SS置場 - 城 華一郎 - 2010/02/17(Wed) 20:23:41 [No.6247] |
└ お祭りイベント用。へんなのでけた。 - 浅葱空 - 2011/12/11(Sun) 02:32:04 [No.7642] |
└ お祭りイベントていしゅつよーSS - 城 華一郎 - 2011/12/11(Sun) 01:22:42 [No.7640] |
└ 晶と煮干の話。 - 三園晶 - 2011/12/10(Sat) 00:50:43 [No.7624] |
└ たなばた - 浅葱空 - 2011/07/07(Thu) 23:08:05 [No.7494] |
└ 七夕の奉納 - 城 華一郎 - 2011/07/07(Thu) 22:03:32 [No.7493] |
└ ちょっち - 楠瀬藍 - 2011/06/28(Tue) 23:39:09 [No.7470] |
└ Re: ちょっち - 楠瀬藍 - 2011/07/14(Thu) 02:44:42 [No.7503] |
└ 猫士SS2 - むつき - 2011/06/10(Fri) 16:00:19 [No.7415] |
└ (No Subject) - 三園晶 - 2011/06/08(Wed) 22:41:33 [No.7409] |
└ 猫士SS(じにあ編) - 楠瀬藍 - 2011/06/05(Sun) 23:45:54 [No.7401] |
└ にゃふにゃふSS - 浅葱空 - 2011/06/05(Sun) 03:04:06 [No.7397] |
└ 猫士SS - むつき - 2011/06/04(Sat) 16:15:19 [No.7392] |
└ (No Subject) - 蝶子 - 2011/06/01(Wed) 19:00:01 [No.7379] |
└ フエネシャダイ発売予定記念SS - フエ猫 - 2011/05/01(Sun) 09:45:06 [No.7316] |
└ Re: フエネシャダイ発売予定記念(蝶子さん、お許し下さい!... - フエ猫 - 2011/05/01(Sun) 10:31:06 [No.7317] |
└ Re: フエネシャダイ発売予定記念(城さん、お許し下さい!)... - フエ猫 - 2011/05/01(Sun) 14:51:06 [No.7318] |
└ 夜明けのBlue Wheel - 城 華一郎 - 2011/02/12(Sat) 19:48:12 [No.7291] |
└ 5970-12895 - 城 華一郎 - 2010/12/07(Tue) 06:15:49 [No.7177] |
└ スーパーオペレーター(書き溜め分+α) - 城 華一郎 - 2010/11/28(Sun) 05:57:11 [No.7133] |
└ ただの古い/そしていつか新しい/モノローグ - 城 華一郎 - 2010/11/28(Sun) 05:09:54 [No.7132] |
└ 赤夢 - 城 華一郎 - 2010/11/28(Sun) 04:50:45 [No.7131] |
└ ニューワールドの子供たち−Episode2:Dear My Prince... - 城 華一郎 - 2010/11/24(Wed) 02:45:26 [No.7118] |
└ ニューワールドの子供たち - 城 華一郎 - 2010/11/05(Fri) 22:36:28 [No.7069] |
└ 007 - 城 華一郎 - 2010/11/27(Sat) 23:54:36 [No.7126] |
└ 006 - 城 華一郎 - 2010/11/26(Fri) 23:41:54 [No.7124] |
└ 005 - 城 華一郎 - 2010/11/25(Thu) 23:48:40 [No.7122] |
└ 004 - 城 華一郎 - 2010/11/24(Wed) 23:22:01 [No.7119] |
└ 003 - 城 華一郎 - 2010/11/23(Tue) 20:46:58 [No.7115] |
└ 002 - 城 華一郎 - 2010/11/22(Mon) 21:36:32 [No.7112] |
└ 001 - 城 華一郎 - 2010/11/21(Sun) 20:04:50 [No.7110] |
└ 秘宝館SS:日向美弥様オーダー - 城 華一郎 - 2010/10/12(Tue) 20:01:26 [No.7028] |
└ 後書き - 城 華一郎 - 2010/10/12(Tue) 22:52:42 [No.7029] |
└ NOT秘宝館SS:城 華一郎様オーダー - 城 華一郎 - 2010/10/03(Sun) 15:22:59 [No.7013] |
└ 後書き - 城 華一郎 - 2010/10/03(Sun) 15:41:18 [No.7014] |
