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SS投入口 (親記事) - 炊事担当

課題とは関係ないけどSS書きました〜っていうのを貼る場所です。
作戦板には立てない方がいいよね。ということでコチラに。

どうも、新参者が勝手なことしまして…っ(すでに土下座)


pass:1234


[No.293] 2007/01/22(Mon) 09:27:36
というわけで (No.293への返信 / 1階層) - 炊事担当

SS書きました。

もしかして課題に使えんかな〜…ということで、ストックして下さいまし。

なお。絢爛具材鍋は、一話完結の連作です。

別に他の方がAを書いてもいいという…アバウトなタイトル(笑)


藩王にお気に入りいただいた『鍋(パン)パレード・マーチ』は、冒険レビュー・戦闘系のSSのタイトルにまわそうかなぁ、とか思ってます。



『連作・“絢爛具材鍋”、あるいは鍋の国風土記』 @ 「蓋の中身は」



〜登場する絢爛具材〜


ダイコン : “勇気”の絢爛具材。おおむね、輪切り派と乱切り派に分かれるという。煮えるまで結構かかる。

キムチ : “忍耐”の絢爛具材。良い物は値が張るので注意が必要。

ゴボウ : “慎重”の絢爛具材。ささがきにするのがベスト。きちんとあくを抜くこと。

はんぺん : “熱意”の絢爛具材。バラエティ番組でもおなじみ、熱さの王者。

ボタン肉 : “堅固”の絢爛具材。イノシシの肉のこと。臭みがあるが、しっかりした歯ごたえ。

カニ : “不屈”の絢爛具材。食べるのが大変だが、ダシもでる。一般に高価。

鱈 : “闘志”の絢爛具材。カット冷凍されたものが売ってて便利。身は白くて美味。

エビ : “情熱”の絢爛具材。殻は面倒だが、剥くと天国。万人に愛される食材。




<以下、本編>




鍋の国・蓋下工業地帯。

煮えたダイコンのように大きなまんまるい夕日が、キムチのように大地を真っ赤に染めるころ。



就業のチャイムが響き渡り、そこらじゅうにある工場から、人々と猫々があらわれる。

きょうもおつかれー、である。

皆々、一日の労働を振り返りながら、ああ、今日も一生懸命働いたなぁ、と、どこか誇らしげに歩いてゆく。

三々五々、二匹で連れ立って、あるいは大勢で。一人、あったかい鍋と家族の待つ家へと。



ゴボウのように勤勉な(やや意味不明)鍋国民労働者たちは、藩王以下、鍋の国全ての誇りである。

彼らの作る機械部品、レンズ、鍋蓋が、明日のアメショー、あさってのメガネ、そして今宵の鍋となる。

のんびりごろごろな南国の気候もなんのその。

お昼の鍋とお昼寝(シエスタ)があれば、蓋がカタカタいうほどに働くのが、鍋魂というものである。のだ。

王猫様もそういっていた。たぶん。



さて、そんな彼ら労働者達の間で、一頃から静かに広まっている占い、というか運試しがある。


蓋下から鍋底の歓楽街へと続く道の途上にある、鍋の国を二つに割る大河。

国民は日常的に、そこに架けられた大橋を往来している。

当然、工場の皆々もそこを通って生活している。大橋は、鍋の国の『蓋』と『底』を繋ぐ、重要なインフラである。


運試しは給料日、まさにその橋を舞台にして行われる。


繰り返すが、給料日である。

彼らの多くははんぺんよりもアツアツになった懐に上機嫌になり、歓楽街へと繰り出す。そのとき。

並んで橋の真ん中に立って、川面に鼻を突き出し、くんくんすること十回。

川風に乗って流れてきた最初の鍋の匂いで内容を想像し、ひとつに答えを絞る。

そして、仲間と“おつかれ”をして帰宅したそのときに、家に待っていた鍋の内容がピッタリだったら、その月は大吉!

…というものである。

この“運試し”、家族との精神的連携が重要である。

勿論、こんな遊びがあることは、家族の方でも先刻ご承知というものであった。

(しかしながら当然、打ち合わせは厳禁)



実に他愛もない。占いなんてそんなものである。

他愛もないからこそ、結構マジになってくんくんしてしまうものだし、

下らないことに真剣になってこそ、翌日の仕事場での語らいのタネになる。

皆、そんな『給料日の運試し』を、意外と心待ちにしているのであった。



三毛猫のサンダルも、そんな一匹。

彼は、I=Dの脚部間接を調整する技士である。

戦争景気(あんまり良くない単語だ)に、アメショーの鍋の国案採用の勢いも手伝って、工場はふつふつと繁盛していた。

忙しい毎日だが、結婚して6年になる愛妻スリッパと、5歳になる愛息シューズが、彼の心の支えであった。


慌ただしくも、充実した毎日。愛する家族と囲む鍋。

順風満帆に見える彼の生活だが、本人には一点の不満があった。

“運試し”である。


三ヶ月前は牡丹鍋と読んだ。結果は寄せ鍋。

ちょっとマニアックすぎたかと反省し、先々月はオーソドックスにキムチ。結果は水炊き。


いや、君のせいじゃないんだ、次回はお互い気にせず自由にいこう。あはは大丈夫さ、僕達夫婦じゃないか。きっと何も考えない方がうまくいくさ。相性はバッチリさ。


先月予想:鴨鍋。

結果:(なんと)シチュー。



スリッパさん(鍋の国・主婦)のコメント:

「あの人が最初に家に来たときに食べてくれたお料理が、ホワイトシチューだったんです」

「夫婦の想い出だし、憶えててくれるかなって…」



サンダルは、マジになった。なんだか気まずいのである。


いや、忘れていたわけじゃない、でも…気まずいのである。

まさかそんな重めのトリックを仕掛けてくるとは思いもよらない。奥さん、気を回しすぎちゃったのである。


ほんの遊びが、夫婦の危機。

シューズまで、なんだかよそよそしい。

いや、お父さんアレだよ?お母さんのこと、ほんっと、愛してるんだよー?大好きさ。


「うん、知ってるから、お父さん…」


その点々はなんだ。

ちょっと大人びて見える気遣いとか、いいから。

早々と寝るとか、休日にぱっぱと一人で遊びに行くとか、そんな必要ないから。




ヤバい。

サンダルは、マジであった。

給料日一週間前あたりから、周囲もなんだかおかしいぞ、と気付き始めた。

「その話」になると、雰囲気がおかしいのである。

これは…サンダルさんは、マジだ。なんでか知らんが、マジだ。



こうして、周囲と当事者の異常な緊張の中、給料日は、やってきた。


何故だか、強火で煮たように過ぎる時間。ゆっくりでいいのに。

終業のチャイムが………鳴った。



「…いや〜、みんな、お疲れお疲れ…。“さあ、いつもどおり飲みに行こうか”…っ…」



ひぃっ。



一斉に、耳が下がる一同。

怖いのである。

サンダルさん、目がマジの大マジ。『100%中の100%』って感じ。


いや、勿論みんな、飲みたいのである。恒例と化した“運試し”だってしたい。

でもさらに毛が白くなるような雰囲気の中で“おつかれ”するのは御免だった。当然といえる。


「…あの〜、サンダルさん、俺、今日はですね…」

「…あ、俺もその」

「さ〜ぁ、今月もよく働いたねぇっ!お、そうだ、運試し行くか、運試しっっ!!楽しみにしてたろっ??なぁっ!!」


「「…は…はい…」」


しかしまわりこまれてしまった。ノーエスケープである。



橋までの途中、異常なハイテンションと無言を繰り返すサンダル。凍りついた笑いの一同。

感応レベルが1もあれば、道行く人は絶望の叫びを上げる猫達の声を聞いたことであろう。



橋に、着いた。着いてしまった。

橋が見えた時点から、もはや一言も喋らなくなったサンダルを先頭に、一同、横一列。


…「銃殺刑される心地だった」と、後に一人が語っている…。



くんくん。くんくん。



異常に集中しているサンダル。

一生に一度の本気パワー。それが出ていた。こんなんで。



…余談だが、普段使われていない潜在能力を引き出す方法は大きく分けて二つある、という。

ひとつは危機的状況に陥った時の、とっさの行動。

そしてもうひとつが、集中である。


異常な集中力。今のサンダルは回避も命中も+20%であった。

…そして、それはやってきた。


『…?!!……見える……?!見えるぞ!!

カニだ、鱈だ!スリッパとサンダルが笑っている…!!…あれは…あれは…』


「海鮮だッ!!海鮮鍋だッッッ!!!」


びくっ。


怯える一同。見ると、声の主はうずくまって顔に手を当てている。

「…スリッパ…サンダル…!お父さんはやったぞ……!!」


どうしたんだろうか。とうとう電池が切れたのか。

心配する一同をぶっちぎって、(またも)突如立ち上がるサンダルさん。


「よぅしっ!みんなぁ!飲みいくぞー飲みー!はっはっは、今日はいい日だなぁー」




…先ほどの悪魔憑きが、超が付くさわやかさんに。

「ブレイン・ハ○ルヤかと思いました」と、これも後の証言である。



ともあれ、機嫌が直ったようで良かった良かった…と、

頭がついていかないまま、飲みに連れて行かれた一同は、したたかに飲まされたのであった。






さて、結果発表である。



先ほどの天啓に絶対の自信を抱いていたものの、なんだかんだで不安なサンダル。

解散と同時にすっ飛んで帰宅。…したものの。

家のドアが、なにやら大きな門のように見え、立ち止まっていた。



『大丈夫だ…僕には見えたんだ…今日は海鮮だ、間違いない…っ』


…と、なにやら中から聞こえる声。


「おそいねーおとうさんー」

「“今帰るから”…って連絡があったわよ。…もうすぐエビが煮えるから、テーブルに座って」



…心なしか緊張が伝わってくる妻の声。



『大丈夫だ、大丈夫だ。僕は確かに…!確かに…エビ?


……エビ?エビって言った?!今!?


そうか!!そうか!!やっぱりね!!僕は勝ったぞ…!!』




ガチャン!




「ただいま〜〜!!いや〜〜、さすがキミだ!!やっぱり夫婦は心の底では分かり合って……分かり合って……?」




今月の答え : 海鮮“キムチ”鍋。





サンダルさんち、今月は中吉。




(おわり)



以上、しょーもない話(笑)。お粗末さまでした。

pass:1234


[No.294] 2007/01/22(Mon) 09:35:26
Re: SS投入口 (No.293への返信 / 1階層) - ロンユウリュウ@長くなったからこっちに

鍋日記(龍鍋ユウ編 来たばかりの頃の日記)

 ユウは最近鍋の国に引っ越してきた人物である。とういうのも、観光にきたらあまりの鍋グルメのおいしさを気に入ったので鍋グルメを堪能しきるまではここにいようと住み着いてしまった……というのが実際の話である。
 龍鍋ユウの休日の過ごし方は決まっていた。午前中は町をブラブラして、鍋グルメ用食材を調達し観光名所の時点で秘密じゃないよなーと思いつつ秘密の水路で泳ぎまくっている。お昼に試作型お鍋を味わいつつインストラクターの人とおしゃべりし、お昼以降は渡し舟に乗ってマイ船ほしいなーと思いつつも今日のおやつには何の鍋を食べようかと考えているのであった。

「おとうさん、早く行こうよー」
「ああ、そうだな、早く行かないといってしまうな」
それは船を降り、しばらくブラブラしていた時のことだった。ある家族連れがはや歩きでユウの横をサッサカサッカと歩いていったのである。
(なんなんだ? あの急ぎようは??)
 ユウはなんだか、親も子供も急ぐということに興味を引かれたが、まあ、なんだ、あとついていくのもバレたらなんかイヤだし……と思いつつもどうしようかと思ったが……。
「ラっくん、早く行こうよ〜」
「待てよ、そんなに急がなくてもコースはわかってんだからよ」
「よし、今日は売れそうな写真撮るわよ」
「はにゃ〜。今日も会えるかな〜」
 ……次々とある方向へと向かう人・人・人。そんなに多いわけではないがそれでもみんなウキウキした様子である。

 猛烈に気になりまくったが……。なんか、よくわかんないのについていくのも……、でも気になる……。でも、なんかここでいきなり方向転換するのもな……。

「……」

 ユウが考え込んでいる内に人の群れは立ち去っていった。まあ、早足で通り過ぎ去って行ったんだから、考え込んでたら間に合う訳ないのである。



 数時間後。


「ふぅ〜食った食った」
 ユウの今日のおやつは甘いケーキとおでんアイスであった。今度はデザート鍋系にも挑戦してみようかな? と思いつつ通りに出てみると……。
「おとうさん、今日はかわいかったねー♪」
「ああ、いってよかったな〜。こっちを向いた時などもう、もうなんともいえないかわいさだ」
「よし、まあまあの写真が撮れたわ……う、うん、なかなか……撮れたじゃない……これは売らないで取っとくか……」
「はにゃーん、今日もご機嫌だったにゃー♪ 明日が楽しみにゃー」

「…………な、なんなんだ?」
 ユウは思わずつぶやきつつもなんだんだー! とも思ったが知らない人に聞くのも躊躇われるなーということでその場は呆然とするしかなかった……。
「……明日か」
 明日はおやつのデザート鍋を食べるつもりだったがそれを保留して何の集団なのか調べるのもいいのかもしれない……そう思うユウであった。


[No.296] 2007/01/24(Wed) 16:40:34
[削除] (No.293への返信 / 1階層) -

この記事は投稿者により削除されました

[No.371] 2007/02/01(Thu) 04:51:56
疾風たけきの城顛末記2? (No.371への返信 / 2階層) - 鍋村 藤崎

勝手に続き(笑)

★第二関門「越えろジブラルタル海峡堀」
http://wanwanempire.at.webry.info/200701/article_16.html
『城の周りは堀に囲まれており正門に続く大橋は上げられています。そこで勇者達は城の裏にある一本の吊橋を渡らねばなりません。吊橋はゆれやすい上にたけきの藩・風紀委員が怪しい勇者たちをバズーカ砲(バレーボール弾)で攻撃してきます。吊橋から落ちずに渡れれば突破です。』

ロケ弁が豪華になった・・・(ちょっと嬉しい
いやそれどころじゃなく!!
風紀委員て・・・!!(声にならない叫び
マズイ。ここでハンターだということがバレたら・・・
嫌な汗が背中を流れる。
は、そうだ。こんな時には素数を数えればいいと国元で教わった。落ち着けー落ち着けーー
135711131719・・・
よし!行ける!!


○【名前】鍋田ミカン
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格−2・筋力−1・耐久力0・外見0・敏捷+1・器用+3・感覚0・知識+2・幸運−1
【コメント】公務?にゃんにゃん?何のことです?
【希望賞品】3
>80 80 54 結果:入城(中間判定ペナルティー:今後体格−1シフト)
眼鏡の神が貴方を助けました

眼鏡神すげーー!!
おめでとう!おめでとう!
眼鏡神いいなぁ・・・


○【名前】謎の宮廷道化師
【所属藩国】ながみ藩国
【アイドレス】南国人+学生+歩兵
体格-1 筋力1 耐久力2 外見1 敏捷2 器用-1 感覚0 知識0 幸運-1
【コメント】私デスカ?いえいえ、通りすがりの道化師デスヨ?ワンワン(棒読み)
【希望商品】3
>87 54 58 結果:水堀へダイビング
華麗に堀へと飛び込みました

クロ・・謎の宮廷道化師さぁああん
ゴッドスピード!!(敬礼!
このクソ寒い時に寒中水泳とは・・・若いなぁ。
君の華麗なダイビング、見せてもらったよ><b
任せろ仇は取ってやる!!
とは言うものの・・・寒そーーうわぁ〜〜

寒いのはいやだ!!こちとら南国人なんだぞ?寒いのはいやに決まっている!
落ちたくないでござる!拙者絶対に掘に落ちたくないでござる!
眼鏡ーーーー勇者!!(掛け声

○【名前】鍋村 藤崎
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:-2:-1:0:0:+1:+3:0:+2:-1
【コメント】眼鏡勇者と呼ばれ隊
【希望賞品】3
>10 47 59 結果:入城
勇者の称号は目の前です


ふっこれも眼鏡のおかげです(キラーン☆


---------------------
ふと後ろを振り向けば・・・鍋っ子参加者増えてるー!
とよさんとちせさんが次のグループに入ってたよ(笑)
2人のも書くか?書くか?(笑)


1212


[No.372] 2007/02/01(Thu) 22:01:02
疾風たけきの城顛末記3? (No.371への返信 / 2階層) - 鍋村 藤崎

調子に乗って3回目。
はいはいPCPC。

昨日は公務が忙しくて書けなかったんだが、その間に随分と動きがあったなおい。

まず、ここの記事がニュース班にバレた(笑)
さすがニュース班。その情報収集能力には恐れ入谷の鬼子母神だ。
・・・・意味は分からんでもいい。

さて、自分の結果を進める前に後から追っかけてきた鍋っ子たちについて書いておこう。

ゲーム結果のリンク先などは前の記事を見るといい。
決して面倒な訳じゃない。決してだ!!!

★第一関門「迷路で鬼ごっこ」

この二人、一緒に来た・・・のではなくどうやら偶然並んだようだ。
偶然ってすごい、な。(この後の現象をまだ知る良しもなかった・・・)
※エントリーページのコメント欄参照

○【名前】田鍋 とよたろう
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+猫士+歩兵:
 体格−2・筋力+1・耐久力+2・外見+1・敏捷+3・器用−2・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】がんばるにゃ、じゃない、がんばるわん!…でも能力値不安にゃー、こういうとこは緊張するのにゃー…じゃない、するのわん。
【希望賞品】3
>34 67 01 結果:予選突破(中間判定ペナルティー:今後敏捷−1)
普段のツキの無さを挽回

ああ、ああ。にゃーって言ってるよ(ハラハラ

○【名前】鍋衣 千世
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格-2:筋力-1:耐久0:外見0:敏捷+1:器用+3:感覚0:知識+2:幸運-1
【コメント】人生迷走中。気がつけばここにいました。(吏族の仕事しろ!)
【希望賞品】3
>63 44 60 結果:予選突破
必死に鬼から逃げる途中、一条の光を感じました

その光、ヤバくないのか?
お迎えの光じゃないだろうなまさか・・・ゴクリ

ま、二人とも突破出来て良かったよ。
あ。
次のグループにもいたよウチの国民。
・・・・おいおおいおいおいぃいい!!!!
その後ろにもいないか?その後ろ、続いてないか?
・・・・・・・
一体何人エントリーしてんだウチの国。
ホントお祭り大好きだなぁ(てめぇ棚上げ)


○【名前】鍋@ふぁん
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+学生+パイロット
評価:体格−2・筋力+1・耐久力+1・外見+1・敏捷+1・器用0・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】べ・・・別に眼鏡勇者になりたくて来たんじゃないんだからっ。勘違いしないでよねっ(ツンデレ)
【希望賞品】3
>29 05 90 結果:予選突破
某プロデューサー「ツンデレは視聴率アップ間違いなし!撮りまくれ!」

彼女はツンデレだったのか。そうか。(眼鏡を光らせつつメモ



これで5人か。
今のところ鍋っ子はみな第一関門を突破しているなよしよし。
・・・あと何人並んでんだおい。


おっと、そろそろ仕事に行かなくては。
では続きは帰宅後に。

-------------------
行ってきまーす。
1212


[No.379] 2007/02/03(Sat) 08:28:51
疾風たけきの城顛末記? (No.371への返信 / 2階層) - 鍋村 藤崎

※ミスって元記事を消してしまいま し た orz
サルベージしてきたのでここに置いとく・・・

書いてる途中からキャラ入ってきたので自分でも気持ち悪いがあえてキャラで行く誰も得をしない拷問開始。

 「目指せ疾風たけきの城」
http://wanwanempire.at.webry.info/
『これはわんわん帝國たけきの藩における人気番組。
「たけきの城」におられる藩王「たけきの男爵夫人」に謁見し、お言葉と褒美を頂くゲームである。

に夕べ参加してきた。勇敢なるわが国の先達、ミカン嬢の背を追って。
このゲームは第一〜第三関門まであるのだ。
ふと優勝商品を見る。1〜3まであった。ほうほう・・・ちっ!眼鏡大臣はたけきの藩国民のみの称号か!!

