| 第2週「家族になりたい」第6回(全24回)
浩美の兄の子が欲しがっている、パンダの絵付き茶碗を、雑貨屋で探す悦子。 「あっ、あった!」手に取ってみたが、それはタヌキだった。 がっかりしたところで、同じ店内で当のマコと母親の祐子に会った。
住宅地のこじんまりした公園のベンチに場所を変え、悦子と祐子は話を続ける。マコは目の前の砂場でおとなしく遊んでいる。 女将さんにまで心配かけて、と恐縮する祐子だが、悦子は浩美が、兄とマコの為に一生懸命になっているので放っておけない。 「それに・・・本当の親じゃなくても、子どもは幸せになれるって、私どうしても信じたいんです。」少し遠い場所を見るように、静かに悦子は語る。
「あの子が初めて‘ママ’って呼んでくれた時のことを、私一生忘れません。でも・・・本当の母親以上の幸せをあげられないかもしれません。」力ない笑顔を見せる祐子を、悦子は慰めた。
その頃、別の雑貨屋では、浩美と兄・隆夫が、やはりパンダの茶碗を探していた。 昨日買って帰った茶碗と似ているが、少し違ったデザイン。マコはちょっとでも違うところは違うと指摘する。 「そんなムキになんなくてもさぁ・・・」同デザインの色違いも見逃さない隆夫に、浩美は水をさすように口を挟む。 「仕方ないよ。マコにとっては、実の親の方が重いよ。」 「けどさ、これから先はゆっくりでもアニキたちが本物の親になる・・・」「お前にわかるか!」隆夫は浩美の言葉を遮った。 「マコが昔のことを何かひとつでも思い出す度に、俺たち不安で・・オタオタして・・・。」しかし、マコは兄夫婦のそんな空気を読み取り、昔のこと思い出しても出来るだけ言わないように我慢しているらしい。 「たまんねえんだよ、そんなの・・・駄目なのかな、俺たちじゃ・・・」不安と焦りを隠せない兄の姿に、浩美は返す言葉を失った。
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No.14832 - 2005/06/29(Wed) 06:55:29
| ☆ Re: 『七色のおばんざい』6/28(火)ネタバレ / ゆーこ | | | | 賑わう柳橋連合市場に、いつものように買い出しに来た悦子。 「今日も色白美人だね〜。まるでメリル・ストリープだでぇ。柳橋のデ・ニーロと恋に落ちちゃおうか。」八百屋にからかわれても「一人で溝にでも落ちてて(笑)」と、手慣れたものだ。
その時、清水から携帯へ電話があり、清水の店へ向かった。 河田の出版社の企画『骨董を巡る旅』で、河田と万里が取材に来ていた。 万里に‘ばんざい屋’での結婚祝いのお礼を言われ、河田からは悦子がパリに住んでいたことを知ったと告げられた。 清水につい喋ってしまったのだったが、悦子はとぼけながら、チラリと万里の様子を伺う。万里の記憶喪失が本当なのか、疑いを拭い去ってしまったわけではない。
夜、ばんざい屋のカウンターで清水と悦子は、パンダ茶碗が載っていないか、カタログをチェックする。 「たった一人の家族」兄のことをそう呼ぶ浩美。清水に尋ねられ、自分には両親も兄弟姉妹もいないと語る悦子。 「何億人もいるこの地球上で、自分と血の繋がった人がもう一人だけだとすれば、その人のことを何より大事に思う。それは自然なことですよね。」
河田からもらったから行かないかと、清水が差し出したのは、祭池晃一郎の絵画展のチケットだった。 瞬間、悦子は凍り付く。悦子がこのポスター前で立ち止まっていたので誘ってみたのだったが、絵には興味ないとあっけなく断られた。
ちょうどそこへ、藤田が美穂のお弁当箱を返しがてら一人で来店、悦子の立ち上がったあとへ座った。 悦子は清水へ藤田を紹介し、藤田は娘のことで悦子に世話になっていると話す。 連休のことを話しながら、「美穂がね、女将さんも誘ってどこか遊びに行こうよ、なんて。」と、照れながら藤田。 隣で一連の流れに、少しとまどいの色を見せる清水。 「あっ、そうだそうだ。親子で情操教育に。」と、先ほどのチケットを藤田へ渡す清水。
