ベルグソン著高橋里美訳『物質と記憶』を公開した。 戦後まもなく岩波文庫に収録されたぶんです。現在は熊野純彦訳が収録されていますが、その旧訳というところ。とはいえ、熊野訳の読みやすいのに比べると、かなり読みにくい。哲学を専門に学んだ方なら、そうでもないのでしょうが。 記憶という語は、mémoireとsouvenirの二語に対する訳語になるのですが、熊野版ではすべてルビを振って区別をしている。実際、記憶という機能と記憶されているその内容では全く違うのですが、文脈上で明確なところも有れば、どっちのことか、はて?と思える個所もある。そういうところでは、単に私の不明かも知れませんが、できるだけルビを振った。 他にもétendue と extension、どちらも「延長」とされている個所があるが、見出しでは「延長と拡張」としている、その関連が不明、とか。いくつもどうなのかと思えて、熊野訳と対照したが、切りがないので、打ち切って公開した。 |
No.479 - 2024/04/15(Mon) 20:19:50
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