| 『楽の湯』の売買契約を結ぼうとした時、ユメが飛び込んで来た。 「私を楽の湯の従業員として雇ってください。お願いします!」
岬のところに帰れ、と言う言葉にユメは、 「もう帰らない。何があっても帰らないって言ってきたんだ」と言う。 自分が岬のところで何とかやってこれたのは、『楽の湯』があったからだと。 だが六郎は、『楽の湯』を売ることは、ずっと以前から考えていた事で、 「3ヶ月待て」と言ったのは、どこかで誰かがここを継ぐと言ってくれるのを、 待っていたのかも知れないと告白した。
「俺が継ぐって言ったじゃねーか」とアユム。 「あたしも継ぐって言った」とユメ。 だが六郎は、ススムに継いで欲しかったのだ。 小さい頃から、ずっと銭湯を手伝ってきたススム。 番台に座る六郎にへばりついて、 「銭湯から帰っていく人は、みんな優しい顔で帰っていくね」と、 そんな当たり前のことをススムはわかっているんだと、六郎は感心していたのだ。
そんなこんなで、契約のハンコを押す押さないでもめている中、 とうとうススムは『楽の湯』を継ぐ、と宣言した。 その途端、力の抜けた六郎は座り込んだ拍子に契約書に判をついてしまった。 呆然とする六郎たちを尻目に、常子とまごころ不動産の連中は、 契約書を持ってさっさと帰ってしまう。
バカだ、アホだとののしられ、六郎はとうとう居直り逆切れする始末。 こうなったら『楽の湯』を取り戻し、日本一の銭湯にするんだ、と意気の上がるみんなだった。
ススムは「ここが無くなったら、ユメの行く場が無くなるから何とかしてやりたい、 でも、田園調布よりこんな潰れかけた銭湯がいいなんて、バカだよな」 と嬉しそうである。
ユメは「今夜、ここに泊めてくれ」と六郎に頼む。 六郎は「今夜だけだぞ」と許すが、明日になれば岬の所に帰れという。 だがユメは絶対に帰らないつもりでいた。
六郎は、ススムが銭湯を継ぐと言ってくれたことも、 ユメが戻って来てくれたことも、本当は嬉しかったのだが、 銭湯を継ぐことによって、子どもたちが苦労する事が不憫で、 売ることに決めたのだった。 「やっぱり、売るって決めて正解だよな・・・」 みずえの仏壇に向かって、つぶやく六郎だった。
ユメはススムには、岬に家を追い出された、と嘘をついた。 そして、六郎に契約を破棄させる計画を練るのだった。 そのとき・・・ 「ユメ・・・結婚しないか? 俺たち、結婚しよう」 「えーーーーーーーーーーーー!!」
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No.15930 - 2006/03/06(Mon) 23:30:18
| ☆ Re: 太雄くんの『銭湯の娘!?』3 月7 日 / モグルドン | | | | ススムに結婚を申し込まれたが、ユメはそれを『楽の湯』を取り戻すための作戦だと勘違い。 「いい作戦だ」と言われて、ススムも訂正する事が出来ない。 翌日、みんなの前で結婚を発表する。 アユムも夏子も、それを望んでいたので大賛成するが、 六郎は2人の結婚には賛成するものの、それとこれとは話が別だ、 『楽の湯』を売る気持に変わりはないとつれない。 ススムは「片っ端から手を打ってくる」と出かけた。
六郎はみずえの仏壇に向かい 「何でだろう?なんで諦めた途端に、思ってたほうに行っちゃうんだろう?」 と涙声だ・・・
ユメと夏子が開店準備に床磨きをしていると、まごころ不動産が、 いかにも成金風な男を連れてやって来た。 横柄な態度のその男は、靴も脱がずに土足で上がりこんでくる。 この土地の新しいオーナーになる予定の男だと言う。 ユメはその男に掴みかかるが、六郎に「お客様に失礼だ」止められた。 でも銭湯のお客様の衛生面もありますので、靴だけはお脱ぎください、と出されたタオルを見て見ぬ振りをした男は、 六郎の目の前に足を差し出す。 靴を脱がせろ、というわけだ。 怒り狂うユメを尻目に、六郎は大人しく靴を脱がせるのだった。 「金持ちだかなんだか知らねえけど、他所行ってくれよ。 『楽の湯』は寄せ集めの家族が支えあって、みんなが暖かいお湯を守ってる、 どこにでもある銭湯じゃないんだ! 成金のおっちゃんなんかには、死んでもわかんないような暖かい所なんだよー!」 と掴みかかった。
その男は、自分も子どもの頃はひどい貧乏だった、だから貧乏が大っ嫌いだ、 この話を進めてくれと、帰ってしまった。 ユメは六郎を「腑抜け」と罵るが、 六郎は「世の中には出来ることと出来ないことがあるんだ。 契約破棄なんて、そう簡単に出来るものじゃ無いんだ」と諭す。 しかしユメが走って行ってしまった後、六郎は悔しそうに、 その男の靴が乗っていたタオルを引きちぎった。
マリアはススムとユメが結婚するものだと思い込み、落ち込んでいた。 ユメは「あれは作戦だ」と安心させ、 「マリアがいなくなったら、美味しい飯が食えなくなるし、喧嘩だって出来なくなる」と、家族でいることを優先させようとする。
ススムは常子に、契約の撤回を頼み込んでいた。 常子は気持はわかるものの、ススムでは話にならないと言う。 そこに一本の電話がかかってきた。
