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「おお、何か如月君がいい具合に熱くなってるわ」 「憐れ黒霧。何ターンも前の黒い恋人事変につづいてまた味方から攻撃か」 きゃほーといいながら前方数メートル先で繰り広げられる幻影使い達の様子を眺めている睦月。その隣で、腕組みして応じたのは越智大治郎であった。 「しかし緊張感がないなぁ、あれでいいの?」 睦月がぶつくさ文句を言う背後で、緊張感の無いのはお前らもだ、と低くうなるような声が響いた。睦月が振りかえる。そこにいたのは、影法師に肩を借りて、胃を抑えた雅戌だった。顔がすでに青い。 「どうしたの? 神経性胃炎?」睦月が聞く。 「いや、腹を下したんじゃない?」越智が言う。 「違う。僕の靴下を食った」 「断じて違うわ!」 最後に影法師が言いかけたところで、本人からすさまじい大声で否定のつっこみがいれられた。それから雅戌は派手にため息をつく。先日から神経性胃炎であった。理由は簡単で、藩王が(リアルに)ぶっ倒れたりしたため、一気に作業量が増えたからだった。 「いやまあ、それはいい、それはいいんだが、お前らもうちょっと……」 真面目に、と言いかけたところで攻撃命令が下った。睦月、越智、影法師は一斉に表情を改めた。睦月はまだ微かに笑っているようだったが、鋭すぎる視線の印象が微かな表情を完全に消し去ってしまっている。 「始めようか」越智がぼそぼそと言った。 「OK。あー、雅戌? 大丈夫?」影法師が聞いた。 雅戌が驚いている前で、睦月と越智が詠唱を開始する。遠くから聞こえてくる戦場の轟音などまるで聞こえていないかのような、歌うような声。影法師は笑いながら言った。 「さて、我々も始めましょう」 「……ああ、そうだな」 雅戌は頷いた。いつの間にか胃の痛みが消えている。 歌うような声が、幾重にも重なり始めた。 [No.1061] 2007/06/16(Sat) 13:30:30 |