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タイトル作成 - むつき - 2010/07/05(Mon) 15:28:02 [No.6776]
その他いらすと - むつき - 2010/07/08(Thu) 15:53:48 [No.6801]
各SSイメージイラスト - むつき - 2010/07/07(Wed) 15:18:36 [No.6788]
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風呂・2 (No.6785 への返信) - 城 華一郎

何しろ疲れた。

国元が戦場になり、日常という日常が破壊し尽くされ、
それがもう、1年ばかりも続いたのだから、
やっと解放された故国に思うことは、誰もが、その、一言に尽きた。

砂塵舞う光景に、荒涼を覚えても、だから、それは仕方ない。

住まう者を持たぬ家たちは、荒れ、
整備されぬ街並みは、戦災の傷跡も生々しく、破壊という大巨人の足跡で、
平らかに、平等に、等しく、砕き上げられている。

「ひっでえなあ。なあ?」

メイが傍らで、身も蓋もなく口にした感慨に、
アウ=ルは、再び胸を切り裂かれた心地になった。

藩都大学、建築学科。前々年度・首席。
前年度の首席は、いない。戦争の最中にも学業を続けられるほど、
この国は、武闘派でもなければ、肉体派でも、ないのだ。

苦々しい面持ちになる。

高位の建築士としてアウ=ルが就職するはずだった会社は、
もう、営業していない。主だった社員たちが、国外に避難したまま、戻らないからだ。
去年、勇んで作った名刺に踊る、自分の名前についた、デザイナーとしての肩書きが、
アウ=ルには、とても虚しい。

だから、メイから、デザイナー、デザイナーと呼ばれるたびに、
身が縮む。

何故、俺なんだ。

早速測量を開始したメイの、かがんでまで、デカく、太い尻を、
見つめながら、思う。

避難先で会社を立ち上げるからと、戦時指定解除の報に、
国元へと戻ろうとしたアウ=ルを、同僚となるはずだったみんなは、
一様に引き止めた。

ある社員は、アウ=ルに、こうも説いた。

「これが商売なんだ。
 生きるために、やっているんだ。
 今、レンジャー連邦に戻ったって、まともな仕事なんか、当分来ない。
 僕たちだけじゃない、みんなそうさ。
 だから、戻るな、アウくん。ここにいよう。な?」

鳴り物入りの新人デザイナーとしての、厚遇を蹴ってまで、
アウ=ルが帰ってきたのは、ただ単純に、もう一度、見たかったからだ。
生まれ育ち、慣れ親しんだ、故郷というものを、見たかったからだ。

その時も、今と同じ光景が、目の中に、
胸の中に、イヤというほど、ぐりぐりと押し込まれて来て、
とても、痛かった。

何の虚栄か、よすがにしたか、
懐に仕舞い込んでいた名刺を破り捨てたのは、その時だ。
そして、破る途中で投げ捨てた名刺を、
今、瓦礫を拾い上げた手つきと同じように拾ったのも、
やはり、同じ、メイだった。

『これ以上、汚すんじゃあねえよ』

どうせ一緒だろうと反駁しかけた口が、その後に続いた言葉で、
閉ざされた。

『誇りまで、汚すこたあねえ。
 まだ、まっさらじゃねえか、この名刺はよ』

来い。
そう、有無を言わさず襟首をつかまれて、引きずられるままに見知らぬ男の事務所に泊まったのが、
昨晩のことである。

雑草の茶を、雑穀のかゆにぶち込んだ、粗末なメシを食わされ、
今朝、やっと互いに名乗りを終えたばかりの間柄だ。
それが何故、国の復興などというデカい話に駆り出されることになったのか。

そうこうアウ=ルが追想している間にも、
メイは、手際よく測量を終えると、大きく頷いて、こちらを振り返る。

「いけそうだぞ、あんちゃん」
「はあ……でも、何がですか?」
「おめえさん、土木地図もちゃんと見てねえのか?
 感心出来ねえな、デザイナーっつっても建築家の端くれだろうがよ」

む、とアウ=ルに反感がこみ上げる。
仮にも首席卒業の自分は、ここ、藩都どころか、レンジャー連邦の地理なら、
諸島に至るまで、すべて把握している。

反論しようとして、今、自分たちが立っている場所の地図を思い起こし、
ふと、気付きが脳裏に閃いた。

「水ですか」
「おお、なんだ。わかってんじゃんよ」
「そうか……国の復興は、まず、水回りからだ。
 生活用水を整備しないことには、どうにもならない。
 メイさん、新しい水路の敷設ですね?」

MEIDEA建築、通称め組の仕事はアウ=ルも聞いている。
今はすっかり産業となった燃料生産地を、拳一つでボウリングして掘り当てたという伝説が、
学科の中でも伝わっていたからだ。

そうか、オアシスの水脈を掘り起こすんだな。
でも、既存の井戸は?
農薬の汚染を危惧しているのか、いや、でも手間的には……などと、
アウ=ルが瞬時に考えを巡らせている間にも、

「いや、違うよ」

と、メイは、あっさり否定する。

「違うんですか!?」
「そんな基礎工事だけやっても、国は元気にならねえよ」
「でも、必要じゃないですか!」

ち、ち、ち。

ころんと、フランクフルトを思わせる、太く、日に焼けた人差し指が、
妙に愛嬌のある仕草で横に振られる。
その指が、ドン、と、アウ=ルのど真ん中を指した。

「デザイナー。おめえさんの仕事が必要なんだよ、この国にゃあ」

言葉に、ちくり、胸の中で、
悲しみとは違う痛みが走った気がした。

この痛みは何だろう?

/*/


[No.6786] 2010/07/07(Wed) 02:55:00

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