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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
石版 第二幕「これがあの男に... - 文矢 - 2007/12/15(Sat) 07:12:24 [No.216]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/11/24(Mon) 07:07:31 [No.422]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第五幕「古代からの因縁」 其の三 (No.302 への返信) - 文矢

 何なんだ、自分は―― アルタは口を押さえながら、考えた。さっきから考えもしない事が口から出てくる。いや、口から出るだけじゃない。自分が用意したわけでもない
『爪』も机の上に置いてあるし、わけが分からない『夢』も見る。アルタは思う。自分は、狂ってしまったんじゃないかと。そして、アルタはある可能性を思いついた。
 『24人のビリー・ミリガン』という本がある。これは、実際にいたある男の半生を綴ったものである。ビリー・ミリガンという男は、連続強姦、強盗で逮捕された男だ。事件そのものは平凡だ。だが、普通の事件とは『違うのだ』それは、彼に接見した弁護士によって判明した。『ビリー・ミリガン』と弁護士が話そうとしている時であった。彼の口から、「僕はビリーじゃない。ビリーは今、眠っている」という言葉が出たのだ。それをきっかけとし、ある事が判明した。『彼は合計で二十四の人格を持っているのだ』その人格達は、とても一人の人間がやっているとは思えないイギリス訛りの英語を喋ったし、タバコを吸う人格などもいた。弁護士達はそれを演技では無いと判断した。ビリー・ミリガンという男は二十四の人格を持っているのだ。
 アルタはそんな二十世紀に発行された本の話など知らなかったが、今話したビリー・ミリガンと一緒では無いかと考えたのだ。『自分には、自分では無いもう一人の人格がいるのではないか』そんな考えであった。
「その通りだよ」
 口を押さえていても、声は出た。アルタの口から。アルタが考えていない言葉だった。
「何なんだ、『お前』は」
 アルタの声。アルタが、『考えて』言った言葉だ。
「『お前』って言い方は酷いんじゃあないか? 同じ『俺』なんだからよ」
「うるさい。『お前』は――」
 アルタ自身の声が途中で廊下から聞こえて来た足音でかき消された。足音は、アルタの部屋の前で止まるわけでもなく、そのまま通り過ぎて行った。
「え? よく聞こえなかったな『俺』もう一度言えよ」
 アルタは唾を飲み込んだ。手を見ると、握っていたせいか汗をかいていた。いや、握っていたせいでは無かった。顔も、汗をかいていた。
「『お前』は、俺の『もう一つの人格』なのか?」
 それを言った後だった。アルタはガラスを見た。そこには、思いもよらない顔があった。『どす黒い』笑顔の自分。絵とかで見るような爽やかな良い笑顔じゃない。それとは全く違う、よく理解できないような、笑顔。アルタは、それを『自分の顔じゃない』と感じた。だが、そんな思いは関係なく、口は動く。
「『その通り』」


「報告、ありがとう」
 イカたこ達。イカたこの手にはレリーフが握られていた。だが、それはイカたこがドラえもん達との戦いで奪い取ったものでは無い。イカたこの目の前にいるミサイル研究所が持ち帰ったものである。
 イカたこの前には、ミサイル研究所とすずらん、メタルがいた。
「だが、このレリーフの意味は結局分からなかったようだ。この文字は、じおすが書いたものとして間違いなさそうだが、何で書いたのかも分からない」
 レリーフ。紀元前に、じおすが溶接したレリーフ。その跡は全く残っていなかった。何も知らない彼らからしては、そんな事は想像もできないであろう。じおすの使った道具も、落ちてくる破片達によってグチャグチャになってしまったのだから。
「とりあえず、石版があるという所にいきましょうよ、イカたこさん」
 ミサイル研究所。
「待て。計画は重要だ。下の者を慌てさせちゃあ駄目だ。後、二時間待つんだ」
 イカたこはそう言いながら、レリーフを眺めていた。見ていると、イカたこはある事に気づいた。指紋だった。誰かの指紋がレリーフの『Do not pass this to that man. (これをあの男に渡すな)』のnの右下にあったのだ。それは、紀元前からミサイル研究所が持って来た方だった。前から持っていた方には、時間が経ったせいか付いていなかった。
「指紋……ですか?」
 メタルもそれに気づき、イカたこに質問する。
「ああ、指紋だ。多分、じおすのやつだろう」
「へ〜え、そんな風にはっきり付くんですかあ〜? 他に見たことが無いですよ」 
 イカたこが言った言葉の後にすずらんが言う。
 一般人が、実生活において指を実際に見る以外で指紋というのを見ることなど、ほとんど無いであろう。セロハンテープなどに指をくっつけるぐらいであろうか。レリーフの指紋は、はっきりとしていた。
 イカたこはレリーフをじっくりと眺めた後、壁を押してそこから出て来た引き出しに閉まった。そして、部屋を見回して言う。
「後二時間、決して緊張を切らさないでほしい。全ての戦いにおいて、敗北したものは緊張を切らしたものだからだ。それじゃあ、三人とも部屋に戻ってくれ」
 
 イカたこの部屋からはまず、すずらんが出た。イカたこの部屋へ入る扉は、普通に見たら分からないようになっている。入ろうと思えば簡単に入れるが、何処から入るかが分からないようになっているのだ。長い廊下の壁の一部になっているから、気づく人はほとんどいないであろう。イカたこの部屋の周りには、監視カメラなどがある部屋が一つ入っているぐらいであった。
 廊下は、白かった。その白さがまた、静かさを引き立てている。音など何もしない。ちょっと物を落としてしまったぐらいで音が響く。それぐらい静かだった。
 すずらんの足音が響く。すずらんの部屋までは、大分距離があるのだ。
 すずらんの後ろには、ミサイル研究所がいた。すずらんが監視カメラのモニター室の前を通ろうとした瞬間だった。ミサイル研究所はある事に気づいた。モニター室のドアが破壊されているのだ。丁度、人が一人通れるぐらいの穴を空けられて。その穴の向こうは冥界の穴だというかのように、暗かった。だが、その穴の向こうからわずかな音をミサイル研究所は聞いた。
「すずらん!」
 ミサイル研究所の声は静かな廊下を震わせた。すずらんは振り返り、ミサイル研究所の方を向く。すずらんは、そこで振り向いてはいけなかった。ギリシャ神話でハデスはオルフェウスに「振り向いてはいけない」と言った。今の状況はそれだった。すずらんは、振り向いてはいけなかったのだ。
 音もたてずに『そいつ』はすずらんの背中をえぐった。真っ白な壁はたちまち血に染まり、すずらんは悲鳴もたてずにその場に倒れた。『そいつ』は真っ白な壁と対比させているかのように、『どす黒い』笑い方をした。
「お前は、我々の仲間の……」
 『そいつ』。アルタはハンカチで『爪』から血を拭き取ると、ミサイル研究所の方へ歩き出した――


[No.303] 2008/04/19(Sat) 17:52:26

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