
 玄関にはドアがあり、簡易的な足拭きマットがあるのみだった。靴を脱ぐわけでは無い。壁には振り子の付いた時計も掛かっている。彼らの一日の感覚と、我々の一日の感覚は違ったが、時計の音だけは過去も、未来も、今、ハウルスが倒れている時でも変わらずに鳴り続けていた。
「ハウルスを、ハウルスを治療室へ連れてってくれ!」
 名無しは叫んだ。名無しは決断した。ハウルスを、親友を助けるが為。その声からは名無しの迷いが感じられた。
「私達が助けます! 名無しさんは急いでジャールの所へ行ってください!」
 看護士の一人がそう叫んだ。そうしている間も、ハウルスの呼吸は弱くなっていく。
「君たちを馬鹿にするわけでは無い、そこのところを分かってほしいのだが。私じゃないと、ハウルスの治療はできない」
 そして、重い沈黙が空間を支配する。だが、それを打ち破る声があった。それは、じおすの声だった。
「未来の道具で、彼を治療できます」
 じおすの秘密道具は、『お医者さんカバン』『簡易強力火炎放射器』『ショックガン』だ。残っているのだ。一度しか使えないが。この時代に飛ばされてから、何度も、何度も使おうかと迷ったその道具。じおすは感じていた。
 もし自分が運命に支配されているのなら、運命が自分に指示をしているのなら、この道具を使うのは今、この時だ。自分の『お医者さんカバン』の運命の歯車は、今、この時の為に回っていたのだ。
「本当に、治せるのか? じおす君。ハウルスを! 治せるのか?」
 口調はいつも通りだったが、声の調子からして名無しが慌てているのが分かった。じおすは、ハッキリとした声でこう言った。
「はい、できます」
 少しの間の沈黙。じおすの目は爛々と輝いていた。運命の決断をしたのだ。
「頼んだぞ」
 名無しはじおすに全てを任せることにした。時を超えた、友達に。
 名無しは自分の部屋へと走った。病院の中の一角に、名無しの研究室があるのだ。その部屋は玄関に近く、玄関から食堂までの廊下にあるドアがその入り口だ。部屋の中から、鉄板が落ちるような金属音が響く。じおすはその音の感じを何処かで聞いたような気がしたが、あまり気にならなかった。
 その間、じおすと看護士達はハウルスを持ち上げ、治療室へと連れてっていった。治療室には手術室のような台があり、その上にハウルスを乗せる。上にはライトがあり、メスみたいな物など、ある程度の道具は揃っていた。消毒薬もある。

 玄関にいる名無しは、ライトと鉄砲だった。鉄砲といっても、仕掛けは簡単。安土桃山時代に伝わった火縄銃の様に、中に入っている火薬に火を付け、その爆発で鉛を飛ばすというものだ。だが、それだけでも十分だろうと感じた。病院の外には、彼が発明した移動道具がある。前と後ろに付けられたタイヤ――といっても、我々のゴムタイヤでは無い、木でできたものだが――を自力で動かす道具、自転車の様なものだ。
 ジャールを止め、願わくば何も無かったことにする。それが、名無しの考えだった。そして、乗り物をこぎ始める。

