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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/12(Fri) 19:24:35 [No.426]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/13(Sat) 07:49:30 [No.427]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/25(Thu) 11:27:10 [No.429]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2008/12/30(Tue) 19:20:34 [No.432]
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石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2009/01/31(Sat) 14:30:24 [No.442]
石版 第六幕「彼は満足したのだ... - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:19:31 [No.448]
石版 「カーテンコールの後に幕... - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:20:19 [No.449]
感想 - 文矢 - 2009/02/09(Mon) 18:29:13 [No.450]


石版 第六幕「彼は満足したのだろうか」 其の十五 (No.426 への返信) - 文矢

 銃声―― 飛び散る血。場所は、どらEMON達がいる部屋。
 倒れたのは、ミサイル研究所だった。どらEMONや、静香じゃない。ミサイル研究所。さっきから圧倒的な有利にあった男。ミサイル研究所は心臓の部分を撃たれ、倒れた。そして彼は吐血したのだ。
 こんな事は、ありえない筈だった。超能力を使い、圧力を操って完全な有利に立っていた男が倒れるなんて。そう、鼠が猫に食べられそうな時に鼠が猫の首の骨を噛み砕いて殺すという状況ぐらいありえない。
 だが、実際に起きている。
「スネ夫君……!」
 どらEMONは目を丸くする。既にどらEMONも静香も解放されていた。ミサイル研究所が倒れた時点で超能力は解除されたのだ。
 撃ったのは、スネ夫だった。最初にミサイル研究所にロケットで撃たれたスネ夫が、銃口をミサイル研究所へ向け、腹を抑えていた。息は荒く、今にも倒れそうだった。
「静香君、これを」
 どらEMONは四次元ポケットから『お医者さんカバン』を取り出し、静香へ手渡す。静香はフラフラとしてたが意識ははっきりしていて、スネ夫の方へと歩いて行った。強い子だな、とどらEMONは静かに笑う。
 水裂をどらEMONは取り出す。しっかりと柄を握り、倒れているミサイル研究所の方を向く。
 そして、斬る。ミサイル研究所の悲鳴が聞こえた。静香も驚き、『お医者さんカバン』を落とす。だが、どらEMONは何も慌てなかった。斬られたのは背中で、斜めにスパッと斬られていた。
「どらEMOOOOON! 貴様ぁぁぁぁ」
 ミサイル研究所はなんとか立ち上がる。といっても、中腰のような姿勢だったが。ミサイル研究所はロケットをどらEMONに向ける。目には憎しみと怒りの色が浮かんでいる。
 だが、どらEMONは意に介さなかった。一歩踏み込み、水裂でミサイル研究所を、斬る。肩から腰にかけてミサイル研究所は真っ二つになる。
 静香が悲鳴を上げた。どらEMONは静香の方を向くとごめん、と謝った。そして振り返り、ミサイル研究所へと冷たい目を向ける。冷酷な、目。

 ミサイル研究所は慌てる。どす黒い何かが、自分の脳内を侵食しているのを感じたからだった。
 嘘だろ―― 俺が死ぬわけが無い。この俺が、この俺様が。悪が。絶対的な悪のこの俺様が、死ぬわけが無い。死。死。俺は、死なない筈だ。
 段々と、ミサイル研究所の脳内を黒が包んでいく。ドロリとした何かが包んでいくごとに意識もボーッとしてくる。
 痛いという感情もあった。今までで体験したことの無いような痛み。深爪をするよりも、爪を剥がされることよりも、指を斬り落とされることよりも酷い、酷い、酷い、ひどい、ヒドイ、痛み。
 ドロリとした何かはゆっくりと、だが確実に。ミサイル研究所はこの時、初めて、初めて『恐怖を感じた』
 死ぬことに対しての恐怖。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。死。
 今まで、全てにおいて俺は圧倒的な有利を保ってきた筈だ。ミサイル研究所は思う。俺様は、全ての人間よりも上のところに位置しているんだ。その俺様が、死ぬわけがない。まさか、まさか、まさか、まさか。
 ドロリとした何かが、ミサイル研究所の四分の三を包んだ時、ミサイル研究所は声を出した。
「嫌……だ……死に……たく……な……い」
「お前が殺してきた人もそう思ってたんだ」
 どらEMONの冷たい返事を聞いた後、ミサイル研究所の意識は途切れた―― 死。


[No.427] 2008/12/13(Sat) 07:49:30

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