たけきの藩国BBS２

SPイベント第３＆４用スレ - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/21(Sat) 15:31:14 [No.2302]

└

爆龍戦隊作戦スレ - 砂神時雨 - 2007/07/28(Sat) 09:38:26 [No.2372]

└

ＵＲＬ作ったよ。どんどん追記するよー - 砂神時雨 - 2007/07/28(Sat) 16:14:28 [No.2379]

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龍拳戦隊集合絵 - コダマゆみ - 2007/07/28(Sat) 15:20:38 [No.2378]

└

龍拳戦隊発足ＳＳ - ひわみ - 2007/07/28(Sat) 13:17:37 [No.2374]

└

龍拳戦隊合体必殺技ＳＳ - ひわみ - 2007/07/28(Sat) 15:17:57 [No.2377]

└

Re: 龍拳戦隊発足ＳＳ - コダマゆみ - 2007/07/28(Sat) 13:26:56 [No.2375]

└

Re: 龍拳戦隊発足ＳＳ - ひわみ - 2007/07/28(Sat) 13:34:51 [No.2376]

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褌対策用作戦案 - でいだらのっぽ - 2007/07/28(Sat) 09:17:38 [No.2371]

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ふわふわ隊　作戦　イラスト　RP　SS募集。 - 二郎真君 - 2007/07/28(Sat) 09:09:29 [No.2370]

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Re: ふわふわ隊　作戦とか考えた。 - 梅本 - 2007/07/28(Sat) 22:11:39 [No.2381]

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Re: ふわふわ隊の人へ - ていわい - 2007/07/28(Sat) 12:18:11 [No.2373]

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警備用作戦２ - でいだらのっぽ - 2007/07/28(Sat) 09:05:53 [No.2369]

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ついでに警備用作戦１ - でいだらのっぽ - 2007/07/28(Sat) 08:56:28 [No.2368]

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芥辺境藩国『双海護衛小隊第２部隊コトラ空戦型(対空�... - でいだらのっぽ - 2007/07/28(Sat) 08:34:24 [No.2367]

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龍拳戦隊ドラゴレンジャー！隊員募集 - ひわみ - 2007/07/25(Wed) 23:20:43 [No.2339]

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テンダイスエントリー文 - 砂神時雨 - 2007/07/26(Thu) 22:55:59 [No.2357]

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「拳に宿る龍の魂。龍拳戦隊ドラゴレンジャー！」（名... - ひわみ - 2007/07/26(Thu) 12:54:08 [No.2354]

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Re: 龍拳戦隊ドラゴレンジャー！隊員募集 - コダマゆみ - 2007/07/26(Thu) 01:54:56 [No.2350]

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Re: 龍拳戦隊ドラゴレンジャー！隊員募集 - こんこ - 2007/07/25(Wed) 23:46:35 [No.2344]

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Re: 龍拳戦隊ドラゴレンジャー！隊員募集 - ＴＡＫＡ - 2007/07/25(Wed) 23:40:19 [No.2343]

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愛でる会より移植 - 砂神時雨 - 2007/07/25(Wed) 23:27:02 [No.2341]

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警護：ふわふわ守護隊　エントリー文 - 二郎真君 - 2007/07/25(Wed) 20:35:35 [No.2337]

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Re: 警護：5人組希望者募集　行く所は相談 - 梅本 - 2007/07/26(Thu) 08:19:03 [No.2353]

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Re: 警護：「はずれ？（罠っぽい）」組希望者募集 - 霞月 - 2007/07/25(Wed) 23:12:09 [No.2338]

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クインテットについてー - たけきのこ＠はんおう - 2007/07/25(Wed) 13:33:33 [No.2333]

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黒オーマの筋肉を愛でる会（仮） - 砂神時雨 - 2007/07/25(Wed) 08:10:44 [No.2329]

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愛でる会→ドラゴレンジャーで移植ー - 砂神時雨 - 2007/07/25(Wed) 23:25:32 [No.2340]

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Re: 黒オーマの筋肉を愛でる会（仮） - コダマゆみ - 2007/07/25(Wed) 13:32:31 [No.2332]

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うーん - りあらりん - 2007/07/24(Tue) 23:07:17 [No.2326]

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リアルタイムゲームなのかorz　ついでに不在連絡 - りあらりん - 2007/07/26(Thu) 21:17:29 [No.2355]