└ 秘宝館SS:蒼のあおひと様オーダー - 城 華一郎 - 2010/09/04(Sat) 16:52:00 [No.6965] |
└ 『遺言』 - 城 華一郎 - 2010/06/22(Tue) 11:20:17 [No.6690] |
└ 『遺言』(20900102改訂版) - 城 華一郎 - 2010/09/02(Thu) 01:43:12 [No.6958] |
└ 秘宝館SS:砂浜ミサゴ様オーダー - 城 華一郎 - 2010/06/17(Thu) 05:10:26 [No.6642] |
└ 後書き - 城 華一郎 - 2010/06/17(Thu) 05:28:18 [No.6643] |
└ 無限爆愛レンレンジャー:幕間 - 城 華一郎 - 2010/06/04(Fri) 22:44:15 [No.6606] |
└ 無限爆愛レンレンジャー:幕間2 - 城 華一郎 - 2010/09/10(Fri) 00:15:20 [No.6974] |
└ 赤い刻印 - 城 華一郎 - 2010/05/30(Sun) 20:32:37 [No.6587] |
└ 白い感情。 - 城 華一郎 - 2010/05/29(Sat) 16:58:55 [No.6585] |
└ 20100527(夕):とある男の姿あり - 城 華一郎 - 2010/05/27(Thu) 17:50:54 [No.6580] |
└ 20100521(朝):市民病院裏 - 城 華一郎 - 2010/05/21(Fri) 08:40:11 [No.6572] |
└ 『宛先のない恋文』 - 城 華一郎 - 2010/05/10(Mon) 17:55:51 [No.6486] |
└ 『宛先のある恋文』 - 城 華一郎 - 2010/11/28(Sun) 06:16:25 [No.7134] |
└ やまなし、おちなし、いみなしな突発もの。 - 遊佐呉 - 2010/05/02(Sun) 02:41:32 [No.6440] |
└ ニューワールドの子供たち−Episode1:World Out Side... - 城 華一郎 - 2010/04/06(Tue) 22:47:27 [No.6342] |
└ 1 - 城 華一郎 - 2010/11/24(Wed) 01:36:15 [No.7117] |
└ ニューワールドの子供たち−Episode3:Digital Person... - 城 華一郎 - 2010/04/06(Tue) 22:14:10 [No.6341] |
└ 1 - 城 華一郎 - 2010/09/02(Thu) 02:48:01 [No.6959] |
└ 2 - 城 華一郎 - 2010/11/24(Wed) 00:46:49 [No.7116] |
└ ミニインタビュー:アイドルに聞く! - 城 華一郎 - 2010/04/06(Tue) 03:20:33 [No.6335] |
└ 秘宝館SS:城 華一郎様オーダー - 城 華一郎 - 2010/03/12(Fri) 06:45:15 [No.6285] |
└ 後書き - 城 華一郎 - 2010/03/12(Fri) 07:16:33 [No.6286] |
└ 鳥物語(1) - 城 華一郎 - 2010/02/27(Sat) 18:10:45 [No.6270] |
└ 鳥物語(了) - 城 華一郎 - 2010/06/05(Sat) 00:31:33 [No.6611] |
└ 鳥物語(6) - 城 華一郎 - 2010/03/10(Wed) 00:39:40 [No.6284] |
└ 鳥物語(5) - 城 華一郎 - 2010/03/04(Thu) 00:43:07 [No.6278] |
└ 鳥物語(4) - 城 華一郎 - 2010/03/04(Thu) 00:31:48 [No.6277] |
└ 鳥物語(3) - 城 華一郎 - 2010/03/03(Wed) 14:11:09 [No.6275] |
└ 鳥物語(2) - 城 華一郎 - 2010/02/27(Sat) 18:20:14 [No.6271] |
└ 無限爆愛レンレンジャー:第二話(2) - 城 華一郎 - 2010/02/18(Thu) 00:22:14 [No.6249] |
└ 無限爆愛レンレンジャー・楽屋編その1 - 城 華一郎 - 2010/02/17(Wed) 20:25:03 [No.6248] |
