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all 『Another』感想(その1) - mihoro - 2009/11/23(Mon) 22:18:47 [No.189]
『Another』感想(その2) - mihoro - 2009/11/23(Mon) 23:31:25 [No.190]
Re: やられましたなあ - ミキ - 2009/11/30(Mon) 16:11:07 [No.191]
Re: やられましたなあ - mihoro - 2009/12/01(Tue) 17:45:28 [No.192]


『Another』感想(その2) (No.189 への返信) - mihoro

 インタビューで綾辻さんは、作品のテーマについて、「みんな繋がりたがりすぎ」「繋がらないでいる自由」とおっしゃっていました。でも、三回読んで強く感じたのはむしろ、「携帯という機械や言葉に頼らなくても保っていける、恒一と鳴の強いつながり(絆)」でした。「繋がらない」ではなく「繋がっている」。もっともこれは結局、同じことを云っているのかもなあ。しょっちゅう電話やメールで互いの存在を確かめ合わないと保っていけないような脆い関係が、「みんな繋がりたがりすぎ」のほうで、たとえしばらく離れていても約束なんかしなくても、いつかまたきっと‥と漠然とだけど思える確かな関係が、「繋がらないでいる自由」、と考えれば。

 さて、物語は八月で終わっているので、意地悪な見方をすると、本当に災厄が終わったのかどうかは分からないんですよね。もちろん、恒一と鳴は“死者を死に還した”ことを覚えているんですが、他のみんなはすでに三神先生のことを忘れてしまっている。中学三年ともなれば、本人や親兄弟はともかく、祖父母はけっこうなお年の人もいるので、普通に(?)亡くなることもあり得ます。また死者が出た場合、このクラスはさて、どうなるのやら‥。
 
 もうひとつ気がかりなこと。
 恒一と鳴は、災厄を止める方法を松永さんのように遺しておくんでしょうか。
 特に鳴。彼女は、自分に死者を見分ける能力があること、それを用いて死者を特定し死に還せば確実に災厄が止むことを知ってしまいました。記録しなければ、一年後、二年後には忘れてしまっているんだろうけど、それだと、後輩たちを再び死の危険にさらすことになるかもしれない。果たして鳴は、それを知りながら、むざむざ機会を手放すでしょうか。他人と繋がりたがらない彼女だけど、意外とそういうとこ、責任感強そうな気がするのよね。
 もっとも、遺しておいて、災厄のある年には鳴が呼ばれて「死者の特定」をさせられるとしたら‥それはそれであまりに苛酷。死に還すところまで手を貸さなければならないとしたら、もーっと苛酷。むーん‥。


[No.190] 2009/11/23(Mon) 23:31:25

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