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少年は、光に包まれた。 光には常にあるイメージがある。それは、『希望』だ。『希望』が語られる時は常に光と共に語られる。闇と共に語られる『希望』など、存在しない。だが、少年を包んだ光は『希望』ではなかった。もっと、どす黒い、何か。それが偶然光を発しただけだった。 一人の男。名前は、イカたこ。彼が持っている機械。手で握れば周りからは逆立ちしたって見えないような大きさの機械。そして、その機械は光に包まれた少年に当っていた。 少年は当てられるその瞬間までジャンプをしていたのだろうか。イカたこに飛びかかったのだろうか。空中に浮かんだまま、光に包まれていた。そして、段々と消えていく体。 少年の体は足の先から消え去っていった。その間、少年はただ自分の体を見ているだけであった。まるで、局部麻酔をされて、その部分にメスが入っていくのをただボーッと見ている患者のように。いや、少年は今の例え通り麻酔をかけられたかの様に痛みを感じていなかった。 イカたこの顔に笑みが浮かぶ。常に冷静だったイカたことは違う、狂ったかの様な笑み。そう、『どす黒い』笑いだった。だが、その笑いは会心の笑みとは言えなかった。少なくとも、「やったぜ!」という笑みでは無かった。 そして、少年の体は消え去る。いや、例えるなら空間に溶けたというべきであろう。少年の名は、野比のび太といった―― 話は、少し前に戻る。丁度、ドラえもん達がイカたこ達の所へとやってきた頃だ。ここからだ。イカたことドラえもん達の直接対決は、ここから語られるのだ。 「ようこそ」 挨拶。挨拶を特に日本人は重んじる。挨拶をされて嫌だ、という人はいないだろう。だが、今その場所に響いた「ようこそ」という挨拶は嫌な気分にさせるどころか、彼らに絶望を与えた。それは、女の声だった。 転送装置は、カプセルの形をしていて、部屋の中央にあった。声の持ち主は、部屋にある唯一のドアの前に仁王立ちをしている。ドラえもん達はまだ、カプセルの中の椅子に座っているだけだ。カプセルは透明で、部屋は真っ白だった。 どらEMONは立ち上がり、静かに水裂を抜きながら答えた。 「メタル……」 そう、そこにいたのはメタルだった。忍者の格好をした、美女、メタル。 「あなた達は、イカたこさんの所には行けやしない。私を倒して行くには、私の罪を背負っていかなければならないのだからね」 トントントン、という音。メタルはステップを踏み始めた。そのステップは魔法のステップ。見た者の動きを止める。『モナリザの前で暴れる人はいない』それは、メタルが言った例えだった。素晴らしいものの前では暴れられない。それが、メタルの技『魅惑の舞』だった。 「動けない……?」 のび太が呟いた。カプセルの椅子に座ったまま、のび太は動くことができなくなっていた。いくら動かそうとしても、動かない。体は震えるが、暴力的な行動をする事ができない、という事であろう。 「畜生! おい、動けるようにしやがれ!」 ジャイアンが叫んだ。いつもは暴れ回るジャイアンも、何もする事はできなかった。ロボットであるドラえもんも動けなかった。 二人、動ける者がいた。その内の一人は、対処法を知っている者。体を傷つけながら、戦った者。そして、いち早く立ち上がり、行動をしやすくしようとした者。 金属と金属がぶつかり合う音が場に響く。 「やはりね、あなたが来ると思っていたわ。どらEMON!」 どらEMONはニヤリと笑った。眼を閉じて行動をしていたのだ。それが『魅惑の舞』を破る方法であった。 「EMONさん!」 ドラえもんの声が響く。 水裂をメタルの刀『ムラマサ』で防いだ時、一瞬だけ『魅惑の舞』のステップが止まったがその後はまたステップが踏まれた。 ステップを踏んでいるといっても、メタルは入り口から離れなかった。眼をつぶって無理矢理突破するのは無理な状況になっている。 その時だった。どらEMONが一歩『退いた』 一瞬、全ての動きが止まった。そしてもう一回、どらEMONが退いた。その後も一分おきぐらいにどらEMONは一歩ずつ退いていった。 メタルは舌打ちをした。 そして、眼をつぶりながらどらEMONは退いていく。笑みを浮かべながら…… [No.316] 2008/05/26(Mon) 18:26:19 |
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