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お見合い作戦、SS、イラスト募集します。 - りあらりん - 2007/07/25(Wed) 01:17:42 [No.2327]

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スケジュールとお願い - りあらりん - 2007/07/25(Wed) 16:44:37 [No.2334]

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添削と助言みたいなもの？ - 二郎真君 - 2007/07/25(Wed) 20:28:56 [No.2336]

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ありがとうございます - りあらりん - 2007/07/26(Thu) 01:14:20 [No.2347]

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編成案（添削願います） - りあらりん - 2007/07/25(Wed) 16:47:59 [No.2335]

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犬士１１匹お借りします - りあらりん - 2007/07/26(Thu) 01:24:39 [No.2348]

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どうぞー - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/26(Thu) 05:27:45 [No.2351]

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ぼうがいめんばーもひろってみたよ - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/24(Tue) 09:05:27 [No.2322]

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緑メンバーの見合いを阻止し隊 - 竹戸初 - 2007/07/26(Thu) 22:28:12 [No.2356]

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駄文ＳＳ：決意篇 - 竹戸初 - 2007/07/28(Sat) 05:13:30 [No.2365]

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駄文ＳＳ：脱獄篇 - 竹戸初 - 2007/07/28(Sat) 05:20:45 [No.2366]

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やみがふかければふかいほど（意味無し） - 二郎真君 - 2007/07/24(Tue) 21:39:19 [No.2324]

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護衛メンバーひらってきました - 砂神時雨 - 2007/07/23(Mon) 17:43:29 [No.2315]

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お二人ともありがとうー - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/23(Mon) 21:50:06 [No.2317]

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提出版 - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/23(Mon) 22:08:32 [No.2318]

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砂神さん　多謝 - 二郎真君 - 2007/07/23(Mon) 20:24:28 [No.2316]

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エントリ用資料 - たけきのこ＠藩王 - 2007/07/21(Sat) 15:34:11 [No.2303]

駄文ＳＳ：脱獄篇 (No.2365 への返信) - 竹戸初

　本来、大人げの無い妨害などするつもりはなかった。第一、現在の彼は、たけきの藩国の伝説的存在「更正施設」に収監中。
　我が国の【名物】とも言うべき御歴々が幾度も投獄され、脱獄を試みるも果たせなかった難攻不落の施設。

　が、今回は出ざるを得ぬ。
　問題は、プリズンブレイクの手段。

　昼間の就労中に脱走するのであれば、容易い。
　もしくは、計略を用いて脱獄する手段も幾つか考えた。
　
　結果、何れも却下。
　理由、信義に悖る。どのみち、脱獄して妨害組に加わる以上は信義に悖る行為であるが、毒を食らわば皿までと開き直るには、彼は小心臆病で小物すぎた。

　為らば、困難な手段であるが身体能力を活用して脱獄するしか術は無い。

　たけきの藩国、更正施設。深更。

　寝台に身を横たえていた竹戸初は、すっと眼を開いた。両の手足には、人力は愚かサイボーグのＩＤを着用していても外せないであろう拘束具の鎖と鉄球。無論、龍の使いのＩＤでも、引き千切る事は不可能な強度である。
　彼は、すっと身体から力を抜いた。
　それだけで、手品のように手足の拘束具が抜け落ちる。
　原理は簡単で、拘束具のサイズが手足よりも大きかったのだ。
　別に、施設の誰かを買収した訳では無い。
　彼は拳法家である。筋肉は伸縮自在の柔らかさと靱かさを有する。見せる筋肉のように常時、隆々としている訳では無い。必要な時、力を込めれば倍近く膨れる瞬発力を有しているが、平素は細く瘠せているぐらいだ。

　今回、彼はそれを手品の種とした。
　単に、拘束具を着ける時に周囲に気取られないよう、さり気なく手足の筋肉を緊張させて、イザとなれば容易く外せるように倍ちかいサイズのものを着用させたのだ。別にその時から脱獄するつもりだった訳では無い。ただ拳法家として、そして幾つもの戦を経験した者として、一朝有事への備えとして無意識に我が身の自由を確保していたまでだ。

