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No.666に関するツリー

   録音技術 - dd - 2005/05/15(Sun) 14:41:36 [No.666]
Re: 録音技術 - 牧野武彦(管理人) - 2005/05/16(Mon) 23:33:32 [No.672]
Re: 録音技術 - dd - 2005/05/18(Wed) 21:36:07 [No.673]
Re: 録音技術 - 牧野武彦(管理人) - 2005/05/19(Thu) 04:05:32 [No.675]
Re: 録音技術 - dd - 2005/05/23(Mon) 21:01:33 [No.682]
Re: 録音技術 - 牧野武彦(管理人) - 2005/05/24(Tue) 15:50:47 [No.684]
Re: 録音技術 - kickback - 2009/02/17(Tue) 03:41:44 [No.1400]
Re: 録音技術 - 牧野武彦(設置者) - 2009/02/20(Fri) 11:54:25 [No.1404]



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録音技術 (親記事) - dd

牧野先生

 前回は質問に答えていただきましてありがとうございました。
 今回の質問は、音声の録音方法に関してです。
 これから、ネイティブ音声を録音しようと思っているのですが、以前に遊び程度に録音して音声分析にかけたところ、pitchがほとんど抽出されませんでした。分析ソフトは「録聞見」というものです。一応Sugi Speech Analyzerもあります。
 このように、音声を録音する際に、注意すべき点、必要な録音機材等がございましたら、教えていただきたいと思います。パソコンに直接録音すべきなのか、別の媒体に録音してからパソコンに入れるのかなど、自分では理解できていません。
 お手数をおかけしまして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。


[No.666] 2005/05/15(Sun) 14:41:36
Re: 録音技術 (No.666への返信 / 1階層) - 牧野武彦(管理人)

ddさん

ピッチがほとんど抽出されなかったとのことですが、それはどんな文でしたか? 無声音は声帯振動がないため基本周波数がなく、ピッチはありません。ピッチを問題にしたいのなら、全て有声音の文にする必要があります。それも、破裂音(閉鎖音)、破擦音、摩擦音はたとえ有声であっても避けるべきです。破裂の瞬間や摩擦によって基本周波数が影響を受けてしまうからです。

分析ソフトに関しては、既に持っているものが使いこなせているのであれば問題ないでしょう。ただ、論文にグラフを貼り付けるような事もあるでしょうから、画像をファイルで出力できるものの方が望ましいとは思います。もちろん、Alt+PrintScreenでBMP形式でクリップボードに入れて、ペイントに貼り付けて大きさを変えたりして GIF に出力すればどんなソフトでもグラフを貼り付けられますが、スマートでないです。

僕が WaveSurfer を使っているのは、.ps 形式で出力できて(他の形式は不可能ですが)、グラフィックソフトで自由に加工できるからです。

録音機材ですが、PCに直接、というのが一番簡単ですよね。もっとも、Windowsに付属のサウンドレコーダーは1回の録音時間が短いので、Adobe Audition などの音声編集ソフトを使うか、音声分析ソフト自身で録音ということになるでしょう。

なお、PCに普通に入っているサウンドカードのアナログ/デジタル変換器はあまり性能が高くないので、別に高性能なものを使うべきだと、マルチスピーチという有名な音声分析ソフトのメーカーのWebサイトには書いてありました。

別の機器を使って録音するという方法は、このA/D変換の観点から見て好ましいように思います。あと、大量に録音したい場合も、PCだとその度にファイル名を付けたりして結構煩わしいですね。専用機器だとその面も楽です。

下のスレッド(No.450-)で紹介した、マランツのPMD670が、このジャンルでは一番しっかりしていると思います。但し10万円します。あと、プロ仕様のため、外部マイクの接続端子がかなり特殊です。(内蔵マイクはついてますが、これでは無響室での録音に難があります。)

ソニーの Hi-MDウォークマンには、マイク録音のできる機種があります。従来のMDと違って、非圧縮のCDクオリティでの録音が可能で、.WAVファイルとしてPCに取り込むこともできるので、安さを求めるならこれでしょう。(小さすぎてちょっと操作がしにくいですが。)

もっとも、音声の分析にはCDのサンプリング周波数44.1kHzというのはオーバースペックで、22.05Hzとか、16kHz あたりで十分です(音声分析ソフトは録音のデフォルトが16kHzになっているのが多いです)。PMD670はこれを最初から設定して録音できるのが良さです。Hi-MDウォークマンだと、PCに取り込んでから編集ソフトか分析ソフトでダウンサンプルする必要が生じます。

とりあえずこんなところでしょうか。


[No.672] 2005/05/16(Mon) 23:33:32
Re: 録音技術 (No.672への返信 / 2階層) - dd

牧野先生

 ご説明ありがとうございます。

 ピッチが出なかったのは、5 wordsくらいの短文でした。ラディフォギッドの本を読んでいましたので、無声音の影響は理解できていたのですが、そもそもピッチが全く出ていませんでした(録聞見にて。下にも書きましたが、Sugi Speech Analyzerでは今日出せるようになりました。)。たぶんマイクの性能が良くなかったのでしょうか。

