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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/12(Fri) 19:24:35 [No.426]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/13(Sat) 07:49:30 [No.427]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2009/01/31(Sat) 14:30:24 [No.442]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:19:31 [No.448]
石版 「カーテンコールの後に幕... - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:20:19 [No.449]
感想 - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:29:13 [No.450]


石版 第六幕「彼は満足したのだろうか」 其の十四 - 文矢

「ここか?」
 ジャイアンが息切れした声で言う。
 目の前には、ドアがあった。ドラえもんも息をきらせながらそのドアを見る。軽く触れると、「イカたこ」という文字がドアに表示される。イカたこの部屋、なのであろうか。
 ドラえもんの心の中に疑問が浮かぶ。本当に、ここはイカたこの部屋なのだろうかという疑問。確かに、ドアにはイカたこと書かれている。だが、これは罠なのではないだろうか。この中に入ったらすぐさま首ちょんぱとかいう展開にならないだろうか。そんな風な考えばかり浮かんでくる。
「開けるしか、ないよな」
 ドラえもんが迷っている時、ジャイアンはそう呟いた。そして、ドラえもんがジャイアンの方を向いた瞬間。すでに、ドアは開いていた。ジャイアンが、開けたのだ。
「ようこそ、注文の多い料理店へ」
 部屋の中からそんな声が聞こえ、ドラえもんとジャイアンは部屋の中へ踏み込んだ――

「くく……気持ちいいなぁぁ」
 ミサイル研究所の声が部屋に響く。
 静香とどらEMONは相変わらず抑えつけられたままで、喋ることすらまともにできない。ミサイル研究所の能力。超能力。それはどんなに頑張っても覆せないものだった。どらEMONは舌打ちする。
 どうやったらこの悪魔に勝てるというのだ―― どらEMONは考える。静香は絶望する。どらEMONは考える。どうやったら、どうやったら。さっきから彼はずっと考えていた。だが、答えはでない。答えは、でない。
 ミサイル研究所は嘲笑する。圧倒的すぎる力の差。ワンサイドゲーム。昔から、ミサイル研究所はワンサイドゲームが好きだった。トランプとかをやっていて、すぐにあがれる時でもそうだ。普通の人なら友達とですぐにあがっちゃうとあれだなとか考えてすぐにはあがらない。だが、ミサイル研究所は違う。すぐさまあがり、友達を笑う。それが彼は大好きだった。
 カツカツというミサイル研究所の足音が部屋に響く。笑い声と一緒に。
 部屋には血の臭いが漂っている。さっきミサイル研究所が爆発させたメタルの死体。その臭いだった。吐き気をもよおすような臭い。いや、こんな状況じゃなかったらどらEMONや静香は吐いているだろう。
「怖いか? え?」
 ミサイル研究所はしゃがんで静香の頭を小突いた。静香は何も答えられなかったが、ミサイル研究所を睨みつけた。それが、彼女にできる精一杯の抵抗だった。だが、ミサイル研究所はその視線を喜びと感じる。
 ミサイル研究所は立ち上がり、そして二人を見下す。彼は最上級の喜びを感じていた。
「なんで、お前は人をそんなに痛みつけるんだ? どうしてそれが気持ちいいんだ?」
 どらEMONは声をだす。
「お前さ、温泉に入っている時に「何で温泉に入っているのが気持ちいいんですか?」なんて聞くか? いやな、そう聞かれても答えられるかもしれない。何故ならこれにはこういう成分が入っているからですって。でもさ、答えるのは面倒だろ? 今の俺はそういう気分だ」
 もう、駄目かもしれない。どらEMONは心の底からそう思った。もう、自分たちには死ぬしか選択肢がないのかもしれない。他は、何も無いのかもしれない。超能力なんかに勝てるわけがない。エスパーが実在して、しかも敵対しているっていう時点で勝ち目など無かったのだ。諦めの心がどらEMONの中を巣食う。
 それでも、それでも―― どらEMONは諦めの気持ちを消し去る。俺は、諦めてはならない。諦めたら、報われない。死んでいったタイムパトロールの仲間たちが、報われない。諦めない。諦めては、いけないんだ。どらEMONは持ち直す。
「何が出来るというのだ?」
 どらEMONは呟く。いや、声は出ていなかったかもしれない。どらEMONは、自分へ問いかける。自分には、何ができるというのだ? 何を、何を、何ができるとでもいうのだ?
「さあ、そろそろ止めを刺そうかな?」
 ミサイル研究所の声が部屋を包んだ――

「何が注文の多い料理店だ!」
 ジャイアンはそう叫ぶと、改造ショックガンを構える。イカたこは、椅子に座りながらドラえもん達の方向を向いている。手には、「注文の多い料理店」が握られていた。
 ドラえもんも、ジャイアンに続いて改造ショックガンを構える。イカたこは、不敵に笑っているままだった。
 このまま、引き金を引いてやる―― ジャイアンはそう思いながら手の力を強める。
「そうそう、ジャイアン、ドラえもん。君達はのび太とアルタがどうなったか興味は無いか?」
 イカたこが立ち上がる。ドラえもんとジャイアンは喋れなかった。そして、二人とも銃口を下へ向ける。イカたこは笑う。そして口を開く。
「じおすと同じように、飛ばした」
「え?」
 部屋は、沈黙に包まれる。イカたこはニヤリと「どす黒く」笑う。


[No.426] 2008/12/12(Fri) 19:24:35

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