　手早く、枕元に昼のうちに書き綴った置手紙を置く。

　幸い、初犯である彼の房は鉄格子。しかも、格子の幅は彼の頭の幅より少し広い。
（よっし！）
　短く気合をかけ、肩の関節を外す。自身の呼吸、内臓の収縮と全身の血流をも意思の管制下に置く。自律神経でさえ、ヨガの導者や兵法家は意思の力で支配する。彼もまた、たけきの藩国の拳法家だった。
（まるで忍者だ♪）
　苦笑しつつ、蛇のように頭を格子に通す。次いで、肩の関節を外して身体を潜らせる。
（今、見つかったら最後だな）
　殆ど身体を脱したところで、あえて腰骨の部分でひっかかって見せる。

　程なく、靴音が近づいて来る。
（そら、来た！）
　彼の期待通り、三人の看守が駆けつけて来た。

「そこまでだ！」
　間仕切りの格子戸が開けられ、二名が彼に近づいてきた。一人は規則通り、格子戸の外で待機し、元通りに施錠する。
「どうやって拘束具を外した！」
「莫迦な事を。こんな事さえしなければ、恩赦だって出たろうに……。」
　口々に感想を漏らしつつ、格子に引っ掛った間抜けな囚人に近づく看守。
「おとなしくしろよ。」
　一人が、引っ掛っている囚人に手をかけた瞬間、おとなしかった囚人が右手を突き出した。
　軽く突いただけに見えて、看守が吹っ飛ぶ。
「貴様！」
　もう一人が警棒を振り上げる瞬間、囚人はスルリと格子から抜け落ち、廊下に出てきた。
「この！」
　打ち掛かる警棒を蜘蛛が這い遁れるように避けて、囚人はチョコマカと逃げ回る。時折、反撃に出ようとするが流石に丸腰なので、看守の警棒と蹴りに防戦一方となっていた。
「くっ！　今いくぞ！」
　見かねて格子の外で待機していた一人も参戦すべく、鍵を開けて扉を潜った。本来であれば、手に余る囚人は無力化ガスで眠らせるのが規則であるが、今にも制圧されそうな囚人への侮りが、彼に本来の規則よりも独断専行を選択させたのだ。

（よっし！　掛かった！）
　三人目の看守が格子戸を開けた瞬間、竹戸は反撃に出た。
　今一歩まで彼を追い詰めていた筈の看守が、呆気なく昏倒させられる。そのまま、一足飛びに格子戸まで間合いを詰める。
「御免！」
　本心から謝罪しながら、今まさに格子戸を開けて中に入ろうとした三人目の看守を、鳩尾への拳で沈黙させる。
（これで、今度こそ極刑かも。）
　内心、慄然としている。今更ながら、自分のやった事に恐怖していた。
　けたたましく鳴り響く警報音。どうやら、中央管制の誰かがモニター越しの兇行に警報を鳴らしたらしい。その音が、彼の迷いを払底した。
（さぁ、後は一瀉千里だ！）
　開き直った小心者らしい笑みを口元に浮かべ、竹戸初は廊下を走り始めた。