 病院の中。『お医者さんカバン』は正常に作動していた。もしかしたら駄目かとじおすは不安に思っていたが、様子を見てホッとした。治療室の外の看護士は、何度か「手伝わなくていいんですか」と質問していたが、じおすは『お医者さんカバン』について説明した為、質問はしなくなった。
 ハウルスの傷は、立てかけた板に水を流すように治っていった。じおすは、二十二世紀の科学力の凄さを改めて感じた。ハウルスは、助かる。病院内の人たちは歓喜した。
「じおすさん、ありがとうございます!」
「いや、道具のおかげです。僕は特に何もやっていませんから」
 『お医者さんカバン』はやはり壊れ、治療台の下に転がっていた。ハウルスはまだ目覚めていなかったが、直に起きるだろうというのは予想できた。
 じおすは一息つこうと椅子に座った。
「これなら、気になるのは名無しさんの方だな」
「ええ、どうなったんでしょうか」
 看護士達は喋り、考え始めた。名無しはどうなるのだろうか。名無しが出てからすでに二十分は経過していた。彼らはその場所、石版のある場所への距離を知らない。だから、もうすでに着いているであろうと考える人もいた。
 じおすは、名無しがどれだけ信頼されているのかを感じた。
「……名無し、か」
 レリーフを調べるにあたって、じおすは名無しの事についても調べていた。レリーフを作ったのは名無し。それを知っていた。だが、それぐらいしか分からない。そう、レリーフを作ったのは名無し。じおすは、急にその事を思い出した。
 そうだ、名無しだ。あの、名無しなのだ。という事はだ。じおすは、すぐに判断した。さっき、名無しが向かったのは石版の在処だという事に。名無しが向かった先に、石版があるのだ。
 そして、またじおすは思い出す。さっきの、名無しの部屋の金属音。あれは、何か。
「! あれは、レリーフだ」
 じおすが手にしたレリーフには、石版の位置が彫られていた。其処からはすぐに推測できた。もう一つのレリーフは、石版の文字の読み方について彫られているに違いない、という事を。
 レリーフの古代文字は、この村の文字だ。石版のとは別だろう。だから、それについてだ。
 見たい―― その衝動が、じおすの体の中で沸き上がった。それを見て、何かしたいとは思わない。だが、自分の研究の一つの完成形として、それを見たいと感じたのだ、
 気がついた時、すでに名無しの部屋の前にいた。様子からして、鍵はかかってないようだった。そして、開く。それは、床の上に一枚、机の上に一枚、無造作に転がっていた。
 部屋は散らかっていたが、ゴミが機械系ばかりだったのであまり気にはならなかった。じおすはアニメでよく見た研究者の部屋の通りだと思った。ゴミを踏まないように気をつけ、机に近づく。心臓の鼓動が高まる。
 そして、不思議な、別世界に連れてくかの様な光を放つレリーフを手にした。それは、じおすが調べたものだった。『ほんやくコンニャク』を食べたおかげで、文章はスラスラと読める。スラスラと、まるで、日本語を見ているかの様に。昔から、その文字に触れていたかの様に。
 心臓が飢えた野犬の様な低い、かすれた音を出す。そして、もう一枚。その一枚は、何も書かれてないかの様に見えた。だが、違った。表と裏に、一枚ずつ、同じ材質のカバーが掛けてあるのだ。少し力を入れたら、はめこんであったカバーがとれた。そして、そのレリーフ。
「あ……あ」
 それしか声が出なかった。じおすは震えた。その、恐ろしさに。其処に彫られていたのはやはり、文字の解読法。それは上半分しか彫られていなかった。下半分に彫られていたのは、その石版の内容。
 世界を破壊できる力。彫られていたのは、それだった。じおすが、今まで一度も感じた事が無い程のとんでもない恐怖が体を駆け抜けた。
 名無しも、それを感じていたのだろう。そこだけ、彫られていた文字が歪んでいるように見えた。机の上には、彫ったのに使われたであろう道具がおかれている。
 じおすはカバーをはめこんだ。手は、まだ震えていた。じおすは子供の頃にやった、学校での災害シミュレートを思い出した。目の前に、立体でリアルな災害の様子が映し出される。じおすは震えながら、こうならないようにしようと誓ったものだった。その時のじおすより、今のじおすは恐怖していた。
 そんな時だった。轟音が響いた。地面が揺れ、何かが破壊される音が響く。
「何だッ?」
 じおすはレリーフを掴みながら、部屋の外へ出た。看護士達は病室の患者達の対応に追われていて、一人、じおすと共に外へと出た。
 その時代の人々にとって、それは信じられない光景だったであろう。空の上に何かが浮かんでいて、その何かから轟音と破壊をもたらす物が出ている。それは、悪夢の様な光景だった。
 じおすは分かった。未来の奴らが、やって来たと。そして、それは恐らく……イカたこ達であろうと。

「気持ち良いッ! 実にだ」
 空の上で攻撃をした男。それは、ミサイル研究所――


[No.248] 2008/01/27(Sun) 15:38:16

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