 教えていただきましたマランツのPMD670ですが、やはり金銭的に買えそうにありません…。MDウォークマンの方を今度見に行ってみようと思います。MD以外に、ICレコーダーを用いるのはどうでしょうか?小さくて便利だと聞いたことがあるのですが、音声分析の道具として適切なのかどうかを教えていただきたいと思います。

 Sugi Speech Analyzerのサンプリング周波数のデフォルトは先生のおっしゃるとおり16kHzでした。今日、手探りで録音をいじっていたところ、手持ちのマイクでは、ピッチは出るようにまでなりましたが、波形の方があまりとれていなかったので、マイクとサンプリング周波数の調整が必要なのかなと自分では考えております。

 ICレコーダーと、マイクに関して何かご助言いただければとお思います。

 よろしくお願いいたします。


[No.673] 2005/05/18(Wed) 21:36:07
Re: 録音技術 (No.673への返信 / 3階層) - 牧野武彦(管理人)

ddさん、

波形が出ないというのは、録音レベルが低すぎるからではないでしょうか? 僕自身、ノートPCで時々学生の発音を録りますが、録音のプロパティでマイク入力のレベルを最大にしても非常に小さな音でしか録音できず、メニューをよく見たら、「トーン調整」というおよそボリュームには関係なさそうなところに「マイクブースト」というオプションがあって、それをONにしてやっとまともなレベルで録音できたことがあります。

あと、マイクは基本的に電池を入れて電源を入れて使うようになっていますが、最近のものはそれとは別にプラグインパワー(自前の電源ではなく、プラグを挿した先から電源をもらってくる)に対応しているものが多いです。それで、PCの方のマイクジャックがプラグインパワーに対応している場合だと、電池よりもプラグインパワーを使った方が高いレベルで録音できます。

ICレコーダーは使ったことがないのではっきりしたことは言えませんが、ファイル形式が .mp3 とか .wma のような非可逆圧縮になっているのが普通のはずです。これが、音声分析に関して問題となる可能性があります。

PCM録音におけるサンプリング周波数というのは、どの程度の周波数までを記録できるかを決めるもので、16kHzなら8000Hzまで、44.1kHzなら22050Hzまでです。(人間が聞くことのできる上限は約20000Hz。)音声分析ソフトのサンプリング周波数のデフォルトが16kHzになっているのは、言語音の区別に使われている周波数がおよそ8000Hzまでだからです。

.mp3 や .wma のような非可逆圧縮というのは、音響心理学的に必要ないとされる情報を、こうしたPCM形式のファイルから取り去る事でデータ量を小さくしているわけです。どのようなやり方をしているのか分かりませんが、可能性としては、8000Hzよりも下の周波数成分も取り去ってしまっているかも知れません。それが懸念材料なわけです。

もっとも、たった今音声学者のメーリングリストで届いたのですが、.mp3でビットレート56kbps(ファイルの大きさはCDの7%程度という凄い圧縮率です)のファイルを音声分析ソフトにかけたところ、12000Hz以上の部分が全く消えているという以外には大差ないということでした。画像を僕の目で見ても、確かにほとんど違いは見えません。そう考えると、ICレコーダーも存外捨てたものではないのかも知れません。

それは別にして、ソニーの Hi-MDウォークマンは、USB経由でPCの外付けドライブとしても使うことができるという利点があります。Hi-MDディスクなら1GB、普通のMDディスクでも300MB。ICレコーダーのフラッシュメモリには寿命がありますから、研究とは別の、そういうところも考えた方が良いと思います。


[No.675] 2005/05/19(Thu) 04:05:32
Re: 録音技術 (No.675への返信 / 4階層) - dd

牧野先生

 お礼を申し上げるのが遅くなりまして申し訳ありません。

 先生に教えていただいた通り、トーン調整からMIC Boostをオンにしましたところ、かなり普通に録音することが出来ました。ただ、ブーという雑音が入っていますので、もしかしたら、USBを経由したら、もっときちんと録音できるのかなと思ったのですがどうでしょうか。

 録音媒体を通す場合はやはり、MDがよいのかなと考えています。もう少しお金をためてからになりそうですが…。

 


[No.682] 2005/05/23(Mon) 21:01:33
Re: 録音技術 (No.682への返信 / 5階層) - 牧野武彦(管理人)

PCは電磁波を発しています。PCのマイクジャックに直にマイクを接続すると、その電磁波を拾いやすくなり、アナログ信号はそういうものにまともに影響を受けますから、それが雑音の原因なのかも知れません。