ひな子は『楽の湯』が無くなると、またどこかに行かなくてはいけない、 そしてユメと遠くなってしまう、と元気が無い。
ススムは美鈴に聞かれ、ユメに結婚を申し込んだ事を話した。 だが、ユメには冗談にしか受け取ってもらえなかった事も。 美鈴に「本気なのか?」と言われ、 たった2ヶ月だけど、本当の妹みたいに思っていると、 房総にユメを帰らせないために、そう言った方が良いのではないかと考えた、 そして何とか『楽の湯』を売らないようにしたいと言う。
夜『楽の湯』に常子が怒鳴り込んできた。 タクシがいなくなったらしい。 ここに居るはずだから、出せと怒鳴りまくる。
「こんな事をしても手遅れだ」という常子。 六郎を促し、六郎と2人で部屋に入ったススムは、 『楽の湯』に買い手がついたことを話した。 ススムがいたときにかかってきた電話が、その用件だった様子だ。 そし解約するためには違約金を払わなければいけないこと、 その違約金は手付金の倍額で、600万円になると言った。 「600万〜〜〜〜〜!」 「絶対何とかするから、ユメにだけは言うな。 あいつ絶対無茶するから」とユメを案じるススムだった。
タクシを探し回る常子。 タクシは、常子の家の通帳を印鑑を持ち出したらしい・・・
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No.15931 - 2006/03/07(Tue) 23:45:03 |
| ☆ Re: 太雄くんの『銭湯の娘!?』3 月8 日 / モグルドン | | | | タクシはひな子の部屋で見つかった。 『楽の湯』がなくなるとひな子がどこかに行ってしまうのではないかと、 心配して来たらしい。 連れて帰ろうとする常子の手を振り切って、ユメに常子の通帳と印鑑を渡す。 「これはお母さんが、不動産屋からもらったずるいお金だから、 お金を返して、ひな子がずっとここにいられるようにして!」 とユメに頼む。 だが「これはママに返さなきゃいけない」とユメは言う。 『楽の湯』を守って、ひな子がどこにも行かないように、 何とかするとタクシを説得する。 しかし常子が違約金の600万円の事を言ってしまった事から、 ユメに『楽の湯』を取り戻すためには大金が必要な事はばれてしまった。 金策に頭を抱える、六郎とススムとユメ。 だが六郎は、わざわざ銭湯を継がなくても、土地を売った2億の分け前で、 盛大な結婚式を挙げたほうがいいのではないか?と言い出した。
ユメが夏子と寝ている居間の布団を、六郎はススムの部屋に運びこんだ。 そして、「既成事実を作っちゃいなさい」と煽る。 ススムは「もしうまく行かなくてここが無くなっても、結婚するか?」と言う。 冗談なんだろ?嘘なんだろ?と聞くユメに、 「もしうまく行かなくても、房総に帰るのだけはやめてくれ」と頼む。 ユメはマリアに言われた「ススムは嘘をつかない」という言葉が気になっていた。 部屋の外で聞いていた六郎は、 「惜しいなぁ・・・もう少しで嘘も本当になるのになぁ・・」 とつぶやく。
その夜、おっちゃんと酒を酌み交わしながら六郎は、 「俺はただ、あいつらに苦労させたくない、それだけなんだけどなぁ」と気持を露土する。
翌日、金策に出かけたススム。 マリアはススムにプロポーズすると決心した。 そしてもし断られたら、台湾に帰るつもりだと言った。
ススムは美鈴から、お金を渡された。 結婚資金にと貯めたお金らしいが、ススムはそれを断った。 土地のお金をもらって悠々自適の暮らすほうがいいのかもしれない、 だが、『楽の湯』でなければユメはダメなんだ、 だからもう少し頑張ってみる、と言う。
近所の人の中では「岬に頼めば?」と言う奴もいる。
六郎はきっちりした服を着て、岬の所に出かけた。 そしてユメを許してやってくれ、と頼む。 「今度こそ、ユメをお返しします。 あつかましいとは思うんですが、お返しするに当たっていくつかお願いがあります。 ユメが帰ったら、なんでもいいから仕事を与えてやってください。 売られた喧嘩は買ってやってください。 そのときには絶対に手加減はしないように。 それと、泣きそうな顔をしてる時には、こっちから喧嘩を吹っかけてやってください。 ユメは怒らせると大抵のことは忘れます。 それから、用が無い時にも時々名前を呼んでからかってやっていただけると助かります。 強がって一人になりたがったりしますが、決して本心ではありません。 あいつはああ見えて、人一倍寂しがりやなもんで・・・ とにかく、いつも側にいてやっていただければ、それだけ・・・・」 「真中さん・・・」
マリアがススムにプロポーズした。 だがススムは「マリアは好きだが、恋愛とか結婚の対象ではない」と断った。
六郎に、借りてきたお金を渡すススムだったが、 六郎はジャマイカへの移住の準備を始めていた。 既に契約を交わし、お金も受け取ってきたと2億を見せるのだった。
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No.15934 - 2006/03/08(Wed) 23:57:37 |
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