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部屋。ミサイル研究所が全てを支配している、部屋。黒い空気が混じった部屋は異様な雰囲気を醸し出している。 「さてと……まず、これを見てくれよ」 ミサイル研究所はそう言うと、部屋の端にあるメタルの遺体を指差した。ミサイル研究所がその部分だけ解除したのか、静香とどらEMONは首を動かすことができた。メタルの遺体の方を二人は向く。メタルの遺体は布を被せてあるだけだ。 どらEMONは嫌な予感がすると感じた。何か、とんでもない物を見せつけられる気がする。そんな嫌な予感が。冷や汗が頬をつたる。 ミサイル研究所は『どす黒く』笑った。そして、腕を左右へ大きく広げる。まるで、何処かへ飛び立とうとしているかのように。 そして、ミサイル研究所はゆっくりと指を鳴らした…… 破裂。破裂。破裂。まず、メタルの体の上にある布が吹っ飛び、そして大量の血が飛び出す。臓器の欠片が吹っ飛び、スクラップ映画のような光景が部屋の中に広がる。そして、少し遅れてボンッという音が部屋の中に響く。 「キャアアアア!」 静香の悲鳴。どらEMONは信じられない、という顔でその光景を見る。 部屋には血のシャワーが降り注ぎ、ベチャベチャと腐りかけの血液が音をたてる。そして、その血のシャワーを嬉々してミサイル研究所が浴びる。まるで、雨が降らない数日の後に降った大雨を喜ぶ農民のように、黒く、黒く、黒く、黒く、笑いながら。 狂っている。今まで出会った、誰よりも。どらEMONはそう感じる。体の震えは止まらない。 「くく、周りの気圧を下げればさ、体は爆発するよなぁ。山の頂上へ持っていったポテトチップスの袋が膨らむのと同じで。学校で習ったろ? どうだ! 怖くなってきただろう? こんな感じで死にたくないと思ったろ? 思え、思え、思え! 俺は最強なんだ、ハハ!」 ミサイル研究所はやはり腕を大きく広げたまま叫ぶ。その姿は、まるで悪魔。鬼。世界中のあらゆる悪という言葉で例えられるだろう。どんな小説の悪魔よりもこの男は酷いとどらEMONは思う。静香は考えるどころでは無かった。恐怖によるパニックに包まれ、何も言えない。 「お前……仲間の死体をそんな演出の為に使ったのか?」 どらEMONは大量の汗をかきながら、ミサイル研究所へと言う。 「ハ! 下らないな。仲間といってもすでに死んだんだからどうでもいいだろ? というよりも俺様に使われてメタルだって光栄だと思っているさ」 「お前らは、自分の正義の為に動いているんじゃないのか? お前はまるで悪魔だ!」 「悪魔、ありがとう。いい言葉だ。確かに、イカたこは自分が世界を変える、正義だ。とでも思っているだろうね。だがね、俺はそうじゃない。俺は、悪だ! 正義なんかじゃない、悪だよ、悪!」 ミサイル研究所の言葉にどらEMONは唖然とする。悪、その言葉を喜ぶ男などいるだろうか。近所の悪ガキに「お前らは悪だ」と言ったらそのガキは怒るだろうし、汚いことをやっている政治家に「あなたは悪です」と言ったらその政治家も怒るだろう。何なんだ、この男は。 「昔からそうだったよ。テレビとか漫画とか見ててもさ。ヒーロー側には感情移入なんかできなかった。だって、奴らは「地球を守る」だとか言っているだけだろ? 何でさ。あいつらを見てるとあいつらは食欲や、性欲や、睡眠欲さえ無いんじゃねえのと思うだろ? その点悪は違う! 悪役達は自分の欲望に素直に生きてる! 良い事じゃないか。そっちの方がかっこいい! 俺は昔から悪になりたかったのさ! もっと呼んでくれ! 俺を悪だと! 悪魔だと、卑怯だと、もっと、もっと、もっとぉ!」 「じゃあこう言えばいいのか? 『お前は正義のヒーローだ』」 どらEMONは引きつった笑いを浮かべながら言う。だが、ミサイル研究所は全く気にかけていなかった。どうでもいい、という感じであった。 どうすればいい―― どらEMONは考えるが、どう考えてもこの状況は覆せないという結論が出るだけであった。この悪魔め。どらEMONは歯をくいしばりながらそう思った。 [No.422] 2008/11/24(Mon) 07:07:31 |
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