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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2007/12/08(Sat) 18:41:39 [No.212]
石版 第二幕「これがあの男に... - 文矢 - 2007/12/15(Sat) 07:12:24 [No.216]
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石版 幕間「つまらない講釈」 - 文矢 - 2008/02/09(Sat) 14:26:59 [No.256]
石版 第四幕「踊り狂うかの様... - 文矢 - 2008/02/11(Mon) 08:25:03 [No.258]
Re: 石版 第四幕「踊り狂うか... - 文矢 - 2008/02/20(Wed) 20:41:06 [No.261]
石版 第四幕「踊り狂うかの様... - 文矢 - 2008/02/24(Sun) 08:03:45 [No.263]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/07(Sun) 06:27:52 [No.425]
Re: 石版 第六幕「彼は満足した... - ??? - 2008/06/03(Tue) 23:03:34 [No.318]


石版 第六幕「彼は満足したのだろうか」 其の八 (No.355 への返信) - 文矢

 メタルは考えた。メタルの脳裏に浮かんだのは別空間での戦いの時だ。この煙は危険だと判断して、どらEMONに攻撃された時のことだ。あの時のことをメタルは後悔していた。あの時、退かなければ……
 どらEMONは考えた。メタルはどうするだろうかと。ハッタリじゃないかと考えてはいるだろう。だが、その先どういう行動をするか。踏み込んで攻撃してくるか、それとも別の行動をとるか。どらEMONは考える。
 この状況を写真で撮って、その写真を人に見せてもその人は何も感じないだろう。だが、この場にいる者は感じていた。漫画とかで表わされるような陳腐なものではない、それ以上の何か、『オーラ』とでも言うべきだろうか。メタルは既に舞ってはいない。だが、その『オーラ』でドラえもん達は動けないのだ。
 メタルは『お医者さんカバン』を確認する。カバンはどらEMONの腹の下にあった。カバンの角がどらEMONから出ているのが見えたのだ。
 メタルは考える。腹の下にある、という事は今カバンは使われていないという事だ。カバンを使うにはカバンを開けなければならない。どらEMONの腹の下にカバンがある、という事は開けられない、という事だ。
「決着を、つけましょう!」
 一歩、踏み込んだ。両手でムラマサを握り、力を込める。
 こいつは、傷を治してなんかいない、ハッタリだ! メタルはそう確信した。だからこそ今、メタルはどらEMONを殺す決意をしたのだ。ムラマサを振りかぶり、斬る。まるで、スイカ割りのように、思いっきり。
 
 だが、一秒後場に響いたのは、メタルが望んだ音ではなかった。望んでなんかいない、金属音。ムラマサがぶつかったのは、水裂。どらEMONの頭ではない。刀。
 どらEMONは静かにムラマサをずらし、完全にムラマサを交わした。メタルは目を動かす。どらEMONの腹へと――
「……何でっ何故!」
 どらEMONの傷は、完全に治っていた。メタルの視線は、どらEMONの腹から足元にある筈の『お医者さんカバン』へと移る。そして、メタルの目は丸くなる。舌打ち。
「『どんぶら粉』を使わせてもらったよ。お前が考えている間にカバンの蓋を開けて治すことはできないが、粉をかけるくらいはできる」
 そう、『お医者さんカバン』は地面に半ば沈んでいた。ひっくり返った状態で。どらEMONの手にも粉がついているので、メタルに気づかれず水面下、いや地面下で傷を治すことができる。
 「思えば、長かったな。メタル。別空間の時も決着はつかなかった。今、終わらせよう」
 どらEMONは水裂を握るその手に力を込める。
「……ええ、そうね。今こそ、任務を果たすわ」
 メタルは動揺を抑え、ムラマサの切っ先をどらEMONへ向ける。
 空気が重くなっていく。どらEMONもメタルも、既に考えるのをやめた。策を弄して、確実に勝とうとかは考えていなかった。ただ、剣道のように戦う。それで決着をつける。それしか考えていなかった。
 酸素を深く吸い、二酸化炭素を深く吐く。目は相手へ向けている。滑らないようにもう一度手に力を込める。そして一歩、前へ踏み出す。
「決着だ」
「決着ね」
 二人の声は重なり合い、その声が合図だったように二人は走り出した。金属音。刹那、血しぶき。
 ドラえもん達は呼吸さえしなかった。ただ、目を見開いてその光景を見ているだけであった。そう、見ているだけ。
「決着だ」
「決着ね」
 もう一度、何かを確かめるように二人の声は重なった。そして、片方の影が倒れる。
「メタル、俺の勝利だ」
 水裂から血が滴る。メタルの胸は横一文字に斬られていた。そこから血が噴き出ていく。
 メタルの顔は、和やかだった。少なくとも、四十歳ぐらいで家族を残して死んでいく男よりは和やかな顔だっただろう。メタルはすでに、生きたいとは思っていなかった。
「ええ、そうね……」
 しばらくの沈黙。メタルの命は後数分だろう。どらEMONの胸のタイムパトロールのエンブレムが照明に反射する。そして何分かが経過する。その間、誰も喋らなかった。
「ふふ、こんな誇り高き死を迎えられるなんて。くのいちとして死ねるなんて。感謝するわ、どらEMON」
 沈黙を打ち破るかのように、メタルは話し出した。
「どらEMON、あなたを見ているわ。あの世から、天国から、地獄から、何処でも。あなたがどうなるのか、どのような死を迎えるのか、これが、私の任務、使命……」
風魔小次郎の末裔メタル、彼女は自分の家系、そして自分自身の誇りを抱いてこの世から旅立った――


[No.378] 2008/09/21(Sun) 19:45:49

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