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「地図から、二人が消えた……」 ロボットの中のパイロット――ナグドラ――は震える声で呟いた。彼は今、ドラえもんと戦っていた。 運転室はカメラの映像を映すメインモニターと、地図などを映すサブモニターに分かれている。そのサブモニターの設定を、ナグドラは仲間のロボットの位置が分かる地図にしていた。仲間のロボットがいる場所が白い丸になって分かるのだ。そして、その丸が二つ、消えていた。一つの丸は建物からあまり遠くない所。もう一つの丸が消えた場所にはもう一体、丸が残っていた。 ちっぽけな。秘密道具や武器も『空気砲』しか持っていないであろう糞ガキどもに、我々のロボットがやられている。我が軟体防衛軍の。大量生産型だが武力は強い、このロボット達が。 ナグドラは、ゼクロス・アークウィンドを見本にして、ロボットの扱いを学んだアメリカ人だった。ゼクロスも、アメリカ人である。だが、ナグドラはゼクロスを尊敬したわけでは無かった。ゼクロスの腕を学んで、自分のアイデアを取り入れてゼクロスを超えようとしていたのだ。 さっきからナグドラが戦っているドラえもんは、秘密道具を駆使して戦ってきていた。その中でもやられなかったのは、ナグドラがロボットを上手く扱ってきたからだった。 ナグドラは思う。このロボットと、少年達を馬鹿にしてはならないと。ゼクロスがやられたのはどらEMONが強いからだけでは無い。恐らく、この少年達の援護があったからであろう。ゼクロスは、馬鹿にしていたからやられたのだ。 マシンガンの弾数は全ての部位のマシンガンを使っても後二分は撃てるとなっていた。軟体防衛軍の兵士達は基本、このマシンガンを使って攻撃する。効率がいいし、あまりテクがいらないからだ。ナグドラも最初はマシンガンを使って攻撃をしていた。 だが、ナグドラは別の手を使うことを決意した。効率の悪い、テクもいる技だった。 「敬意を払わなければやらなきゃあ、いけない。面倒くさがってマシンガンを、使うか? I do not, それじゃあジャスや健一の仇を討つことは出来ないんだ」 ナグドラが決意したのは、人工の一番星が見え始めた時であった…… 黒い煙がどらEMONの前に現れた。メタルからどらEMONの体は見えなくなり、どらEMONもメタルの舞を見えなくなる。どらEMONの体は自由になったのだ。 「それで、解決した気かしら? 通り抜ければ何でも無いのよ」 人工の夜空の下でムラマサは輝く。メタルは舞をやりながら近づいていった。 夜は本当の空さながらに星が輝いていた。一等星の星は強く輝いていたし、二等星の星は一等よりも控えめに光っている。それを見ていると、現実空間のように宇宙から光が来ているんじゃないかという気持ちにもなってくる。建物の『タイムパトロール』と書かれた看板は星の光に実に合っていた。このロゴは偽物だが、本当の『タイムパトロール本部』のロゴも夜空に合うようになっている。 メタルは足音もたてず、だが美しい舞を踊りながらどらEMONを殺す為煙の幕を超えようとしている。どらEMONはそれを感じていながら、冷静な顔つきのままだった。 どらEMONは口を開く。 「状況を考えているのか? ヒントをやるよ。グロイ死体を見るのはごめんだからな」 どらEMONは眼鏡の位置を直す。メタルは途端に辺りを見回し始めた。そして、頭の中で考える。発生する二酸化炭素。黒い煙。夜空。水道管から吹き出す水。ムラマサ。水裂。水素。水素爆発。魅惑の舞。凍牙―― 単語を繰り返していく内に、メタルは気づいた。状況に。そして、動きを止めた。 「おや? 来ないのか?」 「化学反応、ね」 メタルは悔しげに言う。 酸性雨、この言葉は誰もが聞いた事があるであろう。その仕組み。二酸化炭素それだけでは、あまり有毒とはいえない。だが、それに排気ガスの中に含まれる物質が合わされるとそれは有毒ガスとなる。それに水が結びついたもの、それが酸性雨だ。酸性雨の中では亜硫酸、つまり硫酸などもある。 メタルはそれがこの状況だと考えた。水、二酸化炭素、排気ガス。全てが揃っている。このまま入るのは限りなく危険だ。メタルは思う。 中のどらEMONが『バリヤーポイント』を使っていたのなら、酸性の水から身を守れるし、凍牙を投げても無駄だ。そもそも、今のメタルにはどらEMONの正確な場所すら分からない。 メタルの黒装束は、夜になっていくにつれ空間と同化し、パッと見ただけではメタルの顔しか見えない。どらEMONの白いタイムパトロールの制服は闇の中でよく見えた。 音は水の噴き出す音と、二酸化炭素が発生するブクブクという音しか聞こえなかった。それ以外は静かで、遠くからドラえもん達の戦っている音らしきものも聞こえてきていた。 戦いの夜は更けていく。 ドラえもんは疲労していた。さっき治療した腕も不安だったし、秘密道具のストックも無くなってきている。さっきまで軽くあしらっていたようなロボットとはレベルが違うのだ。 この敵は強い。攻撃しても中々当らない。当ればちゃんとしたダメージは与えられるが、どんなに強い攻撃をしても当らなければ意味が無いのだ。 ドラえもんはゲームの戦闘を思い出していた。強い呪文を唱えた時、表示される「ミス!」の文字。そんな状況を何度も繰り返していた。 「『竜巻ストロー』……」 ドラえもんは呟きながら取り出した。このストローを吹けば竜巻が現れるというものだった。思いっきり吹けばかなりの威力になるであろう。 だが、ドラえもんは次の瞬間それを使う気力を無くした。ナグドラの操るロボットが変形し始めたのだ。 ガチャガチャと音をたて、姿が変わっていく。変わっているといっても人型じゃ無くなるとかそういう事じゃない。腕の形が変わっていくのだ。 両腕から現れる長い剣。そして、ロボットの指の先が外れていき、指の部分に空洞が出来る。そこから弾丸が出そうだというのは誰でも予想できた。 そして、ロボットから声が出てくる。 「ドラえもん君。君には敬意を表するよ…… だから、最高の手でしとめる」 ドラえもんは震え、小さく出したつもりの絶望の言葉も夜に響いた―― [No.270] 2008/03/23(Sun) 18:05:39 |
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