そのほか、排熱ファンやハードディスクの音も無視できません。

USB経由というのは、USBマイク、あるいはマイク端子付きのUSBサウンドアダプタのことですね。その方が確実に、電磁波の影響は弱めることが出来るでしょう。

これを選ぶときは、対応しているサンプリング周波数に注意しましょう。安いものだと48kHz固定なんてのもありますから。できれば可変のものの方が後の手間がかかりません。
(もっとも、16kHzにダウンサンプルするには、48kHzの方が整数倍ですから処理が単純で、CD音質の44.1kHzより音質劣化の恐れは少ないんですけどね。)


[No.684] 2005/05/24(Tue) 15:50:47
Re: 録音技術 (No.684への返信 / 6階層) - kickback

音声学に関しては詳しくないので、恐縮ですが、録音について少し分かることを申し上げます。

管理人様がおっしゃる通り、ノートPCのマイク端子は雑音の嵐です。まじめな実験にはおススメできません。USBやiLink接続のオーディオインターフェースをかませるのも一つの手ですが、録音環境内にノートPCがある限り、ファンやHDDの回転音などの騒音の影響を受けることには変わりません。

リアルタイムである必要がないなら、録音専用機をおススメします。音楽で使うMTRなどはいかがですか?最近は駆動部分がないソリッドステートの物が増えてきました。これだとほぼ機器ノイズがないので、録音環境をかなりクリーンにできます。そしてできればバッテリー駆動できるものがいいです。外部電源は音質劣化につながりますので。録音データはUSB等で簡単にPCに転送できます。

あと声を録音するのならマイクはコンデンサータイプを選びましょう。ダイナミックマイクは中域以外はばっさり落ちてしまうので正確なデータが得られません。その中でもなるべくフラットな特性(オーテク AT4040など)のものがいいと思います。MTR購入の際はXLR入力がついていることとファントム電源が供給できることを確認してください。

MarantzのPMD660ですが、いろいろと問題が多いという報告があり、あまりおススメできません。
http://classicrec.samplitude.info/log/log186.htm
フィールドレコーダーでしたら、Edirol R-44などある程度定評のあるものを選んだ方が無難です。以上参考になれば幸いです。


[No.1400] 2009/02/17(Tue) 03:41:44
Re: 録音技術 (No.1400への返信 / 7階層) - 牧野武彦(設置者)

kickbackさん、いらっしゃいませ。古いスレッドにコメントをありがとうございました。これまでの最終コメントが2005年ですから、こういう話題については、状況が結構変わっていますね。

MTRって何?と思ったのですが、Multitrack Recorder のことなんですね。トラック数に応じた重ね録りが可能、という部分は音声学には必要ないですが、Zoom社の H4 http://www.zoom.co.jp/japanese/products/h4/ あたり、手軽で良さそうだなと感じました。

PMD670と Hi-MDの MZ-NH1 を所有していた僕ですが、PMDは教室内で発音テストをする時に内蔵マイクで録音、という使い方をするにとどまりました。

Hi-MD の方は、小さすぎて操作しにくいので結局使いませんでした。もっとも、Hi-MD搭載ミニコンポを買って、家の中で一日中音楽をかけっぱなしという用途には使っています。しかし、それだけの用途なら録再機能のついたウォークマンタイプのものは必要ないと気づいて、PCのドライブ&音楽転送に絞った DS-HMD1 を購入、電源が別に必要な MZ-NH1 の方はしまい込んでしまいました。

しかし、それ以上に、Hi-MD というメディアそのものが普及することなく衰退への道を歩んでいることが問題ですね。ソニーも、今売っている MZ-RH1 を最終モデルにしてしまいそうな雰囲気です。個人的には、ボタン類が大きくて使いやすく、内蔵マイク・スピーカーのある MZ-B100 の Hi-MD版を待っていたのですが…。いずれにせよ、今や人に勧められるものではないでしょう。(僕自身は、最初にMZ-NH1をもらった時に一緒にもらった空メディアが何十枚もあるので、機械が壊れない限り死ぬまで使い続けられるのではないかと思いますが。)

去年になって、最近は、ポータブルのメモリレコーダーにリニアPCMのものがいくつも出ているのに気づき、オリンパスの LS-10 http://olympus-imaging.jp/product/audio/ls10/index.html を購入しました。音声学にサンプリング周波数96kHzなんてスペックは当然必要ないのですが、値段的にも機能的にも十分ですからね。メモリーカード(SD, SDHC)も、今や馬鹿馬鹿しいほど値段が安くなっていますし。

だから、今なら録音用途にはこの種のリニアPCMメモリレコーダーがお薦めということになるんでしょうね。MTRも要らない機能がたくさんついていますが同じようにOKでしょう。

(ただ僕の場合、LS-10 を買ってはみたものの、実際に音声学の研究にこれを使うかどうかは不透明です。これは、少なくとも今の僕の研究スタイルが、自前で録音するよりも、既存の音声データベースを利用するという方向性になっているからです。)


[No.1404] 2009/02/20(Fri) 11:54:25
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