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今回は「生命の科学を物語る」ということでしたが。 中村桂子さん、本当に楽しそうに嬉しそうに語られたのが印象的でした。 対象が生きているってことを実感しながら研究がしたくて 悩んだあげく「生命誌」という言葉を思いついたとのこと。 その気持ち非常に共感できます。 生きてる者って面白いですからね。 対象がDNAにまでなってしまうと、 化学の実験技術を使ってパズルを解いているみたいですから。
そして鈴木光司さん、 熱い語り口でしたね(笑)。 ホフスタッターの「ゲーデル・エッシャー・バッハ」は、 科学に興味がある方なら必ず手に取る本で、 私も例外ではありません。 学生時代ずっとカバンに入れて持ち歩いて本はぼろぼろになってますが、 まだ8割ぐらいしか読めていないという(汗)。 でも鈴木さんも仰ってましたが、 原作はもとより、翻訳もすばらしく、 まさに知性の結晶と言える本かと。
鈴木さんは複雑系のお話もされてましたが、 まさに生物は複雑系で、 複雑系の考え方で世界を理解する、理解できたと思える方法を、 いかにして手に入れられるか。 もし手に入れられたら、 世界は一変するような気がします。 今まで見えなかったものが見えてくるはず。
その話の中で、全体と部分は分かちがたいのだと。 今の世の中は部分にとらわれすぎという話が出て、 佐藤さんもそこに感銘を受けておられましたね。
近視眼的にならず、大局をとらえよと。 佐藤さんが今していることも、 大局的に見れば、必ず彼女の人生を良くするものです。 自分のペースで、人間性をゆっくり深める時間と場所があるってことは、 じつは得難いことですよ。
それにしても、 カメの話題で中村さんが嬉しそうに、 カメを開く(解剖する)とカメの甲羅と肋骨が同じであることが分かる と話されたのは実に純朴な生物学者らしくて笑ってしまいました。 多分周囲は困惑してましたよね(笑)。 私も同じように、嬉々として虫の実験の話しをした結果 一般人に引かれるということがあります(苦笑)。
そんな動物大好きな中村さんが紹介された曲が、 「動物の謝肉祭」より、カメ。 小澤征爾さん指揮・ナレーションということで、 ボストン交響楽団によるクラシック演奏ながら、 まるでまんが日本昔話みたいでした。 動物の謝肉祭って、過去の曲のパロディなんですね。
鈴木さんもカメを飼っているのかと思ったら、 娘さんが飼ってらしたんですね。 クサガメか、ミドリガメかな? お亡くなりになったそうで娘さんは悲しかったでしょう。 それに触発されてしっかり絵本を作られた鈴木さん、 立派な父親であり、作家ですね。 そしてついでにCDまで作られて、 それが「なみだ」ということで、 お二人とも紹介された曲がカメに関係するものだったとは。
偶然ではありますが、 どこかカメっぽい佐藤さんに贈る二曲、になったかと(笑)。 |
No.1287 2009/03/09(Mon) 22:26:41
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