糸川雪弥は、自室で絵のカタログをめくっていた。 ふと、指を止めたページ。タイトルは・・・「生命(いのち)・・・雪!?」モノクロの画面に白い雪の舞う絵だった。
浩美と祐子が買い物に出ている間、悦子はマコを預かり絵を描かせていた。 「神様のところへいっちゃったけど、本当のママがいるの。」静かに悦子へ訴えるマコは、母の顔も覚えているらしい。
「子どものせいで姉さんにも辛い思いさせたよね。ごめんね、兄貴のせいで。」 そう切り出した浩美に、隆夫のせいじゃない。自分が以前子どもを中絶したせいだと告白した祐子。 隆夫は祐子をかばって、浩美に嘘をついていたのだ。
マコを迎えに行ったばんざい屋で、祐子は浩美が先に一人帰ったことと、内情を打ち明ける。 夫婦の問題だから、浩美のことは気にしない方がいいと悦子。
悦子が慌てて駆けつけた先は、警察だった。 身内はいない、友達しかいないと訴え、浩美は悦子の電話番号を言った。 彼ともめて、車が走り出したところを自分から飛び降り、たまたま通りかかった警察に保護された。 膝あたりに軽い怪我を負った程度だった。
先日、ばんざい屋で冷たく電話を切った相手だった。 付き合う日々を重ねるうちに、もっと会いたい、会えない理由を聞く彼に対し、浩美の心は重くなっていく。 浩美の優先順位は、一にも二にも家族だった。 「お姉さんのことだけど・・」「それは女将さんには関係ありません!」言いきるや否や振り向き、ごめんなさいと、咄嗟に口から出た言葉を詫びた浩美。 「今日は本当にすみませんでした。」軽く一礼し、その場を後にする。
何かを背負って、何かを拒否して。でも、その背中は何かを求めていた。
《明日へつづく》
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No.14833 - 2005/06/29(Wed) 06:56:36 |
| ☆ Re: 『七色のおばんざい』6/28(火)ネタバレ / モグルドン | | | | ゆーちゃん、こんばんは。 ネタバレお疲れ様です。
なんだか辛い展開になってきましたね。 人と人のの情というのは、血が繋がってるからとか、一緒に暮らしているからとか、 そんなもので判断するものではなくて、 その人をどれだけ愛しているかが大事なんじゃないかな。 実の親と育ての親と、比べたって仕方がないよね。 第一、マコの実の親はすでに亡くなっているのに・・・ 自分たちの愛し方で、真剣に子どもを愛していればいいんだと思います。
浩美は、身内であるお兄さんを大事にするあまり、 祐子を傷つけているのに気が付いていませんね。 「自分たちに子どもが出来ないのは自分のせいだ」と祐子を庇った理由、 それから、じぶんのせいで隆夫が悪く思われるのが辛くて、 とうとう本当のことをしゃべってしまった祐子の思いやり、それを理解して欲しい。
かたくなな浩美の心を癒してくれるのは、誰なんでしょうか・・・?
悦子と少年もどうやら接触が近づいてきたような気もします。 楽しみですね(@⌒ο⌒@)
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No.14836 - 2005/06/29(Wed) 22:26:43 |
| ☆ Re: 『七色のおばんざい』6/28(火)ネタバレ / miyu | | | | ゆーちゃん、モグちゃん、こんばんは。
今週はネタバレのお世話になろうかと・・・( ^^;))))) リアルで見れないもので・・・ けれど、毎日のドラマの展開が気になって気になって。 こうして読ませて頂くことが出来、有り難いですぅ(^‐^) ゆーちゃん、お疲れ様でした。どうもありがとう♪
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No.14843 - 2005/06/30(Thu) 21:03:59 |
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