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「おい、手を上げろ」 大きな森林で小さな声が聞こえた。 そっと1人の少年がおそるおそる手を挙げる。 手にはコルトパイソンがしっかり握られていた。 「銃を捨てろ」 次なる要求もちゃんと少年は従った。 ポイッと、3メートル離れた地面に放り投げたのだった。 「お前は誰だ?」 今度は質問だった。 「ノ、ノビスケ」 おびえた風に言った。 スネツグにナイフが刺さった時大きな悲鳴を挙げていた人、か……。 と、次の瞬間ノビスケ【登録番号28番】はバッと振り返った。 そして、振り返ったときの反動でそのままひじをアッパーに決め込んだ。 ……はずだったが、そこには誰も居なかった。 正確には、視界に入らなかった。 「あれ?」 「お見事………でした」 少しこもった低い声で言った。 ノビスケの胸に深々と短刀が突き刺さした。 傷口からドクドクと血があふれ出し、地面までぽつり、ぽつりと落ちていく。 「ぁ、ぁあああ、」 がっくりとひざを立ててノビスケは倒れた。 クンタック王子ことペコ【登録番号36番】は、汚らわしそうにノビスケを退かし、ノビスケの放ったコルトパイソンのある所まで歩き、手に取った。 「チェケラッチョ♪ チェケラッチョ♪ イェイ! チェケラー♪ チェケラーとしか言いようのないぐらいのチェケラー♪」 「オレの両親ラーメン屋♪ 毎月毎月博多ラーメン送ってくる♪ チェケラー♪ でも実家は北海道♪ だったら札幌ラーメン送って来い♪ チェケラー♪ オレ、最近新幹線でみかん食べた♪ チェケラー♪ でもオレのおかん実は」 ぱらららららら 「ギャーァアアアアア!……無念としか言いようがないくらい実に無念ザマス」 スネ夫ママ【登録番号15番】は、他界した。 なんなんだ、さっきからわけのわからん意味不明なラップ歌ってる奴が居ると思ったら今度はマシンガンて。 やはり先生がいかんのだな、ろくな教師に教わらんとろくな大人に育たんと言うわけじゃ。 まったく、ちょっと前はゆとり教育とかで騒がれたし、今は、なにモンスターぺアレント? も〜、先生だって人間なんだからさ〜人の都合ばっか押し付けてくんなよ。 その点私は大丈夫だ。 私は教師の鑑だ。 そう自負している。 決して甘やかしたりしない。 かといってめちゃくちゃ厳しくするわけでもない。 例えば、一日の宿題の量で証明して見せよう。 わしは、一日に出す宿題は大体毎回同じだ。 漢字プリント42枚。 100マス計算(すべて3桁の数字)39枚。 算数プリント71枚。 スピーチを毎回課題を出して書いてきてもらう(3600字) 宿題を忘れたらグランド(200メートル)20週と、1時間廊下で逆さ吊り下げの刑だけだ。 豪快に全部忘れてきたら、真夏の場合全クラスのストープ(41個)を付けた蒸し暑い生徒処刑室で腹筋1000回すればいいだけだ。 真冬なら氷300キロ分と塩をばら撒いたプールに1人3km背泳ぎで泳ぐだけだ。 春なら十字架に貼り付け屋上のフェンスをぶち破って今にも落ちそうなところで2時間ぶら下がってればいいだけだし、 秋なんかもっと簡単、まぁちょっと放送禁止用語が結構出て来るからあえて言わないが、とにかくちょっといやな思いをするだけでいいのだ。 まぁ、確かに今まで21人がこの処刑のせいで帰らぬ人となった(自殺含む)し、数年前わしに切りかかろうとした生徒もいたし、ノイローゼで3ヶ月入院した生徒もいた。 しかし、わしの教育方針には間違いがないとは思っている。 PTAから苦情が毎年1500件ぐらい来るがそんなことしったこっちゃない。 私はゆとり教育で育ったから、 皆にほかの大人のようにだめになってほしくない、だからこそ皆に勉強のすばらしさを知ってほしいのだ。 だから、私はゆとり教育は大嫌いだ。 わしの世代は円周率は約3だった。 しっかーし、私の場合約3.14159265だ。 どうだ、すばらしいだろう! さぁ、教師の皆さん! このすばらしき教育方針について行こうではありませぬか! さぁ、かなりの優等生だと思っていたのにもかかわらず人を殺すなんて鬼畜の限りなことをしやがった出木杉をなんとしてでもころさねばならん! 再びバットを握りなおした。 ぱらららららと、またあの音がし脳に4つほど鉛の弾が突き刺さった。 こうして、ワンパク坊主、頭の狂った痛い金持ち、意味不明な駄目教師の皆さんは帰らぬ人となってしまった。 [No.440] 2009/01/27(Tue) 23:07:13 |
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