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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

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ドラえもん危機 第十四話 上 - ミサイル研究所 - 2008/11/25(Tue) 16:26:27 [No.424]


ドラえもん危機 第十四話 上 (No.420 への返信) - ミサイル研究所

吸血鬼と言えば、たいていの人はブラムストーカーの吸血鬼を思い浮かべるであろう。

え、ジョジョ? ああ、はあ。

仕切り直すこととしよう。

吸血鬼と言えば、誰しもがDIOを思い浮かべるであろう。

悪役ながらも素晴らしい存在感、カリスマ性で人を魅了する彼を。

だが彼は今、半ばいじけながらに与えられた自室で俯いていた。

「なぜ、なぜ、何故、何故……」

ブツブツ言いながらも、その目はテレビへと向いている。

そこには、太陽光がさんさんと降り注ぐ中に

何故か犬の耳が生えている少年が日向ぼっこをしていたり、

まだ少女に見える婦警が人が扱えそうもない大砲を点検していたり、

赤い貴族服に身を包んだ男性が寝ていたりする。

ここでDIOが思い出したように叫んだ。

「なぜ、奴等は吸血鬼だというのに太陽の下で平気なのだああああっ!

このDIOでさえ、太陽光を浴びるとすぐに灰と化すというのに、

何故なのだああああああああああああっ!」

もはや、自分のキャラさえも保てないほどに叫んだ。

彼は最後の大隊の兵員が平然としながら飛行船に乗り込み出撃していくのまで見ているのでなおさらだろう。

自分よりもいかにも弱そうな吸血鬼でさえも太陽の下を堂々と歩く、

とてもとても悔しいことだろう。

「くぅ、このDIOも奴等の如く太陽の下平然としていられるならば、

このような不名誉な職を与えられる事もないと言うのに」

ちなみに今の彼に与えられている役割は、「夜間警備員」である。

「おお、祈りたくはないが神よ!我に真の不死身たる力を!」

精神状態が不安定になってしまったのか、ついには天を仰ぎ始めてしまった。

だが、彼の部屋に神ではないが別の者が壁から侵入してきた。

「貴様の願いこの俺が叶えてやろう」

先ほどまで外にいたはずの赤い服を着た吸血鬼である。

「何者だ!このDIOの背後に立とうとは…、後悔しろ!

ザ・ワールド 時よ止まれ」

その瞬間、時間が止まった。

テレビの映像がそのまま止まり、侵入した吸血鬼も止まり、時計も止まっている。

だが、DIOだけは動いたいた。

「ククク、動くわけはないか…。では、貴様には死んでもらうとしよう」

そう言うと彼は高速でラッシュをその吸血鬼へと叩き込んだ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」

一発を食らうごとに吸血鬼は血を飛散させ肉の塊になって行く。

そして、

「時は動き出す」

この一言と共に止まっていた時間は動き出した。

DIOの目の前にはもはやただの肉塊となった吸血鬼が転がっている。

「ふうん、このDIOの部屋に入ったのが間違いであったな」

ここでDIOも自信を取り戻したようである。

だが、殺したはずの肉塊から声が聞こえる。

「甘い、そんな事じゃあこの私を殺しきることは出来ない。

化け物を倒すのはいつだって人間、人間でなくてはいけないのだ。

おまえもそうだろう、吸血鬼DIOよ」

DIOが声がした方向に振り向くと、肉塊が元の形へと再生を始めていた。

「な、何ぃ!貴様も再生できるだと!」

「何もおまえだけの能力じゃあないよ。命の通貨として血を吸った吸血鬼ならばこれくらい出来るだろう」

DIOが驚いているのに対してこの吸血鬼はあまりにも冷静、いや、楽しそうに話している。

「俺を殺そうとしたってそれは無理な話だ。

もし俺を殺しきろうというのならば、幾億幾万の時間がかかるであろう…」

「な、な、な……」

もはや、DIOでさえも驚くという話になってしまっていた。

「俺は死ねない、膨大な俺の過去を同じく膨大な俺の未来が押し潰すまで…。

血を吸った者達の命が私の中にあり続ける限り。

だが、おまえはどうだ?

血を吸ってもひたすら太陽におびえる、それは血を吸った者達に申し訳ないことではないか?

力はある能力もある、だが、太陽に勝てない。

悲しいことではないか」

「貴様ァ!このDIOに何が言いたい!」

「なぁに、簡単なことだ。私の血を飲め、ただそれだけだ」

この吸血鬼は前置きがかなり長かったにもかかわらず、用件はかなり少なかった。

これにはDIOも驚きすぎて固まってしまった。

「どうした、DIOよ。太陽の下で怯えずに歩いてみたくはないのか?」

DIOはここで思い出したように動きを取り戻し、

「ほう、して吸血法はどのように」

この言葉が言い終わるか言い終わらないかの間に目の前に輸血パックが無造作に投げ置かれた。

「これを飲め、以上だ」

さすがのDIOも目を丸くした。

輸血パック一つで太陽を恐れずに済むという悪徳商法のような事を言われたので当然であるとも言えるが…。

「どうした飲まないのか?」

この吸血鬼は声色こそ心配そうだが、顔は猟奇的な笑顔に満ちている。

「いや、これは輸血パックだろう。しかもこんな物一つで太陽を恐れずに済むなど…」

「それは私の血液だ、大丈夫だ。

さあ早く飲め、お楽しみはこれからだ。

ハリー、ハリー、ハリー!」

そう言うとこの吸血鬼はDIOの口に無理矢理輸血パックの中の血液を流し込んだ。

「が、がぼ……、貴様ァ!何のつも…」

DIOは叫びかけたその動作を急に止めた。

何かが体の中で変わったのである。

たとえれば黄金色の糖蜜の中に漬かっているようなそんな感じである。

「な、何だこの感じは…」

「おまえはめでたく太陽によって滅びなくなった、それだけだ」

そう言うとこの吸血鬼は去ろうとした。

「待て。特別にこのDIOが貴様の名前を聞いておいてやろう、名を名乗れ」

この吸血鬼は感心したような顔になり、そして顔をほころばせながら言った。

「アーカードだ、覚えておくがいい」

そう言い残すと今度こそ完全にDIOの部屋から去った。

「アーカード…、この借りは絶対に返させてもらおう」

そう言うとDIOは外への扉に一歩踏み出した。


[No.424] 2008/11/25(Tue) 16:26:27

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