困ったなあ、と、西薙エンは頬を掻く。 まだ、30に、成るや、成らずの若造である。体に余計な肉が付いていないせいか、見た目に貫禄が足りない。「君からは、なぜか、重みが感じられないんだよねえ」などと、冗談口を叩かれた経験もある。くつろいだ宴席での出来事なので、まともに受け止める必要のない、戯言なのだが、だからこそ、掛け値なしの本音だろうとも受け止めている。もっと、この点に対し、自分は気をつけなければいけない。 さて、その若造に振られた仕事が、空をなんとかしろ、だ。 困ったなあという感想しか、出てこない。 エンは、いわゆる公務員だ。レンジャー連邦の観光庁に所属し、誰でも出来る程度の、ほどほどの仕事振り、ほどほどの勤務態度で……、つまりはまあ、愛の民らしいスタイルで、これまでやってきた。 仕事をするために生きるのではなく、生きるために仕事をするのでもない、生きていく上で、自分の道と重なることを、仕事にする。好きなことじゃない。楽なことでもない。どうしても、自分の人生を振り返った時、それに直面せざるを得ない物を、仕事にした。 一生付き合わなければいけない物、相手なので、時には遮二無二もなれば、反対に、倦怠を感じることもある。でも、どんな時でも、辞めない。続ける。それが、ほどほどというスタイルの、意味だ。 庁舎の屋上から見る夜空は白い。 ここ、レンジャー連邦は、白夜の出るような極北でもなければ、紅葉国、あるいはFEGのように、都市船内に人工の昼夜を作り出したり、人工太陽を生み出すほどの、極度に発達した方向性を持っている、科学国ではない。 レンジャー連邦のある、ニューワールド、つまりテラ(地球)領域は、辺境なので、銀河中央のような、満天の星に包まれているわけでもないので、この光景は、自然の在りようではない。 遥か遠方から、宇宙空間を白く塗りつぶすほどの噴射光と巨躯で以て、何者かが押し寄せてきている、その、有り様である。 観光業はデリケートな産業だ。 人々の生活が、内向きになるほどの経済的・時間的余裕がないと、わざわざ商売抜きに他国を訪れようなんて発想には、なかなか、なるものではない。 他国、つまり他人を知ることは、自分との違いを見つけにいくことであって、それは、とりもなおさず、自分とは、どんな奴だったのかを、今、住んでいる環境ごと、国ごとひっくるめて確かめる作業である。 明日、食う飯を、今日、作らなければいけない奴には、そんなことはどうでもいい。明日、世界が滅びるとしても、知らなければ、所詮それまでの話なのだ。死に恐れを抱けるのは、死から遠い暮らしをしているからこその、余裕であって、たとえばナニワアームズのように、或いはるしにゃん王国のように、厳しい環境や、自然の理の中に身を置いている民たちにとり、死は、身近で、恐れではなく、字の違う、畏れの対象に過ぎない。 遠ざけはしても、見ぬ振りは、しない。 星々の輝きを塗り潰す白光に真向かいながら、エンは、曖昧に笑っていた。 困ったなあ。 今、政府では、かねてよりの宿願として、また、独自産業として、航空業界に注力するつもりがあるらしい。まともに考えれば、正気ではない。 空に見るのは、絶望であって、まかり間違っても希望のイメージなんか、見られる状況ではないのだ。 だからこそ、やれ、という下知が、観光庁にも来ている。 所要時間の定められている環状線と異なり、ポイント・トゥ・ポイントで、ずっと自由な往来を可能とし、船舶ほどに時間もかけないで済む、旅客機の増発は、観光業に大変な影響を及ぼすファクターである。旅客機を送り出せるほど、生活水準の高く、経済的にも、科学技術的にも発達した国である、という、余裕の表れの、周知にもなるので、受け入れる側にとっても、送り出す側にとっても、決して比重は軽くない。 観光は、現実逃避ではない。世界滅亡の危機を目と鼻の先にして、庁内でも意見が割れていたが、生きるために必要な、心の整理作業の手助けをする処であって、ラスト・バカンス等という、洒落たオチをつけさせるのは、人倫にも劣る、いや、実際に、ニューワールドに抗う術なし、死を、余裕を持って受け入れさせることもまた、重要なメンタルヘルスケアだ、等々、エンの同僚たちの間でも、昼休みには、両派に分かれて論争が絶えないが、少なくとも、エン自身は、観光とは、現実逃避より、もっと前向きな物だと、そう考えていた。 その、エンをして、やっぱり厳然として存在する、この現実を前にして、困るより他に、出来ることが、ない。 思いで世界は変えられない。気持ちで何かが変わるなら、みんな、祈りを捧げる。文化的に馴染みはないが、僧侶のように、実際に、祈りを捧げて奇跡を起こす、れっきとした職業も、このニューワールドの隣国たちの中には存在しているけれども、それも、あくまで実在する神様の力を借りているだけのことで、そのために必要な、作法や、儀式、捧げ物といった代償はある。切ったり縫ったりする医療と違うのは、結局、そこに働く理屈だけ。 心で、理屈は、曲がらない。 愛で、世界は、曲がらない。 「生きるって、なかなか難しいですね、先輩。」 呟いた口元から、それでも困ったように、笑みは浮いている。 [No.6974] 2010/09/10(Fri) 00:15:20 |