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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
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石版 第四幕「踊り狂うかの様... - 文矢 - 2008/02/11(Mon) 08:25:03 [No.258]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第三幕「受け継がれるべき意思」 其の七 (No.253 への返信) - 文矢

 気がついた時、じおすは物見やぐらの破片に押しつぶされそうだった。すでに、致命傷を食らったことをじおすは悟っていた。じおすの意識が飛んだのは、ほんの数秒だった。ミサイル研究所は、まだ上空にいた。ミサイル研究所は、完全に安全になるまで、降りてこないつもりだった。
 破片は腹に突き刺さり、他にもいたるところに刺さったり、色々なところを圧迫していた。四次元ポケットは破れ、そこら中に道具は散らかっていた。レリーフはまだ、自分の近くにあった。
 名無しが何故、レリーフを作ったのか、じおすは分かった。あまりにも恐ろしいものだという事が分かってしまったからだ。こんな秘密を一人で持っているには耐えられなかったのだろう。誰かに言いたかったのだろう。だが、その秘密は誰かに言えるようなものでは無かった。だから、レリーフにその秘密を彫ったのだ。自分の心の、はけ口を見つける為に。
 じおすの息は荒かった。そして、一つの事を思っていた。これを、このレリーフを奴らに渡すわけにはいかない――
 これを渡したら、平和が無くなる。ドラえもん君も、のび太君も、静香君も、武君も、スネ夫君も、全ての人の未来が無くなってしまう。それだけは、それだけは防がなければならない!
 だが、じおすはもう一つの事も分かっていた。これを、奴らの手に届かないようにするのは無理だという事だった。今の自分には、もう時間が無いという事だった。
 どうすればいいのか、どうすればいいのか。
 そして、辺りを見渡して、ある事を思いついた。未来から、自分へと付いてきたもの。残っている二つの秘密道具の一つ。『小型強力火炎放射機』それを使う、じおすは思いついたのだ。
 じおすの体に、激痛が走る。呼吸は荒くなるが酸素が自分の体にちゃんと取り込めていないだろうという事をじおすは感じた。まだ、建物の形は少しだけ残っていた。側面が三角形のような形で残っていたのだ。そして、それはまだ崩れてくる。これが完全に崩れない限り、ミサイル研究所は行こうとは思っていなかった。
 そして、良い具合にその三角形の側面が、じおすの姿を隠していた。『小型強力火炎放射機』を掴む。これは、スイッチを押すと先から火が出る棒状のものだった。
 そして、カバーがある方のレリーフを掴む。これを、奴らに渡してはならない。渡しては、ならないのだ。
 ポロポロと、側面が崩れ始める。それと同時に落ちてくる粉は、まるで雪のようだった。そして、スイッチが入る。
 先端から出る炎が、カバーとレリーフを同化させていく。不思議と、やり終わる前にそれが切れる心配は無かった。大丈夫。そう思うようになっていた。
 ゆっくりと、ゆっくりとレリーフをまわしていく。そして、最後まで付け終わった時、レリーフは完全にカバーと同化した一つの板になっていた。やり終わった時に、『小型火炎放射機』は壊れ、炎が出なくなる。
 これを、渡してはならない。ピキリと、三角形の側面から音が響く。もう少しで崩れる、という予告だった。ミサイル研究所もハンドルを握る。これをあいつらに渡してはならない。
 じおすの体は、動いていた。守るには、未来を、守るのは今の自分にはカバーとレリーフを同化させるぐらいしかできない。だが、だが――
 受け継いでほしい、自分の思いを。自分の、意思を。未来を守るが為に、誰かにこの気持ちが伝わってほしい。
 すでに、じおすの体は動いていた。レリーフを彫る道具を掴み、レリーフにゆっくりと近づかせていく。彫り方は、分かっていた。じおすは、運命の神様が自分に言っているのだと感じた。
 呼吸は荒くなっているが、じおすは落ち着いていた。レリーフを彫るのは、表面だけだった。誰かに、受け取ってほしい。何時の時代の人でもいい、誰でもいい。ただ、未来を守ってほしい。次に、誰かが受け取る時に……
 側面が砕けた粉がじおすの体へと舞いながら落ちていく。そして、一文字、一文字、彫り終わっていく。ゆっくりと、ゆっくりと。
 そして、三角形の側面が砕け始める。一つの破片はじおすの足に降り掛かり、足を潰した。痛みは感じていなかった。集中。一つの事に集中している時、例えば本を読んでいる時、何もかも忘れて熱中する事を体験したことは無いであろうか。じおすは、その何倍も集中していた。
 そして、彫り終わったのとほぼ同時に三角形の側面が完全に崩れた。周りに破片が飛び散り、ミサイル研究所の姿がハッキリと見える。
 じおすの心には不思議な安堵感があった。運命を、受け入れるというのは、こういう事なんだとも思った。
 思うことはただ一つ。これを、伝わってほしい。このレリーフを、あいつらから守ってほしい。ただ、それだけ――
 じおすの意識は、そこで切れた。そして、じおすの体の目が、じおすの意思で空く事は、永遠に無かった――


 じおすが伝えたかった意思は、受け継がれるべき意思なのだ。未来を守る、タイムパトロールの目的、その意思は、誰かに受け継がれるべき意思なのだ――

 ――『Do not pass this to that man. (これをあの男に渡すな)』


石版 第三幕 一時閉幕


[No.254] 2008/02/04(Mon) 07:56:24

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