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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第五幕「古代からの因縁」 其の一 (No.290 への返信) - 文矢

 血。血。血。辺りには鉄の臭いが漂い、腐りかけた肉の臭いと混ざって異常な臭いをかもしだしている。そして、その『肉塊』から出された『生物』だった頃の排出物の臭いがさらに部屋をにおわせていた。部屋の中に何も知らぬ人が入って来たのなら、揺れる満員バスの中よりも、グルグルと回転する部屋で壁を眺めるよりも、もっと凄い吐き気を覚えたであろう。
 『肉塊』は四つ、転がっていた。どれもが、『生物』であり、権力を持っていた『人間』であった。だが、もう喋ることは無い。その『肉塊』の周りにはウジャウジャとウジ虫がわいており、段々と死体は分解されていく。その『肉塊』は元々、かなりのテクノロジーを持った世界の『人間』だった。そんな世界の『人間』だから、自分がウジ虫にたかられる事になるなんて『人間』の頃は思いもしなかったであろう。
 『肉塊』のそれぞれは、『ひどい』殺され方をしていた。猛獣の爪に引っ掻かれたような跡が残り、その跡からは白い骨が見えていた。死体の変色具合から、その猛獣の爪の様な物に引っ掻かれた時に死んだのでは無く、その後に心臓を何かでやられて死んだという事が分かる。つまり、殺した『物』は『人間』を苦しませるだけ苦しませた後、『肉塊』にしたのだ。
 そんな凄惨な『肉塊』の近くに、『人間』が一人座っていた。彼の手には血が付いていた。血は手に付いていたが、不思議な事もあった。彼の手の指のつけ根から少し下あたりから指先までに血が付いていないのだ。まるで、そこに何かが付いているかのように。そして、彼の足下には銃が転がっている。
 『人間』は男であった。二十歳過ぎぐらいの、男。転がっている『肉塊』と同じぐらいの年齢であろう。髪は黒く、目も黒い。彼は、東洋人であった。
 彼の顔を見ると何か『違和感』が感じられる。彼の顔であった。彼の顔は、『何の表情もしてない』のである。人は、時々無表情になる。何もやる事が無かったりする時である。彼は、そうであった。こんな状況なのに。その顔は、下手糞な劇に使われる仮面に思えた。一つの表情だけしか作ってない仮面を被っているかのように。
 彼はゆっくりと周りを見渡した。そして、鏡――

 アルタは、そこで目を覚ました。夢。周りに『肉塊』が広がる、夢。アルタはよく、この夢を見た。
「夢、か」
 アルタは周りを見渡す。ここは軟体防衛軍の基地である。今、基地があるのはヨーロッパであった。アルタ達のリーダーであるイカたこが移動させたのだ。レリーフを、解読させて。
 アルタ。二十歳を過ぎた青年である。さっきの夢。無表情な男は、アルタであった。周りが『肉塊』で囲まれた中にいた男。アルタは、そんな夢をよく見る。
「イカたこを殺す、か」
 夢の中でアルタが『殺した』者。それは、イカたこ達であった。アルタは、自分達のリーダーを殺す夢を見ていた。イカたこ、ミサイル研究所、すずらん、メタル。あの四人は、軟体防衛軍の幹部メンバーだ。
 今日、石版の所へ行く―― この言葉は、昨日イカたこが言っていた言葉だった。軟体防衛軍の目的は、石版に書かれている事を使い、武力で世界を平和にする。アルタはそれを理解していた。
 だが、アルタはそれに完全に同意していなかった。アルタの心は、その目的を正しいとしなかった。
 イラつき。アルタは、イラついていた。殺したい。イカたこを、偉そうにしているイカたこを、殺したい。夢はアルタのそんな気持ちを表したものだった。
「さて、どうするか」
 アルタはそう呟くと部屋から出た――


 
 少し、時間が戻る。メタル達が戻ってくる前。
 レリーフに示された地点から少し離れた場所。そこに、イカたこ達はいた。イカたこ、ミサイル研究所、すずらん。基地の外にいたのはその三人だけであった。
「イカたこさ〜ん、何でここに降りたんですかぁ〜?」
 すずらんが馬鹿みたいな口調で聞く。ミサイル研究所は半ば呆れた目ですずらんを見る。イカたこは冷静に言う。
「すずらん、見ろ。どう見ても、ここに『人工的な何か』があった跡があるだろ?」
 地面は平らで、草は生えていたものの、大きな木は生えていなかった。そして、地面の所々に石が埋まっていた。石といっても、レンガのように焼かれており、角がピッタリ九十度になっている。そして、錆びた部品のような物も転がっている。
「それにだ、此処の辺りは何故か『タイムテレビ』が使えないん
 イカたこが言いかけた時だった。イカたこが地面に膝をついた。
 そして、イカたこの右手が地面にぶつかる。イカたこの右手が、地面に吸い寄せられたかのようだった。まるで、磁石のS極とN極が引かれ合うかのように。そしてだ、奇妙だった。本当に、奇妙だった。イカたこの右手首の皮にボルトの様な形が浮き出ているのだった。手の皮の下に、ボルトか何かが入っているのだ。
「イカたこさん! どうしたんですかぁ〜?」
 すずらん。
「何か、音がするぞ!」
 ミサイル研究所。そう、彼の言葉通り、イカたこの手が地面に当った瞬間に、音がし始めたのだ。地響きとも、何ともいえぬような、音。その音を例えるなら、「ドドドドドド」という単純な擬音でしか表せない。そんな単純な音。だが、奇妙さを演出するには十分だった。
 地面は揺れ始めた。地面が揺れるというと、誰もが地震と感じるであろう。だが、違うのだ。似ていても、違う。本と日記の様に、見た目は同じでも中身を読んだら違う。そんな、調べなければ分からないような違い。だが、その場にいたのなら誰もが違うと分かったであろう。
「イカたこォォォォ!」
 ミサイル研究所は我を失って叫んだ。そこには、見た事の無い光景が広がっていたからであった。いや、聞いた事さえも無かった。ファンタジーの本でさえも、そんな光景は無かった。
 起こったのは地面の変化だった。ボコボコと、まるで水が沸騰するかの様に泡立ち始めたのだ。液状化現象というのをミサイル研究所は聞いた事があったが、この現象とは意味が違うだろうと感じた。
 次だ。次こそが、この「現象」の最も奇妙な事なのだ。
「あああああああああ!」
 いつもは冷静なイカたこは叫んだ。体から、何もかもを出したかのような声。
 今、起きたことを一言で説明するとこうである。「地面が、村になった」いや、そうとしか表せない。それ以外の説明は無理であった。
 液体のようになった地面が急に盛り上がり、それが建物になったのだ。さらに、その建物が幾つも連なって行ったのだ。一瞬にして、多くの建物が建ち、さっきまで跡が残っていただけの場所が村になったのだ。
「何という、事だ……」
 彼らはそう呟く事しか出来なかった――


[No.301] 2008/04/12(Sat) 06:31:58

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