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「名前は、覚えてないな」 ミサイル研究所は驚いていた。すずらんがやられた事じゃない。自分の気持ちについてだった。ミサイル研究所は、すずらんが倒れたことに何も感じていなかった。「何をしやがるこの野郎」とも感じていないし、「強いのか」とも感じていなかった。それに、驚いていたのである。すずらんの傷は心臓に達していないし、急所じゃないから、とかいう事でも無い。ミサイル研究所は思う。『すずらんが死んでいても、俺は何も感じないな』と。 「すずらんさん!」 メタルはドアを開いた瞬間に叫び、すぐにムラマサを抜き、左手で凍牙を投げた。だが、アルタは『爪』でそれを簡単にたたき落とす。そして、獣の様なスピードでミサイル研究所に襲いかかった。 アルタは、さっきからずっと『どす黒い』笑い方をしていた。最も『どす黒かった』のはすずらんを『爪』で攻撃した時だった。例えるなら、ハンマー投げで新記録をとった選手の会心の笑い。例えるなら、ムカつく奴に罰が下り、思いっきりガッツポーズをした時の笑い方。そんな笑いを『どす黒く』したものだ。 ミサイル研究所は片方の『爪』を右に流した。だが、もう片方の『爪』は軽くだが右の太ももの肉をえぐった。血は辺りに飛び散る。ミサイル研究所はアルタの目に入ってくれればなと思ったが、アルタの目は塞がれなかった。 ミサイル研究所は後ろに飛んだ。不思議な事に『何故か』右太ももの出血はほとんど止まっていた。アルタはミサイル研究所を追いかけようとしたが、すぐに後ろを振り向き、『爪』でメタルのムラマサを止めた。 日本刀の重さというのは、相当なものである。秘密道具の一種の為、メタルの様な女性でも軽々と扱えるようになっているが、上から振り落とせば下のものにかなりの負担がかかる。だが、アルタの『爪』はびくともしなかった。相当の筋力がある、と二人は判断した。 部屋の中でイカたこは動こうとしたが、ミサイル研究所が「やめろ」というジェスチャーを送った為、椅子に座ったままであった。 「なあ、PKって知っているか?」 ミサイル研究所はアルタに対して言う。 「サッカーか?」 メタルはすでに一歩退いていて、アルタはミサイル研究所の方へ走りながら質問へ答えを返した。 「超能力の一種さ。物体へ、干渉ができる」 ミサイル研究所がそう言った瞬間だった。アルタの『爪』が両手とも、『潰れた』よく、マジックで瓶に新聞をかぶせて、グチャリと潰すというのがある。その新聞紙が潰れるのと同じ感じ。形をとどめない程、グチャグチャに潰れてしまった。当然、手からは血が出る。アルタの悲鳴が響いた。 アルタの足は止まった。メタルは、すずらんの看護をしていた。すでに、『終わった』と分かったからだ。 「何を、した?」 アルタは呟いた。『どす黒い』笑いが、崩れていた。その顔は、さっきまで獣のような奴だったとは思えなかった。ただの、人間に見えた。 「『何を、した』と思うゥゥ?」 ミサイル研究所はニタリと笑った。彼も、勝利を確信していたからだ。 アルタは脳内で考える。物体に、干渉する能力。秘密道具などでは無い、本当の、超能力では無いのか。そう思ったのだ。 「お前が誰なのかは後で分かるし、何が目的でもどうでもいいよなァァ。後一時間ちょっとで、力を手にするのだからな」 ミサイル研究所が手で合図のようなものをすると、次はアルタの膝が『潰れた』アルタはその場に惨めに崩れ落ちた。そして、一歩。ミサイル研究所はアルタに近づいた。 「もっと、もっと酷いことをやりたいが、そこのメタルとかは見たくないだろうからなァァ。今、殺してやるよ」 その時、メタルは見た。ミサイル研究所の顔を。その顔は『どす黒かった』アルタの顔と同じ、楽しんでいる、顔。そして、『今、殺してやるよ』という冷たい言葉。確実に殺せるという自信があるからこその、その言葉。 一歩、また一歩。アルタに近づいていく。 「アハ」 その時、アルタの口からそんな言葉が漏れた。 「アハハハハハハハハハハハァァァ!」 アルタは、どす黒く、だが、大きく深く笑った。思いっきり。 ミサイル研究所は、それを見てもう一回、『黒く』笑った。彼は、何度もこんな状況を作り出してきた。そして、必ずと言っていい程ミサイル研究所と戦った奴は『狂うのだ』恐怖のあまり、おかしくなってしまうのだ。 「ラストは、心臓だ」 グシャリと、潰れた。アルタの心臓の部分が陥没していた。そして、アルタは倒れた…… その時だった。『奇妙』な出来事が起こった。段々と、アルタの姿が薄くなり始めたのだ。そして、最後には消えてしまった。その場から、何の痕跡も残さず。 「『分身ハンマー』……」 ミサイル研究所はそう呟くと舌打ちをした。 [No.304] 2008/04/26(Sat) 04:30:07 |
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