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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 見本SS - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2007/11/07(Wed) 23:03:24 [No.151]
アウトウェイ滅亡録 - 癖毛爆男 - 2008/07/05(Sat) 23:05:00 [No.303]
難民SS - 癖毛爆男 - 2008/06/20(Fri) 22:34:03 [No.295]
秘宝館 379 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/06/09(Mon) 13:44:09 [No.293]
NO379 本文 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/06/12(Thu) 21:59:50 [No.294]
アウトウェイ昔話 - 癖毛爆男 - 2008/06/06(Fri) 22:54:47 [No.286]
秘宝館 374 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/06/06(Fri) 02:40:24 [No.282]
本文 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/06/06(Fri) 02:40:38 [No.283]
Re: 本文 - 和子@リワマヒ国 - 2008/06/06(Fri) 08:59:44 [No.284]
秘宝館 No.334 - 癖毛爆男 - 2008/05/06(Tue) 20:40:21 [No.247]
本文 - 癖毛爆男 - 2008/05/06(Tue) 23:01:25 [No.248]
まさかこんな物を作る事になるとは・・・(汗 - 癖毛爆男 - 2008/04/19(Sat) 23:45:49 [No.226]
Wiki用の構文にしてみました。 - ちょっとおてつだい - 2008/05/03(Sat) 22:43:42 [No.244]
自分の国に関する下着のうんちく - 癖毛爆男 - 2008/04/19(Sat) 17:02:23 [No.225]
秘宝館 275 - 癖毛爆男 - 2008/03/27(Thu) 02:45:49 [No.221]
Re: 秘宝館 275 - 癖毛爆男 - 2008/03/29(Sat) 14:37:48 [No.222]
受注 No.217 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/02/16(Sat) 13:38:25 [No.210]
Re: 受注 No.217 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/02/16(Sat) 13:38:45 [No.211]
今日子ちゃんの外見について - みぽりん@神聖巫連盟 - 2008/02/08(Fri) 16:00:09 [No.207]
投稿用 - アウトウェイ文族 - 2008/01/16(Wed) 21:21:28 [No.184]
闘えゼンギョマン!(文春用) - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/01/31(Thu) 20:33:14 [No.202]
犬・男・出会い - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/01/30(Wed) 23:12:25 [No.201]
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アイドレス攻略文章 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/01/16(Wed) 21:21:55 [No.185]
依頼情報 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2007/12/28(Fri) 00:03:40 [No.168]
納品完了 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2007/12/29(Sat) 21:14:20 [No.174]
完成品 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2007/12/29(Sat) 21:10:50 [No.173]
依頼受注・代理投下 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2007/11/30(Fri) 23:48:16 [No.158]
希望場所とログ場所 - 空 - 2007/11/28(Wed) 20:38:55 [No.157]
発注・依頼NO.193 納品 - 癖毛爆男@アウトウェイ - 2008/02/03(Sun) 01:16:11 [No.206]


アウトウェイ昔話 (No.151 への返信) - 癖毛爆男

アウトウェイにも黒歴史という物がある。それは本来秘匿すべき情報ではない物だが、秘匿されている。

何故なら、あまりに壮絶で……そして、生き物の生に対する情念の固まりだったからだ。

*****

『記録を再生します。よろしいですか? ……再生します』

*****

「くそっ! くそ、くそ、くそっ!!」
「嫌だ! 嫌だ、嫌だ!! 死にたくない、死にたくない!!」
「俺は逃げる……逃げる、逃げるぞぉぉぉ!!」

「静まれ、静まりたまえ! 愚か者がっ!」

バン……と、乾いた音。続いてどさりと何かが倒れる音と、びちゃ、と『何か』が撒き散る音。

画面は砂嵐。それは映像記録ではなく音声記録のみのようだ。

一時の静寂……鳴り響く警告音。そして更なる大きな怒号、悲鳴、混乱、混乱、混乱……。

もう一度響くバン、という乾いた音。更に立て続けに三回。

「諸君……混乱せずに聞いてもらいたい……この都市船は……まもなく落ちる」

ビービーと騒音が響く中、静かな男の声が聞こえている。恐ろしいほど喧しい警告音と男の声。

「もはや墜落は免れることは不可能だ……もう一度言おう。この船は……落ちる」

その言葉を受け、静かだった場はまたもや混乱を発生させる。

「何でこんな事に……アンタが、アンタがしっかりしないから!」
「嫌だ……死にたくない、死にたくない……!」
「何で、何でこんな事に……!」
「ど、どうせ死ぬなら……どうせ死ぬなら、好きなことをやってから死にたい! くそ、嫌だ……このまま死ぬなんて、あんまりじゃないか!!」

