浅川マキが亡くなりました。
もう、ずいぶん前から彼女のうたが好きでした。 学生だった頃、コンサート会場が判らなくて大好きだった先輩に会場まで連れて行って貰ったこと。 会場で知り合ったオトナのファンと初めて屋台のおでんを食べた事。 普段は帰宅が8時を過ぎても叱るのに、コンサートや観劇なら11時を過ぎても叱らない妙な親に育てられていて、少しずつオトナの世界を知り始めていた頃の事。 京大西部講堂のLIVEアルバムに記録された濃密で猥雑な世界にちょっと憧れた事。 マキや美輪明宏やScott Walkerの歌で『娼婦』に憧れていた無知で無垢だった頃の事。 阿佐ヶ谷だか高円寺だかの小さなライブハウスでつのだひろが意外にも優しい音を出していたのに驚いた事。 ごちゃごちゃした思い出がない交ぜで胸の中を右往左往しています。
茗荷谷の小さな出版社で働いていた80年代は、池袋の文芸座ルピリエの年末公演に通うのが年中行事でした。 会社の納会が終った後、池袋の雑踏を通り小さな黒い空間に身を潜めるのが楽しみでした。 何人かのジャズ・ミュージシャンを初めて聴く機会でもありました。 LIVEの前に必ず上映されていた、少しずつ作られて行くマキのドキュメントともフィクションともつかない映画がありました。 あれは完成したのだろうか?
活動の場がPITINNに移ってからも何度か聴きに行きました。 だけど、元基さんにハマってしまってから、ちょっと遠ざかってしまっていました。 元基さんのMCがきっかけで、また聴きに行きたいなと思っていたのに、昨年の年末はAXがあったりして行けませんでした。
ピアニストの渋谷毅さんとふたりだけのLIVEだったとき、マキは渋谷さんがキーを間違えて高くしたけど、そのまま歌ってしまった事を話していました。 元基さんと難波さんにも、同じエピソードがありましたよね。 世話をかけたり、わがまま言ったり、好きな人に迷惑かけて生きてるなんて話しも思い出したり。
黒いドレスでウィスキーのグラスとタバコの箱を持ってゆらゆら〜と登場し、ハスキーな声で「待たせたわね。」と歌い出すマキのうたを、もう聴けないんだなー。
LIVEの前に亡くなったというマキ、きっと最後までうたの中にいたのだろう。 幸せな死だったのだろうか? ご冥福を祈ります。
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No.4661 - 2010/01/19(Tue) 00:02:44
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