『3)眼鏡勇者の称号(たけきの藩民以外のみ。永く我が藩にて語り継がれます。眼鏡かけてなくても、です。)』

・・・・・
オゲィ分かった。何も言うな。

と、参加者の列に知り合いを発見。クロさんだ。
こっそり後ろに並び判定の時を待つ。

★第一関門「迷路で鬼ごっこ」
http://wanwanempire.at.webry.info/200701/article_15.html
最初の試練はこちら。
『公園に巨大な迷路があります。時間内に出口を探さなければなりません。ですが迷路には【鬼】が徘徊しており捕まるとアウトです。運と知恵、さらに逃げる器用さが要求されます。』

鬼ごっこか・・・いい年こいて何てこった。

第2グループ(3だったかも)
○【名前】鍋田ミカン
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格−2・筋力−1・耐久力0・外見0・敏捷+1・器用+3・感覚0・知識+2・幸運−1
【コメント】公務?にゃんにゃん?何のことです?
【希望賞品】3
>26 69 41 結果:予選突破
もう少しで完璧でした

おめでとう!ミカン嬢突破。これは自分も負けられぬ!!
自分は第5グループ。クロさんと一緒だ。

○【名前】謎の宮廷道化師
【所属藩国】ながみ藩国
【アイドレス】南国人+学生+歩兵
体格-1 筋力1 耐久力2 外見1 敏捷2 器用-1 感覚0 知識0 幸運-1
【コメント】私デスカ?いえいえ、通りすがりの道化師デスヨ?ワンワン(棒読み)
【希望商品】3
>10 14 27 結果:予選突破
不器用さをごまかしながら突破

クロさん・・・いや謎の宮廷道化師氏も突破だ。おめでとう
よし、自分も突破するぞ!
眼鏡勇者!!(気合を入れる掛け声

○【名前】鍋村 藤崎
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:-2:-1:0:0:+1:+3:0:+2:-1
【コメント】眼鏡勇者と呼ばれ隊
【希望賞品】3
>79 01 16 結果:予選突破
眼鏡に懸ける情熱が人々を感動させました

ふっ眼鏡愛があればこれくらい(キラーン☆

よし、次ぎは第二関門だ!!

-----------------------
第二関門結果は改めて。
二郎真君さんの素早い判定にビックリしました。わーい♪ありがとうございました!!


1212


[No.380] 2007/02/03(Sat) 08:32:10
たけきの城4? (No.371への返信 / 2階層) - 鍋村 藤崎

間延びしたのでサクサク行きます。


★第二関門「越えろジブラルタル海峡堀」


○【名前】田鍋 とよたろう
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+猫士+歩兵:
 体格−2・筋力+1・耐久力+2・外見+1・敏捷+3・器用−2・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】がんばるにゃ、じゃない、がんばるわん!…でも能力値不安にゃー、こういうとこは緊張するのにゃー…じゃない、するのわん。
【希望賞品】3
(中間判定ペナルティー:今後敏捷−1)
>42 02 66 結果:入城
打たれ強い体と鋭い動体視力で不器用さをカバー

(猫だとバレるんじゃないかとハラハラしている)

○【名前】鍋衣 千世
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格-2:筋力-1:耐久0:外見0:敏捷+1:器用+3:感覚0:知識+2:幸運-1
【コメント】人生迷走中。気がつけばここにいました。(吏族の仕事しろ!)
【希望賞品】3
>53 14 99 結果:入城(中間判定ペナルティー:今後体格−1)
仕事を思い出し焦りました

いや、今は仕事を忘れていい(笑)


○【名前】鍋@ふぁん
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+学生+パイロット
評価:体格−2・筋力+1・耐久力+1・外見+1・敏捷+1・器用0・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】べ・・・別に眼鏡勇者になりたくて来たんじゃないんだからっ。勘違いしないでよねっ(ツンデレ)
【希望賞品】3
>48 09 76 結果:入城
某プロデューサーはツンデレ眼鏡勇者物語の構想に入りました

某氏にえらく気に入られている・・・・ちゃんと国に連れて帰らないと。

1221


[No.392] 2007/02/06(Tue) 22:51:37
作戦名:迷子の迷子の仔猫ちゃん (No.293への返信 / 1階層) - 藤崎

こんな感じでナニワアームズ商藩国にたどり着き、今回の作戦に参加したいと思います。

------------------------

動機は実に単純で鍋@ふぁんと鍋村 次郎の二人は「新たなる食への探求」を追求して、追求しすぎて西へ西へ進んでいくうちに迷子となる(笑)  
(西なのはナニワ国が静岡だから)

「・・・迷ったかにゃー?」
「気にせず行くにゃーきっとこの先にまだ見ぬ具材が!」

んで、たどり着いたがナニワアームズ商藩国。
「ナニワ国ってウワサのドリルの国じゃないか!!うわ、ここまで来てしまったにゃーん」
「最近ドリルに興味あるのよね〜」
「・・・ドリルって鍋の具に出来ないかな?」
など言いながら国内見学。観光にゃ〜ん!

「そうだ!ナニワ国といえば偵察で有名だよね!サターン王!」
「偵察兵になったことだし、偵察の極意を学んでいこうかにゃー」
「偵察大事!」
とか言いながら観光にゃ〜ん

観光してるとどうも様子がおかしい。
人助けをするという話が聞こえてくる。
人手が足りないとも。

「にゃ!何か大変みたいにゃ」
「手伝うにゃ〜協力するにゃー」
『にゃー!』

-------------------------------

以上!!簡単!


キー1212


[No.412] 2007/02/12(Mon) 04:12:13
SSとも呼べない何か(笑) (No.293への返信 / 1階層) - 炊事担当

高機動食卓 鍋(パン)パレード・マーチ 〜(いきなり)外伝〜


『偵察野郎 Nabeチーム』



鍋奉行で鳴らした俺たち偵察部隊は、

動因令に呼応してにゃんにゃんドリームチームに参加、

大統領邸に集合し、制圧任務に就いた。


しかし、制圧で満足するような俺達じゃあない。

鍋さえ食えりゃ具次第で何でもやってのける命知らず、

不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、

俺達、偵察野郎Nabeチーム!!



(タイトルコール)

『 偵察野郎 Nabeチーム 』




(BGM:例のテーマソング)


(ジャンジャン!)ぱーぱっぱーっ!ぱぱっぱ〜。

ぱらぱーらっぱっぱ〜っ!ぱーらぱらっぱ〜(ドンドン)

ぱーぱっぱーっ!ぱらっぱぱー。

ぱーらぱっぱーー。ぱらっぱぱーらーぱーらぱっぱーー♪




(注:安原義人氏の声で脳内再生をお楽しみ下さい)


「俺は、玖日。通称、島鍋 玖日。

自慢のルックスに子供も動物も、イチコロさ。

ハッタリかまして、お玉からシラタキまで、なんでもそろえてみせるぜ。」





(注:富山敬氏の声でどうぞ)


「よう、おまちどう!俺様こそ☆渚。通称、鍋☆渚。

ステルス鍋の腕前は天下一品!

無口?不器用?だから何??」





(注:飯塚昭三氏の声で読んでみよう)


「功夫。通称、炊事担当。さぐり箸の天才だ。

大統領だって無力化してみせらぁ。

でも、一時間睡眠だけは、勘弁な。」




俺達は、道理の通らぬにゃんにゃん中央政府に敢えて挑戦する!(注:場合による)

頼りになる神出鬼没の、

偵察野郎、Nabeチーム!!


助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ!





…いかん、三人しかいない!?

……ハ、ハンニバル希望者募集中……(笑)



Key:1234


[No.422] 2007/02/14(Wed) 04:52:42
たけのき城ラスト (No.371への返信 / 2階層) - 鍋村 藤崎

投下するの忘れてた・・・・・ガフ


「目指せ疾風たけきの城」最終関門「突入たけきの城
http://wanwanempire.at.webry.info/200702/article_1.html

★最終・第三関門「突入たけきの城」
http://wanwanempire.at.webry.info/200702/article_1.html
『最終関門です。城門をくぐりぬけたあなた方の目の前に【たけきの城・本丸】がそびえ立っています。今回の目的は【たけきのこ姫(藩王)との謁見】です。天守閣を目指してください。途中たけきのこ親衛隊が邪魔したり罠もあります。あらゆる難関を交渉・実力突破・己の運任せ等によって排除してください。』
『失敗は地下牢へ運ばれ脱落。
中間判定は影武者と謁見。これで終了。
成功者はたけきのこ姫(藩王)ご本人と謁見となります。
大成功者も成功者と同様ですが、恩典が違います。』


弁当が豪 華 食 事 会になった!!!
さすが宮城。
ここで頑張ってたけきのこ女王にお会いしたいものだ。
・・・それにしても知った顔が多いなぁ


○【名前】鍋田ミカン
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格−2・筋力−1・耐久力0・外見0・敏捷+1・器用+3・感覚0・知識+2・幸運−1
【コメント】公務?にゃんにゃん?何のことです?
【希望賞品】3
(中間判定ペナルティー:今後体格−1シフト)
>73 97 09 結果:地下牢へ
おいしい鍋の作り方を聞きたい親衛隊に囲まれました

何も地下で聞かなくても(笑)レシピならいくらでも・・・ああ、眼鏡鍋の作り方も是非!!


○【名前】鍋村 藤崎
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:-2:-1:0:0:+1:+3:0:+2:-1
【コメント】眼鏡勇者と呼ばれ隊
【希望賞品】3
>02 60 91 結果:謁見ならず
眼鏡愛好家と仲良くなりました

やぁやぁどうもどうも(にこやかに名刺交換)
(声を潜めて)ところで・・・どうですか?最近イイコ(眼鏡)いますか?


○【名前】田鍋 とよたろう
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+猫士+歩兵:
 体格−2・筋力+1・耐久力+2・外見+1・敏捷+3・器用−2・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】がんばるにゃ、じゃない、がんばるわん!…でも能力値不安にゃー、こういうとこは緊張するのにゃー…じゃない、するのわん。
【希望賞品】3
(中間判定ペナルティー:今後敏捷−1)
>40 52 28 結果:謁見ならず
チヤホヤされました。それだけです

いい、一体誰に(何に?)ちやほやされているというのだ!!


○【名前】鍋衣 千世
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+吏族+医師
評価:体格-2:筋力-1:耐久0:外見0:敏捷+1:器用+3:感覚0:知識+2:幸運-1
【コメント】人生迷走中。気がつけばここにいました。(吏族の仕事しろ!)
【希望賞品】3
(中間判定ペナルティー:今後体格−1)
>53 96 12 結果:地下牢へ
自分から地下牢へ迷い込みました

ホロリ・・・・
うんうん、帰ってみんなで鍋食べような。


○【名前】鍋@ふぁん
【所属藩】鍋の国
【アイドレス】南国人+学生+パイロット
評価:体格−2・筋力+1・耐久力+1・外見+1・敏捷+1・器用0・感覚+1・知識0・幸運−1
【コメント】べ・・・別に眼鏡勇者になりたくて来たんじゃないんだからっ。勘違いしないでよねっ(ツンデレ)
【希望賞品】3
>05 23 13 結果:謁見ならず
ツンデレファンの手引きがあっても天守閣へは行けませんでした

ツンデレの手引きって、手引きって手引きって@@




個人的には有意義な一時を過ごせて満足しつつ帰国の途に着いた模様。
あ、ちゃんと鍋っ子を引率して帰りましたよたぶん。


[No.426] 2007/02/16(Fri) 07:46:23
鍋の国食べ歩記1 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 では、早速一本目を上げさせて頂きます。何か修正した方がいい箇所が見つかりましたら書き直しますので連絡して下さい。

 本日の鍋:豆腐鍋(湯豆腐)

 さて、次の国を目指して歩いていたらとても美味しそうないい匂いが漂ってくるではないか?! 何かのネタになると思いその匂いの方に向っていくと…。
 一瞬、世界がぐにゃりと歪み目の前が真っ暗になった…。

 どれくらい経ったのかわからないが意識を取り戻した俺は起き上がってみる。眠気を取る為に近くに流れていた川で顔を洗おうとして愕然とした。俺のわんわん帝國からこれまで引き継がれていた銀髪がどこからどうみても金髪に変わってた!!そして、るしにゃん王国に入った時についた特徴である長い耳は影を潜めて、替わりに猫耳がぴんと立っていた!!

 もう気にしても仕方ないのでそのままの姿で匂いを辿っていくと警備兵と思われる人達に囲まれていた。しかし、いつの間に囲まれたのは全然わからなかった。しかし、この警備兵は友好的でその中の一人が『その眼鏡どこで手に入れたんだ?』と質問してきたので正直に『冬の京』だと答えると良く見せてくれといわれて眺められていた。こんどは別の警備兵が鞄の中身を見せろ言うので開けてみせてやれば『るしにゃん王国』の貴重な樹から削りだした『箸とお椀』みて凄く嬉しそう笑い、そして『鍋はどこだ?』と聞かれた?
一瞬、何を聞かれているのかわからなかったが気を取り直して『鍋?』と聞き返すと『そうだ!このようなマイ箸、マイ椀と持っている奴だ。マイ鍋も持っているに違いないだろ!見てみたいどこにあるのだ?』と真面目に答えられて正直困ったが見せないと命に関わりそうだったので取って置きを見せてやった。

『俺の鍋はこの紙だ!』

 そう、『冬の京』を出るときにどこでも鍋をするためにはどうしたらいいのかを料理屋の店長に聞いてみると『和紙鍋』はどうだろうかと言われ持っていくことにしたのであった。そう、紙は火にかけると燃えるだろうと思っているが実は火を当てている部分にダシがある間は燃えないらしい。ついでに灰汁も吸収してくれるのでわりと美味しくできると言われた。原理も説明されたのだがちゃんと憶えていないので割愛する。
 まあ、ここまで話をして鍋をしないという事もなく初めてあった警備兵と鍋を囲んで食べる事になった。久しぶりに大人数で食べる鍋は凄く美味かった。

 そのまま、意気投合して街に入ると警備兵は笑顔で『ようこそ鍋の国へ』と迎え入れられた。これが俺の『鍋の国』への第一歩だった。


[No.438] 2007/02/19(Mon) 17:31:43
鍋の国食べ歩記 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

では、本日のコラム(SS)です。

 今日の鍋:ほうれん草と豚の鍋

 今日の鍋の具材を買いにと眼鏡のメンテナンスの為に街に繰り出し、メインストリートを歩いていた。すぐに威勢のいい声が飛んでくる。ただ、普通と少し違うのは常に『鍋に最適!!』『今晩の鍋にどう?!』とか必ず鍋に完結する所だ。少し変わった所では『眼鏡酒のおつまみに!!』『カイワレヤガミ安いよ!』とか凄い単語が普通に飛び交い受け入れられている事だ。不覚にも笑ってしまったら街の国民に変な人をみるような目で見られる始末だ。俺が普通だと思いたい…。

 目的の眼鏡屋に到着して目的を話すと凄く嬉しそうに眼鏡の事を聞いてきた。そう、わんわん製の眼鏡はものすごくレアな眼鏡らしく是非売ってくれといわれたが俺も今の眼鏡は気に入っているので手放す気はなかった。代わりに予備の眼鏡を見せてこのモデルならレプリカにしても問題ないと思うと言って手渡した。
 ここだけの話だが今使っている眼鏡は特注品で『冬の京』での俺の家紋を隠しているのでおいそれと渡すわけにはいかない。当初の目的であった眼鏡のメンテナンスキットを購入してお店をでた。『冬の京』バージョンの眼鏡が近々発売されるかも知れない。

 とりあえず、今日の鍋の具材である豚とほうれん草を購入した。あと、和紙鍋をここで大量消費するわけにはいかないので鍋を購入する事にした。大小様々な鍋が存在するが大きいものだと人が乗れるような大きさがあった。店の人に聞いてみたら『ああ、それは洪水が来たときに移動手段として使用するのさ。ほら、住居の方を見てみな、独特な作りしているだろ??』と言われて注目してみると玄関が地上なくて全部に二階にあり、そこまでに縄梯子と鉄製の梯子が掛かっている。そして、玄関部分に木製の橋が至る所に掛かっておりそれも洪水対策の事らしい。なるほど、どこの国でも自然を受け入れてそれに対応して暮らしているようだ。ただ、俺には木鍋はいらないので店主の勧めで土鍋を買った。とりあえず、今日は一人鍋だ。明日の鍋は何鍋にしようかな。


[No.444] 2007/02/20(Tue) 16:15:44
鍋の国食べ歩記特別編 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 では、ミサさんの特別編で御座います。ただ、他の国民の皆さんにも出演して頂いております。

 本日の鍋:鉄板鍋

 この不思議藩国『鍋の国』の藩王との始めての出会いは凄く強烈だった。それははじめてこの国を訪れた時に挨拶に登庁した時の話だ。俺が来ると先に座って待っている女性がいた。軽く会釈して別の席に座るとその女性はいきなり話しかけてきた。『貴方の薬指のサイズ11号でしょ?違う?』一瞬、何を言っているのかわからなかったがよく考えると合っていることに気がついてびっくりした顔になるとその女性は嬉しそうに微笑んでいた。そのあと時間もあったので自己紹介しながら話をして謁見を待っていた。

 暫くすると、男女一人ずつ加わってこの待機室に4人集まった。男性は鍋田直さんと名乗った。俺と同じ猫耳な所をみると偵察兵なのだろう。ある程度、話をするが掴みどころがいまいちわからなかった。大物なのか?何も考えてないのか?よくわからなかったが今度一緒に鍋を食べようと約束した。先に座って待っていた女性はくまさんと名乗った。後からきた女性は鍋嶋つづみさんと名乗った。どうもこの国民の方によくされたきっといい藩国だと思って訪ねてきたらしい。あと、個人的に思ったのはこの国の女性の露出が高く、どう視線を向けていいのか迷う。まあ、そういう藩国だとは思うがそれでもやはり困るものは困るのだ。

 いよいよ、王猫:矢鍋猫一郎様と藩主:綿鍋ミサさんの登場なのだが…。矢鍋様は玉に乗っているし、藩主に至っては鍋つかみですでに仕込み済みの鍋を持ちながら眼鏡を曇らせてやってきた。そして、第一声は『さ、細かい事は後にして鍋食べながら話をしましょう!!』と言うと有無を言わせず皆を鍋の席に座らせた。気がつけば矢鍋様が俺と鍋嶋つづみさんの間を玉に乗って行ったり来たりしていた。後から話を聞くと眼鏡を掛けた人物によく懐くらしい。
鍋を囲みながら謁見ってどういう事??まあ、美味しいからいいのですがね。(もごもご)そして、鍋をつつきながらも必要な書類はどんどん書き込まれて具材を全部さらった頃には完成していた。俺と鍋嶋つづみさんは眼鏡を曇らせながら書類を書いていたのだが視線を感じてふと前を向くと綿鍋ミサ藩主が曇っている眼鏡を掛けて悪戦苦闘している俺達をうっとりとした目で見ていた。なんだろう?と思ったのだがその後の鍋で全ての答えはでた。
そう、それは雑炊も終わってまったりとした雰囲気の中に現れた。最後に現れたの土鍋の中身は『眼鏡』だったのだ…。俺の思考は完全に停止していた。そこに藩主:綿鍋ミサさんはこう言い放った。『これが「鍋の国」オリジナルの「眼鏡鍋」ちゃんと堪能してね!』
そう、この国は『鍋』だけではない『眼鏡』の国でもあるのだった。


