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イカたこは静かに本を読んでいた。場所は自分の部屋。読んでいる本は「注文の多い料理店」データでは無く、わざわざ過去から取り寄せた本のものだ。イカたこは、機械的な画面に映し出される文章よりも、こういう紙に印刷された物語を読むのが好きだった。 何度も何度も読み返した本だった。子供の頃から、何度もイカたこは読んでいた。 騙されていく紳士達の面白さ、そして食べられそうになるシーンの時の恐怖。イカたこにとっては二百年も前の物語なのに、イカたこはこの本が大好きだった。古典としてではなく、物語として。 イカたこはふと、ドラえもん達のことを思い出す。アルタとのび太――といってものび太はいずれ帰ってくるが――は始末したものの、彼らは今、基地の中にいる。メタルがやられていることをイカたこは知らないが、なんとなくやられてしまったのではないかと考えていた。ドラえもん達は今、基地の中にいるのだ。 「ようこそ、注文の多い料理店へ……」 イカたこは静かにつぶやくと、この物語と今の状況は違うなと思いクスリと笑った。 五分の休憩の後、どらEMONは立ち上がった。部屋に残っているのは静香とスネ夫。ジャイアンとドラえもんは既に部屋の外へ出ている。これは二つに分かれて動こうというどらEMONの提案からだった。 「EMONさん、大丈夫……?」 静香が心配しながら言う。静香とスネ夫の手には改造ショックガンが握られている。どらEMONが渡したものだ。スネ夫はドアの方にいて見張りをしている。 「ああ、大丈夫さ。そろそろ動こう……!」 どらEMONの動きが止まる。何故か、スネ夫が後退したからだ。スネ夫は二人の方を向き、震えた声で言う。 「来た、人が!」 その刹那。人影。男。 どらEMONは水裂を握りしめ、静香を後ろへ回させる。そして、確認。敵は誰で、どんな奴なのか。だが、どらEMONが確認する前。赤い液体が部屋を舞った。 「うっ……!」 血。血。血。血。スネ夫の腹。噴き出る。噴き出る。噴き出る。血。血。血―― スネ夫が発したのは「うわああああ」でもなく、「うおおおお」でも無かった。「うっ」と一音出しただけで終わり、そして倒れた。激痛。激痛。激痛。激痛。 スネ夫の腹を、何かが貫いたのだ。何か、それは裏山での戦いでタイムパトロールのタイムマシンを襲ったものと同じ。ロケット。圧力で発射される、ロケット。 「ククク…… 血の臭いってさぁあ、良い臭いだと思わないか? 吐き気がこみあげてくるような鉄の臭い」 どらEMONはそいつが姿を見せると同時に飛びかかった。刀を抜き、叫んだ。刀を大きく振り上げ、そいつを斬ろうとする。だが、血。 「てめえ……は!」 どらEMONは後ろへ吹っ飛びながら言う。どらEMONの横っ腹から流れる血。それも、ロケットによるものだった。 スネ夫、どらEMONを襲ったそいつは手にのっているロケットでカチャカチャ音をたてる。見下す目で三人を見る。そして、口を開く。まるで、口裂け女の様な口だった。 「俺様はミサイル研究所。喜べ。お前ら犬神家のような猟奇的な死体になれるぜ。池が無いのが残念だなあ〜。どらEMON、お前さあ、あれ持ってるか? 『お座敷釣り堀』」 何を喜べと言ってるの? 静香はそう思った。改造ショックガンを握りしめる力が強くなる。怒り、心配、恐怖、様々な感情が静香の中を駆け巡る。 「さあて、どうしようかなぁ」 ミサイル研究所は楽しそうにそう言うと、ドアを静かに閉めた…… [No.403] 2008/10/25(Sat) 18:57:53 |
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