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記念公園SSの雛形です。設定・イラストなどが決定した後、修正を施します。 修正をしました 1・公園の理念・設営目的の修正 2・猫野和錆像部分の加筆 ***** 『大神殿記念公園レポート』 玄霧藩国という所に籍を置くようになってから数日。ようやくこの国にも馴染みという物が出来た頃、大神殿記念公園という物が作られた。 この大神殿記念公園……略して記念公園はは先の難民騒動によって起きた悲劇が無事に収束し、被害を極力抑えることが出来た事への記念公園であるらしい。 その悲劇については語るに及ばないだろう。自分がこの国へやってきたのもその悲劇の一端であった。 そう言われるとこの国がいったいあの騒動に対してどのような思想・理念を持っていたのか興味も俄然沸いてきた。 早速行ってみるとまず驚くのはは森林国の特徴でもある緑と人造物の融和である。 公園の中にも外にも緑が満ちており、そこかしこに背の高い木が多く存在している。 公園からは大神殿を望むことができ、その大神殿も緑との融和を考えられて切り開かれているのが特徴的である。 公園の中をゆったりと歩いてみると子供の多さに驚く。カップルなども居るが中に子供用の遊具などが充実しているためか子供同士、或いは親子連れの姿が非常に目立つのが印象的だ。 すれ違う子供の中には白衣を着て楽しそうに駆け回る子供もいたりする。恐らく医師の真似だろう。 耀くような笑顔で白衣を着て走り回る子供達を見ると活気のある国だと再認識させられる。 公園を一周すると公園が円形であることに気づく。これは国の最大の不思議とされている『大水車』をモチーフとしており、昨今本格的に活動した魔法医による魔方陣でもあるらしい。 有事の際はこの公園自体が避難所として機能し、魔方陣により他の場所よりも安全になるようだ。 大神殿に隣接しているのはこれらの技術の提携という面もあるようだ。なるほど、中々に考えられている。 公園内には露天が多数存在している。一息入れようと思い、玄霧饅頭とナッツクッキーで迷った結果ナッツクッキーを一つ購入し、ベンチに腰を下ろして一休憩してみる。 遠くでは木からぶらさがったブランコや大きな滑り台、アスレチックなどが一緒になった遊具スペースで子供達が遊んでいる。 ちなみに木にぶら下がったブランコは公園の中に数カ所用意されていて、その大きさは大人二人が並んで座れるほどなので別の方を見ればカップルが仲睦まじくクッキーの食べさせあいをしていた。おのれ。 円の中心点でもある中央には記念公園のシンボルでもある銅像がある。 先の難民騒動の際、国境を越えて人を助けた結果藩国の英雄、或いは難民の英雄と称された猫野和錆が人を助け起こしている所をモチーフに作られた物であり、それらを嫌味無く国民が受け止めていることからも猫野和錆がどれほどの働きをしたか、推して知れるだろう。 「あ、あぶない!!」 「ん?」 子供の声が突然響き渡った。思わずそちらを見た瞬間、こちらに迫るボール。顔に迫るボール、ボール、ボール? ゴガン! ***** 「ご、ごめんよおじさん」 「おじさんじゃない、お兄さんだ……っていうこと自体がおじさんの証明になりそうだから気にしなくて良いぞ、坊主」 どうやら間違えて投げたボールに直撃したらしい。一瞬記憶が混乱したが、それでも何とか持ち直した。 拾ったボールを投げ返してやる。すると子供は笑ってそれを受け取った。 「おじさん、鼻赤いし東屋に行く?」 「? 東屋?」 少年の申し出に訳もわからず、それでも何かあるのかとついて行くことにした。 するとついたのは東屋……というよりも医療テントと言った方が良いような物だった。なるほど、この公園における東屋はここを指すらしい。 東屋の中には数名の医師と、子供達が居る。ボランティアだろうか? 子供達は医師達に指示をもらいながら動き回っているようだ。 「すいませんー、このおじさんにボールぶつけちゃったんで見てもらえますか?」 「あー、はいはい。良いよ。こっち来てくださいね」 中にいた医師に促されるまま、椅子に座る。