[No.450] 2007/02/21(Wed) 20:44:37
鍋の国食べ歩記特別編2 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 では、今回はヒサさんの特別編です。まあ、ちょっとだけサービスがあったりなかったり…。深くは追求しないように(笑)

 本日の鍋:ピェンロー

 世間では学校の制服作成に沸いていた。なんでも小笠原に学校を作ってそこの制服を募集しているとかなんとか…。正式に採用されると報酬もあると言う事で皆の気合も半端ではなく慌しく作業に追われていた。それを横目で眺めながら街をうろうろしていると後ろから声を掛けられた。振り向くとそこには作業で寝不足なのか少し眠そうな顔して鍋ヒサ子さんが立っていた。そして、『良かったら、制服のモデルしてくれないかな〜?』と話しかけてきた。まあ、断る理由もないので受ける事にした。

 撮影場所に向う途中に鍋ヒサ子さんが『にゃんこー…』と呟いて通りすがりのにゃんこについて行って遭難したりして予定時間より少し遅れて到着した。すると何人かがすでに制服に着替えて待機していた。俺に気がついて近づいて『こんにちは、貴方もモデル?』
と話しかけて来たのは鍋谷いわずみ子さんだった。この藩国の摂政で優しそうな感じの女性だ。わんわん帝國の事をよく聞いてくるが多分、戦争の為じゃなくて別の目的なのだろう。聞くだけ野暮なので深くは聞いていない。多分、鍋谷いわずみ子さんと同じ制服の男性用を着てくねくねとしているのは岩田裕という国賓らしい。まあ、俺はちょっと苦手のタイプだが鍋谷いわずみ子さんは同じ制服のモデルで若干嬉しそうに撮影されている。

 鍋ヒサ子さんから俺の着る制服を受け取り、どこで着替えるかなぁときょろきょろしていると横から『今日は宜しくお願いしますね。』声が掛かった。振り向くと可愛らしい眼鏡をかけた小さい女の子がさっきとは別の制服を着て立っていた。その女の子は鍋衣千世さんだった。普段見かける時は本を読んでいる事が多く、こうやって話をするのは始めだった。

 更衣室は女性用しかないみたいだと思い後ろを向いて、その場で上着を着る為に今着ているシャツを脱ぐと後ろで悲鳴が聞こえた。一瞬、敵か何かが出現したのだと思い急いでコンバットナイフを構えて振り向くと…。
 撮影所にいた女性陣が手で顔を隠しながらきゃ〜!きゃ〜!言っており、敵の姿はなかった。最悪の状況じゃなくて一安心して女性陣に『どうしたの??』と聞くと代表するかのように鍋ヒサ子さんが『なんで、急に脱ぎだすのよ!レディがいるのに!!』と怒られた。よくわからんがここは謝って、別の場所で着替えた。その時に女性陣の方から『…。さっきの写真高く売れるか…。』『…。思っていた以上に胸の筋肉が…。』とか聞こえてきたが気にしないことした。
 あとは鍋衣千世さんと一緒にモデルの撮影をしてその日が終わった。なんだか色んな意味で疲れた一日だった。


[No.457] 2007/02/22(Thu) 17:57:14
絢爛具材鍋外伝 (No.293への返信 / 1階層) - 炊事担当

書かれてばっかりも悪いので、掟破りの逆SS。

名付けて…


『連作・絢爛具材鍋 〜外伝〜 鍋の国“食べ歩かれ”』



ほかほ〜かで、あつあ〜つの、なぁべーから〜♪それは生まれーでーる〜♪

具にきぼーぉを♪汁にゆーめを♪取り戻すために生まれーでる〜♪



大きな声は、子供の特権。

綺麗でも、上手でもない、だがそれゆえに、紛れも無く歌。



そんな歌をがなりながら、いつもの三人組は行く。



拾った棒と尻尾をふりふり先頭を進むのは、やんちゃなクロスケ。


お姉さんぶってそれをたしなめるミーは、真ん中。


一個だけ年下のハナビは、クロスケの棒がうらやましくて、あたりをきょろきょろ探している。



いつも一緒の三人組。

ガッコが終わってから晩御飯の鍋が煮上がるまでは、楽しい楽しい彼らの時間。

今日は向こうの通りを抜けて、あっちの林で冒険だと、鍋城城下を駆け抜ける。



見上げれば、穴が開いてそうな、そんな、大きな青い空の一日。



いつもの通りを抜けて、いつもの宿屋のおっちゃんに“おいっす”とあいさつしたら、今日はなんだか変なものがあった。


鍋だ。でも。鍋が無い。


コンロに紙で出来た鍋が乗っかって、それで具を煮ている。


…燃えちゃうよ??


じ〜〜〜っ…と、見つめる一同。

でも、燃えない。鍋は、ふつふつと煮上がってきている。


「不思議だろ?こないだから泊まってるお客さんのなんだ。なんで燃えないのかな〜??」

おっちゃんも、とっても不思議そうにしている。


「すっげー…。そのひと、魔法使い?」

ハナビが興味津々に聞く。


「いや〜、普通の人だよ?いろいろ旅して回ってるってさ」


おっちゃんも、魔法使いなんてものをついぞ見た事がない。

杖をついて、髭伸ばしてよれよれのローブを着てるものだと勝手に思っていたが、

この紙鍋のお客は、全然そんなんではなかった。


「きっと、燃えない紙なのよ。」

ミーが勝手に納得すると、

「紙は燃えるだろ。燃えない紙なんて、俺、聞いたこと無いもん」

クロスケが異議申し立て。

「燃えない紙だってあるわよ…きっと」

「魔法使いだからだよ!きっと」

ハナビが都合よく解釈する。

「だから、おっちゃん、違うって言ったじゃん」

「え〜…でも〜」



「こらこら、勝手に人の話で揉めてんじゃないぞ?」


不意に、声が降ってきた。

振り返ると、咥えタバコの変な人が、立っている。耳に鉛筆を挟んでいた。



「おっちゃん、誰?」

クロスケの不用意な問いに、


 わ し っ 

…とばかりに両手アイアンクローで答える変な人。


「“お兄ちゃん”だ(笑)」

「いでいでいで!」

ミーとハナビは、哀れなクロスケをよそに、コクコクと頷いた。




「…それで、兄ちゃんは魔法使いなの?」

ハナビの純真な問いに、咥えタバコのお客人は、苦笑いして答える。

「そうだと面白いんだけどな…実は違う」

「え〜…」

「まぁそうガッカリするなよ…これは冬の京で教わったものでな…(かくかくしかじか)」

「「「へ〜〜〜」」」



三人は、半分も分からなかったが、とりあえず魔法が無くても紙が燃えないことは分かった。

『ふゆのなんとか』がどこにあるのかも分からなかったが、この『兄ちゃん』がそこに行ったことは分かった。



「すげー。兄ちゃん物知りー」

「うん、まぁ色々旅してきたからな」

「すごーい。色んな所に行くってステキ」

「そうだな。色々大変だけどもなぁ」

「それで、兄ちゃん魔法使えるの??」

「…お前、俺の話聞いてる??」




それからタバコの『兄ちゃん』は、色々なことを話した。

巡った国の風景、人々。食べ物。

この国の人々。

ちょっと前まで犬だったことを話したときは、三人は目を白黒させていたが、

「すげー」で納得する辺りが子供のイイトコロである。

…もっとも、ハナビだけは「魔法」と決めてかかっていたが。



そうしているうちに、いつの間にか、夕暮れ時。

辺りからは、晩御飯の鍋のいい香り。


「今日はこの辺かな。ほら、晩御飯食べに帰れ」

「「「えぇ〜〜〜」」」

「また明日来ればいいだろ」

「もっと聞きたい〜〜」

「“鍋は待たせるものじゃない”…だろ? この国に来て、習った言葉だぞ」

「う〜〜……わかった…」

「おし、いい子だ」

「明日も話してね?絶対よ?」

「わかった、わかった」

「明日は魔法、教えてね??」

「…それは…無理だが…。まぁいい。分かった分かった」



夕焼けの通りを、名残惜しそうに歩いていく三人。

今日の冒険は、ひときわ大冒険。

想像力で、何処までもいけるのは、これまた子供の特権と言える。



不意に、クロスケが振り返った。大声を上げる。


「おっ…じゃない、にいちゃ〜ん!!」

「どした??」

「なまえ!名前聞いてなかった〜!なんて言うの〜??」

「あぁ。そうか、そうだなぁ。」

「なんていうのさ〜??」


「俺の名前は、悪童屋だ!」

「??…わかった〜!また明日な、おっちゃん!!」



最後に禁句を言い捨てると、クロスケたちは走って逃げ出した。

走りながら、クロスケは思う。

(名前は聞こえたけど……よくわかんねー。)

まぁいいや。明日聞こう。

そう思う権利もまた、子供の特権…と言うべきものである。

明日も、あさっても。

彼らにはたくさんの未来があるのだ。




追記:

なお、クロスケが名前を“よくわかんねー”のは、

単に筆者が「悪童屋」の読みを『あくどうや』なのか『わるがきや』なのかわからなかったためです。土下座。


ついでに冒頭、三人組が歌っている歌は、
「突撃食歌・鍋(パン)パレード・マーチ」。続きもあります(笑)



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[No.462] 2007/02/23(Fri) 04:38:50
鍋の国食べ歩記特別編2(少し差し替え) (No.457への返信 / 2階層) - 悪童屋

 とりあえず、一旦修正を入れておきます。

 本日の鍋:ピェンロー

 世間では学校の制服作成に沸いていた。なんでも小笠原に学校を作ってそこの制服を募集しているとかなんとか…。正式に採用されると報酬もあると言う事で皆の気合も半端ではなく慌しく作業に追われていた。それを横目で眺めながら街をうろうろしていると後ろから声を掛けられた。振り向くとそこには作業で寝不足なのか少し眠そうな顔して鍋ヒサ子さんが立っていた。そして、『良かったら、制服のモデルしてくれないかな〜?』と話しかけてきた。まあ、断る理由もないので受ける事にした。

 撮影場所に向う途中に鍋ヒサ子さんが『にゃんこー…』と呟いて通りすがりのにゃんこについて行って遭難したりして予定時間より少し遅れて到着した。すると何人かがすでに制服に着替えて待機していた。俺に気がついて近づいて『こんにちは、貴方もモデル?』
と話しかけて来たのは鍋谷いわずみ子さんだった。この藩国の摂政で優しそうな感じの女性だ。わんわん帝國の事をよく聞いてくるが多分、戦争の為じゃなくて別の目的なのだろう。聞くだけ野暮なので深くは聞いていない。多分、鍋谷いわずみ子さんと同じ制服の男性用を着てくねくねとしているのは岩田裕という国賓らしい。まあ、俺はちょっと苦手のタイプだが鍋谷いわずみ子さんは特に気にする事もなく撮影していた。

 鍋ヒサ子さんから俺の着る制服を受け取り、どこで着替えるかなぁときょろきょろしていると横から『今日は宜しくお願いしますね。』声が掛かった。振り向くと可愛らしい眼鏡をかけた小さい女の子がさっきとは別の制服を着て立っていた。その女の子は鍋衣千世さんだった。普段見かける時は本を読んでいる事が多く、こうやって話をするのは始めだった。

 更衣室は女性用しかないみたいだと思い後ろを向いて、その場で上着を着る為に今着ているシャツを脱ぐと後ろで悲鳴が聞こえた。一瞬、敵か何かが出現したのだと思い急いでコンバットナイフを構えて振り向くと…。
 撮影所にいた女性陣が手で顔を隠しながらきゃ〜!きゃ〜!言っており、敵の姿はなかった。最悪の状況じゃなくて一安心して女性陣に『どうしたの??』と聞くと代表するかのように鍋ヒサ子さんが『なんで、急に脱ぎだすのよ!レディがいるのに!!』と怒られた。よくわからんがここは謝って、別の場所で着替えた。その時に女性陣の方から『…。さっきの写真高く売れるか…。』『…。思っていた以上に胸の筋肉が…。』とか聞こえてきたが気にしないことした。
 あとは鍋衣千世さんと一緒にモデルの撮影をしてその日が終わった。なんだか色んな意味で疲れた一日だった。


[No.464] 2007/02/23(Fri) 14:58:55
鍋の国食べ歩記3 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 通常の食べ歩記に戻りました。(笑) 次は勲章授与になるかと思います。お楽しみいただければ幸いです。

 本日の鍋:龍鍋ユウの試作鍋

 今日は龍鍋ユウさんが新作を披露するから食べにこないかと誘われ龍鍋宅を訪れた。すでに先に来ていた、鍋しち幸葉さんと鍋山雨花子に軽く挨拶をして鍋を囲んだ。鍋しち幸葉さんは普段から体を動かす事が好きみたいで鍋の時以外では同じ場所に長くいる所を見事がない。今回は龍鍋ユウさんの新作と言うことで大人しく鍋を待っているがうずうずしているのは見ていてすぐにわかる。昔の鍋山雨花子さんは気難しように思われていたようだが、最近は鍋を一緒に囲むようになって随分と表情も柔らかくなったらしい。まあ、確かにこの国は人を変える何かがあるように俺も思える。

 ふと、この藩国における格言に『鍋に貴賎なし!』と言うものがある事を思い出していた。確かに鍋祭りなどで順位をつけることはあっても基本的に皆平等で差別してはいけないというニュアンスらしい。同様にして似て異なる言葉として『眼鏡に貴賎なし!』という格言もある。これは眼鏡を掛けている人、眼鏡を愛している人はすべからく愛しなさいという感じで慈愛を表しているらしい。じゃあ、眼鏡を掛けてない人はどうなるのかというと『眼鏡なし眼鏡』とそうでない人に分けられる。『眼鏡なし眼鏡』とは心に眼鏡を掛けている人のことを言うらしい。まあ、かなり無茶な格言かと思うがそれを普通として感じさせられる『鍋の国』の潜在能力は凄いと思った。

 鍋山雨花子さんが『そろそろお鍋いけますね。』とお椀に具をいれてくれたのだが…。
人には苦手なものが何かしらあるのである。そう、その具材は俺をふてぶてしく俺を睨み付けていた。(その具材は目などないのだが俺にはそう見える)

 俺を苦しめる具材!!その名は『牡蠣』

 俺のお椀の真ん中にそいつは居座って他の具材を押しのけていた。一瞬、鍋に戻そうとしたのだが鍋しち幸葉さんがじーっと俺を見ていたのでそれもできなかった。後退の道を立たれた偵察兵の末路は悲しいものだ…。俺は自分の存在意義を掛けて戦った…。俺は良くやった…。しかし、それは新たな悲劇を呼ぶだけだった。龍鍋ユウさんは俺が『牡蠣』を好物なのだと思ってわざわざ入れて渡してくれるのである。そして、『どうだ?美味いだろ?』と聞かれた…。その時に俺の理性の限界がきて世界が暗転した。

それ以降の事はまったく何も憶えていなかった。意識がはっきりしたのは病院のベッドの上だった。もう二度と『牡蠣』は喰わないと静かに誓った。


[No.470] 2007/02/24(Sat) 13:34:21
鍋の国食べ歩記勲章授与編 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 勲章授与のSSとなります。とりあえず、ここは修正した方がいいよかありましたら修正いたしますので遠慮なく言ってくだい。

 本日の鍋:鴨鍋

 今日はいつもの『鍋の国』の雰囲気と違った一面を見る事になった。先日行われた『バトルメードisナンバー1』に藩国を越えて兵を派遣した『鍋の国』に対してのお礼と記念品を進呈する為に『愛鳴藩国』の九頭竜川殿が訪問されたのだ。
 その頃、俺は『るしにゃん王国』でS43さんが『青にして正義』としての責務を果たすべく国を離れたのを見送っていた。

 司会進行を務めるのは摂政である鍋村藤崎さんと鍋谷いわずみ子さんで恙無く進行していった。そして、記念品贈呈となって、まずは九頭竜川殿が藩主:綿鍋ミサさんに勝利記念旗を手渡した。二人は何か言葉を交わしていたようだが何かお互いを称えている雰囲気が漂っていた。
 そして、実際に派遣された鍋村次郎さん、鍋ヒサ子さん、鍋@ふぁんさん達に手作り勲章を九頭竜川殿より直接つけて頂いていた。一人ずつ言葉を交わして礼を述べている九頭竜川殿の姿勢にみんな少し恐縮しながら誇らしげに勲章をつけている姿を見て俺もなんとなく嬉しかった。

 その後も大きなミスもなく式は終わろうとしていると出席しているみんなの様子がおかしくなってきた。この流れは…。
 そう、式の閉会を告げられると同時に九頭竜川殿の歓迎鍋パーティー移った。一瞬にして真面目な雰囲気は宴会モードに変わり九頭竜川殿も唖然としていた。しかし、『鍋の国』ならでわの歓迎方式だと理解してくれたので席に座ってくれた。あとは皆で囲む鍋は不味いはずもなく九頭竜川殿と藩主:綿鍋ミサさんの会話も盛り上がってきた時に九頭竜川殿が再度礼を述べると藩主は『わんわん帝國はただの敵ではなくて好敵手ですし…。それに、喧嘩は一人でできませんからね。だから、そんなに畏まらなくてもいいですよ。鍋食べましょうよ。』この言葉に九頭竜川殿も感銘を受けたみたいで凄く嬉しそうな顔をしておりました。

 楽しい宴もいつかは終わるもので九頭竜川殿が次の国にもお礼を述べに行かないといけないと仰せられたので宴は終焉を迎えた。九頭竜川殿を国境まで見送りに行く事となり、手荷物には小鍋が渡されて、お土産に地酒を手渡して九頭竜川殿をお見送りした。

 今度とも仲良く喧嘩できたらいいなぁと思った。


[No.471] 2007/02/24(Sat) 21:08:26
鍋の国食べ歩記4 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

今回からpassを付けておきますので問題があるようでしたら削除してください。

 本日の鍋:鍋焼きうどん

 大吏族チェックの期間に入り摂政である鍋村藤崎さんは慌しく、吏族に適正のある人物を集めて仕事を割り振ってもなお仕事が追いつかないようだ。まあ、真面目に問われれば考える事にしよう。たまに話す機会があるのだが密林の話は凄く楽しそうに話をしていた。感覚的には俺が訪れた街でいろんな事を書き記しているのと同じ感覚なのだろう。時間があれば一緒に行こうと魅力的な提案をされたが俺はともかく鍋村藤崎さんにそのような時間はなかったので実現はしていない。後言っておくが他の摂政方や吏族の方も仕事を分担してもこの仕事量なのだ。これを見るといつも大変だなぁと思う。

