![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
冒険レポート-NO31:帰ってきたソックスハント 今回の冒険では「イベント05 冒険開始!(その3)」に対する物である。 さて、今回の冒険が始まる前に一つの事件があった。 それは藩王玄霧と華族如月敦子の間で発生した微妙な戦いだった。この権力者同士の戦いの結末として、今回玄霧藩国では二つの冒険が勃発したと言っても過言ではない。 きっかけは前回の「NO:11 ブラック恋人探し」で黒霧が愛に目覚めてしまった事だった。もともとこの事件は玄霧やら如月やらといった人物達が黒霧をからかおうというネタから始まった出来事だったが、その結果に二人は満足していなかった。いや、結果だけ見れば二人の計画は成功だったのだが、思ったほどおもしろくなかったのである。 そこで二人は喧嘩した。以下に二人の喧嘩内容を記述する。 「どう考えてもこれは参謀の知恵不足だろう。まったく、もう少し頭を使う事を憶えたら?」 「これは主犯の玄霧のせいよ。もうすこし面白くなるはずだったのにっ。きぃーっ!」 喧嘩勃発。 そして二人は両者を陥れるべく手持ちの部下やら関係ない人々やらを巻きこんで暗躍を始めた……。 ちなみに言うと、これが「イベント05 冒険開始!(その2)」で玄霧藩国が動かなかった理由にあたる。藩国中枢の目の向く先が冒険どころではなかったのだ……。 さて、このとき華族如月敦子はこう考えた。あの後喧嘩別れしたまではいいのだが──どうやら自分の部下やらなにやらが泣いていた事は都合良く記憶から閉め出したらしい──このまま引き下がっては腹の虫が治まらない。というか、こんな風にしつこく腹を立てているあたり両者はかなり似通っていた。 そこで如月敦子はどすどすと大股で自室まで移動、それから早文で即座に動かせる友人やら部下やらを一気に呼び出した。 ここに集まったのが睦月、文月、アポロ、内藤の四人であった。ちなみに前二人は性別不明、アポロ氏は女性であり、内藤は男性である。吏族、技族、技族、吏族とこれてかなり頭でっかちなパーティがそろった形になる。 「なんとしてもあの鼻っ柱へし折って砕いてすりつぶして焼いて叩いて埋めてやるわよ!」 出会い頭の一言としては最悪の部類に入る宣言を如月敦子は行った。ちなみにこういう発言に慣れっこである一同はそれぞれ適当に返事をしていた。例えば 「面白いなら俺はいいぞー」と睦月 「ああーなるほどー……ってええっ!? ど、どうしたんですか? どうすれば、あわわ」と文月。 「どうすればいいんでしょうね〜。ああ、文月さん、そこあぶない椅子が!」とアポロ。 「……いや、お前らいい加減落ち着けよ!?」叫ぶ内藤。 実は藩国でも有数の変態じゃない変人内藤であったが、文月とアポロが同じ空間にいるときだけは例外ですさまじく常識的になる。何しろこの二人がそろうと目に映る物全てが壊れ、しかる後にほんわか空間が形成されるのであった。後は野となれ山となれ──と諦めざるを得なくなる上紀に卯にする前に二人を止めなくてはすさまじいことになる。 「と言うことで!」 なにがと言うことでなのかは知らんが、如月敦子はこうのたまった。 「これからあんた達には村に出てソックスハントをしてもらうわ」 「ちょ、えーっ、如月さん!」 「何、文月。文句あるの?」 「あわわわ、いえそのあの……あう〜」 「それって犯罪じゃないのか?」内藤は冷静に言った。 「この印をつけた家の娘は貧乳で美少女らしいわよ」あからさまに怪しいこと言い出す如月。 「お任せください、見事ソックスをはいでやります。うはははは」 内藤は壊れた。もとい戻った。 勿論睦月はこれをおもしろそーと言って止めることはせず、アポロ求めるには力不足であったがため、如月敦子のやつあたり──ならぬソックスハントは開始された。 かくして山岳近隣の村に向かって一行は進んでいったわけだが。 「ねー、本当にいいんですか?」と文月。 「まあ責任は全部あの二人が持ってくれるでしょう」勝手なことを言う睦月。 「でもでもでも、これって流石にまずいんじゃあ……あれっ!?」 「どうしましたっ?」 「内藤さんがいない!」 文月とアポロがきゃーきゃー言って慌てる始めたその時、睦月は正面を指さして言った。 「もう行ったよ」 そして指さされた先では、なにやら甲高い嬌声というか悲鳴というかがわき起こっていた。 「まてー、変態ーっ!」 「死ねー」 ほどよく殺意に濡れた声に満ちていく。ちなみに追いかけ回されるようにして駆け回っているのは無論のこと「貧乳」と書かれたはちまきをまいている吏族内藤であった。後日、彼は藩王玄霧から罰則じみた量の仕事を渡され机に縛り付けられることになる。 「あわわわ。どうしましょう。た、助けますかっ?」文月は睦月を見た。 「今のうちにやろう」 「え、ええっ!」慌てるアポロ。 「いい囮だし。ゴー」 そしてその場に新たに三人のソックスハンターが参戦することになる。 そして一時間後、執務室で仕事ならぬゲームをしていた藩王玄霧は山岳近辺の村でのソックスハンター出現の噂を聞き、自ら討伐に向かうことを即時決定した。無論この出来事の背後に誰がいるかはわかった上で、である。そして村に急行した直後だった。 「てめー藩王っ!」 「お前が部下を管理してないからーっ!」 ある意味でひどく核心を突いたヤジと共に、村人達が迫ってきた。「うわ、ちょ、何これ」な藩王、ひたすら逃げ始める。 そしてその道先で見た。四人のソックスハンターの姿を。 「お、おまえらーっ!」 「み、見つかったーっ!? 見つかりました。ど、ど、ど、どうすればっ!」 慌てすぎて我を見失ったアポロはどたばた派手に走りながら、ふいに転んだ。背中の加護にいれていたソックスがまとまって飛び散っていく。 そしてそこに飛び込んでいく藩王。加速しすぎであった。道路交通法があれば減点確実である。 視界が真っ暗になり、そのままソックス共々転げ回った藩王。アポロはその様子に呆然とした。 「ねえアポロ」近づいてくる睦月。 「ど、どうしましょう〜」泣きそうな声でアポロ。 「今なら誰がやったかまではばれてないかもしれないよ? 玄霧の視界はソックスで隠されたわけだし」 「え」 0.5秒後。 「逃げましょう、早く!」 「あなたのそういうところ、好きだな」 全速力で姿をくらましたソックスハンター達を捕まえられる者は皆無であった。 後日譚。 そして翌日。 議会終了後、玄霧と如月敦子は二人だけで会議室に残った。そして最後の一人が出て行きぱたんと扉が閉められると、お互いすさまじくさっきだった様子で怒鳴りあった。 「お前この靴下は何だ! 全然とれないじゃないか、しかも臭いっ。どうしてくれるんだ!」 「それはこっちの台詞だこの盗人藩王! 私のへそくりをよくもよくもよくもーっ!」 玄霧藩国は今日も平和である。 [No.272] 2007/01/08(Mon) 18:31:36 |