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ついに彼らは到達した。 のっけからこんな事言われても何のことだと言われるかもしれないが、ここはあえて誤解をそのままに説明を続けることにする。 優しい死神という物がある。玄霧藩国で言えば藩国運営の上層部連中の着るドレスである。元を正せばこの国の上層部陣営、近隣の遺跡で発掘したアイテムにより幻影使いになってしまったり、日夜対立勢力を武力行使で翌日名医のいる病院に送り込んだりこまれたりと、日夜切磋琢磨を続ける人たちである。彼らの血と涙が無くてはこの国は立ちゆかないであろう。 もっとも、上記の理由から名医達には頭が上がらないとの噂があり、以前政庁前にて額に青筋顔に微笑の医師団に厳重注意されているという喜劇が展開されていたことがある。 それはともかくとして、すでに派閥とかなんとか関係無しに腕を磨き始めた彼らは、その動機とは裏腹に強くたくましく格好良く成長を続けていた。医師達の気まずい視線を避けるために気配を隠す術を憶え、夜闇に溶け込むような衣服をまとい「てめえそれは俺たちに対する挑戦か」と怒り始めた忍者と新たに抗争を始め、鳩を使った昔ながらの通信と微音拳銃で武装を整えた。 こうなると誰か一人くらい「あんたらの仕事って何なの?」と聞きたくなるところだが、不思議とそういう素朴な疑問が出てきたことはない。 最早戦ってるんだかなんなんだかよくわからない人たちである。 そんな彼らは今日も今日とて元気に出勤中である。世の中何か間違ってる、とは後世の歴史家による苦鳴混じりの述懐である。 [No.848] 2007/04/28(Sat) 20:59:32 |