 連日の徹夜の仕事が続いているようなので仕事している吏族、吏族補のみんなに差し入れをしようと準備をしていると台所の向こうから人の気配がした。そちらの方に向くと鍋@ふぁんさんが立っており『何かされるのですか?』と聞かれたので差し入れを作るつもりだと答えた。そうすると鍋@ふぁんさんも『私も作っていいですか?』と聞かれたので勿論と答えて仕込みを手伝ってもらった。
 やはり、一人より二人の方が仕込みは早い。小鍋に鍋焼きうどんの仕込を終えてあとは時間になったら火をかけて煮込むだけの状態まで出来上がった。

 とりあえず、一息入れるために喫煙コーナーで一服していると、鍋@ふぁんさんと炊事担当さんが一緒にやってきた。雰囲気で何か話があるのかなと思いもう一息だけ紫煙を吐き出して二人の後を追った。

 戻ってきたのは台所、炊事担当さんが『どうせなら、みんなで夜食を食べながら仕事しよう!政は祭り事なんだからさっ!』『どうだろう?皆の仕込み手伝ってもらえないかな??』鍋@ふぁんさんと俺は顔を見合わせて炊事担当さんに大きく頷いた。

 結局、皆の分を仕込みするといい時間になった。夜の帳も降り家の窓には灯りがもれている。あの、灯りの数だけ鍋の数があるのだなと思う。そして、俺がどれだけ孤独なのかを感じさせられる時間でもある。溜息を一つついて煙草に火をつけようとすると『ここは禁煙ですよ』と誰かの声がかかった…。
 少し笑いながら振り向きもせずに『俺、この国好きだけど事由に煙草が吸えないのが欠点だな』と冗談っぽく言うと声の主も少し笑ってくれた…。
 俺自身の孤独を追っ払ってくれた声の主に感謝しながら、空を見上げて今まで過ごしてきた日々を思い出した…。俺はもう大丈夫…。きっと、大丈夫…。


pass:1234


[No.475] 2007/02/26(Mon) 22:37:46
SS(?)投下します〜 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋しち幸葉

ちょっと今日のチャットであったので、寝る前に即席SSっぽいの投下します〜
問題があったら削除してください…

削除キー 1234





世界鍋国滞在記 〜鍋しち幸葉編〜(深い意味はない)





鍋の国。人や猫や、人みたいな猫みたいな者の他に、様々な生き物が住む国である。

世界共通語というのがある。どの場所に言ってもどの人に言っても理解される言葉が。この国の場合はそれが「眼鏡」や「鍋」や、「王猫様」であった。時々「イワッチ!」とか、「黄ジャン!」と声が上がるのが、まったく持ってこの国らしい。


「にゃー!」

と声が上がる時、大体それは声の音程で判断された。高くて興奮した声なら、王猫様を拝見した者の感嘆の声だろうし(この頃は素晴らしい体を見た時に嬉しさのあまり出すようだが)、低く意気込みのある声なら気合を入れた者たちの掛け声である。

しかし今回上がった声は、高くもなければ低くもなかった。どちらかと言うと、まだ高い方であるが、王猫様を見た時のそれよりややテンションは落ちている。
この声を聞いた鍋国住人のおっちゃんが声のした方を覗きに行くと、畑に頭が突っ込んでいる人影を見つけた。


「お、おおい、どうした、大丈夫か?」

ちょっとその様子がわんわん帝国で有名な映画のワンシーンに似ていたから、おっちゃんは一瞬ドキッとした。だが自分ちの畑なので、意を決して助けに行く。

腕を引っ張ると、土だらけの頭がブバッと出てきた。

「わ、わああぁ」

そう叫びながら、顔をぶるぶるさせて土を払う、埋もれてた人物。

「幸葉、お前何してたんだ!」

ぺっぺと口から土を吐いておっちゃんを見る鍋しち幸葉は、情けない顔をしていた。


「あっち。あれを見てたら、後ろから来た」

あれと言うのは、風景であった。遠くに見える葱島の事である。

「後ろから来たって、なにが・・・」おっちゃんが辺りを見回すも、何もない。彼女が先ほど持っていた鍬ぐらいだ。


「王猫様」

「なんだと!!」


おっちゃんは鍋しち幸葉の言葉にさらにドキドキッとして、周囲を良く見回す。機敏な反応でそのまま幸葉を置いて、畑から出て行きそうだ。

「ここなんか王猫様のお散歩コースでなかったはずなのに・・・!!」

とか何とか言って、耳を澄ませている。ぴこぴこと動くおっちゃんの猫耳は、周囲十数メートルの音を聞き分けた。


「にゃー!」


しばらくして聞こえる、高くてハイテンションな声。

これだ! おっちゃんはついに畑をほっぽり出して、そのまま声のした方に走っていく。


「おっちゃん! 今日、わたし、働いたよ!」と、にゃーにゃー叫ぶ幸葉。

「ああ、知っているとも! ネマに言ってくれ!」と、足踏みしながらおっちゃん。

そう言っておっちゃんはその場から早くも姿を消した。文字通り、猫まっしぐらである。


「・・・」

幸葉は王猫様を見ずとも声で感知できた。近くはないが、王猫様の「にゃーん」という声だけで、幸葉は恥ずかしくなって、自ら土に突っ込んだのである。猫というよりチキンな彼女はそれでも、自分を猫だと思い込んでいた。


(葱島に行こう)


次に顔を上げた時、幸葉は全然別の事を想起した。葱島が綺麗だった事を思い出したのだ。

鍬をおっちゃんの家の倉庫に戻し、そのまま葱島に向けて一直線に走り出す。
こっちもまた猫まっしぐらであった。


[No.476] 2007/02/26(Mon) 23:43:39
鍋の国食べ歩記特別編3 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 今回のSS(コラム)はまきさんのイメージを優先して修正したいと思いますのでマキさんの確認のスレがあるまでアップするのは待って頂きたく思います。(ぺこぺこ

 今日の鍋:雑炊

 病室では意識を取り戻した少女を囲むように国民が集まっている光景を後にしながら病室の扉を閉めた…。
 意識を取り戻した少女の名前は『まき』と言ってにゃんにゃん共和国の新型機を開発した人物らしい。それを聞いてわんわん時代の新型機のテストでの事故などを思い出してしていた。俺がやってきた時にはまきさんは小笠原偵察隊に志願して移動の事故で行方不明になったと言われていた。

まきさんを見つけたのは奇跡的な偶然であった。その日は鍋の鴉丸さんに茜浜で訓練しようと誘われたのが長い日の始まりだった。久々の砂浜での訓練は鍋の鴉丸と一緒だった事もありかなりハードな内容となった。決して、鍋の食いすぎで鈍ったわけではないが遅れずについて行くのがやっとだった。正直、大鍋を被ってのあの動きは『鍋の国』の偵察兵の中でも1、2を争うと言われるのは分かる気がした。
午前の訓練が終わり、仕込んだ鍋が出来上がるのを待ちながら海を見ているとそれほど遠くない海面に黒いリュックがプカプカと浮かんでいるのが見えた。鍋の鴉丸さんに言うとそちらの方を見て『まきのリュックだ!!』と言って海に飛び込み、俺もそれに続いた。
リュックに近づくとまきさんがぐったりとそれを背負っていた。とりあえず、二人でまきさんを確保して茜浜に向って泳ぎ始めた。鍋の鴉丸さんがまきさんの名前を必死に呼ぶが反応はなかった。

奇妙な状態だった…。陸に上がった時にはまきさんは死んでいるのか生きているのか分からない状態だった。急ぎ、医師の鍋守匠一郎さんの見立てでは心臓は動いているし、呼吸もしているが意識が戻らない。脳死に近い状態だという診断だった…。
鍋守匠一郎さんの方は治療法について調べてくるといっていつもとは違う顔をして仕事に掛かっていた。やる気になっている鍋守匠一郎さんの集中力は凄く、様々な治療法を試みていたが…。意識を取り戻す事はなかった…。
藩国の皆がお見舞いに来るが個室の病室の扉に掛かっている『面会謝絶』のプレートが皆から希望を削り取っていった。

数日が経ったある日、まきさんの容態が変化を見せた。一定のところで落ち着いていた脳波がいきなり乱れだし、ベッドに安静にしているまきさんが両手を伸ばし、何かを必死に掴もうとして掴めなかった…。そして、閉じた瞼から一筋の涙がこぼれた…。

そして、まきさんは意識を取り戻した。その連絡は藩主:棉鍋ミサさんから連絡がはいり、皆が病院に駆けつけていた。

pass:1234


[No.479] 2007/02/27(Tue) 17:36:03
日記その2 (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


龍鍋日記2

 ユウはその日、誘惑に負けた。例の集団の正体を……と思っていたのだが、同じ学校の生徒が特大デザート鍋を食べに行くということなのでついていったのである。なんでも、量にしても五人前や十人前ぐらいの量のデザート鍋などもあるということなので、誰かが行く機会についていかないと、次いつ食べれるかわからないのである。特にでっかいデザート鍋になればなる程食べる機会が少ない。鍋グルメを趣味としているユウにとっては謎の集団よりも特大デザート鍋を取るのは選ぶまでもなく必然であった。

 その日、注文したのは鍋山を模した鍋山パフェであった。この店でも特大級のメニューの一つであり、これでもかというぐらい大きいパフェである。今回の参加者は全員で十人。それでも食べきれるか? と思える量であった。なおかつ、このツアー主催者の鍋木アサカなる人物はこういった特大デザートを踏破していくことを目標にしている人物であり、このアサカ曰く、こういった「冷たいデザートを食べる時は暖かい飲み物も用意しとくべし」という。言葉通りに皆、鍋コーヒーや鍋紅茶などの飲み物を頼んでいた。またアサカはそれだけでなく鍋スナックも注文していた。なんでも食休みやアイスを食べる時に使えるそうである。

数時間後……。

「はぁーもう入らねぇ〜」
「すごかったよねー鍋山パフェ。というかしばらくは冷たいモノはいいや」
「うん、上出来。鍋山パフェ制覇ね」
「ねぇねぇ、アサカ、あんたこの写真買わない?」
「きゃー、王猫様じゃん、買う買う〜」

などと、色々な感想が聞こえる中、龍鍋は鍋山パフェに大満足であった。明日こそ謎の集団の目的を見つけるかなー? などと思いつつ家に帰っていったのである。

リザルト
 目的 謎の集団の目的……から転じてグルメツアー
 結果 鍋山パフェ制覇
 次の目的 謎の集団の目的?


[No.482] 2007/02/28(Wed) 14:24:05
鍋の国食べ歩記5 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

では、第五弾です。これでかなりの人が登場したかと思います。次のSS(コラム)をお楽しみに〜

 本日の鍋:ハリハリ鍋 

 昼の鍋を囲んでいる時に鍋田みかんさんが『矢鍋様とヌル様って似ているよね?』と話しかけてきた。すると横で聞いていた。鍋黒兎さんと鍋島若狭も興味があるみたいで話しにのってきた。鍋黒兎さんは俺の耳が気になるらしく動かしてあげると凄い勢いで反応する。ただ、この国の気質は大体わかってきたので『よかったら触ってみる?』という言葉は言いかけたが止めておいた。
 
俺は『冬の京』の王犬のヌル様と『鍋の国』の王猫の矢鍋様と直接会った事のある数少ない人物なのだ。正直に言うと似ている部分は多いと思う。共通項してはつぶらな瞳、可愛らしいしぐさ、ぽわわんとした雰囲気などであると思った。見た目でちがうの点はヌル様は北国のお生まれなので毛がもこもこしているのだが矢鍋様は夏毛な所だろう。
 
そんな話をしていて『冬の京』を旅立つ時にもらったポストカードの事を思い出した。確か、伏見藩王にみかんを乗せられたヌル様のポストカードだったはず。とりあえず、鞄を開けて確認していると背後の視線に気がついた。
 振り向くと鍋島若狭さんと目が合った。俺が手にしているみかんを頭にのせているヌル様のポストカードを見て『……。欲しい。』と言われた。まあ、軽い気持ちで『いいよ。』と言ってヌル様ポストカードを一枚あげた。鍋島若狭さんはそれ受け取り、自分の持っている矢鍋様の写真を見比べて凄く嬉しそうに微笑んでいた。
 それを見た鍋田みかんさんも『私も一枚欲しいです。』と言い出した。まあ、もっともな話だ。俺はすぐに辺りを見渡して他の面子が居ない事を確認して鍋田みかんさんにもヌル様ポストカードをあげた。話に上がっていた。矢鍋様とヌル様を見比べて鍋島若狭さんと同様に嬉しそうに微笑んでいた。

 そうなってくると鍋黒兎さんにもと思ったのだが『私はこれがあるからいいよ。』と言われた。どんな写真なのかと覗き込んだら…。
 
 『俺の上半身裸の写真』
 
 完全な不意打ち!俺の思考があそこまで硬直したのは今までの人生で初めてだった。

pass:1234


[No.483] 2007/02/28(Wed) 23:31:45
了承済み (No.479への返信 / 2階層) - 悪童屋

 当事者のまきさんから許可を頂きましたのでそのままアップして頂いて問題ありません。

[No.484] 2007/02/28(Wed) 23:48:40
了解です (No.484への返信 / 3階層) - ミサ

ありがとうございます!
アップしますね〜(´ゝω・`)−☆

まきさんの愛しさと切なさと心強s(?)が伝わってくる素敵な作品ですね


[No.485] 2007/03/01(Thu) 02:51:02
鍋の国食べ歩記6 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

では、第6弾です。通産10本目で御座います。

 本日の鍋:なし

 ちょっと、疲れ気味だった俺を心配してくれて、鍋村次郎さんと島鍋玖日さんが温泉に行こうと誘ってくれた。他国の温泉をみていいなぁと思っていたのだがついに念願の温泉に入る事ができるのだ。ここだけの話、矢鍋様のマークの入った温泉入浴セットを買ったのは秘密だ。
 
鍋村次郎さんは一度見たらまず忘れない(忘れられない)風貌をしている。眼鏡は眼鏡なのだが鼻眼鏡なのである!!始めは度肝を抜かれたが話してみるとこれがまたノリが良く楽しい方なのだ。今回の温泉に行こうと発言してくれたのは彼だった。それに賛成してくれたのが島鍋玖日さんだ。鍋村次郎さんとは別の意味で印象に残る人物だ。
そう、島鍋玖日さんは凄く危なっかしいのである。明らかにぶつかる筈のない柱にぶつかったり、何もない所で躓いたりする。俺もその光景を何度か見かけた。しかし、島鍋玖日さんが偵察兵として発揮するのは王猫さま超高性能暗視スコープを使いこなす射撃能力の高さゆえだろう。実際、俺もある程度の自信はあるが例のスコープをつけている島鍋玖日さんには勝てる気がしない。

あと、何人か声をかけたのでそのうち来るかもしれないが先に温泉を楽しむ事にする。脱衣所という場所で服を脱ぐ時に変に周りを警戒して他の二人に不審がられたが気にしない。そして、扉をくぐるとそこには噂に聞いた露天風呂が広がっていた。
他の二人に倣って、体を洗ってから温泉に浸かったら、思わず大きなため息がでた…。ふと今までの事を思い出してみると随分と駆け足で走ってきたなぁと思う。そして、何となく覚えてしまった歌のさびを口ずさむ…。

『ほかほ〜かで、あつあ〜つの、なぁべーから〜♪それは生まれーでーる〜♪
具にきぼーぉを♪汁にゆーめを♪取り戻すために生まれーでる〜♪』

そして、次はどの藩国にいこうかなぁと思いを巡らせながら温泉に浸かっていた。あと、今回は今まで国に関して干渉しないように思っていたのだが少し意見を述べてしまった。そんな俺自身の行動に少し驚きを隠せなかった。

ふと、遠くで俺の名前を呼ぶ声が聞こえる…。

温泉デビュー戦は湯あたりで敗北!ピンポンなる温泉名物はお預けとなった。病院まで連れて行ってくれた。鍋村次郎さんと島鍋玖日さんに感謝しています。


pass:1234


[No.490] 2007/03/01(Thu) 22:10:49
鍋の国食べ歩記7 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 さて、どうしたものかと色々と考えています。久々のSS(コラム)はいつもに比べると短めです。

本日の鍋:鱈鍋

 数少ない喫煙場所で一服しながらこの国での事を思い出していた。匂いに釣られて、この『鍋の国』に来て早くも2週間が過ぎた。何をしていたのかを振返ってみれば鍋を食べて、モデルになって、眼鏡屋に行って、吏族チェックの手伝いして、ヌル様と矢鍋様について語って、温泉に入ってと短い期間に随分といろんな事があったものだ。まあ、他にも事件はあったが些細な事だと自分に言い聞かせる事にしている。

 正直、この国にこれ以上関わると旅をするのには重すぎる荷物を背負う事になりそうな気がする。この国は『鍋の国』なだけあって温かいのだ。今まで感じていた疎外感がまったく感じる事がない。人の心の奥の孤独な部分を優しく触れてくるのだ…。


pass:1234


[No.576] 2007/03/06(Tue) 16:15:41
鍋の国食べ歩記8 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 今回はあまりいいお話ではありません。個人的感想も入っているからです。ただ、次に繋がればいいなぁと思いながら書いております。

 本日の鍋:炊き出し

 俺の目の前には鍋城の残骸が転がっている。国境近くで起きた爆発が全ての始まりだった。そこから現れたのは生身の人間だった。鍋の国のほぼ全軍とたった一人で戦闘繰り広げて圧倒的な力で全軍を壊滅に追いやり、岩田を倒し、仲間である鍋嶋つづみさんを連れ去っていった。そう…。『鍋の国』は負けたのだ…。

 ただ、勝てなかったとは思っていない。いろんなものが足りなかったのだ…。そして、足りないものが分かってもそれを実行できるかは別の事なのだ。今回、事態を複雑化しているのは襲撃者がヤガミである可能性が高い事、岩田を殺した事の二点に収束してゆく。多分、この事に関する問題が解決しない限り次の勝利は難しいだろうと個人的に思う。『鍋の国』としての方針と国民個人の方向性が合わなかった時に皆はどうするのだろう…。

 それぞれの想いはどうであれ、まずは仲間の捜索と国力がなければ何もできないのが現状だ。すべてはそこからだろう…。あと、簡単だが気がついた事をメモに書いておこう。

きー:1234


[No.590] 2007/03/12(Mon) 17:51:08
龍鍋日記3 (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


龍鍋日記3

 その日、ユウは家の隣にある鍋船造船所に来ていた。まあ、正確に言えば鍋船や鍋、祭り用の大きな鍋などを作る職人が個人で営業している鍋ショップである。
 ユウは最近この国へやってきたので洪水対策の木鍋を持ってはいるが、やはり最新鋭の鍋船が欲しかったり、また試作鍋を作る時にこだわった鍋を使いたい時などちょくちょくここに訪れる。
「へい、らっしゃい、お、龍鍋じゃないか、なんだまた船見にきたのか?」
「まあ、そんなとこ……けど、そのうちすげー高性能な鍋船買うからな」
 店のオヤジはニヤっと笑いながら横の棚から鍋船カタログ最新号を取り出しユウの方へと放り投げた。普段学校が終わると鍋グルメやそこらで開かれてる鍋パーティに突撃したり、また自分の作った試作鍋を振舞ったりしているユウが最新の鍋船を買う……そんな、いつの話になるかわからない目的をユウは持っていた。
「あ、そうだ、おやっさん、また新しい試作鍋できたから明日にでも鍋パーティするからよかったら来てくれよ」
「おうよ」
 ユウは試作鍋作りが趣味である。鍋の国になさそうな鍋を模索して作り、皆に振舞うのが好きであった。実際にある鍋に工夫してみたり、まったく0から鍋を考案して見たり、こんな生活がユウはとても気に入っていた。


[No.592] 2007/03/13(Tue) 22:01:09
鍋の国食べ歩記9 (No.293への返信 / 1階層) - 悪童屋

 大会戦に向けて移動の方の日程を進めたいと思います。とりあえず、『鍋の国』でのSSはこれで最後になります。

 また、別の国でもSS(コラム)書いていると思いますのでよければ読んで頂ければ幸いです。

 本日の鍋:鍋の終わりは雑炊

 鍋城も機能を取り戻すぐらいの修復が終わり次に向けて動き出した。タイミングよく公共事業として『小笠原校舎』の建設依頼があった。とりあえずはI=Dを動かす燃料などの費用を稼ぐ必要もあり直ちに取り掛かりはじめて皆忙しそうだ。

 そして、今度は根元種族の大攻勢が始まったとの報を受けて、鍋の国も出兵する事にしたようだ。日時的に俺が出発する日と同時刻ぐらいに戦闘突入になる可能性が高いので日程を繰り上げて今日、明日に出発することにした。

 とりあえず、皆に挨拶できないのは心残りだが戦時下だからしかたないと思って出て行くことにする。美味しい鍋が食べたくなったらまた帰ってきます。国民の皆さん色々大変かと思いますが無理しないでくださいね。鍋谷いわずみさん、お守りありがとう御座いました。このまま貰っていきます。まきさん、『土鍋』はありがたく使わせていただきます。あと、鍋嶋つづみさんの方は放浪中でも気にかけておきます。

P.S.
『鍋の国』で過ごした日々はとても楽しかったです。また、時間ができたらまた立ち寄りたいと思いますので宜しく!

