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攻撃命令が下りるその直前、黒霧はぼんやりと戦場を眺めながらこんな事を呟いていた。 「俺こないだまで忍者だったんだけどなぁ。いつの間に幻影使いに」 ぼんやりとした口調は、その実緊張の裏返しである。ついこの間までオペレータやコパイやらをしていたために、肌身で戦場の空気を感じるというのが実は初めてなのだった。そんな様子を見て、隣で苛々と足をならしていた如月がきれた。 「いつまで惚けてるんのよあんたはっ!?」 容赦呵責無い大音量の文句と共に、すっきりと伸ばされた足が黒霧の腰を蹴り飛ばした。前のめりになって倒れる黒霧。 「その蹴りは敵に放つべき何じゃないのか?」むくりと起き上がりながら、黒霧はむすっとして言った。 「私達が白兵やってどうするのよ! 守備範囲外じゃー」 「おお、いい具合に熱くなってる」 黒霧は苦笑しながら如月から一定距離を置いた。奇襲は敵からだけで充分である。何故に味方に奇襲を喰らわねばならぬと言うのか。 と、そんなことをしていると攻撃命令の連絡が届いた。黒霧は如月の表情を確認する。そしてすぐに後悔した。その時如月が浮かべていた表情はまさに獲物を見つけた猛獣のそれであり、はっきり言って、かなり近寄りがたい物があった。リアルのレポートのせいでゲームできないと言っていたから、そのストレスがきているのかも知れない。 「始めるよ。準備は出来て?」 如月が満面の笑みを浮かべて訪ねてくる。黒霧は無言で頷き、懐から呪文をメモしたカンペを持ち出した。 「では詠唱開始しまょう」 黒霧は相変わらずぼんやりと言った。如月はすでに詠唱を開始している。黒霧は「気が早いなぁ」と思いながら、オペレータ業で鍛えた声で詠唱を開始した。 [No.1060] 2007/06/16(Sat) 13:08:25 |