[ リストに戻る ]
No.117に関するツリー

   お父さん - 詠み人知らず - 2008/09/24(Wed) 01:54:14 [No.117]
Re: お父さん - 詩保 - 2008/09/25(Thu) 13:07:06 [No.118]



並べ替え: [ ツリー順に表示 | 投稿順に表示 ]
お父さん (親記事) - 詠み人知らず

母はよく喋る陽気な人だ
ガーデニングが好きで本好で
よく僕たちを笑わせてくれた
そして母もよく笑っていた
涙なんて見せたことのなかった母が
その日は泣いていた
母はお父さんの遺影に向かっていつまでもいつまでも泣いていた
僕が呆然と立ち尽くしていると
君は母にハンカチを差し出したね
そんな君を見て僕は
もしかしたら君は僕のお父さんなのかもしれないと思った
僕はお父さんを写真でしか見たことないが
君が三歳の時に死んだのはよく覚えている
僕は棺桶を指差して「あ!、お父さんだ!」と言ったらしい
普段無口な父方の祖父はよくその話をする
無口な祖父は僕のお父さんなのかもしれない
担任の先生は女手ひとつで僕を育てている母を心配してよく家に来てくれた
先生は「お母さんをしっかり支えるんだぞ」と僕に言った
先生は僕のお父さんになるかもしれない
君の弟はよく仮面ライダーごっこをしていた
君の弟は僕のお父さんかもしれない
僕のお父さんは一体どこに行ってしまったのだろう
通学時にいつも通る信号の側に立っている人形は
お父さんなのかもしれないお父さんは交通安全を呼び掛けていた人だった
いつも学校帰りに信号の側に立って生徒を見守っている老人は
間違いなく僕のお父さんだ僕はその老人に「お父さん」っと言った
すると老人はさめざめと泣き出した
交通事故で息子を亡くしたそうだ
玄関に飾ってあるサボテンは僕のお父さんなのかもしれない
僕のお父さんは髪の毛が少なかったそうだ
母はそんなお父さんを愛していた、きっといい人だったのだろう
僕は包丁でサボテンを二つに裂いてみた
きっと、いい人は水分を蓄えている
お父さんはいい人が故に何かを溜めていたに 違いない
なぜ交通安全を呼び掛けていたお父さんが飲酒運転をしたのだろう
僕の遺伝子は半分お父さんの遺伝子
だからお父さんはいつも半分僕の中にいる
だから、僕は僕のお父さんなのかもしれない


[No.117] 2008/09/24(Wed) 01:54:14
Re: お父さん (No.117への返信 / 1階層) - 詩保

写真でしか父をしらないせいなのか、いろんなところで”父”を見つけていく子供がかなしいやら面白いやら。

[No.118] 2008/09/25(Thu) 13:07:06
以下のフォームから投稿済みの記事の編集・削除が行えます


- HOME - お知らせ(3/8) - 新着記事 - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - 環境設定 -

Rocket Board Type-T (Free) Rocket BBS