きー:1234


[No.593] 2007/03/14(Wed) 16:13:11
日記外伝 試作鍋の正体 (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


龍鍋日記外伝 鍋の国食べ歩記3の真実

『本日の鍋:龍鍋ユウの試作鍋(登場作品 海戦鍋と海鍋)』

さて、鍋の国食べ歩記3の数日前、龍鍋ユウは今度作る試作鍋を考えていた。
何度か試作鍋を作ってきてはいるが、今度は原点、初心に戻った鍋を試して見よう。今度の鍋は最近鍋の国にやってきたにーちゃんの悪童屋さんを誘う予定なのである。
鍋の国の食材あふれる鍋がいいネ(葱はかかせないとして……あとは何だろう?)

考案その1

海戦鍋……超でっかい鍋(この前鍋ショップで購入した。簡易プールぐらいの大きさがある)を用意しここに水を入れる。そしてその中に船型の鍋を二隻置き、そこに鍋具と簡単なちくわ大砲当たりを載せて鍋具をバンバンと撃ち合って相手の鍋船の中に鍋具を投入、そして相手はその鍋を食さなければならない……。
おお! これぞ鍋の国仕様の闇鍋……ついでに周りで泳げるので二重に楽しめてなおかつ鍋も楽しめる。(でも大砲ハズれたら鍋具もったいないな)

ってなんか思考飛びすぎ、そもそも、遊びを入れるとしてもそれは子供がいるのならって話ではないか。


考案その2

鍋……海戦鍋……海は広い……海はしょっぱい……!

そうだ、鍋国の海で取れた塩を使い、鍋国の海で取れた魚などの魚介類をフンダンに使った鍋というのはどうだろう? その土地の食材を楽しむのはいいし、この前漁師のおっちゃんに今度うまい魚やるよって言われてたから食材もうまく入手できるだろう。ズバリ、海鍋だ。……海だからちっちゃい船でも浮かばせておこうかな……。あ、茜浜に落ちてるメガネ拾って洗って鍋の横に置いておこう。箸置きに使えるし、今回のテーマにピッタシだ。



当日

今回のお客さんは鍋しち幸葉さんと鍋山雨花子さん、そして悪童屋さんである。

鍋山雨花子さんが『そろそろお鍋いけますね。』と各メンバーのお椀に具をいれ始めた。

悪童屋さんはじっとお椀を見つめた後に牡蠣をパクリと食べた。その後パクパクとお椀の中を食べつくしてしまった。よっぽど美味しかったのだろう。うんうん、今回も成功だ♪

それにしても悪童屋さんは牡蠣が好きなのだろうか? 一番最初に美味しいものを食べる派なのかねぇ(鍋国では無理しないが信条なので苦手な物はあらかじめ言っておく事多し……なのかもしれない)

うん、牡蠣が好きならもっと味わってもらおう。それにしても牡蠣も用意してて良かったネ。オレあんまり好きじゃないし……。



ユウは悪童屋さんのおかわりをせっせと入れるべくお玉を取り、そして一番大きい牡蠣をお椀に入れ、悪童屋さんに手渡した。

『どうだ?美味いだろ? ドンドン食べて……』


バタン!


数日後、病院に見舞いに行った時に龍鍋ユウははじめて悪童屋さんが倒れた理由を知るのだがそれはまた別のお話である。


[No.595] 2007/03/14(Wed) 20:34:55
番外編 とある日龍鍋+クイクイの一日 (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン

龍鍋日記3→番外編 とある日の龍鍋ユウとクイクイの一日

龍鍋ユウには親がいない。以前の国に住んでいた時にすでに他界している。なので、今は相棒のクイクイとともに住んでいる。クイクイは不思議生物と言われている生物で以前の国からのつきあいである。本当はしゃべれるし、何だかんだと器用なのだが、普段は猫の格好でにゃーんと鳴いている。ユウが出かけている間に手早く掃除洗濯を終わらせてあとはテレビで鍋番組を見たり、散歩に出かけて適当に鍋っている人の近くへ近づきごはんをもらって食べている。


 ユウはパイロット科に所属している。調理科でも良かったのだが、パイロット科の服が気に入ったのでパイロット科に所属しているのである。
今日の放課後は鍋高の図書館に来ていた。授業の課題レポートを提出する為の資料調べに来たのだが……見事に本来の目的を忘れていた。ここにはパイロット科や調理科などに関する資料が置かれていた。さらに、乗り物や鍋に関する料理の事についてかかれている本なども置かれていたので目移りも当然であった。特に鍋船の歴史書や鍋料理クッキングブックなど気になる本が盛り沢山であった。結局十冊ほど借りていくことにした時にはもう夕方であった。
「はい、一週間以内に返してくださいね」
「はーい、あれ? 龍鍋じゃん、こんな所で会うとは珍しいわ」
 カウンターへ行くと先客がいた。
「ん?……確か……」
「ははは、名乗ってないからわかんないよね。この前あんたも鍋山パフェ挑戦参加してたでしょ」
 この人物の名前は鍋王寺美奈。普段からカメラを数台持ち歩き鍋国のあらゆる所に出没する行動派カメラマンである。美奈は記憶力が良く、また変わったヤツの名前はチェックしているので龍鍋の事を知っていた。というか龍鍋君、転校生だったしね、美奈さんは珍しい物は調査するからね。
「私は鍋王寺美奈。ま、機会があったらあんたも写真買ってね」
 美奈はそう言うと、地図の束を持って図書館を出て行った。
「……ええっと、龍鍋さん? 本の貸し出しですか?」
「あ、はい、お願いします」
 ユウは唖然としていたがすぐに図書委員の言葉に反応し本をカウンターに置いた。

 後日、龍鍋ユウは再び美奈と遭遇することになるのだがそんなことは王猫様しか知らなかったのかもしれない。(正確には何度か会ってるんだけどね……)


[No.597] 2007/03/16(Fri) 16:23:19
龍鍋日記4+α (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


クイクイはその日の朝はいつも通りであった。朝、起きて朝食をつくり、鍋型ボックスに入れて朝の選択開始。龍鍋ユウが起きるころには朝の人気番組「朝も鍋で健康一番」を見ながら朝のご挨拶。ユウと鍋国談義をしつつも朝食を済ませ、ユウが学校に出かけた後は「クイクイ」っとばかりに掃除を済ませて買い物に出かける。
午前中に朝市場や消耗品などの一通りの買い物を終わらせて午後はフリータイム。猫の姿でニャーンと日向ぼっこもいいし、ちょいっとばかりに屋台でお食事、お友達の猫達と鍋パーティを行ったり、人の姿で図書館で読書や人間の友達とおしゃべりなど日々鍋ライフを楽しんでいる。

龍鍋ユウはその日、新しいアルバイト先へと向かっていた。というのも鍋パーティやら試作鍋、はたまた鍋船貯金や鍋グルメなど色々な事を考えるとパイロットの学校兼仕事業務以外にも昼以降の時間に仕事(アルバイト)でも見つけた方が何かと好都合だからである。ちなみにユウはすでにいくつかのアルバイトをしていた。鍋レストランでの皿洗いや鍋ショップでの店員、漁師の手伝いなど……どちらかと言えばピンチヒッター的なアルバイトをしていたのである。また学校内でもその事は知られており、ちょっとした作業を手伝うかわりに鍋具をもらったりなどもしていた。
その関係で以前鍋パフェの件で知り合った鍋木アサカに新しいアルバイト先を紹介してもらったのである。ちなみに案内人は鍋王寺美奈である。なんでも姉が家に忘れた企画書を持ってきてほしいということでついでに案内してくれることになったのである。なんでもハガキ整理ということなので郵便局か何かのバイトなのであろう。
「ここか……って放送局?」
「そうよ、桃華姉さん、ここで働いてるのよ、さ、パパッと入って用事済ませるよ」
美奈は勝手知った我が家なごとくさっさと入ってしまった。

 後に龍鍋ユウはここでキャスターをすることになるがそれはまた別の話である。


[No.598] 2007/03/16(Fri) 16:23:45
龍鍋日記→番外編龍鍋秘密日記 (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


龍鍋日記→番外編龍鍋秘密日記

 その日、ユウは鍋ショップに来ていた。昔を思い出してたまに仮面を着けたくなる時があるのでそれ用の仮面を調達するためである。以前使っていた仮面もいいが、せっかく新天地に来たのであるから、鍋の国らしい仮面が欲しいと思ったからである。
「へい、らっしゃい」
 店のオヤジの気軽な声を聞きながら、店内を見るユウ、鍋の国といえば鍋と眼鏡なのでやっぱり鍋をモチーフにした仮面がいいだろうと思い、でっかい鍋を調達に来たのである、まあ改造はまた別のトコで頼めばいいしね。
「なあ、おやっさん、なんか頭がスッポリ入るぐらいの大きな鍋ないかな?」
「頭がすっぽり入るぐらい? ボン、鍋でも頭に被るつもりかい?」
「あ、ああ、まあなんというかそんなカンジか……な?」
 この国では頭に仮面をつける習慣はないしネ。ややしどろもどろなユウであった。

キュピーン!

 オヤジの目が光を放った。
「ボン、秘密は守れるかい?」
「? あ、ああ」
 なんで急にオヤジの目が光るんだ? と思いつつもユウはうなずいた。すると、鍋屋のオヤジは店の奥に引っ込みゴソゴソと押し入れの中に潜り込んだ。
「……あったあった。コレコレ」
 店のオヤジは頭が入るぐらいの鍋いや、よく見ると鍋型のマスクを取り出してきた。
「……これは昔、オレがナベレンジャーを名乗っていた頃使っていたヤツなんだよ……」

それが龍鍋ユウがそのマスクをつけることはなかった。が龍鍋ユウはこの後、店のオヤジに鍋仮面の製作を依頼、作ってもらってそれをつかうことになったのである。

出張百科事典な行
ナベレンジャー……鍋ショップのオヤジが昔イベント会社で働いていた頃につかっていた変身ヒーローモノ「鍋戦隊ナベレンジャー」のヒーローの一人「鍋ブラック」の仮面(マスク)が元である。ナベブラックは六人目の戦士で物語中盤まで正体不明であり、ナベレンジャーがピンチの時にさっそうと登場する仮面戦士である。武器は鍋蓋。なお、当時、鍋の国に実際にナベレンジャーが登場し、テレビ画面だけでなく、実際のヒーローとしても活躍していた。ウワサでは犯罪を取り締まる為に当時の藩王が特殊部隊を設立して正義のヒーローを設立したと言われている。もっとも自分がヒーロー物のリーダーをしたかったからという説もある。だがこれらは全て推測の域を出ないために真相は謎である。
ちなみにナベレッドの武器は包丁剣。
  

鍋仮面……(大きな鍋の形をしたマスク、とても大きく、実際に鍋料理を中に入れたまま被ることができる)鍋ショップのオヤジは企画屋の時にナベレンジャーのスーツを作った当人であり、大変器用なのである。
 ちなみに鍋仮面に鍋を入れたまま動けるのは龍鍋君がそれだけ重い仮面を着ける事に慣れていたからである。


[No.599] 2007/03/16(Fri) 16:25:29
不定期連作・鍋(パン)パレード・マーチ  (No.293への返信 / 1階層) - 炊事担当

連作・高機動食卓 鍋(パン)パレード・マーチ 

「鍋、たとえ砕けるとも」



気が付くと、祖国は瓦礫の山と化していた。

そこには城も無く、街も無く、行き交う人々の笑い声も、絶えることなく立ち上る鍋の炊煙も無い。

アイドレスというこの世界が人の見るゆめならば、その光景はまさに悪夢そのものだった。


各藩国に時ならぬ暴風を巻き起こした、根源種族のアラダによる同時多発攻撃(実際には偵察であったが)。
鍋の国に降り立った悪夢の使者は、金髪にして痩身、眼鏡に白衣を纏った男の姿をしていた。
それはまさしく、鍋に生きる舞踏子達が愛を捧げる“ただひとり”の姿。


王城を破壊して降り立ったそれは、舞踏子のひいき目を割り引いてもなお、ひとの悪意そのものの様に美しかった。

そしてそれは、その美しい顔のまま、鍋の国を蹂躙したのだった。

差し出された鍋を砕き、誇りたるI=Dを分解し、守るべき朋友を玩弄し、力の限りの抵抗を嘲い、あまつさえ客人を殺した。


(……手も足も出なかったなぁ…)


炊き出しの鍋を大きなお玉でかき混ぜながら、炊事担当は一人ごちた。


仲間…舞踏子・鍋嶋つづみは攫われ、無事かどうかすらわからない。

奪われた。奪われたのだ。

勝ったなどとはどこをどう見ても言えない。しかし、あろうことか負けてさえいない。

この国から、敗者の正当な権利たる敗北すらも奪って、あの金髪の使者は去った。


瓦礫だけが、残った。

差し出した鍋と共に砕かれた人々の心は、数刻、南国らしからぬ冷たい風になぶられた。

その音だけが、なぜか心の中に忘れられず残っている。




「?……いやはや、早いなぁ。もう城の側だけは形になってるなぁ…

…はぁい、大盛りね、温かいうちにどうぞぉ」


炊き出しの傍らで、戦場跡地は急ピッチで復興が進んでいた。

人々は寝る間を惜しんで働き、在りし日の鍋城の、鍋城下の風景は取り戻されつつある。

人々は逞しいものだった。

その光景を見ている炊事担当の目に、幾許かの光が宿る。

(そうだ…な。ヤツは奪っていったが、俺たちは…まだ、なんにも失っちゃいない)


鍋が割れても、鍋はできる。

そういえば先日去った客人は、紙を鍋にしていた。皆で飽かずに眺めたものだ。

割れた鍋は、また作ったっていい。

王城は建て直す。街だって新しくなる。

I=Dは、もっともっと強くなって作られる。うちにはいい技術者がいる。

つづみさんだって、死んだわけじゃない。

箸を握るこの手があれば。そして、共につつく仲間がいれば。



(それを奪わなかったことを……)

必ず、後悔させてやろう。そんなことを考えている。



炊事担当は、舞踏子たちとは違う。

“ただひとり”に愛を捧げてはいないし、眼鏡好きだが黄ジャン好きとは呼べない。

鍋も王猫様も愛してはいるが、全てを投げ出すほどの対象を持ってはいなかった。


しかし、だからこそ、戦うつもりだった。

次は逃がさない。

I=Dが無くとも、銃弾が届かなくとも、彼我の力にいかほどの差があろうとも。

退かない、逃げない、必ず勝つ。



友誼だけだ。

そのために、戦う。



だから、周りの誰かが迷った時には、俺が前に出て引金を引こう。

それが、彼なりの覚悟だった。




……と、つい怖い顔になっていたらしい。

お椀を持ったお子様3人が、なにやら不安げに待っていた。


「…あ、いや、なんだ、すまんすまん、考え事しててなぁ……たべるかぁ?」

「ん!」

「俺、大盛り!」

「わたし、フツーね!」


「はいよ! 〜〜〜〜♪」


「あ、その歌…!」

「知ってる!鍋(パン)・パレードマーチ!」


「お、よく知ってんなぁ、よしよし、少年よ、肉多めにしちゃろう」

「やっり!」

「わたし、キノコほしい〜!」

「俺も!お肉!」

「あいよっ」



「ありがとね!」

「ごちそーさま!」

「おっちゃんサンキュ!」

「おう、おかわりもあるからな〜(おっちゃんか…むぅ)」



子供たちは、ほくほくの顔で帰って行く。恐らくは、家族の下へと。

家を失った子もいるだろう。家族を失っていたとしても、不思議ではない。

それでも、ひとは食べる。鍋を囲む。再び立ち上がる。


炊事担当は再び鍋に向かい、歌いだす。



ほかほかで 熱々の 鍋から それは生まれ出る

具に希望を 汁に夢を 取り戻すために生まれ出る


“あく”をすくう 銀のお玉を 持つ少年

それはこどものころ食べたお鍋 だれもが望む夢のお鍋


もう私は待ち切れない 私は鍋を作る

みんなのまなざしを見ているから


お楽しみ 鍋後の 雑炊を 待ち望む

貴方の瞳を 知っている

お楽しみ 鍋後の 雑炊を 待ち望む

私は もうひとりじゃない


蓋を開けるぞ 箸を取れ(アールハンドゥ・パンパレード)


お鍋を前に みんなで歌おう

鍋(パン)パレード・マーチ 鍋(パン)パレード・マーチ




…そう、今は歌おう。

「戦士の最初にして最後の友」は、こんなときのためにあるのだと。

最後のその瞬間まで自分と共にあるはずだと。

それだけが、今、彼の持つ、ただひとつだけの確信だった。

(了)



…じ、自分を出してしまった……(恥)

というわけで、久しぶりの投下です。


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[No.612] 2007/03/22(Thu) 05:26:59
雨花子の日記・序 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

「この記録は、にゃんにゃん共和国鍋の国において、一藩国民の視点から綴る日々のあれこれである。」

・・・とか、書いてみた。
これからこのかたっくるしい調子でずっと書かなくちゃならないなんて、思いっきり無理。
だからやめた。あたしには無理だし。

 絶対ときどきしか書かない日記帳の新しいページに一文だけ書き上げたとき、おばちゃんから晩御飯だと呼ばれた。
 あたしはわりと最近鍋の国に来たんだけど、こっちに身寄りがないから最初に泊まった宿の人にどうしたらいいか相談してみた。
そしたら、おばちゃんがこの宿でお手伝いしながら学校通えと言ってくれたので、お言葉に甘えて今に至る! のだ。

 ちなみに今日の晩御飯はあたしが山から採ってきた山菜鍋!
さすがになぁ・・・山にいる間に仲良くなった友達(鳥とか)食べる気にはならなかったし。
「鍋山食べ歩き プチ☆図鑑」持ってって良かった。
・・・おいしい鳥も載ってたけど。

 晩御飯の後片付けをしながら、おばちゃんとおしゃべりするのは日々の楽しみの一つ。
おばちゃんも忙しいから、なかなかゆっくり話す時間がとれないし。

「雨花子、今日もいつもの時間に頼むね。」
「わかった〜! そうだ、おばちゃん。そろそろ鏡の曇り止め剤が切れそう。」
「はいはい。届けてもらっておくよ。」
「よろしくお願いしまっす☆ よーし、それじゃ先に炭焼小屋見てくるね!」

 あたしの家は、鍋の国では一応老舗温泉旅館にあたる【木天蓼亭(またたびてい)】という古めかしい印象の建物。
おばちゃんが女将で、旦那さんのおっちゃんは番頭、子どもはいないから、あたしや他の従業員の人たちを自分の家族みたいにかわいがってくれる。

 晩御飯をすませたらお客さんに会ってもおかしくないように、着替えてたすきをかけてかさばる袖をくくる。
この着物、結構暑いんだけど、老舗だからね〜。
まずは炭焼小屋で窯の調子を確認。割烹着を着て出来上がった炭を一部出荷用に整理したりしてからは、仕事の時間が来るまで自由時間だ。

 別にあたしは普段客室フロアに出入りするわけじゃないけど、あたしの仕事は実はすごく重要だったりする。
今日もその仕事のために、せっかくきれいに着込んだ着物を裾からがばっと上げて、端を帯に挟んだ。

 かぽーん。

 ししおどしが真夜中の露天風呂に響き渡る。いつ聞いてもいい音だな〜。
あたしの仕事は、真夜中の風呂掃除だ。
ほんとはおばちゃんは学生のあたしに気をつかって昼間の仕事をくれたんだけど、どうも接客って難しくて。
それに昼間は他にやりたいこともあるから、この仕事の方があたしには合ってるみたい。

 がっしがっしと床にブラシをかけながら、遠くの仲間たちのことを想った。


○月○日  今日も晴れ!

