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all SS投入口 - 炊事担当 - 2007/01/22(Mon) 09:27:36 [No.293]
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雨花子の日記・序 - 鍋山雨花子 - 2007/04/10(Tue) 18:30:33 [No.647]
不定期連作・鍋(パン)パレード・マーチ  - 炊事担当 - 2007/03/22(Thu) 05:26:59 [No.612]
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鍋の国食べ歩記7 - 悪童屋 - 2007/03/06(Tue) 16:15:41 [No.576]
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了承済み - 悪童屋 - 2007/02/28(Wed) 23:48:40 [No.484]
了解です - ミサ - 2007/03/01(Thu) 02:51:02 [No.485]
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絢爛具材鍋外伝 - 炊事担当 - 2007/02/23(Fri) 04:38:50 [No.462]
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鍋の国食べ歩記特別編2(少し差し替え) - 悪童屋 - 2007/02/23(Fri) 14:58:55 [No.464]
鍋の国食べ歩記特別編 - 悪童屋 - 2007/02/21(Wed) 20:44:37 [No.450]
鍋の国食べ歩記 - 悪童屋 - 2007/02/20(Tue) 16:15:44 [No.444]
鍋の国食べ歩記1 - 悪童屋 - 2007/02/19(Mon) 17:31:43 [No.438]
SSとも呼べない何か(笑) - 炊事担当 - 2007/02/14(Wed) 04:52:42 [No.422]
作戦名:迷子の迷子の仔猫ちゃん - 藤崎 - 2007/02/12(Mon) 04:12:13 [No.412]
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疾風たけきの城顛末記? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/03(Sat) 08:32:10 [No.380]
疾風たけきの城顛末記3? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/03(Sat) 08:28:51 [No.379]
疾風たけきの城顛末記2? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/01(Thu) 22:01:02 [No.372]
Re: SS投入口 - ロンユウリュウ@長くなったからこっちに - 2007/01/24(Wed) 16:40:34 [No.296]
龍鍋日記 現状編 Y・A・G・A・M・I - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/25(Wed) 14:37:21 [No.710]
龍鍋日記? 疾風! 変装 たけきの城 - 龍……もとい鍋仮面(@ロン) - 2007/04/25(Wed) 14:15:18 [No.709]
偵察作戦どっちでも文(感覚編)(小笠原に投稿) - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 17:42:06 [No.658]
小笠原偵察戦SS(投下しました) - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 17:19:07 [No.656]
どうもですー。 - いわずみ@鍋谷いわずみ子 - 2007/04/12(Thu) 17:30:44 [No.657]
広島戦戦時SS(セリフチェック反映)投下しました - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 16:49:15 [No.655]
チェックと追加 - 藤崎 - 2007/04/12(Thu) 18:17:38 [No.659]
龍鍋日記→番外編龍鍋秘密日記 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:25:29 [No.599]
龍鍋日記4+α - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:23:45 [No.598]
番外編 とある日龍鍋+クイクイの一日 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:23:19 [No.597]
日記外伝 試作鍋の正体 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/14(Wed) 20:34:55 [No.595]
龍鍋日記3 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/13(Tue) 22:01:09 [No.592]
日記その2 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/02/28(Wed) 14:24:05 [No.482]
というわけで - 炊事担当 - 2007/01/22(Mon) 09:35:26 [No.294]


絢爛具材鍋外伝 (No.293 への返信) - 炊事担当

書かれてばっかりも悪いので、掟破りの逆SS。

名付けて…


『連作・絢爛具材鍋 〜外伝〜 鍋の国“食べ歩かれ”』



ほかほ〜かで、あつあ〜つの、なぁべーから〜♪それは生まれーでーる〜♪

具にきぼーぉを♪汁にゆーめを♪取り戻すために生まれーでる〜♪



大きな声は、子供の特権。

綺麗でも、上手でもない、だがそれゆえに、紛れも無く歌。



そんな歌をがなりながら、いつもの三人組は行く。



拾った棒と尻尾をふりふり先頭を進むのは、やんちゃなクロスケ。


お姉さんぶってそれをたしなめるミーは、真ん中。


一個だけ年下のハナビは、クロスケの棒がうらやましくて、あたりをきょろきょろ探している。



いつも一緒の三人組。

ガッコが終わってから晩御飯の鍋が煮上がるまでは、楽しい楽しい彼らの時間。

今日は向こうの通りを抜けて、あっちの林で冒険だと、鍋城城下を駆け抜ける。



見上げれば、穴が開いてそうな、そんな、大きな青い空の一日。



いつもの通りを抜けて、いつもの宿屋のおっちゃんに“おいっす”とあいさつしたら、今日はなんだか変なものがあった。


鍋だ。でも。鍋が無い。


コンロに紙で出来た鍋が乗っかって、それで具を煮ている。


…燃えちゃうよ??