[No.2366] 2007/07/28(Sat) 05:20:45

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> 　本来、大人げの無い妨害などするつもりはなかった。第一、現在の彼は、たけきの藩国の伝説的存在「更正施設」に収監中。 
> 　我が国の【名物】とも言うべき御歴々が幾度も投獄され、脱獄を試みるも果たせなかった難攻不落の施設。 
> 
> 　が、今回は出ざるを得ぬ。 
> 　問題は、プリズンブレイクの手段。 
> 
> 　昼間の就労中に脱走するのであれば、容易い。 
> 　もしくは、計略を用いて脱獄する手段も幾つか考えた。 
> 　 
> 　結果、何れも却下。 
> 　理由、信義に悖る。どのみち、脱獄して妨害組に加わる以上は信義に悖る行為であるが、毒を食らわば皿までと開き直るには、彼は小心臆病で小物すぎた。 
> 
> 　為らば、困難な手段であるが身体能力を活用して脱獄するしか術は無い。 
> 
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> 
> 　たけきの藩国、更正施設。深更。 
> 
> 　寝台に身を横たえていた竹戸 初は、すっと眼を開いた。両の手足には、人力は愚かサイボーグのＩＤを着用していても外せないであろう拘束具の鎖と鉄球。無論、龍の使いのＩＤでも、引き千切る事は不可能な強度である。 
> 　彼は、すっと身体から力を抜いた。 
> 　それだけで、手品のように手足の拘束具が抜け落ちる。 
> 　原理は簡単で、拘束具のサイズが手足よりも大きかったのだ。 
> 　別に、施設の誰かを買収した訳では無い。 
> 　彼は拳法家である。筋肉は伸縮自在の柔らかさと靱かさを有する。見せる筋肉のように常時、隆々としている訳では無い。必要な時、力を込めれば倍近く膨れる瞬発力を有しているが、平素は細く瘠せているぐらいだ。 
> 
> 　今回、彼はそれを手品の種とした。 
> 　単に、拘束具を着ける時に周囲に気取られないよう、さり気なく手足の筋肉を緊張させて、イザとなれば容易く外せるように倍ちかいサイズのものを着用させたのだ。別にその時から脱獄するつもりだった訳では無い。ただ拳法家として、そして幾つもの戦を経験した者として、一朝有事への備えとして無意識に我が身の自由を確保していたまでだ。 
> 
> 　手早く、枕元に昼のうちに書き綴った置手紙を置く。 
> 
> 　幸い、初犯である彼の房は鉄格子。しかも、格子の幅は彼の頭の幅より少し広い。 
> （よっし！） 
> 　短く気合をかけ、肩の関節を外す。自身の呼吸、内臓の収縮と全身の血流をも意思の管制下に置く。自律神経でさえ、ヨガの導者や兵法家は意思の力で支配する。彼もまた、たけきの藩国の拳法家だった。 
> （まるで忍者だ♪） 
> 　苦笑しつつ、蛇のように頭を格子に通す。次いで、肩の関節を外して身体を潜らせる。 
> （今、見つかったら最後だな） 
> 　殆ど身体を脱したところで、あえて腰骨の部分でひっかかって見せる。 
> 
> 　程なく、靴音が近づいて来る。 
> （そら、来た！） 
> 　彼の期待通り、三人の看守が駆けつけて来た。 
> 
> 「そこまでだ！」 
> 　間仕切りの格子戸が開けられ、二名が彼に近づいてきた。一人は規則通り、格子戸の外で待機し、元通りに施錠する。 
> 「どうやって拘束具を外した！」 
> 「莫迦な事を。こんな事さえしなければ、恩赦だって出たろうに……。」 
> 　口々に感想を漏らしつつ、格子に引っ掛った間抜けな囚人に近づく看守。 
> 「おとなしくしろよ。」 
> 　一人が、引っ掛っている囚人に手をかけた瞬間、おとなしかった囚人が右手を突き出した。 
> 　軽く突いただけに見えて、看守が吹っ飛ぶ。 
> 「貴様！」 
> 　もう一人が警棒を振り上げる瞬間、囚人はスルリと格子から抜け落ち、廊下に出てきた。 
> 「この！」 
> 　打ち掛かる警棒を蜘蛛が這い遁れるように避けて、囚人はチョコマカと逃げ回る。時折、反撃に出ようとするが流石に丸腰なので、看守の警棒と蹴りに防戦一方となっていた。 
> 「くっ！　今いくぞ！」 
> 　見かねて格子の外で待機していた一人も参戦すべく、鍵を開けて扉を潜った。本来であれば、手に余る囚人は無力化ガスで眠らせるのが規則であるが、今にも制圧されそうな囚人への侮りが、彼に本来の規則よりも独断専行を選択させたのだ。 
> 
> （よっし！　掛かった！） 
> 　三人目の看守が格子戸を開けた瞬間、竹戸は反撃に出た。 
> 　今一歩まで彼を追い詰めていた筈の看守が、呆気なく昏倒させられる。そのまま、一足飛びに格子戸まで間合いを詰める。 
> 「御免！」 
> 　本心から謝罪しながら、今まさに格子戸を開けて中に入ろうとした三人目の看守を、鳩尾への拳で沈黙させる。 
> （これで、今度こそ極刑かも。） 
> 　内心、慄然としている。今更ながら、自分のやった事に恐怖していた。 
> 　けたたましく鳴り響く警報音。どうやら、中央管制の誰かがモニター越しの兇行に警報を鳴らしたらしい。その音が、彼の迷いを払底した。 
> （さぁ、後は一瀉千里だ！） 
> 　開き直った小心者らしい笑みを口元に浮かべ、竹戸 初は廊下を走り始めた。

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