 みんなが出かけてもう何日になるのかなぁ・・・。
この前いなくなってしまったイワッチの片割れがいる玄霧藩国にも、援軍として参加している子もいるみたい。
ゴロネコ藩国に出向いている人もいるって。

あらだ?だっけ??
なんかこの前イワッチがいなくなった原因の金髪ヤガミ(今度会ったら電気按摩)みたいなのがわらわら出てくるかもしれない、危険な戦場なんだって聞いた。
みんな、無事に帰ってきてね。
肉も魚も野菜も、もちろん各種炭水化物だってたくさん集めて待ってるんだから!

 学校行っても友達みんな出撃しちゃってて、授業中もクラスに人少ないからあてられまくるし、寝てたらすぐバレるし。
もう勘弁して!みんな早く帰ってきてー!
 こんなことなら山にこもってないで、真面目に学校行って出撃命令受ければよかった〜!!
「マイ温泉を掘り当てる!」とかアホなこと言わなければよかったよ〜!(>_<)




キー 1234


[No.647] 2007/04/10(Tue) 18:30:33
広島戦戦時SS(セリフチェック反映)投下しました (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン

 広島への偵察作戦数日前の鍋の国

 鍋の国では今回の作戦に対して鍋が作られることが決まった。戦争となっても鍋の事を忘れないのは鍋国民の国民性である。また今回の偵察作戦においてもお腹が減ってはどうしようもない。

「偵察の前に鍋食べてエネルギー補給、あ、でも、食べ過ぎたりお腹にもたれないように軽めでエネルギーになってしかも、偵察に向いた食材を使った方が良いですね〜」
「栄養も大事だけど携帯に便利な物の方がいいですよね」
「やっぱりカイワレヤガミはかかせませんよね〜」
「鍋専門図書館から借りてきた本で使えそうな食材探してきたよ〜」


 今回出撃する鍋村 藤崎の目の前にドンドンと食材を積み上げる鍋国医者チームの諸君。

「いや、みんなの気持ちは嬉しいけど偵察任務だし。さすがに多いとアレだからちょっと減らそか」

鍋村 藤崎の言葉に一同少し考える。

「そうですか?」
「ん〜じゃあ、もう少し少なめにして」
「あ、でもカイワレヤガミは持っていってね」
「あ、メガネも」
「カイワレヤガミはともかく、メガネは他国の人にはインパクト強すぎるからやめた方が」
「あ、メガネを曇らせるように予備のメガネを持っていきましょう」

 結局1ナベ(鍋の国の時間の単位)ほど時間がかかり、持っていく鍋の食材が決まった。偵察には感覚をシャープにし、また敏捷に行動する必要がある。だからといっていきなり目にいい食材を食べたから視力が上がったり耳がよく聞こえる訳ではない。



栄養豊富で滋養のある鍋を食べることはもちろん、鍋の湯気で誰かの眼鏡が曇り、それを見て笑うことで心理面からも病気を追いやってしまうことが分かった。病は気から、というやつだ。
(鍋国の医療鍋の説明より)

 医療鍋は心理面も重視している。他国との食事に医療鍋の事を話し、効果があると言うことにより偵察任務に向いていない不安を持っている人へ安心感を与え、また偵察作戦への自信を高め鍋を一緒に食べる事により親近感を与え作戦の成功率を上げる……それは鍋国の趣味と実益を重ねた作戦であった。そう、けっして趣味で鍋国の鍋を広めるだけ……ではないのである。

 ちなみにほぼ同期に行われる小笠原偵察作戦に参加する鍋衣千世にも同等の食材と鍋が送られ、両作戦ともに作戦準備中に食され、作戦への自信を与え、また鍋を食べる際の鍋談義も今回の作戦の犬、猫関係なしという特異性により犬、猫との交流にも役に立ったのだが、鍋国住民にとっては犬の国の鍋の話が聞けたのが大変嬉しいことであった。

キー1234 (セリフ修正後投稿予定)


[No.655] 2007/04/12(Thu) 16:49:15
小笠原偵察戦SS(投下しました) (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン

 作戦数日前鍋の国広場


「お待たせ、いわずみ子さん」
「準備OK?」
「うん、バッチリ。ついでに医者のみんなから鍋もらっちゃった。広島に行く藤崎さんももらったんだけど気候が違うから材料もちょっと違うんだよ」

 広島偵察作戦と同じく鍋の食材を持っていくのには理由があった。
偵察の為のエネルギー補給。目や耳にいい食材を使うことにより心理面での自信をつける。(効果がすぐに現れなくても食べたことで自信をつけるのである)また、鍋を食べることで交流をはかりチームワークを育てる。(特に犬、猫の合同作戦だし)そして鍋国にとっての重要な他国人との鍋談義による他国(特に犬の)鍋事情を知ることができる。

「え! そっちでも鍋の材料もらったんですか? 私もパイロット友達に頂きましたです」
「それじゃあ、向こうでも鍋しまくりだね」

 鍋国のパイロットの給食は当然のように鍋であり、また、皆この時間を楽しみにしている。中には家から好物の食材を持ち込む人もいる。その為、時には鍋対決のようにそれぞれが鍋を披露したり、試作の鍋をみんなに振舞う者もいるからか、はたまたそんなこととは全然関係なしになのか、今回いわずみ子が小笠原へ出発すると聞きつけたパイロット達(舞踏子含む)は各人がこれぞ! と思う鍋の食材をいわずみ子に提供したのである。

「別の国の鍋のレシピ教えてもらったら教えてね」
「向こうでヤガミ見つけたら教えてね」
「こーゆー目の人いたらね、頼むからね、絶対っ……!」

 なんか、応援というよりも個人的な意見も多いね。



キー1234


[No.656] 2007/04/12(Thu) 17:19:07
どうもですー。 (No.656への返信 / 3階層) - いわずみ@鍋谷いわずみ子

ありがとうございます。
ちょっと丁寧語にしてみました♪


[No.657] 2007/04/12(Thu) 17:30:44
偵察作戦どっちでも文(感覚編)(小笠原に投稿) (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン

小笠原偵察作戦の開始が決まった。
 偵察に必要な感覚を鍛える必要が求められ、各メンバーが動き出した。……と言っても感覚を鍛える必要があるからといって急に感覚を鍛えれるものでもない。作戦の成功率を上げる為に参加者は色々な工夫をすることになったのだ。それは作戦開始前にできることであった。


「はぅ〜気持ちいい〜」
「冷たーい」

 感覚の一つ、聴力をシャープにする為に耳かきをする者。横では目薬を使い、視力のお手入れ。

「んーそこ、って外れた〜」
「イエーイ、あたった〜」

 数枚のトランプで神経衰弱(ただし、ハズレた場合はもう一度シャッフルする)を行い第六感を鍛える者。

「う〜ん、バナナ?」
「ブブーはずれー」

 触覚を鍛える為に背中に文字を書くもの……。

「くんくん……」
「この味は……」

 嗅覚を鍛える為に目隠しでにおいを感じて当ててみる者。味覚は目隠しで食べて正体を当てる。


 だんだんとゲームになってきているが、そのゲームも一緒に楽しむことにより、共有感を持たせ、犬と猫でもチームワークを組めるようにさせ、また犬猫、他国の人間といった事を忘れさせ、隣の人を知ることにより、作戦の際の緊急時などにチームワークを組み、迅速に対応できるように……という事も含めて行われた「偵察でみんなで感覚鍛えよう」作戦であった。


 


[No.658] 2007/04/12(Thu) 17:42:06
チェックと追加 (No.655への返信 / 3階層) - 藤崎

おお!ロンさんありがとう〜〜嬉しいネウ〜
チェックと医者の台詞をちょこっと追加してみました。

> 「偵察の前に鍋食べてエネルギー補給、あ、でも、食べ過ぎたりお腹にもたれないように軽めでエネルギーになってしかも、偵察に向いた食材を使った方が良いですね〜」

「栄養も大事だけど携帯に便利な物の方がいいですよね」(追加してみた)

>  今回出撃する鍋村 藤崎の目の前にドンドンと食材を積み上げる鍋国医者チームの諸君。
>

「いや、みんなの気持ちは嬉しいけど偵察任務だし。さすがに多いとアレだからちょっと減らそか」

台詞長いけどこれででお願いします〜

広島偵察がんばってきます!!

1234 


[No.659] 2007/04/12(Thu) 18:17:38
小笠原偵察準備SS (No.293への返信 / 1階層) - くま


小笠原偵察の前日。
その日、千世は準備に余念がなかった。

「よし、忘れ物無し」

指差しチェックして、荷物を確認すると満足げに頷く。

―あとは心の準備…。

千世は何度もページを捲ったせいでボロボロになった医学書を手に取り、頁をパラパラと捲った。重要な所にマーカーせ線引きしてあり、もう何処に何が書いてあるか一発で開ける自信があるくらい読んだ。

本を閉じて目を瞑る。

息を吸って、ゆっくりと吐き瞼を開けた。そして、まだあどけなささえ残る少女の顔を上げて、窓の外を見る。

人を助けるのが医者の仕事だもの。私が出来る事を精一杯やろう。
あと、まきさんの糸目の彼も見つけなくちゃ…。

―コンコン

ドアをノックする音の後、いわずみ子が顔を覗かせた。

「千世ちゃん、準備終わった?」

「うん。いわずみ子ねえさんは、今回舞踏子なんだよね?」

千世のその言葉に、部屋に入ってきたいわずみ子はスカートの裾を気にして両手で下に引っ張った。南国の舞踏子服はほとんど水着みたいなもので、吏族+医師のアイドレスをずっと着ていたいわずみ子には何とも恥かしい服に思えたのだった。

「そうなの。白衣より布が少ないんだもん。はずかしい……。でも、重要な情報が手に入るかも知れないし、まきさんの言ってた彼も探さなくちゃ」

思い切った風に言って、いわずみ子はぐっと拳を握り締めた。

「よし、準備万端、がんばろうね」
「うん!」
「帰ったらみんなで鍋しようね」
「うん!」

こうして2人の小笠原偵察へと向けた準備は順調に整っていった。

pass:1234


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技族だけどSS書いちゃったよ!
勿体無いから投下します。
ちせさん、いわずみさん(あとまきさん)勝手に出してごめんなさ…orz


[No.663] 2007/04/14(Sat) 00:12:34
小笠原出撃前SS (No.293への返信 / 1階層) - 鍋 黒兎

戦闘中のSSじゃないのでこっちに投下。リアル黒兎さんの今日の一日。


-------------------
 鍋 黒兎の中の人は、体を国の皆に任せて一週間ぶりとは思えない休日を満喫しようとベッドでゴロゴロしていた。
 世の中は便利になった、ケータイでも体の様子を見れる。とか考えてぼんやりと彷徨っていたら、恐ろしい文字を見てしまった。
「黄ジャン」
「小笠原ピンチ」
 ネットが繋がってない、不味いと思った。明日接続復活の手続きを行おうと思っていたが、それどころではない、と。

「ぎゃーーーー!! で、で、電話!」
 慌てて4年前の封書に書かれている電話番号に電話。
『現在使われておりません』
「な、なんだってーーーーーー!」
 リアルに叫ぶ黒兎の中の人。実家に電話して番号を調べさせる。
 手に入れた番号でプロバイダーに電話。復活方法を聞き出す。ネット環境が必要になる。
「義姉さーーーん!」
 慌てて川向の義姉に問い合わせる。
「ネットつかわせて! 今晩中に使いたいの!」
 了解を取り、慌てて出掛ける。無駄に走った気がする。
 手続きしたらすぐに帰る。帰りも走った。
 バカみたいだと思った。でも、これが私だと思った。

「ふっかぁーーーーつ!」
 久しぶりに入ったドレスは、やっぱり金髪で、金の毛のねこみみカチューシャをしていた。
「戦闘モード! オン!」
 黒くて立っているうさみみのカチューシャに付け直す。髪の毛が黒くないことが残念でならないが、鍋であることを誇りに思っている。
 辺りを見ると、いろんな国の人がたくさん居た。
「みんな、よろしく!」
 真後ろは、私が乗る機体だった。
「よろしく、私の機体!」
 皆を信頼して、I=Dを信頼して、(本当は良くわかってないのだが)ヤガミを助けに行く。
 私の総てをかけて、ヤガミを助けに行く。
「もう負けないんだから! 待ってろヤガミ!」


[No.664] 2007/04/14(Sat) 21:48:23
雨花子の日記・1 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

※後半は舞踏子MEN祭の頃の画像BOXを振り返りながらお読みください。



雨花子の日記・1 〜悪夢は思い出のみにあらず〜


暗くて狭い空間に、閉じ込められているみたいだ。

自分が座っている椅子のスペースから、壁や天井すべてに手が届くほどに狭い。
ああ、ここはアメショのコクピットか。
しかもこの様子だと、上向いて倒れてるな。
あたし何やってんだろ。
暗い。外からぎゃーとかきゃーとかたくさんの人の声が聞こえる。
ちょっと様子がわからないので、外の音声だけでも拾おうと思って非常電源繋いで回線開いてみた。
「もう一本折ってやろうか」
・・・・・!?
「待てゴラァ!!女の腕簡単に折るとか言うな!!」

ハッチを叩き壊す勢いで殴る自分の動きを制御できない。
まるで自分の体の中に入りこんで見ているような・・・ああ。あたしは夢を見ている。
この後コクピット壊して出て(壊されたら予備資材にもならないって後でえらい怒られた)、岩田がいなくなるその瞬間を見ていたんだ。



ぼんやりと明るい部屋で目を覚ますと、まだ目覚まし時計のアラームの時間までかなり余裕があった。
でもやけに目が冴えているので、いつものように二度寝する気にはならなかった。
アラームを解除し、朝風呂に入ることにしてタオルを掴んだ。
どうも嫌な汗をかいている気がする。
南国の朝はこんなに暖かいのに、ふるえが走った。

お風呂の鏡の前で顔を洗って、ようやく自分の顔を見た。
・・・いけない。
むにーと両頬を引っ張って、顔の筋肉をほぐす。
にかっと笑ってみる。
よし、とりあえずは大丈夫。
かわいくない自分はやめることにしたんだから!
笑え!!

制服はいつも通りきついので、胸元閉まりきらないけど仕方ないのでそのまま。
お下がり物だから仕方ないしね。
どうせ舞踏子服見えるだけだし、問題なし!

今日は出撃していた仲間が帰ってくる。
みんな無事らしいから、笑顔で迎えたいな。

おばちゃんたちと朝ごはんをすませて、あたしはいつもよりかなり早めに登校することにした。
白いマウンテンバイクでいつも通る近道ではなく、道路がきれいに舗装されている街を抜け、学校へ。
着いたら朝のHRで今日は出撃者の出迎えで授業がつぶれることが判明!
なんていい日!!

岩田なスキップをしながら玄関に行ったら、校門にちょうど兵員輸送トラックがつけられたところだった。
制服姿の仲間たちが降りてくるところだ。
まずは学兵を置いてから政庁に戻るのだろう。
とっとと靴を履き替えて、トラックに向かって走った。

「みんな!おかえりー!!・・・って、男前発見!!藤崎さーーん!玖日さーーーん!!」
「おう。ただいま。」
「ただいま。」

きゃーーー!
藤崎さんのさわやかなスマイルも、玖日さんのやさしい微笑みもたまらーーん!!
鍋バンザイ!!

「雨花子ちゃん・・・。(男前優先ですか)」
「いつものことだよ・・・そろそろ女の子も構えておいたほうがよくない?」
「あ・・・そうですね。」
「美少女たちも無事で何よりー!!(盛大にハグ)」

よかったー!
みんな無事だったよー!!
山から戻ってからいろいろ情勢聞いて、ほんとに心配してたんだからー!!