すると医師達と一緒に居た子供の一人がこっちにやってきた。 「ふむふむ……なるほど、かすり傷ですね。一応消毒とかしておきましょうかね」 医師は私を見てそう判断すると子供に指示を出していく。子供はそれを聞いて医療テントの中から消毒液や絆創膏などを用意していく。本当に簡単な処置で済むことは道具を見れば何となく予想は付いた。 「あ、すいません。ボランティアの子に処置させて良いですかね?」 子供が離れている間に小声で訪ねてくる医師に少し驚きながらも、何となく目的が判って微笑み返す。 「構いませんよ。ボランティアの子に処置もさせるんですか」 「えぇ。この公園はね、助け合いの精神の大切さ、命の尊さなどを学ぶための場所でもありますから。大丈夫、ちゃんと私が横で見てますよ」 「なるほど、なら安心ですね」 二人でそんなことを言っている間に子供が道具を用意してやってきた。 「先生、よういができました」 「うん、それじゃ君がやってみようか。まずは消毒からだよ?」 「は、はい……っ」 子供は明らかに緊張しながらも、消毒液をつけたガーゼを私の顔にあてて処置を始める。 助け合いの精神の大切さ、命の尊さ、そして何より、有事の際の正しい応急処置を教える場としてはなるほど、この記念公園ほど正しい場所はそうは無いと思った。 緊張しながらも医師の指示に従い、処置を終えた子供に対して医師は「よくできたね」と褒めて頭を撫でる。 すると子供はにっこりと、それこそこちらの心が明るくなるような笑みを浮かべてまた作業に戻っていく。 「……健気な子ですねぇ」 「素直に育ったんでしょう。将来が楽しみです」 医師はそういうと、楽しそうに笑った。 ***** 「おじさん、だいじょうぶだった?」 「ん……あぁ、平気だよ」 治療を終えてテントから出るとボールを当てた子供と、恐らくその遊び相手だったのだろう子供が待っていた。 「ごめんなー。それでさ、おれいじゃないけど面白い所教えてあげるよ」 「? 面白い所?」 子供の突然の申し出にはて、面白い所……と考えてみる。何とはなしにははぁ、と納得した。 「秘密基地かな?」 「うん、そうそう。他のおじさんとかには内緒だからねっ」 「あぁ、当然さ。秘密基地だからね」 悪戯小僧その物の笑顔をした子供に導かれて向かってみると公園から少し外れた所に一際大きな木が立っている。 「こっちこっちっ!」 言われるまま見てみると公園から影になってる部分に子供がひっそりと入れるような穴があった。 「この中か……流石に入れないな」 穴を見て、自分では入れない事にすこし落胆しつつもなるほど、これは確かに立派な秘密基地だ。 「ちなみに中はどうなってるのかな?」 「電車の上にでるんだぜっ!」 「なかずっと歩いていくと大神殿につながるんだよ」 「ほうほう……」 電車の上、という発言を聞いてあまりにも危ないと思ったのだが、よくよく話を聞いてみるとどうも違うらしい。 中にはヒカリゴケが生えており、電車の上というのも線路の上は上だが、どうにもかなり頑丈な作りで補強されているらしく、またたまにではあるが道をふさいでいる岩が動くとか何とか。 これは後ほど公園の設計者であるイクに確認を取ってみた所、どうにも子供の秘密基地を作ってあげたい、という所から始まった遊びの部分らしい。 子供達の秘密基地自慢を聞きながら、先ほど買ったままにしておいたナッツクッキーを子供達と分け合い、しばしの時間をそこで過ごすことにした。 ***** 公園での散策も気がつけばかなりの時間が経っていたのか、夕時になっていた。 ゆっくりと子供達が帰って行く。徐々に子供がいなくなり、今度は大人達がゆったりとした時間を過ごし始める。 昼間の喧噪とは打って変わり、そこは静かで穏やかな時間が流れる。 大人達は今ある平穏を楽しみ、公園でそれぞれの思いをはせている。 見てみると同僚である人間も何人か来ているようだ。仕事を終わりにして、彼らにゆっくりと今までの話などを聞かせてもらうことにしよう。 「癖毛爆男の手記より抜粋」 [No.1917] 2008/07/26(Sat) 04:46:36 |