バン、ともう一度銃声。そして、何かが魔散らされる音と倒れる音。

「……悪いが、もはや事態は一刻の猶予も許さない……諸君らには悪いが……この場で自身を制御出来ない物は殺させてもらう」

更なる警告音と小爆発の音。その中で男の声だけが響く。

「殺したいか? 憎いか? 好きにするが良い。殺すならば殺せ……だが、我々にしかできないことがある……それは、せめて本当の意味での全滅を免れることだ」

男の言葉にまたもや沈黙。そして、警告音が鳴り響く。

「その為になら……邪魔な存在は消させてもらう。もはや我々がどうにかしなければ、この船は本当の意味で全滅を迎えるのだ!」

まるで出来損ないの終末物のドラマのような台詞を吐く男。だが、その声が震えている。

「悪いが……もはや我々に未来はない。我々は死ぬ……死ぬしかない。だが、全員を道連れにするのは……貴様らの望むことか!」

「い、やだ……嫌だ……」

その震えは死への恐怖か、道連れへの恐怖か。ある男が呟く。

「お母さん……お父さん……っ」

女性の泣き声も聞こえる。それは全てを諦めたような口調。

始まりは小さな物だったが、嗚咽と悲鳴……それに鳴き声が延々と続く。

「……諸君、我らには恐怖を感じている暇すらない。立ち上がれ、立ち上がれ、立ち上がれ!」

その声に伴い、泣き声は全部が止まった訳じゃない。それでも、確かに小さくなった。

「……良いだろう、運命。これが貴様の……運命の仕業だというなら、私はその全てを否定してやろう」

男の声。何もかも捨て、ただ一つのことだけに集中した声。

「こんな……こんなのが世界だというなら、私はその全てを否定してやろう」

「衝突までの軌道・時間、計算終了しました」
「衝突予測完了……駄目です、このままじゃ……船体が崩壊して、全部……」

「諦めるな! まだだ……まだ終わらせるわけにはいかない……」

考える。考えろ……少しでも良い、少しでも衝突の衝撃を減らすことを考える。

「館内で暴動が発生……くそ、なんて有様だ……このままじゃ衝突の前に虐殺でみんな死んじまう!」
「被害状況は……ひ……こ、これが……これが人間の……知類のすること!?」