いつの間にか出迎えの段取りなんかうやむやで、気付いた人はみんなトラックに集まってきていた。
ふと見ると、千世ちゃんがおびえるような目をどこかに向けている。
視線の先は・・・藤崎さん?
どうしたんだろう。

「千世ちゃん、どうしたの?」
「・・・えっ! な、なんでもない・・・です!」

どうしたんだろう。
多分あの類の視線は・・・好きとか・・・そういう視線じゃないよね。何かあった?
あ。藤崎さん空いたみたい。
何かあったのかそれとなく聞いてみようっと。

「藤崎さん、おつかれさまでした!みんな無事でよかったですね。」
「ああ。ほんと、生きて帰れてよかったよ・・・ほう。」
「? なんですか?」
「そうか。雨花子ちゃんも舞踏子だもんな。」

藤崎さんはどうやら開きすぎの制服の襟元から覗く舞踏子服を見ていたらしい。

「そうですよー。舞踏子ですとも!どうかしました?」
「制服はちゃんと着ないと駄目だぞー。」
「あー!結局セクハラじゃないですかー!閉まらないから見えないようにちゃんと着てるんです!ほら!!」
「わかったわかった。」

げらげら笑う藤崎さんに、

「藤崎さんこそ!いつも思ってるんですけど、なんで吏族服だからって上半身半分近く晒してるんですか!これ着たらいいじゃないですか!!」

と、もちろん冗談で自分の舞踏子服を指差した。
すると視界の端にいた千世ちゃんが、びくっと誰が見てもわかるほど動揺したのが見えた。
一瞬で顔が青ざめ、がたがたと震えている。
あたしが千世ちゃんを見ていることに気付いた藤崎さんが振り返った瞬間、千世ちゃんはよく聞き取れないけど何か悲鳴のような声を上げながら走っていってしまった。

「・・・何か、あったんですか?」
「・・・いや。特には。」
「・・・・・そうですか。」

 
あたしが事の真相を知ったのは、お昼ご飯の鍋を囲む頃だった。



キー 1234


[No.704] 2007/04/19(Thu) 14:10:46
龍鍋日記? 疾風! 変装 たけきの城 (No.296への返信 / 2階層) - 龍……もとい鍋仮面(@ロン)

 鍋仮面日記

 たけきの城……それはたけきの藩国で行われているゲームである。鍋国においても数多くの参加者があり、また鍋底放送局でそのニュース企画があげられたあと、一人の少年がたけきの城へ訪れたのである。

 少年は仮面をかぶり、会場にやってきた。正体がバレないようにクイクイお手製の変装セット(赤いマフラーに胸の鍋マークがトレードマークの鍋スーツ)と鍋仮面、ついでにゲーム終了後用の鍋具におとものクイクイ(猫モード)を肩に乗せてチャレンジである。

「……あ、あれ?」

 参加者を見ると何人か知った顔がいる……。あの人なんて、この前、鍋広場で鍋パーティした人ではないか……鍋仮面は鍋仮面モードに入った。

「はい、次の方、エントリー用紙のチェックをしますので見せてくださいネ」

 受付の人がスマイル0円な笑顔を見せて声をかけてきた。仮面をかぶってるのに平然としている……というか、鍋仮面の前にも仮面な人いるからねぇ。

「ふ、わ、私は鍋カーーメーーン!!」

 鍋仮面はアドリブでビシっとポーズを決めるとそそくさぱっぱと懐からエントリー用紙を取り出した。どうも、自分とはバレないと思っていてもちょっと恥ずかしいみたいだね。

「インタビューいいですか〜?」

 次に鍋仮面に話しかけてきたのは、たけきの城のリポーターであった。

「ふ、仮面を装着することには慣れている……さあ、行くぞ! 我が相棒、クイクイよ 今が走り進む時!」

 鍋仮面は格好を決めようとクイクイに声をかける風に格好をつけた……。リポーターの人は特に動じることもなく、鍋仮面に二、三度話しかけると次の参加者へインタビューをする為に鍋仮面から離れていった。

 あんまり反応がなかったので固まる鍋仮面。

「……あの、ユウさん、今、返事を返した方がよかったですか?」

「ストーーップ、今は鍋仮面!!」

「は、はい……」

 なんだか、いつもと違うなぁ、ハイテンションだよ〜と思いつつもクイクイは答えた。

「まぁ、いちおう猫のフリしてるんだしな、しゃべるのは禁止な」

「わかりました」

「よし、いけるとこまでいくぞ!」

 そして、第一関門(判定は運、知恵、器用)

「ぐわっ! 行き止まり!?」 (運なし)

「あ、あれ、ここさっき来たよな……」(知恵なし)

「鬼さん、鬼さん、そんな簡単に……つかまった……ってクイクイ?」 (器用なし)

 結局、あっさり第一関門で終わった鍋仮面、クイクイは一人先に進んだのである。行けるとこまで進むことにしたんだねぇ。


ちなみに鍋仮面のエントリー結果(たけきの城より)

>77 83 98 結果:予選敗退
不思議生物だけ迷路を突破しました

 鍋国メンバーで唯一の一回戦敗退である。結果は残念なことであり、龍……じゃない、鍋仮面はとほほな気分で会場を後にした……のであるが、その格好で鍋の国の住民なのがバレバレなこともあって、もう一つの目的、外国の鍋食べて鍋友いっぱい作るぞ作戦は大成功だったのである。

 ただし、鍋船貯金を使い果たしてしまったので鍋船貯金を一からやり直したのだが、それを知っているのはクイクイとこれを読んでる人だけの秘密だったりするのかもしれない。(龍……もとい鍋仮面の人はグルメツアーが大成功だったので貯金のことはあんまり気にしてない。どうぜまた貯めればいいと思っているのである)


 ちなみに龍鍋君のプレイヤーは方向音痴である……。


[No.709] 2007/04/25(Wed) 14:15:18
龍鍋日記 現状編 Y・A・G・A・M・I (No.296への返信 / 2階層) - 龍鍋ユウ@ロン


 今、鍋国は祭りをおこなっていた。鍋国では大抵の場合において祭りをやっている。最近では岩田裕&石塚弘祭りや制服祭りまた、校舎祭りなどもやっていた。今回も祭りである。ヤガミ祭りが開催されたのである。鍋国=ヤガミ妖精の国と思われていることが多い。実際にヤガミ妖精やイワッチラブな国民も多い。しかし、いちおうヤガミ妖精以外もいるのである。


「ヤーーガーーミーー!!!」
 その日の龍鍋君は政庁に来ていた。最近、公共事業を受けたのでちょくちょく政庁にある掲示板やお知らせなどをチェックしているのだ。
「ヤガミヤガミヤガミヤガミーー」
 その日は特にヤガミの言葉が聞こえる。なんだかヤガミがやって来るとかいうことで妖精さん達が騒いでいるのである。龍鍋君は別に妖精ではないが、鍋国のカイワレヤガミを見てヤガミがどう反応するのか? とか舞踏子軍団VSヤガミとかなんか、面白そうだと思っているのである。舞踏子によっては元気ありまくりで騒いでいる者、また、眼鏡をキラリと光らせながらつぶやいてる者もいる。
「ふん、来たいなら来たいって向こうからいいなさいよ。もうヤガミなんだから」
 ……なんかふてくされてるのかノロケてるのかよくわかんないなぁっと思いながらヤガミ鍋なんて鍋作ったら面白いかなぁなどと試作鍋の案を考えている龍鍋君であった。


[No.710] 2007/04/25(Wed) 14:37:21
鍋みて1 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

大変お待たせしました!
まだ冒頭ですが、もうオチが見えそうでごめんなさい(笑)




矢鍋様がみてる 〜ナベスティーヌスからの贈り物〜


   一

 日曜日。鍋の国政庁も一応公休日である。
 時刻は午前10時。今日も南国のお日様は、矢鍋様のようにぽかぽかだ。

 広大な鍋城の敷地のはずれ、政庁からもちょっと歩いたあたりにある西門に、いわずみ子の姿があった。そしてなぜか隣には、白衣の下はいつもセクシーで有名な鍋村藤崎氏がいる。
 鍋の国の休日は商店街や娯楽施設に人が流れるため、商店街に近い西門のあたりは仕入れや買い物がてらの散策中の人々が溢れている。

 鍋の国の中心部、鍋城城下町の片隅にある待ち合わせの定番といえば、王猫・矢鍋像である。
いわずみ子はそこを待ち合わせ場所には選ばなかった。
土鍋の上に王猫様がこんもりと鎮座しているその像の前は、休日ともなれば待ち合わせの相手を待つ人々で賑わっている。こんなところで待ち合わせたりしたら、きっと知っている誰かに見つかってミサお姉さまとの初めてのデートが台無しになってしまう。だからそこからかなりはずれた西門前で待ち合わせることにしたのだ。

「あのさ、いくらなんでも早いんじゃない?ミサさんはまだ矢鍋様とお散歩中だって。あと30分は戻らないと思うよ。」

ミサお姉さまとの時間の時間は11時。忙しい人だけど、きっと遅刻なんてしない人だ。遅刻したらいけないと心配しすぎて昨日は眠れなくて、さっき藤崎さんに見つかったときは「ついさっき来ました」とか言ったけど、実はそのさらに1時間前からいた私とはまた違うと思う。

「俺のことはお気遣いなく。ミサさんが来たら政庁に戻るからさ。」
「あの・・・そもそも、なんで今日もここにいらっしゃるのですか?」
「俺か?休日出勤に決まってるだろ。そういや休日ってしばらくないな・・・ははは。」

どうやら今日のデートに合わせてここにいたわけではないらしい。いわずみ子は内心胸をなでおろした。
無意識にため息までついていた。

「・・・・・どうやら仕事でないのに出勤してる奴らもいるみたいだけどな。」
「・・・はい?すみません、ちょっとぼんやりしてしまいました。」
「いや?そうか。今日だったんだな。すっかり忘れてた。俺まだ若いのになー。健忘症は勘弁してほしいもんだな。」
「ふふふ。」

和やかな雰囲気で会話を楽しむ彼らだったが、やがて商店街から南門に向かって人が徐々に流れ、集まりだしていることに気がついた。

「お。思ったより早いお帰りだな。じゃ、俺は出迎えついでに仕事に励んでくるわ。」
「いってらっしゃい。」

ひらひらと手を振って見送ると、いわずみ子はまた一人で道行く人々を眺めていた。
眺め始めてからさほど時間もたたないうちに、門の内側から軽やかな足音が近づいてくる。振り返る前に声が届いた。

「いわずみ子!」
「ミサお姉さま!!」
「結構待ってたんじゃない?すぐ出かけても大丈夫?」
「はい、私は大丈夫です。ミサお姉さまもお戻りになったばかりでしょう?休まなくてもいいのですか?」
「私も大丈夫!それじゃ、行きましょうか。」
「はい。」

適度に人の流れも落ち着いた道を、彼女らは今日の目的地に向かって歩いていく。

 彼女らの後姿が見えなくなる頃。
西門のはるか上から何かが落ち、ざっと音を立てて着地した。

「こちら、ブルー。目標が移動を開始。追跡する。」
「「ラジャ。こちらも配置についた。」」

門より高い木の上から飛び降り華麗に着地した青いマフラーの人物は、顔がわからないように仮面らしきものを身につけている。

「・・・まさか1時間半も木の上にいることになるとは思わなかったよ〜・・・。」

首や肩をゴキゴキと鳴らしながら密かに動き出した人物がいることに気がついている人間は、まだほとんどいない。




キー:1234


[No.805] 2007/05/13(Sun) 02:02:45
鍋見てフォアシュピール(仮 (No.293への返信 / 1階層) - 田鍋 とよたろう

初めてネームをちゃんと書きました(笑
雨花さんのSSより時系列は前になります。最終的につながるようにする予定。続けばですが…(遠い目
コミックス化するかは未定ですー。このままだと埋没しそうだったので投下。

+++

「矢鍋様が見てる」

第−21話(嘘)

「春の出会いは若草色の風に乗って(仮」〜いわずみ子とミサの出会い〜

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シーン1
場所:政庁舎のはずれ
----

FI

途切れた獣道(行き止まり)に人影。あたりは林のようになっている。
いわずみ子「あ、あれ」きょろきょろ(顔は見せない)
いわずみ子「迷った…のかしら」(ここで顔見せ)

いわずみ子の手には「入庁式案内」の紙、肩には知恵猫。真新しい制服をきっちりと着込んでいる。

いわずみ子「変ねぇ、ちゃんと案内板見てきたのに」首をかしげる
(その案内とあさっての方向の獣道を進んできた描写をバックに)

足元アップ:茂みががさがさなっているがいわずみ子は気付かない。

知恵猫がいわずみ子の肩を降り、茂みに近寄る。いわずみ子振り返って茂みを見る。
とたんに人(ミサ)が顔を出す(匍匐前進の状態)ぴょこんと上に伸びる鉢巻。

お見合い状態になる二人。
ミサ「あら、あなたは…えーともしかして新人さん?」(頭に葉っぱをつけつつ)
いわずみ子「え、あ、は、はいそうです」(まだちょっとびっくりしている)
ミサ「そっかぁ、そうよね。格好からしてそんな感じがするわ」「それに、そうじゃないとここには入らないものねー。」立ち上がって膝を払いつつ。
*ここ=部外者立ち入り禁止の王猫様の遊戯所

いわずみ子「え、えーともしかして入ってはいけないとこだったのでしょうか…。私道に迷ってしまって、ごめんなさい」
ミサ「ううん、別に、あなたみたいな人なら大歓迎よ」(にっこり)
ミサ「これからもいつでも気楽に来ていいから」「私もここの職員でね。ここいらの区域の担当なの」
いわずみ子「ありがとうございます」(安心した表情)

鳴り響く鍋ベルの音

いわずみ子あわてて「いけない!入庁式が始まっちゃう!」
ミサ「あらあら」
いわずみ子「すいません、大講堂というのはどちらでしょうか」(あせった様子で
ミサ「あっちよー」(指差して
いわずみ子「ありがとうございます!」(頭を下げて走り出す

ミサ、しばらく見送る。いわずみ子、少し走ったところで振り返りぺこりと頭を下げる。
ミサ、それを見てくすくすと笑う。

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シーン2
場所:政庁舎のはずれ。
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藤崎「あーいたいた」あらぬところから現れる。
ミサ「あら、お迎え?」
藤崎「そうそう、たまにはあの子くらいにあわててほしいですね…早く準備お願いしますよ。あーあ、こんな姿で…」ミサの頭の葉っぱを取りながら。
ミサ「なによ、いけない?私はちゃんとお仕事してたのよー?まったくあの子ったらどこ行ったのかしら。」
藤崎「いけないとまでは申しませんが」(笑顔でため息)「まぁあの猫ならこの国中どこにいても害はないと思いますから大丈夫でしょう」
藤崎「それより、あなたも入庁式出るんでしょうが。さぁ行きましょう」
ミサ「はーい」
歩き去る二人。

FO

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シーン3
場所:大講堂
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入庁式〜

CI一こま

(知恵猫は大講堂の外で待っている。)

FI

「…であるあからして…新しく庁舎の一員となった諸君には…」
新入生の列にいわずみ子。退屈な挨拶にうつらうつらとしている。
いわずみ子(さっきの人いい人だったなぁ…名前聞くの忘れちゃった。後でまた会えるかな…)ぼんやりと

「それでは、これより、藩王様のお言葉をいただきたいと思います。皆さん静粛に―――」

庁舎職員のお偉方の祝辞(?)が終わり、藩王が舞台袖から颯爽と現れる。なびくエプロン、たなびく鉢巻、ひかるめがね。

ミサ「皆さん、入庁おめでとうございます―――」
聞き覚えのある声にうたたねからさめるいわずみ子。
藤崎、講堂わきでニヤニヤ。

いわずみ子(え、まさか…さっきの!?)
ミサ、いわずみ子の表情に気付きウィンク
顔を赤らながらあわてるいわずみ子。

いわずみ子(え、え、え、)(さっきお会いしたのはミサ藩王!?)(藩王様の担当区域ってもしかしなくてもすごい重要区域!??)(ってそういうことじゃなくってえーとえーと)
いわずみ子、オーバーヒート。眼がぐるぐるぐでんぐでん。ばたんきゅー

倒れる音

ミサ、壇上から飛び降りて(藤崎びっくり)駆け寄り抱き起こす「しっかり!」職員ばたばた。
追いついて藤崎「しょうがねぇなぁ」いわずみ子を姫抱きにして運ぶ。
藤崎「俺が運びます。式を続けてください」
ミサ「わかった、よろしく頼むわ」「皆さん!落ち着いて!」(周囲に
(一番落ち着いてないのは藩王じゃ…とか思ったら負けです)

いわずみ子を抱え去る藤崎(足元に駆け寄ってきた知恵猫)を横目で見送り、式に戻るミサ。

FO

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シーン4
場所:救護室
----

救護室〜

CI

いわずみ子、なんだか幸せそうな寝顔。そばに知恵猫。
藤崎「まぁ、大変なのはここからだ」
藤崎「頼むぜ、いわずみ子さん?」

ざぁっと木がゆれ

FO

+++

FI:フェードイン
FO:フェードアウト
CI:カットイン
CO:カットアウト


[No.806] 2007/05/14(Mon) 22:10:38
雨花子の日記・2 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

雨花子の日記・2 〜ダメっ子にも旅をさせてみよう〜



○月△日  晴れ!

 なんかあたし留学することになっちゃったよ!?(汗)
行き先は前から宿題抱えてた無名騎士藩国!
陛下が国費で短期留学させてくれることになって、なんか大事になってきたっぽい気がする。
これって、真面目に宿題やらないとまずいよね?
陛下は「気にしないで観光してらっしゃい!」とおっしゃってくださったけど、そこらへんはさすがのあたしも考えてみたんだ・・・たまにはね!
おばちゃんも忙しいのに喜んで支度手伝ってくれたし、おじちゃんもこっそりお小遣いくれたし、決まった後会えたみんなとはあちらでの計画も立てたし。
頑張るぞー!おー!


こんな日記を書いている鍋山雨花子という人物は、これでも一応鍋の国藩立鍋野高校の3年生である。
せっかくパイロット科に所属しているにも関わらず、「得意な教科は家庭科!(※勉強嫌いな子がよく言う体育ですらない)」という筋金入りのダメっ子であるのだが、難関の舞踏子試験はなぜか一発合格している鍋の国のパイロットだ。

その彼女は、校内では結構豪奢な造りの一室にいた。

「ふんふん。なるほど。いいんじゃないかな。いってらっしゃい!」
「え。いいんですか!?」
「うん。いいよ。無名騎士さんとこには短期留学でビザお願いしておくから。」
「あ、ありがとうございます!」

ここは鍋高藩王居室。
ここは鍋高の主、すなわち鍋の国の藩王の部屋である。
多忙な身であるがゆえに、少なければ7日のうち1日、そのうちわずか数時間の滞在ではあるものの、鍋の国の藩王・ミサは必ず鍋高に顔を出すようにしていた。
ちょうどそのタイミングに居合わせ、運命の悪戯としかいえない流れで雨花子は旅に出ることになる。



20分ほど前。

雨花子はクラス全員のノートを提出のために取りまとめて職員室に運ぶついでに担任の教師に呼び止められた。

「鍋山ー、あのレポートまだか?」
「はい?何のレポですかー?」
「ほら、各国の鍋料理。」
「・・・あ゛。」
「・・・お前の担当は無名騎士藩国だったな。これ、一応国家事業なんだから。いい加減書いてこい!」
「えー。だって、実際担当してみたらあんまり鍋料理の資料ないんですもん!」
「仕方ないだろ。他の国じゃうちみたいに鍋が主食じゃないんだから。
先に出てるレポート見てみろ!ちゃんとできてるだろ。」
「えー・・・だって、無名騎士さんとこって、何食べてるか聞いたことないですしー。」
「お前な・・・ま。確かに俺もよく知らんからな。仕方ない。お前、ちょっと留学でもしてきたらどうだ。」
「留学っすか!?いや、そんなお金ないですから!」
「そこは藩王陛下にご相談だな。今日いらっしゃるから、ちょっと行ってこい。」

そりゃ陛下とは何度も一緒に鍋もいただいてるけど・・・いくらなんでも、国費で留学させてくれとはそう軽々しく言えないだろーよ、せんせー。
先に陛下に連絡入れといてくれるとは言ってたけど、そういう問題でもないような・・・うーん・・・。

悩みながらも職員室から目的地までは階段上ってすぐそこだ。
ただでさえ足りないおつむで考えをめぐらせるような時間はさほどなかった。



そうして藩王居室のドアを叩き、今に至る。

「でも・・・いいんですか?めちゃめちゃ私の私情じゃないですか。」
「ん。いいのいいの。人生は経験が大事! あとね・・・今こんなのやってんだな・・・。」

ごそごそとミサ藩王がでかい手提げ籠から取り出したのは、でかでかと『おまつりかいさいちゅう』と書かれたポスターだ。

「おまつり・・・ああ!あちらではお祭りでしたか!!」
「そうそう!せっかくだから今すぐいってらっしゃい!どんな様子だったか教えてよ!」
「わかりました!おみやげゲットしてきます!」

藩王バックアップの元、実に簡単に旅の切符を手にしてしまった鍋山雨花子、15とン歳。
こうしている間にも世界は動いているのだが知る由も無く、翌日には元気に鍋の国を旅立っていた。