じ〜〜〜っ…と、見つめる一同。

でも、燃えない。鍋は、ふつふつと煮上がってきている。


「不思議だろ?こないだから泊まってるお客さんのなんだ。なんで燃えないのかな〜??」

おっちゃんも、とっても不思議そうにしている。


「すっげー…。そのひと、魔法使い?」

ハナビが興味津々に聞く。


「いや〜、普通の人だよ?いろいろ旅して回ってるってさ」


おっちゃんも、魔法使いなんてものをついぞ見た事がない。

杖をついて、髭伸ばしてよれよれのローブを着てるものだと勝手に思っていたが、

この紙鍋のお客は、全然そんなんではなかった。


「きっと、燃えない紙なのよ。」

ミーが勝手に納得すると、

「紙は燃えるだろ。燃えない紙なんて、俺、聞いたこと無いもん」

クロスケが異議申し立て。

「燃えない紙だってあるわよ…きっと」

「魔法使いだからだよ!きっと」

ハナビが都合よく解釈する。

「だから、おっちゃん、違うって言ったじゃん」

「え〜…でも〜」



「こらこら、勝手に人の話で揉めてんじゃないぞ?」


不意に、声が降ってきた。

振り返ると、咥えタバコの変な人が、立っている。耳に鉛筆を挟んでいた。



「おっちゃん、誰?」

クロスケの不用意な問いに、


 わ し っ 

…とばかりに両手アイアンクローで答える変な人。


「“お兄ちゃん”だ(笑)」

「いでいでいで!」

ミーとハナビは、哀れなクロスケをよそに、コクコクと頷いた。




「…それで、兄ちゃんは魔法使いなの?」

ハナビの純真な問いに、咥えタバコのお客人は、苦笑いして答える。

「そうだと面白いんだけどな…実は違う」

「え〜…」

「まぁそうガッカリするなよ…これは冬の京で教わったものでな…(かくかくしかじか)」

「「「へ〜〜〜」」」



三人は、半分も分からなかったが、とりあえず魔法が無くても紙が燃えないことは分かった。

『ふゆのなんとか』がどこにあるのかも分からなかったが、この『兄ちゃん』がそこに行ったことは分かった。



「すげー。兄ちゃん物知りー」

「うん、まぁ色々旅してきたからな」

「すごーい。色んな所に行くってステキ」

「そうだな。色々大変だけどもなぁ」

「それで、兄ちゃん魔法使えるの??」

「…お前、俺の話聞いてる??」




それからタバコの『兄ちゃん』は、色々なことを話した。

巡った国の風景、人々。食べ物。

この国の人々。

ちょっと前まで犬だったことを話したときは、三人は目を白黒させていたが、

「すげー」で納得する辺りが子供のイイトコロである。

…もっとも、ハナビだけは「魔法」と決めてかかっていたが。



そうしているうちに、いつの間にか、夕暮れ時。

辺りからは、晩御飯の鍋のいい香り。


「今日はこの辺かな。ほら、晩御飯食べに帰れ」

「「「えぇ〜〜〜」」」

「また明日来ればいいだろ」

「もっと聞きたい〜〜」

「“鍋は待たせるものじゃない”…だろ? この国に来て、習った言葉だぞ」

「う〜〜……わかった…」

「おし、いい子だ」

「明日も話してね?絶対よ?」

「わかった、わかった」

「明日は魔法、教えてね??」

「…それは…無理だが…。まぁいい。分かった分かった」



夕焼けの通りを、名残惜しそうに歩いていく三人。

今日の冒険は、ひときわ大冒険。

想像力で、何処までもいけるのは、これまた子供の特権と言える。



不意に、クロスケが振り返った。大声を上げる。


「おっ…じゃない、にいちゃ〜ん!!」

「どした??」

「なまえ!名前聞いてなかった〜!なんて言うの〜??」

「あぁ。そうか、そうだなぁ。」

「なんていうのさ〜??」


「俺の名前は、悪童屋だ!」

「??…わかった〜!また明日な、おっちゃん!!」



最後に禁句を言い捨てると、クロスケたちは走って逃げ出した。

走りながら、クロスケは思う。

(名前は聞こえたけど……よくわかんねー。)

まぁいいや。明日聞こう。

そう思う権利もまた、子供の特権…と言うべきものである。

明日も、あさっても。

彼らにはたくさんの未来があるのだ。




追記:

なお、クロスケが名前を“よくわかんねー”のは、

単に筆者が「悪童屋」の読みを『あくどうや』なのか『わるがきや』なのかわからなかったためです。土下座。


ついでに冒頭、三人組が歌っている歌は、
「突撃食歌・鍋(パン)パレード・マーチ」。続きもあります(笑)



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[No.462] 2007/02/23(Fri) 04:38:50

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