「……館内の警備レベルを緊急事態モードまで上げろ……やむをえん。不穏な行動を取った者は……殺せ」

「で、ですがそれでは……逃げ遅れた一般市民や……それに、火星原住民たちまで……」

「……構わん。それに彼らは元より居る地域がある程度限定されている。リスクは覚悟の上だ……やれ」

「は、はい……っ」

その瞬間、悲鳴が、怒号が、断末魔が。モニター越しの悲鳴が聞こえる。

「うぶ……うぶ、うぇ、え……え、えげ……っ」

「目を背けるな……これが私の選んだことだ。小を活かすために小すら殺す。だが、それでも……一人の男と女が生き残れば我々の勝ちだ」

しばらくして悲鳴と怒号、そして断末魔が途絶える。残ったのは嗚咽と……嘔吐の音、そして……何かを握りしめる音。

「着艦用の扉を開け。空気抵抗で軌道を変える」

「そ、そんな無茶な……その前に船体がバラバラに……」

「リスクは承知の上だと言っただろう! それにそれくらいで壊れるようでは海の中で耐え続けることなど不可能だったはずだ」

無茶苦茶な理屈を唱え、男が強行する。男は判っている。今バラバラになろうと、それは破滅が数分早まるだけだということを。

「良いから、やれ。少しでも軌道を変える事ができて、衝撃を和らげられるなら躊躇するな」

「は、はい……っ」

更に揺れる音。警告音が激しくなる。もはや警告音の中で、悲鳴と怒号のような叫びしか聞こえない。

「まだだ……まだ、まだだ……っ」

男の焦る声。もはや、他の人間が混乱に陥る中、その男だけが静かに、冷徹に、計算を続ける。

「……こうなれば……仕方ない」

「な、何を……え、さ、更に加速!? 何を考えてるんですか!!」
「まさか……このままあの星に突っ込んで……」

「違う……違う!」

船体が更に震える。だが、何かがおかしい。

「え……あ、ま、まさか……む、無茶ですよ! そんな、そんな事したら摩擦で!」
「か、角度が微妙に変わってます……こ、これって……ここが一番最初に……」

「そうだ、その分……居住区への衝撃は最終的に緩和されるはずだ!」

もはや生き残ることを考えていない発想。本当に小を活かすために、自分たちすら殺す発想。

それはある意味、存在の最後の切り札。捨て身である。

「そ、そこまで……そこまでして、本当に生き残れるんですか!?」

「知らん! だが、何もしないよりは良い……何もしないよりは良いはずだ!」

たとえそれが可能性上3%しか違わなくても、抗わずには居られない。運命などと言うくそったれに人生をめちゃくちゃにされた男の、最後の報復。

「これが愚考か、それとも最善の策だったのか、全ては後世の判断に任せれば良い。我々がするのは……その後世を残すことだろうが!」

「う、くぅ……くそ、あんな……あんな事がなければ……っ」

「嘆くな! 振り返っても今更意味はない……我々に未来はない。その悔しさも、教訓も、想いも……全て後世に託せ! そして、その後世を……未来を残すのだ!」

警告音が更に強くなる。衝撃音、船のきしむ音。もはや人の声は聞き取れないほどの破滅の音のみが鳴り響く。

その中で、最後のレコーダーが残した音がただ一つ……。

「さらばだ……生き残れよ、息子……っ」

男の……あまりにも平然とした声の次の瞬間、耳をつんざく衝撃音。何もかもをぐしゃぐしゃに混ぜて、こね合わせるような音。

そして。

*****

『再生を終了しました……再生を終了しました……再生を終了しました……』

*****

アウトウェイには伝えられる伝説がある。その日、空から巨大な『何か』が落ちた。
当時の先住民達にそれは理解不可能な物であり、それが大地を揺るがしたそれは神の怒りだと思われた。

それから数日、先住民達は戦々恐々とした日々を送るが……神の怒りが落ちた場所を覗きにいった物達が居た。

そこは凄惨としていた。この世の地獄だった。

「……おい、こっち……中に入れるみたいだぞ?」
「おい、止めておけって! ヤバイよ、これ……」
「おいおい、玉無しかよ……ほら、入ってみようぜ」

男数人が中に入っていく。中は更なる地獄、地獄、地獄。

「……ヤバイ、ヤバイって……これ、マジでヤバイよ……」
「……静かにしろ……何か聞こえないか……?」

先住民達はその土地柄、身体能力が非常に高かった。恐らく、その能力がなければ……彼らは見つけられなかっただろう。

「……人の声だ……おい、こっち、こっちだ!」
「ま、待てよ……くそ、おい、近くの村に助けを」

慌てる声と走る音。足音が壊れた世界で鳴り響き、そして……。

「だ、大丈夫……っ!?」

そこにいたのは女……ただ、衝突の衝撃で折れ曲がった何かに腹を貫通されている女。

「……こ……の……を……」

女は男を確認すると、その腕の中の大事な物を……その女にとっての宝物を。

「お願い……名前は…………」

「判った……確かに預かった……ゆっくり休め、母親よ」

言葉は通じ合ったのか判らない。だが、思いは通じ合った。男はその手に子供を抱き、女はようやく……安らかな顔で死を迎える。

「……お前の名前は後から決める……今は、他の人間の救助が先だ。我慢しろ」

赤ちゃんは泣きもしなかった。笑いもせず……ただ、母親を見ていた。

これが先住民達に伝えられたアウトウェイの始まりである。

二つの物語は一つの意味を持ち、そして、結果として一つの国家として成り立った。

様々な悲劇があった。様々な喜劇があった。それら一つ一つがドラマであり、生き方であり、そして、運命への抵抗だった。

……だというのに。

*****

「うわっ!? ちょ、ちょっとホラーは勘弁してくんないかなぁ……」

『歴史資料館にアンタは何を見に来たんだ!!』

藩王の一言に全員が突っ込んだ。

「い、いやだってさぁ、今更こんなの見せられても……ほら、現実もかなり厳しいし」

「……どうします、この情緒台無し男」
「ていうか、藩王としての自覚が……」
「わうーん(ぷりぷり)」
「とりあえず……ヤッチマイナー(キル・ビル風に)」

全てを台無しにした藩王へ襲いかかる幕僚。摂政空を筆頭に藩王のフルぼっこタイムが始まる……!!

(癖毛爆男の手記より


[No.286] 2008/06/06(Fri) 22:54:47

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