キー:1234


[No.809] 2007/05/18(Fri) 21:15:35
雨花子の日記・3 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

※今回は無名騎士藩国入国後に書いている旅日記です。



雨花子の日記・3 雨花子の留学記録〜砂とペンと物欲と〜@



【留学1日目】

「お〜・・・。ここも暑いなぁ。鍋とはまた違うけど。」

つい先だって入国審査を終え、砂漠の国家・無名騎士藩国に足を踏み入れた人物が一人。
気温が高く、緑の多い地方から来たのだろう。
森林迷彩の施されたマントを頭からかぶり、覆われていない手や顔は小麦色をしている。
南国ではともかく、森林迷彩は砂漠の国では目立つ。

華奢なその手がおもむろに旅行鞄のサイドポケットを漁り、大学ノートよりやや大きいサイズの本を取り出した。
『無名騎士藩国ぐるめなび☆』

「・・・間違った。」

またポケットをごそごそとかき回し、今度は手帳サイズの小さな冊子を取り出した。
『無名騎士藩国留学の手引き』

「これこれ!よかったー、忘れたかと思ったー。」

声に振り向く人々を気にせず、ぱらぱらとページをめくっているのは、まだ若い女性だった。
マントからわずかに覗く水色の瞳。金の髪。
肌の色こそ似ているが、この国の人間ではない。

鍋山雨花子、15とン歳。
無名騎士藩国上陸である。

「んーと・・・どこだっけ。・・・・・よし、発見!んー、なになに?
『しばらく藩王不在につき、入国審査完了後はとりあえず観光課まで。』?ありゃりゃ。王様お留守かぁ。」

通りすがりの人に聞いてちょっと歩き、商店街の片隅にさりげなく立てられた看板を見つける。
看板には『無名騎士藩国観光課観光案内所』と書かれている。
えらくシンプルだ。
なんでもカラフルな印象の南国の意匠とはまた違うのだなぁ、と感心しながらドアを開けてみる。
カランカランとドア上部に取り付けられていたベルが鳴った。

「はい、どーも。どうしましたー?」
「えと、観光課の方は・・・って、どいさん!?」
「おやー。雨花さん、久しぶりだねぇ。」

経済新聞から顔を上げたのは、雨花子にとっては同じ故郷出身の兄さんだった。
今は灰色のような、銀色のような、砂漠の国の人特有の髪の色をしている。
多少は変わったところはあっても、相変わらずひょろひょろとして砂漠の風に飛ばされそうな姿ではあるが。

「なんでまたここに来たんだい?」
「・・・なんかやりづらいなー・・・。あたし、今日から留学しにきたんだけど。
観光課のえらい人に滞在中のお世話してもらえって言われてるの。」
「はいはい。留学生が来るらしいっていうのは、雨花さんのことだったんだねぇ。」
「・・・で。えらい人、いませんか。」
「ん?えらい人?ここは俺しかいないよー?」
「そーですか。じゃ、呼んでください。」
「??? 観光課って、俺だけだよ?」
「!?」

「まあまあ、お茶でも。」と待合場らしい場所の椅子を勧められ、座ってお茶が出てくるのを待つ。
壁に貼られている各種ポスターやチラシ類を見回していると、見覚えがある写真ポスターを見つけた。

「そうだ!小笠原の学校の制服って、無名騎士藩国の人のデザインに決定したじゃない!
このポスターの人がかっこいいって噂になってたんだよ!!これ誰!?会える!?」
「んー?どれ?」
「これ!この男の人!モデルか何か?」
「・・・あ。それ、俺だ。」

がーん。
雨花子の周りだけ照明が落ち、効果音まで響いた。(ように見えた)

「う、嘘だ!」
「いや、ほんと。」
「だって顔違う!脚長い!筋肉!!」
「んー・・・それはメイクとか服とか撮影技術とかあるからなぁ・・・。」
「詐欺だ!!」

「お客さんだにゃ。どうしたのかにゃ?」

ちりん、と背後で鈴の鳴る音と声がしたので反射的にそちらを向くと、きれいな紺色の猫・・・いや、猫妖精がいた。

「よかった。ちょうどいいところに。雨花さん、この制服デザインと、ポスター撮影したときのメイクや撮影まで担当してくれた冴月さんだよ。」
「え!?デザイナーさん!?」
「制服ポスター見てたのにゃね。これおいらのデザインにゃ。」
「この制服かわいいですよね!・・・て、そうじゃなくて!
顔とか体型とかどいさんじゃありえないかっこよさじゃないですか!どうやってこれ撮ったんですか!?」
「それは・・・企業秘密だにゃー♪」
「そこを何とか!」

ばさっとかぶっていたマントが落ち、金の髪が顕になる。
冴月氏の目がわずかに見開かれた。

「ほう。よく見れば、外国のお客さんだったのにゃ。めずらしい色を着ていると思ったけど、すぐには気がつかなかったにゃあ。」
「ほら、陛下から通信来てたでしょう。留学生だよ。鍋の国から来てるけど、俺の同郷の子。」
「そうだったのにゃ。じゃ、これから王城に案内するにゃ。」
「へ?王様いないのにいいんですか?」
「留守を預かる摂政たちはいるのにゃ。」
「うん。行っておいで。荷物は滞在する部屋に置いておくから。最低限の物だけ持って。」

「いってらっしゃーい」と見送られつつ、後から来ると言っていたどい氏を置いて、冴月氏と王城に向かうことになった。


キー:1234


[No.810] 2007/05/18(Fri) 21:23:48
鍋みて2 (No.293への返信 / 1階層) - 鍋山雨花子

矢鍋様がみてる 〜ナベスティーヌスからの贈り物〜


   二

 ミサといわずみ子は、入り組んだ路地を歩いていた。
たまにすれ違う人が時おり振り返り首をかしげているが、狭い道では誰も立ち止まらない。住人にとっては狭い道ではむやみに立ち止まらないのが暗黙のルールだ。

「さて、いわずみ子。どこから行こうかしら。」
「本当に行くんですか?」
「うん!普段なかなか行けないから。」

 彼女らは、城を離れて城下町の商店街に向かっている。
ミサはついさっきもこの付近を通っているはずなのだが、わざわざ戻っていく。
彼女にとっては、商店街はよく通る道だが、いつも通るだけなのだ。
王猫様のお散歩に同行している時に寄り道するわけにもいかないし、一国の王の身では一人で出歩く時間もなかなかとれない。
だからこの機会に、いわずみ子もよく行くお店で買い物などしてみたいのだという。


そしてまた一人、すれ違う人が振り返る。
さすがに一緒に歩くいわずみ子も違和感に気がついた。

「あの・・・お姉さま、さっきから人が・・・。」
「あらら。そうね。 こんにちはー!」

ミサはいつもより控えめにではあるが、笑顔で手を振って応え始めた。
この国の藩王でもあるミサにとって、国民の挨拶に笑顔で応えることはごく自然なことだ。

しかし何気ないこの行動で、先程までこちらを気にしていなかった人々の視線まで集まり始めていた。
国の主がいつものように王猫と一緒でなく、護衛もなく、城下町を歩いている。珍しい光景だ。

「お、お姉さま・・・!」

どうしよう。せっかくのデートなのに・・・!
いわずみ子は早くも二人っきりのデートに暗雲が立ち込めてきたことにうろたえていた。



「おやー・・・もうピンチだよー。 えー、本部応答せよー。」

建物や人波に隠れて様子を伺いながら追っていた青マフラーの人物は、仮面に仕込まれた無線機に話しかけた。

「・・・こちら本部。どうしました?」
「ええと、対象は予定ルート2で移動中。こちら現在ポイントAに差し掛かる直前の路地。距離50。
対象がここを歩いていることに周りが気付きました。」
「ラジャ。ポイントA担当者にはこちらから指示する。」
「了解。で、オレはどうすればいいかな。」
「そうですね・・・。」

無線機の向こう側で話し合いが行われているようだ。

「本部ー、急いでー。」
「お待たせしました。ではブルー、ポイントAから南に距離30、あなたから西に20の地点に急いで移動。予定より早いですが、そこでケミストと合流。」
「了解。その後は?」
「彼女の指示に従ってください。」
「了解。」

 青いマフラーを翻し、ブルーは目標地点に走った。
路地なのでその場から目視はできなかったものの、走る距離は10秒あるかないかだ。
そこに別の方向から駆け込んでくる白衣の女性が見えた。

「大変だよー、もう見つかっちゃった。」
「き、聞いた・・・。 大丈夫。これさえあれば、オールOK!」

ブルーよりも長い距離を移動してきたらしいケミストは若干息ぎれしていたが、ちょっとずれた猫耳を直しつつもう片方の手ででかいアタッシュケースを差し出した。

「ほみゅ?」
「持って! 急ごう!」

持ち物をブルーに預けると、ケミストは猛然と走り始めた。
この辺りでは比較的高い建物の屋上まで駆け上がっていく。

「到着っ。急いで準備!」
「は、はいさ!」

よく見れば事前に設置されていたような大きな扇風機のようなものがあり、その横でケミストがブルーから受け取ったアタッシュケースから色々取り出して何かやっている。

「風向きは?」
「ええと・・・西南西だと思うよ。」
「バッチリだね。 始めるよー!」

ぽちっとな、とばかりに作業を終えたケミストがスイッチを押すと、扇風機の回転と同時に白いふわふわしたものが前に噴出され、飛ばされ始めた。

「これって・・・!」

風に乗って落ちていくそれに、路地を歩く人も気付き始めた。
狭い道なのに、誰もが立ち止まって空を見上げる。祭の紙吹雪などではない。

「そう。雪だよ!」
「でも溶けないねぇ。」
「さすがに南国じゃ本物は無理だよ。映画の撮影にも使う作り物だから。」



 ミサといわずみ子も空を見上げていた。

「これ・・・雪?」
「雪・・・ですね。どうしてここに・・・。」

いわずみ子の広げた手のひらにはらりと落ちたそれは、体温で溶けてなくなりはしなかった。
南国では起こりえない事態に、誰もが空を見ている。



「おっといけない!ブルーはすぐにミs・・・じゃなくて対象2名を捕獲!ポイントAに誘導しろって!」
「え!?了解! いってくるー。」

ブルーは隣の建物を足がかりに跳躍し、忍者のごとく建物から降りた。
人を避けながら走り、人工雪を見上げているミサといわずみ子の腕をとった。

「え。何!?」
「いいから、今のうちに走って。」
「は、はい!」

ミサ一行が走り出したことに気がついた人もいたが、すぐに姿を見失った。
その場の誰もが初めて見る珍事に固唾をのんで立ち尽くしていた。



「はい、到着ー。」
「に、逃げられてよかった・・・。」
「あなたは誰?」
「通りすがりの鍋仮面です。」

「じゃ、そういうことで。」とブルーはその場を走り去った。

 残されたミサといわずみ子が呆然としている間もなく、後から肩を叩かれた。
振り返ると、淡い色のサングラスをかけ、古着風の涼しげなシャツに身を包んだ若い女性がいる。
そのさらに後には世界各国の衣装のようなものが見え隠れする店がある。

「いらっしゃいませ。お二人にきっと似合う新作を入荷したばかりなんですよ。どうぞご覧になっていってください。」

女性は返事も聞かずに二人を店内に引きずっていった。



キー:1234


[No.813] 2007/05/22(Tue) 00:01:55
写真 (No.293への返信 / 1階層) - ふぢさき

気分転換と手遊びに



「・・・もう作業に疲れたよパトラッシュ。疲れたと言うより飽きたー!」などと言いながらぽちぽちと作業をしていたら、小笠原に行ってた(らしい)まきさんが、泣きそうな顔をしてやってきた。
一目顔を見るなりわかった。女性がこんな顔をしている時、理由はただ一つ。
男だ。
「・・・ヤガミかー!!」
と椅子から立ち上がるなり叫んでみた。まきさんなんだからもちろん相手はヤガミじゃないってのは百も承知で。単に言いたかっただけなので個人的に大満足して座りなおす。大きな声を出したお陰で気分転換にもなった。
最近国の女子はそれぞれの男のことで@@になっている。いやー若いっていいな(笑)
「んで、今回は何があったの?」
まきさんは手にした黒い上着のポケットから2枚の写真を撮り出す。
ポケットに写真が入ってたことに小笠原で気づいたそうだ。
「こんなのが入ってたのか」
以前まきさんに頼まれて猫用の小さなリュックを作ったことがある。
シャルルで小笠原に行く時にHIの上着を入れてもって行きたいので作って欲しいと。
この上着はまきさんにとってものすごく大事なものだから、なるべく触れないようにしてリュックを作ったので、ポケットに何か入ってるなんて知らなかった。

まきさんの用事はもともと2枚の写真はくっついていて、それをはがした時に少し破損したので直して欲しいとのことだった。
「わかった。修復方法を調べてやっておくよ。」
写真に直接触るのを避けてハンカチで受け取る。今はちょっと立て込んでいるのですぐには直せない。後で修復しようとそのまま引き出しに仕舞おうとした。ら、妙な視線をこめかみに感じたので顔を上げると、まきさんが目を@@させていた。
「・・・明日までに直しておきます」
そう言わざるをえない@@っぷりだった。
無くさないように引き出しに入れるだけだから!ほら、今机の上書類だらけだし!どっか行ったら困るでしょ?と言いながら改めて写真を引き出しに仕舞う。
修復が終わるまでそこで待っていそうなまきさんの手にキャラメルを握らせる。肩をつかんでくるりと向きを変え、そのままトン、と前に押し出す。まきさんはふらふらと部屋を出て行った。鍋の国は南国なので多くの部屋にはドアがなかったり、あってもこの季節には開け放しになっているから大丈夫だろう。たぶん。


どっかにぶつかってなきゃいいけど。


[No.925] 2007/07/10(Tue) 05:03:57


   SS投入口 - 炊事担当 - 2007/01/22(Mon) 09:27:36 [No.293]
写真 - ふぢさき - 2007/07/10(Tue) 05:03:57 [No.925]
鍋みて2 - 鍋山雨花子 - 2007/05/22(Tue) 00:01:55 [No.813]
雨花子の日記・3 - 鍋山雨花子 - 2007/05/18(Fri) 21:23:48 [No.810]
雨花子の日記・2 - 鍋山雨花子 - 2007/05/18(Fri) 21:15:35 [No.809]
鍋見てフォアシュピール(仮 - 田鍋 とよたろう - 2007/05/14(Mon) 22:10:38 [No.806]
鍋みて1 - 鍋山雨花子 - 2007/05/13(Sun) 02:02:45 [No.805]
雨花子の日記・1 - 鍋山雨花子 - 2007/04/19(Thu) 14:10:46 [No.704]
小笠原出撃前SS - 鍋 黒兎 - 2007/04/14(Sat) 21:48:23 [No.664]
小笠原偵察準備SS - くま - 2007/04/14(Sat) 00:12:34 [No.663]
雨花子の日記・序 - 鍋山雨花子 - 2007/04/10(Tue) 18:30:33 [No.647]
不定期連作・鍋(パン)パレード・マーチ  - 炊事担当 - 2007/03/22(Thu) 05:26:59 [No.612]
鍋の国食べ歩記9 - 悪童屋 - 2007/03/14(Wed) 16:13:11 [No.593]
鍋の国食べ歩記8 - 悪童屋 - 2007/03/12(Mon) 17:51:08 [No.590]
鍋の国食べ歩記7 - 悪童屋 - 2007/03/06(Tue) 16:15:41 [No.576]
鍋の国食べ歩記6 - 悪童屋 - 2007/03/01(Thu) 22:10:49 [No.490]
鍋の国食べ歩記5 - 悪童屋 - 2007/02/28(Wed) 23:31:45 [No.483]
鍋の国食べ歩記特別編3 - 悪童屋 - 2007/02/27(Tue) 17:36:03 [No.479]
了承済み - 悪童屋 - 2007/02/28(Wed) 23:48:40 [No.484]
了解です - ミサ - 2007/03/01(Thu) 02:51:02 [No.485]
SS(?)投下します〜 - 鍋しち幸葉 - 2007/02/26(Mon) 23:43:39 [No.476]
鍋の国食べ歩記4 - 悪童屋 - 2007/02/26(Mon) 22:37:46 [No.475]
鍋の国食べ歩記勲章授与編 - 悪童屋 - 2007/02/24(Sat) 21:08:26 [No.471]
鍋の国食べ歩記3 - 悪童屋 - 2007/02/24(Sat) 13:34:21 [No.470]
絢爛具材鍋外伝 - 炊事担当 - 2007/02/23(Fri) 04:38:50 [No.462]
鍋の国食べ歩記特別編2 - 悪童屋 - 2007/02/22(Thu) 17:57:14 [No.457]
鍋の国食べ歩記特別編2(少し差し替え) - 悪童屋 - 2007/02/23(Fri) 14:58:55 [No.464]
鍋の国食べ歩記特別編 - 悪童屋 - 2007/02/21(Wed) 20:44:37 [No.450]
鍋の国食べ歩記 - 悪童屋 - 2007/02/20(Tue) 16:15:44 [No.444]
鍋の国食べ歩記1 - 悪童屋 - 2007/02/19(Mon) 17:31:43 [No.438]
SSとも呼べない何か(笑) - 炊事担当 - 2007/02/14(Wed) 04:52:42 [No.422]
作戦名:迷子の迷子の仔猫ちゃん - 藤崎 - 2007/02/12(Mon) 04:12:13 [No.412]
[削除] - - 2007/02/01(Thu) 04:51:56 [No.371]
たけのき城ラスト - 鍋村 藤崎 - 2007/02/16(Fri) 07:46:23 [No.426]
たけきの城4? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/06(Tue) 22:51:37 [No.392]
疾風たけきの城顛末記? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/03(Sat) 08:32:10 [No.380]
疾風たけきの城顛末記3? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/03(Sat) 08:28:51 [No.379]
疾風たけきの城顛末記2? - 鍋村 藤崎 - 2007/02/01(Thu) 22:01:02 [No.372]
Re: SS投入口 - ロンユウリュウ@長くなったからこっちに - 2007/01/24(Wed) 16:40:34 [No.296]
龍鍋日記 現状編 Y・A・G・A・M・I - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/25(Wed) 14:37:21 [No.710]
龍鍋日記? 疾風! 変装 たけきの城 - 龍……もとい鍋仮面(@ロン) - 2007/04/25(Wed) 14:15:18 [No.709]
偵察作戦どっちでも文(感覚編)(小笠原に投稿) - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 17:42:06 [No.658]
小笠原偵察戦SS(投下しました) - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 17:19:07 [No.656]
どうもですー。 - いわずみ@鍋谷いわずみ子 - 2007/04/12(Thu) 17:30:44 [No.657]
広島戦戦時SS(セリフチェック反映)投下しました - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/04/12(Thu) 16:49:15 [No.655]
チェックと追加 - 藤崎 - 2007/04/12(Thu) 18:17:38 [No.659]
龍鍋日記→番外編龍鍋秘密日記 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:25:29 [No.599]
龍鍋日記4+α - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:23:45 [No.598]
番外編 とある日龍鍋+クイクイの一日 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/16(Fri) 16:23:19 [No.597]
日記外伝 試作鍋の正体 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/14(Wed) 20:34:55 [No.595]
龍鍋日記3 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/03/13(Tue) 22:01:09 [No.592]
日記その2 - 龍鍋ユウ@ロン - 2007/02/28(Wed) 14:24:05 [No.482]
というわけで - 炊事担当 - 2007/01/22(Mon) 09:35:26 [No.294]




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